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3F奥準備中.jpg今回のブログのため、画像を整理していたら、
展示前の3月17日の準備の様子がありました。
右側の壁が(3)で紹介したもので、ウラジロウツギなどのところです。
キヨスミウツボの位置の微調整をしています。

右奥にパネルがあります。ここも今回の展示に使っています。






3F奥 パネル5枚X2.jpgそのパネル周辺の5月6日の様子です。
5枚の両面パネルが2セットとあって、
両面で、20枚の植物画を展示しています。


人がいなくて、暗い博物館はさみしげです。。






このうち最初の10枚の紹介をします。
左が通路側の面です。右は反対面です。

左写真手前では出品者などから提供の書籍が閲覧できます。展示ケースには関連書籍があります。

5枚Aセットおもて.jpg5枚Aセットうら.jpg











26 ヤマホオズキ.jpg○ヤマホオズキ (ナス科)
Archiphysalis chamaesarachoides (Makino) Kuang
貴島せい子 作 神戸市西区

茎は軟弱で、他の植物に寄りかかって伸びていく。寿命の短い多年草で、同じ場所に永年は育たない。生育地の定まらない絶滅危惧種である。

神戸市立森林植物園所蔵











27 オオヒキヨモモギ.jpg○オオヒキヨモギ (ハマウツボ科)
Siphonostegia laeta S.Moore.
肥田陽子 作 神戸市西区

岩山や崖地に生育する多年草。国のレッドリストには絶滅危惧種に指定されているが、兵庫県内では幾つもの生育地が知られ、レッドデータブックには載っていない。

神戸市立森林植物園所蔵









28 レンゲツツジ.jpg○レンゲツツジ (ツツジ科)
Rhododendron molle (Blume) G. Don
subsp. japonicum (A.Gray) K.Kron

角田葉子 作 群馬県片品村

山地の草原に自生する低木。新葉の展開とともに、朱色の花が枝先に数個かたまって咲く。初夏の高原を彩る花として知られている。











29 イヌゴマ.jpg○イヌゴマ (シソ科)
Stachys aspera Michx. var. hispidula (Regel) Vorosch.
浅野ひさよ 作 長野県原村

湿地に生育し、茎や葉に逆刺があり、全体にざらつく。分果が護摩の種子に似ているが、役に立たないのでイヌゴマと呼ばれる。












30 ミヤマウズラ.jpg○ミヤマウズラ (ラン科)
Goodyera schlechtendaliana Rchb.f.
浅野ひさよ 作 長野県安曇野市

葉は常緑で網目状の白斑が入り、ウズラの羽根の模様に例えられた。里山から深山の林床に生え、15cm位の茎に小さな白っぽい花を螺旋状につける。






31 キリ.jpg○キリ (キリ科)
Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud.
大見千代子 作 山梨県甲府市

桐材は軽く、狂いが少ない等により家具、下駄など用途が広い。葉は大きく、落葉する際の様子が印象的で、秋到来を感じさせる植物としても知られる。











32 ハルノノゲシ.jpg○ハルノノゲシ (キク科)
Sonchus oleraceus L.
平井照子 作 兵庫県芦屋市

日本各地の道端や畑に自生する。葉型がケシに似て、野芥子である。アキノノゲシに対し、ハルノノゲシと呼ぶ人が出てきたが、花は春から秋まで見られる。












33 春の野草8種.jpg○春の野草8種 

肥田陽子 作 兵庫県芦屋市など

(上)ツタバウンラン、カタバミ
(中)シロツメクサ、セイヨウタンポポ、   
カラスノエンドウ
(下)ホトケノザ、キウリグサ、
オオイヌノフグリ









34 クマノミズキ.jpg○クマノミズキ (ミズキ科)
Swida macrophylla (Wall.) Soják.
貴島せい子 作 神戸市立森林植物園

葉は対生に着き、互生に着くミズキと良い識別点である。果実は黒くて目立たないが、秋には花序の枝が赤くなり、鳥たちの目に付きやすくなる。












35 エノコログサ.jpg○エノコログサ (イネ科)
Setaria viridis (L.) P.Beauv
肥田陽子 作 兵庫県芦屋市

ブラシのような長い穂が風情のある夏草。道路端や空き地などやや乾いた草地を好む。猫じゃらしの俗称があるが、これにじゃれついてくるのは子猫だけである。









(鈴木武)



BA21.jpg (2)のブロクの奥の10枚です。標本などもあります。











BA22.jpg○ウラジロマタタビ (マタタビ科)
Actinidia arguta (Sieb. et Zucc.) Planch. ex Miq.
var. hypoleuca (Nakai) Kitam.
田地川和子 作 神戸市北区(栽培)

