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ザクロの身体計測

2025年8月14日
ひとはくに隣接する深田公園には、
いろいろな木が植えられています。


ザクロ(ミソハギ科)の果実が
大きくなってきましたよ。
表面の色が だんだん赤みを
帯びてきました。

画像をクリックすると、写真が
拡大するものがあります。

250807 zakuro no wakai  kajitsu s-IMG_6998copy.jpg











▲大きくなってきたザクロの若い果実
(2025年8月7日撮影)


このザクロの木について身体計測
(様々な部位を測定)をしてみました。

地面から高さ1.3mの高さで幹の直径を
測ります。これを胸高直径(DBH;cm)と
いいます。また幹の高さ(H;m)も
測ります。

このザクロの木は、
幹3本が同じ株から出ていますので、
それぞれ別々(幹の太いものから順に
①、②、③と呼ぶ)に測ります。

それから、それぞれの幹の枝に
ついている若い果実の数も
数えます。

250807 zakuro no kabudachi 3hon s-IMG_7000.jpg











▲ザクロの3本(中央)の幹
(2025年8月7日撮影)



250807 zakuro no DBH s-IMG_6978.jpg










▲幹の太さ(DBH)を測定
している様子
(2025年8月7日撮影)


<測定結果>

 胸高直径  高さ   果実数
 (DBH;cm)(H;m)
 3.5   3.1    12
②  3.0   2.5    1
③  1.5     2.9      3

3つの幹についていた果実の
数の合計は、16個でした
(2025年8月7日時)。

これらの果実の中で、最も
大きかったものの球形部分の
直径は、約6㎝でした。また、
宿存しているガク片の長さ
約2.5㎝でした。


ザクロのその他の特徴として・・・、

本年の枝は、四陵がある(断面が四角っぽい)。

250808 zakuro no honnnenn no eda  s-IMGP0059.jpg









▲今年の枝先(2025年8月8日撮影)



短い枝のことを短枝(たんし)と
いいます。ザクロの短枝は針状と
なります。

250808 zakuro no tannshi ha toge s-IMG_7116.jpg










▲針みたいな短枝(2025年8月8日撮影)


今日は果実が1個も落ちていませんでした
(落ちがありません?)。

果実はだんだん大きく重くなり
枝が曲がって、下方へたれて
きています。

250813 zakuro no wakai kajitu s-IMG_8757.jpg










▲果実の重みで? 枝が
たれてきているザクロ
(2025年8月13日撮影)

ここで一句、

実(みの)るほど
頭(こうべ)をたれる
石榴(ザクロ)かな

作者不明(アレンジ?kodate)


果実が熟するのが楽しみです。

皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。


よかったら、
ザクロについての関連ブログ
(下記)も見てください。

3~1本 たりないよー
2025年8月11日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/08/31/


              研究員 小舘

博物館に展示してある標本は、基本的にはさわることができません。
自然史博物館において、さわることのできる標本があるところはそれほど多くはないのです。

今回のセミナーでは、大阪府立千里高等学校のみなさんに、プラスティックの中に標本を閉じ込めて作成する「封入標本の作り方」のセミナーを受講いただきました。

封入標本は、手に取ってさわることができることで、生き物をより身近に、しっかり観察することができます。

まずは、容器に不飽和ポリエステル樹脂の溶液を半分くらい入れます。
IMG_5180圧.JPG


 

 

 

 





固まるのに時間がかかるので、大セミナー室で、封入標本の必要性、使われる樹脂の種類や、その分子構造、用途など基本的なことを学びました。
そして、実際の標本を見て、作成方法を学びました。

 

IMG_5183.JPG IMG_5185.JPG

 

 

 

 

昼休みを挟んで、封入するものを選びます。
公園で花や虫を取ってきた生徒もいましたね。
ただし、封入には完全に乾燥することが必要なため、シリカゲルに埋めてレンチンで乾燥などの手間が必要です。
今回は、中に入れるものを博物館でいくつかサンプルを準備しました。

固まった一層目の上に、標本となる虫や花、魚を置きます。
樹脂をかけて、標本を固定、そして、3層目、全体が樹脂で覆われるように、かけて仕上げます。
乾くまで時間がかかるので、今日はここまでとなりました。

 

