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マルマルアナアナ

2025年8月10日
ひとはくに隣接する深田公園の
緑道沿いには、ケヤキ(ニレ科)
が多く植えられています。

夏には、それらのケヤキの
幹や枝、葉などに、
たくさんのセミ類の抜け殻が
見られます(もちろん、他の
種類の植物にも 抜け殻は
あります)。

画像をクリックすると、写真が
拡大するものがあります。

250808 keyaki no miki ni aru semi no nukegara s-IMG_7465.jpg250808 semi no nukegara ga keyaki no miki ni s-IMG_7069copy.jpg










▲ケヤキの幹や枝などにある
セミ類の抜け殻(2025年8月8日撮影)


あるケヤキの高木の根元に
いくつもの丸い穴が
開いていました。

ちなみに、このケヤキの高木は、
高さが約14m、地表から高さ1.3mの
幹直径(胸高直径(DBH)という)
が 47.1cmです。推定樹齢50~60年。


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▲地表に開いた丸い穴
(2025年8月8日撮影)

それらの穴は、セミ類の幼虫が
土壌中から地表にでてくるときに
開けた穴のようです。

丸い穴の直径は、約 2㎝です。

このケヤキの高木の幹には、
毎年この時期に、たくさんの
セミ類の抜け殻が見られます。

また、その木の根元には、
たくさんの丸い穴が
見られます。

7月の上旬から、この高木の
ケヤキをときどき
観察していると・・・、

7月16日は、まだ地表の丸い穴は
見つけられず、幹にもセミ類の
抜け殻は見当たりませんでした。

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▲高木のケヤキの幹と、幹近くの地表
(2025年7月16日撮影)


7月17日は雨が降りました
(三田市の日降水量52.5mm)。


その次の日の7月18日は、幹に
セミ類の抜け殻が 少なくとも 3ケ、
幹の近くの地表には 丸い穴が
少なくとも 3ケありました。

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▲高木のケヤキの幹と、幹近くの地表
(2025年7月18日撮影)

さらに、7月20日には、幹に
セミ類の抜け殻が 7ケ以上、
幹の近くの地表には丸い穴が
7ケ以上ありました。

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▲高木のケヤキの幹と、幹近くの地表
(2025年7月20日撮影)

7月17日から8月6日まで 雨は降らず、
8月7日にようやく?
三田市で降雨(日降水量43.5mm)
がありました。

8月8日に、1m×1mの範囲で、
どれくらいの数の丸い穴が
開いているのか調べてみました。

調べる前に、落ち葉や太い落ち枝
などはできるだけ除きました。

s-250808 keyaki no chikaku no semi no youcyuu ga chihou ni deta ana s-IMG_7538.jpg









▲ケヤキの高木の近くで地表の
丸い穴を調べた1m×1mの枠

1m×1mの範囲で見られた
セミ類の幼虫が土壌中から
地表に出てきた丸い穴
(マルマルアナアナ)が
28 ケありました。

これって、多いのかな?
少ないのかな?



さて、山中式土壌硬度計
という土壌の硬さを調べる
装置で、地表から4㎝までの
硬さ(指標硬度;mm)を
調べてみました。


250808 yamanakasiki dojyoukoudokei s-IMG_7627.jpg










▲土壌の硬さ(指標硬度)を
測るための山中式土壌硬度計
(写真右側)

穴が少ない場所の指標硬度(mm)は、
最小から最大の値が、17~20mm、
10回の測定の平均値が 18.4mm

穴が多い場所の指標硬度(mm)は、
最小から最大の値が、13~17mm、
10回の測定の平均値が 14.9mm

この指標硬度の値が大きい方が
土壌がより硬いということ
になります。

セミ類の幼虫が土壌中から
地表に出てきた丸い穴が
少ないところの方が、
より硬いようです。

また周辺の森林土壌の表層の
指標硬度の値(15mm以下)と
比べると「穴が少ない場所」の
値はやや高い(土壌が硬い)
です。

皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。


よかったら、関連ブログ
(下記)も見てください。

ミンミンアリアリ
2025年8月 8日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/08/post_3308/

綱渡りしているの、だぁ~れだ
2025年7月21日
https://www.hitohaku.jp/blog/2025/07/post_3302/




              研究員 小舘
本日8月10日(日)も昨日に引続き、フロアスタッフとあそぼう「ひとはくクイズ大会」を開催しました。
あいにくの雨ふりでしたが、ひとはくにはたくさんのお客様が来てくださいました♪

フロアスタッフとあそぼう「ひとはくクイズ大会」は博物館の展示物の一部を映し出し、
何かをあててもらうクイズ!
「これなぁに?」さて、みんなわかるかな?

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今日もクイズ大会は大盛り上がり!正解した後の子供たちの「イェーイ!」という声に我々スタッフも楽しくなっちゃいました(^^)
おまけ問題も含めて全12問!全問正解したお友達もいました!

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皆さん、楽しんでくれましたか?たくさんのご参加ありがとうございました。
夏休み後半もたくさんのご来館をお待ちしています。

フロアスタッフ一同
いよいよお盆のシーズンが始まりました。
本日8月9日(土)と明日10日(日)のフロアスタッフとあそぼうはお待ちかね「ひとはくクイズ大会」

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今回はひとはくの標本を大きく画面に映し出して「これなぁに?」の掛け声で答える三択問題です。

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みなさんすごい集中力で画面に見入っています!!
正解の発表ごとに歓声があがる、大白熱の会場となりました。

明日もこの楽しひとはくクイズ大会、開催します。(クリック!)