サルナシの変種で、葉は楕円形で裏が白っぽい。六甲山では林縁によく見かける蔓植物。果実は秋に熟し、食べられる。つる性の茎はかずら橋の材料とされる。







BA23.jpg○キヨスミウツボ (ハマウツボ科)
Phacellanthus tubiflorus Sieb. et Zucc
田地川和子 作 神戸市西区(栽培)

葉緑素を持たず、アジサイやウラジロマタタビなどの根に寄生する。開花の時だけ地上に現れ、梅雨の間に開花し、夏に果実が熟す。果実は液果でネズミ等が種子散布をする。

神戸市立森林植物園所蔵







BA24.jpg○サガミランモドキ (ラン科)
Cymbidium aberrans (Finet) Schltr.
本田尚子 作 茨城県守谷市

サガミラン(マヤランの別名)の白花品として名付けられた。近年マヤランとは別種とされ、種名としてサガミランモドキが使われることになった。

ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵









BA25.jpg○マヤラン (ラン科)
Cymbidium macrorhizon Lindl.
田地川和子 作 兵庫県三木市

明治12(1879)年摂津摩耶山で取られた標本に基づき名付けられた。兵庫県では100年以上見つかっていなかったが、1991年上郡町で見つかり、それ以後点々と見つかっている。











[鈴木付記]
本展示の準備をしていた2019年夏に三木自然愛好研究会から市内にマヤランが開花しているとの連絡があった。地上は花と花茎しかない従属栄養植物のため希少であるが、多くの花茎があったたため、GREEN GRASSとも相談して植物画とするともに、使った植物は標本としました。左は現地の開花、中はそのときの標本で展示しています。
右は当館所蔵のマヤランのレプリカ模型で併せて展示しています。

BA26.jpgBA27.jpgBA28.jpg

















BA29.jpg○キンギンボク (スイカズラ科)
Lonicera morrowii A.Gray
丸山きみよ 作 兵庫県香美町

花は咲き始めは白色をしているが、次第に黄色くなる。1本の木に黄花と白花が混じって咲いているように見える。









BA30.jpg○ヤナギラン (アカバナ科)
Chamerion angustifolium (L.) Holub
浅野ひさよ 作 長野県富士見町

亜高山帯の沢沿など撹乱地に生育し、北半球の寒地に広く分布。赤桃色の花を花序の下から順に咲き上がり、花期は長くよく目立つ。














BA31.jpg○ヘクソカズラ (アカネ科)
Paederia scandens (Lour.) Merr.
肥田陽子 作 兵庫県芦屋市

生葉が悪臭を放つことから屁糞葛と名付けられた。サオトメカズラ(早乙女葛)やヤイトバナ(灸花)の別名がある。果実の沢山付いた蔓はクリスマスリースの飾りに使われる。









キンギンボク、ヤナギラン、ヘクソカズラの標本も展示しています。


20a キンギンボク標本.jpg21a ヤナギラン標本.jpg22a ヘクソカズラ標本.jpg













23 オオウバユリ.jpg○オオウバユリ (ユリ科)
Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino
var. glehnii (F.Schmidt) H.Hara

福澤レイ 作 札幌市

ウバユリの変種でより大型で、花数が多い。中部以北の本州~樺太・千島に分布する。花盛りの頃には葉が枯れているので、歯の無い姥に例えて名付けられた。













24 ハマボウ.jpg○ハマボウ (アオイ科)
Hibiscus hamabo Sieb. et Zucc.
田地川和子 作 兵庫県洲本市

生育地は海浜ではなく、汽水域でマングローブ状または半マングローブ状を示す低木。洲本市成ヶ島には大群落が見られる。夏にフヨウに似た黄色い一日花を咲かす。







25 シモクレン.jpg○シモクレン (モクレン科)
Magnolia liliiflora Desr.
鎌滝由美 作 千葉市(植栽)

中国原産の中低木。早春、葉の展開前に濃赤紫色の花をつけ、庭木や公園樹として植栽される。白木蓮に対し紫木蓮と呼ばれるが、元々木蓮といえば紫木蓮を示す。




(鈴木武)

植物画展「美しき日本の野山の植物」の出品作品の紹介を続けます。

BA09.jpg(1)の場所から少し進んだ左側です
常設展示の裏側の壁面なのですが、絵画展や写真展には使いやすい場所です。11枚+10枚が並んでいます。








BA10.jpg○ホオノキ (モクレン科)
Magnolia obovata Thunb.
古川洋子 作 神戸市立森林植物園

花は枝の先で真上に向かって咲き、花弁とがく片の区別がない.葉には芳香があり、食材を包んだり、お皿として使われる。





BA11.jpg○フナコシイノデ (オシダ科)