IMG_5194.JPG IMG_5201.JPG

 

 

 

 

 生徒たちの手元に、まもなく世界に一つだけの「封入標本」が届くでしょう。


◎参加した生徒の感想など

・セミナーが楽しかった。

・このような経験はしたことがなかったので、とてもおもしろかった。

・樹脂や研磨の技術など、あらためて日本の技術力の高さ知ることができました。

・ひとはくの展示がすごかった。

・虫が好きなので、実際にたくさんの標本を見ることができてよかった。

 

◎三橋主任研究員より

mitsuhashi_circle.png

一見すると生物の授業のように思えますが、実は化学、物理、美術、社会などと繋がっています。
日本の産業や工業技術のことは、なかなか高校では習わないので、普段の教科学習が実は社会と
繋がっていることに気づいてもらえて良かったです。


(文責 生涯学習課  ※この記事に関するお問い合わせは、生涯学習課までお願いします。)

ひとはくに隣接する深田公園の
緑道沿いには、並木のように
ケヤキ(ニレ科)が
植えられています。

クリックすると、写真が
拡大するものがあります。

s-250812 keyaki no namikimichi IMG_8307.jpg










▲緑道沿いのケヤキの高木
(2025年8月12日撮影)

ケヤキの幹に、この時期、
クマゼミ(セミ科)や
アブラゼミ(セミ科)が
よく止まっています。

それらのセミ類は、口吻
(こうふん:ストローの
ような口)で樹液を
吸っています。

s-250812 aburazemi ga  jyueki wo sutte iru IMG_8602copy.jpg











▲ケヤキの幹に口吻を刺し込んで
樹液を吸っているアブラゼミ


s-250812 kumazemi ga  jyueki wo sutte iru IMG_8578copy.jpg











▲ケヤキの幹に口吻を刺し込んで
樹液を吸っているクマゼミ(♂)


8月12日の昼に、ケヤキの
細い枝に止まっていた
クマゼミを見つけました
(細い枝だったので気に
なりました)。

よく見ると、口吻は枝に
刺さっていません。

樹液を吸っていないのに
そこに留まっていました。

s-250812 kumazemi ga tamago  wo unnde iru IMG_8551copy1.jpgs-250812 kumazemi ga tamago  wo unnde iru IMG_8564.jpg











▲ケヤキの細い枝に
止まっていたクマゼミ



クマゼミが止まっている枝を
(横から)よく見ると、規則正しく
2~3㎜ほどの長さ(幅は約1.5mm)
で樹皮が(複数が並んで)
めくれているようです。

そのめくれた樹皮(一番新しいもの)
の中に、クマゼミの腹の下方部から
でている黒っぽい棒状のものが
刺さっています。

s-250812 kumazemi ga tamago  wo unnde iru IMG_8551copy2.jpg











▲クマゼミの腹の下方部から
でている黒っぽい棒状のもの

どうやら、このクマゼミは、
メスで、産卵をしていた
ようです(黒っぽい棒状の
ものが産卵管)。
ケヤキの細い枝の樹皮を
産卵管でめくって卵を
産みつけるているのです。

クマゼミが産卵した枝の
太さや、産卵箇所の数などを
測定してみました(ちなみに、
このケヤキの枝は、枯れて
いました)。

s-250812 kumazemi ga tamago wo unnda keyaki no shinda eda (5 mm)IMGP0092copy.jpg











▲クマゼミが産卵した
ケヤキの枯れた細い枝
(ものさしの1目盛りが0.1㎝)

太さ(直径)は 約 0.5cmでした。

産卵箇所(樹皮がめくれている
ところ)は、(真正面から見ると)
規則正しくほぼ二列に?
並んでいます。

つまり、(二列になるように?)
順番に(左右に)ずらしながら
産卵しているように見えます。

連続して産卵している箇所の
範囲(枝の長さ)と、
その範囲内の産卵箇所数も
調べてみました。

s-250812  kumazemi ga sannrann sita keyaki no kareta eda   IMGP0097copy.jpg











▲クマゼミが産卵管を刺していた
跡(二列に並んだ?複数の産卵箇所)