あわせて、本日より4階ひとはくサロンでは、お盆企画「甲虫あつまれ★」が始まりました。

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ぬりえで自分のオリジナル甲虫を描いて、ひとはくサロンを甲虫でいっぱいにしよう!

みなさまのお越しをお待ちしています。

フロアスタッフ一同

 
 
 



(前号からの続き)

4 迫力ある大型展示

AMNH
のもう一つの魅力は、大型模型や骨格標本によるスケール感のある展示です。  
エントランスホールでは首長竜と肉食恐竜の骨格が来館者を迎え、海洋生物展示室には実物大のシロナガスクジラ模型が天井から吊り下げられています。  
これらは単なる"目を引く展示"にとどまらず、スケール感を通じて生物の生態や生きていた環境への理解を促します。

全体としてジオラマ展示がかなり多く、生態や行動、化石生物なら生前の姿など、来館者が観察する余地のある展示が魅力的であった。



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写真8**:エントランスホールの恐竜骨格。
来館者の視線を一瞬で引き込む博物館の顔。 




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写真9**:シロナガスクジラの実物大模型。
圧倒的な大きさが、海洋のスケールを体感させる。
これを室内に置けてしまう建物の規模がアメリカン。



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写真10**:異型巻きアンモナイトのジオラマ。
個人的にぐっと来たジオラマの一つ。




5 博物館を「知の構造から楽しむ」



今回の訪問で強く感じたのは、「展示は情報の提供だけでなく、知の構造そのものを体験させることができる」ということです。
 
AMNH
の展示は、標本の背後にある分類体系、収集史、社会的文脈といった多層的な要素を空間に組み込み、来館者がその中を歩くことで"考えながら学ぶ"体験を生み出していました。

ひとはくを含め、博物館には膨大な標本と、それを整理するための分類や保存の体系があります。
次に博物館を訪れるときには、展示の背後にある「なぜこの並びなのか」「どんな物語が隠れているのか」という視点で見てみると、新しい発見や気づきがきっと生まれるはずです。  

ぜひ、自分だけの「展示の読み解き方」を探してみてください。



(文責)大崎遥花研究員
 ※この記事に関するお問い合わせは、生涯学習課までお知らせください。


アメリカ自然史博物館を訪れて  〜展示空間に組み込まれた知の構造〜

今年度着任した研究員の大崎です。
私はひとはくに来る前、2023年から約2年間、アメリカで研究をおこなっていました。
今回ご紹介するニューヨークの**アメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History, AMNH)訪問は、
2025年6月に行ったものです。

ここでは博物館学的視点から、この世界屈指の博物館で得た刺激についてお伝えします。
アメリカでの研究活動の様子は別の記事で改めて紹介したいと思っていますのでお楽しみに。

1 空間化された分類体系

特に印象的だったのは、「生物多様性」展示室です。
貝類、昆虫、鳥類、爬虫類など、多岐にわたる分類群の標本が、壁一面に系統分類に沿って立体的に配置されていました。
これは単なる収蔵品の羅列ではなく、「収集活動と分類体系という"知の枠組み"そのものを可視化する試み」といえます。
このアプローチは、ひとはくの「コレクショナリウム」とも共鳴します。
実際、コレクショナリウムの展示は、このアメリカ自然史博物館の展示を参考にして作られたそうです。
AMNHの展示は、分類体系や収蔵物の並びそのものが一種の物語を形成する好例であり、標本展示の可能性を感じました。



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写真1:分類体系に沿って壁一面に並ぶ無脊椎動物と脊椎動物の標本



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写真2:鳥類・哺乳類の多様性を立体的に示す展示。
分類群間の距離感や関係性が一望できる構成。




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写真3:植物や小さな無脊椎動物も精密な模型が展示されている。




2 社会的文脈を組み込んだ自然史展示

AMNHの特徴のひとつは、自然史展示に社会的・歴史的視点を組み込んでいる点です。
たとえば「植民地時代のニューヨーク」のジオラマでは、展示横に「この場面には誰が"いない"のか?」という問いが掲げられ、展示の背景にある歴史的文脈や権力構造に光を当てています。
これは自然史展示が"自然"だけでなく、"人間社会が自然をどう見てきたか"をも対象にできることを示す好例です。



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写真4:歴史的ジオラマと解説パネル。
「誰がいないのか?」という問いが、来館者に批判的視点を促す。



3  昆虫と行動展示の充実

私はゴキブリの行動を研究しています。
ワクワクしながら昆虫ゾーンに向かうと、昆虫に関する展示も充実しており、行動生態や社会性を来館者が直感的に理解できる構成になっていました。
生きたハキリアリの巣をガラス越しに観察できる展示は、巣内構造や採餌行動がリアルタイムで見られ、特に教育的効果が高いと感じました。
また、ゴキブリや多様な節足動物を紹介する生体展示もあり、動物園的要素と博物館的要素を融合させる手法として参考になりました。
いつか私のゴキブリもひとはくに展示したいですね。



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写真5:ハキリアリの巣。切り取った葉を運び入れ、巣内でキノコ栽培を行う様子が観察できる。




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写真6:生きたゴキブリ展示。
生態や分布に関する簡潔な解説とあわせて展示されている。



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写真7:ゴキブリのアップ。
こちらはドミノローチ Therea olegrandjeani 。
来館者がじっくり観察できる距離で展示されている。

(次号へ続く)

(文責) 大崎遥花研究員
(この記事に関するお問い合わせは、生涯学習課までお願いします。)








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