Polystichum X inadae Sa.Kurata
小西恵美子 作 兵庫県佐用町

イノデとサカゲイノデの雑種。1954年に稲田又男が船越山で発見した。
兵庫県立人と自然の博物館 所蔵

船越山はシダの名産地として知られていたが、近年はシカの食害がひどく、フナコシイノデはほとんど見られない。ただし、日本海側の但馬地域などではときおり見かける[鈴木]





BA12.jpg○オニユリ (ユリ科)
Lilium lancifolium Thunb.
田地川和子 作 兵庫県姫路市

夏の暑い盛りに赤い花を下向きに咲かす。花びらは反り返り濃褐色の斑点がある。種子は作らず、葉の付け根にできたムカゴで増える。











BA13.jpg○レンゲショウマ (キンポウゲ科)
Anemonopsis macrophylla Sieb. et Zucc.
小林英成 作 長野県小諸市

東北地方~近畿地方の太平洋側の温帯域に分布する日本固有種。葉はサラシナショウマに似て、花はハスの花を連想させる。各地で絶滅危惧植物に指定されている。













BA14.jpg○ハマオモト[ハマユウ] (ヒガンバナ科)
Crinum asiaticum L.
犬島裕子 作 福岡県芦屋町

葉は肉厚で光沢があり、夏に白い花を咲かす。暖地の海岸に自生し、庭や公園に植えられる。種子は海流によって運ばれる海流散布をする。













BA15.jpg○ガマ (ガマ科)
Typha latifolia L.
西山敦子 作 東京都稲城市

浅い池に生育。雌雄異花。稔った雌花序には綿毛がついた果実が詰まっている。皮を剥がれた白兎はこの綿毛にくるまって、夏毛の兎になりましたとさ。











BA16.jpg○マテバシイ (ブナ科)
Lithocarpus edulis (Makino) Nakaiav
田地川和子 作 神戸市立森林植物園

良い形のドングリがなる等から公園や庭園に植栽される。ドングリは皮が硬いので、ヤジロベイ作りなどには適さないが、タンニンが少なく、食べられる。













BA17.jpg○シラネアオイ (キンポウゲ科)
Glaucidium palmatum Siebold et Zucc.
早川尚 作 札幌市北海道大学植物園

本州中部から北海道の日本海側の深山に生育する。1属1種の日本固有種。カエデに似た葉と4枚の花びらよりなる大きな花は人気のある高山植物。













BA18.jpg○オオフユイチゴ (バラ科)
Paederia scandens (Lour.) Merr.
小西美恵子 作 兵庫県南あわじ市

暖地の林縁に生育する。ホウロクイチゴとフユイチゴの中間型で茎に長いトゲと長い白毛があり、葉はやや大型で裏の密着毛は少ない。秋に開花し、冬に実が熟す。

兵庫県立人と自然の博物館所蔵










BA19.jpg○トキワイカリソウ (メギ科)
Epimedium sempervirens Nakai ex F.Maek.
貴島せい子 作 兵庫県香美町

花弁の距の形から和船の碇を連想し碇草と呼ばれる。本州の日本海側に分布するが、兵庫県では六甲山地にも生育する。











BA20.jpg○マヤクサイチゴ (バラ科)
Rubus hirsutus Thunb.
f. obtusifoliolus Naruh. et M. Hashim.
小西美恵子 作 兵庫県神戸市

小葉の先が丸い品種。神戸市摩耶山の麓で1951年に見つけられていたが、正式に学名が発表されたのは2008年。原産地の1箇所しか知られていない。

兵庫県立人と自然の博物館所蔵






(鈴木 武)

ひとはくの臨時休館も5/31まで続くことになりました。

ひとはく連携活動グループ「GREEN GRASS」との共催で、
3/20(金祝)から植物画展「美しき日本の野山の植物」を行なっていますが、
3/20と21午前のみの1日半しかお見せできていません。