上記の写真では、
枝の長さが約 3㎝の範囲に、
産卵箇所が 9つありました。

また、同じ枝の少し離れた
ところでは、枝の長さが
約 2㎝の範囲に産卵箇所が
6つ ありました(同じ個体が
産卵したもの)。

クマゼミが産卵している
ところを運よく見ること
ができました。


皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。


よかったら、関連ブログ
(下記)も見てください。

マルマルアナアナ
2025年8月10日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/08/post_3309/

ミンミンアリアリ
2025年8月 8日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/08/post_3308/

綱渡りしているの、だぁ~れだ
2025年7月21日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/07/post_3302/




              研究員 小舘

3~1本 たりないよー

2025年8月11日
ひとはくに隣接する深田公園には、
いろいろな木が植えられています。


ザクロ(ミソハギ科)の花は、
6月に入ってから咲きはじめました。

画像をクリックすると、写真が
拡大するものがあります。

s-250608 zakuro no ha ga saite iru IMG_9766.jpg










▲花が咲いているザクロ
(2025年6月8日撮影)


その中で、ザクロの花のガクが
地面にいくつか落ちていました。

よく観察すると、ガク片の先の
部分が 分かれているのですが、
5つ、6つ、7つ など
いろいろなもの が ありました。

250618 zakurono hana ga ochiteiru s-IMGP9457.jpg









▲コンクリート上に落ちている
ザクロの花のガク部分や花ビラ
 (2025年6月8日撮影)


植物図鑑では「ガクは筒状で
上部は6裂」(ガク片は6つ)
と書かれています。


250620 zakuro no hana no hanabira ga ochita gaku s-IMGP0018.jpg










▲花ビラが落ちたザクロの花
 (2025年6月20日撮影)

確かにガクの先の方が6つに
分かれているものが多いの
ですが、中には、違うものも
見られました。

s-250612 zakuro no gaku no saki ga 5tsu, 6tsu, 7tsu ga aru IMGP9273.jpg








▲落ちたガク(ガク片の数が、
左から5つ、6つ、7つ)
(2025年6月12日撮影)


落ちたガク筒の先のガク片の数が
それぞれどれくらいの割合か
数えてみることにしました。

期間は、2025年6月の
17日から22日までの
6日間です。

対象は、深田公園に植えてある
ザクロの木(1個体)から
落ちている花(ガク部分)です。

拾ったガクは、計 115ケで、
1日ごとに拾った(落ちていた)
数は、1日あたり7ケ~33ケ
(平均 19ケ/1日)でした。


それぞれの花のガク片の数を
集計すると・・・

s-ザクロの落ちたガクのガク片数2025.jpg










▲落ちたガクによる、
それぞれのガク片の
数の割合


図鑑に書かれているように、
6つのガク片のものが 86%
最も多い多い割合でした。
つづいて、
7つのガク片のものが 8%
そのつぎが、
5つのガク片のもので 4%
最も少ない割合は
8つのガク片のもので 2% でした。


その後も若い果実が落ちてきましたが、
7月のものは、球形部分が膨らんで、
その形は「タコタコぼうず」?です。

s-250718 zakuro no wakai kajitsu IMGP0025copy.jpg











▲タコ類の形に似ている?
ザクロの若い果実
(2025年7月18日撮影)

海にいるマダコ(マダコ科)などの
タコ類の形に似ているとして、
タコ類の脚(本物のタコ類は腕)
の数が8本だとすると、3本~1本
足りないものが 98%ということに
なりますね~。



皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。


よかったら、
ザクロ(タコタコぼうず?)
についての関連ブログ(下記)も
見てください。

タコタコぼうず?タコぼうず?
2024年7月17日
https://www.hitohaku.jp/blog/2024/07/post_3117/





              研究員 小舘

マルマルアナアナ

2025年8月10日
ひとはくに隣接する深田公園の
緑道沿いには、ケヤキ(ニレ科)
が多く植えられています。

夏には、それらのケヤキの
幹や枝、葉などに、
たくさんのセミ類の抜け殻が
見られます(もちろん、他の
種類の植物にも 抜け殻は
あります)。

画像をクリックすると、写真が
拡大するものがあります。

250808 keyaki no miki ni aru semi no nukegara s-IMG_7465.jpg250808 semi no nukegara ga keyaki no miki ni s-IMG_7069copy.jpg