「GREEN GRASS」と全国の出品者のみなさんから了解がとれましたので、
やや解像度は低いですが、順次、このブロクでアップします。

45作品もありますので何回かにわけての投稿します。

BA01.jpg











3階入口付近です。まっすぐな通路の壁と右奥にあるパネルに展示しています。
最近は昼白色LEDが入手しやすくなりました。白色光の方が色がわかりやすいです。

BA02.jpg










入ってすぐ右側の展示です。ショーケースには植物標本が入っています。

以下、植物画とラベルの内容[タイトル・作者・解説)で示します。

解説は、ほどんどが黒崎史平氏(頌栄短大名誉教授)によります。

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BA03.jpg○タンポポ3種 Taraxacum spp.(キク科)
田地川和子 Kazuko Tajikawa

(center) カンサイタンポポ T. japonicum 神戸市北区
(right) セイヨウタンポポ T. officinale 姫路市
(left) シロバナタンポポ T. albidum 姫路市

カンサイは西日本を代表する在来種。シロバナは日本海側などに多い。このセイヨウは総苞外片の反り返りが弱く、雑種かもしれない。
兵庫県立人と自然の博物館所蔵











BA04.jpg○ミツバアケビ(アケビ科)
Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz.
貴島せい子 Seiko Kijima 作 神戸市北区

アケビ同様に秋の味覚として親しまれている蔓植物。どちらかというとアケビより美味しい。果実が熟すと、果皮が裂開してゼリー状の胎座が現れる。この胎座を食べるが、果皮も山菜料理に使う。










BA06.jpg○ハウチワカエデ(ムクロジ科)
Acer japonicum Thunb.

小西恵美子 Mieko Konishi 作 
神戸市立森林植物園

葉の形が天狗の羽団扇に似ている。日当たりによって赤や黄色に紅葉し、そのグラデーションが美しい。













BA07.jpg○ソメイヨシノ(バラ科)
Cerasus x yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki
肥田陽子 Yoko Hida 作 兵庫県芦屋市

エドヒガンとオオシマザクラの雑種由来の園芸品種。江戸末期に江戸の染井村から吉野桜として販売された。明治以降全国的に植栽され、花見と言えばソメイヨシノとなった。













ひとはく所蔵のミツバアケビとハウチワカエデの標本も展示しています。

ミツバアケビ 標本             ハウチワカデ 標本
Akebia trifoliata            Acer japonicum
BA05.jpgBA08.jpg






















(鈴木武)
現在、公園や歩道沿いの植え込みで、ヒラドツツジの花を多く見かけます。



hiradotsutsuji no uekomi 200502 s-IMGP9815.jpg













▲ヒラドツツジの植え込み



前のブログ「ヒラドツツジの花をよく見ると、花びらが・・・」では、
「花びら」の色や模様に着目しましたが、その続きとして、


花の中心部から伸びている、しっかりした糸のような「めしべ」や「おしべ」に
注目してみて、よ~く見てみると・・・

<<観察ポイント>>(前のブログ「ヒラドツツジの花をよく見ると、花びらが...」のつづきとして)
☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆

  開いた花を見て、その花の中心部には、しっかりした長い糸のような「めしべ」と
  「おしべ」があります。
  ③もっとも長いもの(先端の特徴が他のものと違います)が
   「めしべ」だと思われますが、どれか分かりますか?


  ④1つの花に「おしべ」は 何本ありますか?

  「おしべ」の先(葯(やく))に穴が開いています。
  ⑤「おしべ」1本に付き いくつ穴が開いていますか?

☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆


下のヒラドツツジの赤っぽい花の写真を、「めしべ」が上向きか下向きかに着目して、
見てください(ちなみに、同じ個体の花ではありません)。


hiradotsutsuji no hana (aka) meshibe ga sita 200422 s-IMGP8924copy.jpghiradotutuji no hana 200502 s-IMGP9783copy.jpg














▲ヒラドツツジの赤っぽい花



どうも、咲いてからの時間の長さによって、「めしべ」の向き(上向きか、下向きか)が違うようです。









さて、ヒラドツツジの花をたくさん見ていると、中心部の「おしべ」を見て、
おやッ?!!と思う花をみつけることがあります。





< おやッ?!!と思うヒラドツツジの花 >

hiradotsutsuji no hana (siro) 200424 s-IMGP9081copy.jpghiradotsutsuji no hana (shiro) oshibe ga hanabira ni  200427 s-IMGP9280copy.jpg
















これらの おやッ?!!と思うヒラドツツジの花は、「おしべ」の先が、
「花びら」のように平たくなっているものです。


hiradotsutsuji no hana (shiro) 200425 s-IMGP9105copy.jpg2














▲先の方が平たくなっているヒラドツツジの花の「おしべ」



「おしべ」が「花びら」に変わろうとしている?!!




機会があれば、このようなヒラドツツジの花 を探して観察してみてください。



                                        研究員 小舘 誓治
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