▲ケヤキの幹や枝などにある
セミ類の抜け殻(2025年8月8日撮影)


あるケヤキの高木の根元に
いくつもの丸い穴が
開いていました。

ちなみに、このケヤキの高木は、
高さが約14m、地表から高さ1.3mの
幹直径(胸高直径(DBH)という)
が 47.1cmです。推定樹齢50~60年。


s-250808 keyaki no chikaku no semi no youcyuu ga chihou ni deta ana IMG_7064 copy.jpg











▲地表に開いた丸い穴
(2025年8月8日撮影)

それらの穴は、セミ類の幼虫が
土壌中から地表にでてくるときに
開けた穴のようです。

丸い穴の直径は、約 2㎝です。

このケヤキの高木の幹には、
毎年この時期に、たくさんの
セミ類の抜け殻が見られます。

また、その木の根元には、
たくさんの丸い穴が
見られます。

7月の上旬から、この高木の
ケヤキをときどき
観察していると・・・、

7月16日は、まだ地表の丸い穴は
見つけられず、幹にもセミ類の
抜け殻は見当たりませんでした。

s-250716 keyaki no kouboku no miki IMG_4224.jpgs-250716 keyaki no kouboku no sita IMG_4222 copy.jpg










▲高木のケヤキの幹と、幹近くの地表
(2025年7月16日撮影)


7月17日は雨が降りました
(三田市の日降水量52.5mm)。


その次の日の7月18日は、幹に
セミ類の抜け殻が 少なくとも 3ケ、
幹の近くの地表には 丸い穴が
少なくとも 3ケありました。

s-250718 keyaki no kouboku no sita IMG_4312 copy.jpgs-250718 keyaki no kouboku no sita no jimenn ni ana IMG_4321 copy.jpg










▲高木のケヤキの幹と、幹近くの地表
(2025年7月18日撮影)

さらに、7月20日には、幹に
セミ類の抜け殻が 7ケ以上、
幹の近くの地表には丸い穴が
7ケ以上ありました。

s-250720 keyaki no kouboku no miki ni semirui no nukegara IMG_4645 copy.jpgs-250720 keyaki no kouboku no shita no jimen IMG_4651 copy.jpg










▲高木のケヤキの幹と、幹近くの地表
(2025年7月20日撮影)

7月17日から8月6日まで 雨は降らず、
8月7日にようやく?
三田市で降雨(日降水量43.5mm)
がありました。

8月8日に、1m×1mの範囲で、
どれくらいの数の丸い穴が
開いているのか調べてみました。

調べる前に、落ち葉や太い落ち枝
などはできるだけ除きました。

s-250808 keyaki no chikaku no semi no youcyuu ga chihou ni deta ana s-IMG_7538.jpg









▲ケヤキの高木の近くで地表の
丸い穴を調べた1m×1mの枠

1m×1mの範囲で見られた
セミ類の幼虫が土壌中から
地表に出てきた丸い穴
(マルマルアナアナ)が
28 ケありました。

これって、多いのかな?
少ないのかな?



さて、山中式土壌硬度計
という土壌の硬さを調べる
装置で、地表から4㎝までの
硬さ(指標硬度;mm)を
調べてみました。


250808 yamanakasiki dojyoukoudokei s-IMG_7627.jpg










▲土壌の硬さ(指標硬度)を
測るための山中式土壌硬度計
(写真右側)

穴が少ない場所の指標硬度(mm)は、
最小から最大の値が、17~20mm、
10回の測定の平均値が 18.4mm

穴が多い場所の指標硬度(mm)は、
最小から最大の値が、13~17mm、
10回の測定の平均値が 14.9mm

この指標硬度の値が大きい方が
土壌がより硬いということ
になります。

セミ類の幼虫が土壌中から
地表に出てきた丸い穴が
少ないところの方が、
より硬いようです。

また周辺の森林土壌の表層の
指標硬度の値(15mm以下)と
比べると「穴が少ない場所」の
値はやや高い(土壌が硬い)
です。

皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。


よかったら、関連ブログ
(下記)も見てください。

ミンミンアリアリ
2025年8月 8日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/08/post_3308/

綱渡りしているの、だぁ~れだ
2025年7月21日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/07/post_3302/




              研究員 小舘
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