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2014年10月アーカイブ

10月30日(木)、芦屋市立打出浜小学校3年生95名の皆さんが来館!
和田研究員による特注セミナー『海辺の生きもの』を受講しました。

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打出浜小学校には、今年の夏から、三橋・和田両研究員が訪問し、海の生きもの観察などの指導にたずさわってきており、
秋には、隣接の打出浜で「ケフサイソガニ」「タカノケフサイソガニ」などを採集し、標本にするため博物館であずかっていました。
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今日は、セミナーの終わりに、アクリル標本となった自分のカニに再開し、みんな大喜び!


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博物館の研究員の専門的な知識・スキルで、プログラムがよりダイナミックなものに。
「ひとはく」では、このような学校教育支援も行っております。

                                 生涯学習課 ハシオ

小さな学校キャラバン】第2弾!!

  行ってきました、小さな学校キャラバン ~ 姫路市立家島小学校 2014/10/29 ~

 「小さな学校キャラバン」は、日頃なかなかひとはくに見学に来る機会の少ない県内のへき地校を対象に、ひとはくにある大型模型やレプリカ、標本や資料をゆめはくに詰め込んで出前をしましょう。そして、ひとはく研究員によるセミナーや講演会などもセットメニューとしてお届けしましょう。

  ってことで、この秋、県内7つの小学校に出かけます.....

    

 その第2弾の会場校が姫路市立家島小学校です。ちょうど、オープンスクールの実施期間中ということもあり、保護者の方や地域の方にも楽しんでいただけたと思います。


            

 

 前日のうちに貨物船でゆめはくを運びます。学校までの道のりではちょっと迷いながらも無事に到着。すぐに展示の準備にかかります。夕方までかかって、ようやく前日準備の終了。


 

         
             

 

 まず1校時低学年(1・2年)児童、校舎の玄関ホールに展示した「オオスズメバチ(大型模型)」「ティラノサウルス頭骨(レプリカ)」「巨大なアンモナイト化石」を目の前に、お話しを聞きながら展示を見たり触ったり!! そして運動場にあるゆめはくの中では、美しく妖しく輝くチョウの標本や、きれいに並べられたカブトムシやタマムシのなかなどの標本、そして身近に見られるバッタやトンボなどの標本を、虫眼鏡を使ってじっくり観察しました。


 2-3校時は中学年(3・4年)と高学年(5・6年)が多目的室と理科室に分かれてそれぞれ八木研究員のお話、小林研究員のお話を聞きました。
   

 中学年は、三田から連れて行ったハチに加え、前の日に島で捕まえたカマキリや虫の巣、セミの抜け殻、でんでん虫やでんでん虫の殻などをガチャコロケースに入れて、じっくり観察したり触ってみたり!! そして、ゆめはくに積み込んだ標本の見学もしました。




            

 高学年は家島がどうやってできたのか?というテーマから大地の動きやマグマのこと、プレートテクトニクスなどの話をじっくり聞きました。大昔には家島は本州と陸続きだったことやハワイ諸島が段々日本に近づいてきている話など、難しい内容もありましたが専門的な話を聞きました。



    
     
 オープンスクールにお越しになった保護者の方や、弟さんや妹さんなどのちびっ子たちや、すぐ隣の幼稚園からも見学に来てくれました。
     
 みんな、目をまん丸っこにしながら虫眼鏡片手に昆虫標本にくぎ付けになり、「きれっー」「うわぁ!!」「すっげぇ」などの歓声が飛び交っていました。
 一泊二日の島体験でしたが、とっても楽しかったです。子どもたちの眼もランラン・いきいき!!

 そして、また元通りお片付けをして島を後にしました.....機会があれば是非また行かせてください。 
 そして、今度は三田にあるひとはくにも是非お越しください!! お待ちしております!(^^)!


小さな学校キャラバン隊

木の葉も色づき、あっという間に秋。
深田公園の木も、少しずつ衣替えを始めています。
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さて、10月25日(土)、26日(日)に フロアスタッフとあそぼう「丹波の恐竜万華鏡」を行いました!
まずは「丹波の恐竜」についての説明から。
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学名は「タンバティタニス・アミキティアエ」 舌をかみそうな名前ですねぇ~。
この名前の由来をご説明させていただきました。
みなさん頑張って覚えてくれていました。

万華鏡の仕組みの説明の後は早速作業開始!
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キレイに見える秘密道具、分光シートを貼っていきます。
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家族みんなで作業、難しい針での穴あけはお父さん。
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好きな色を塗って...
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完成!カラフルな作品がいっぱい!

こちらの作品は...
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丹波にちなんで黒豆柄を描いてくれました!
とってもかわいいですね(*^^*)!

たくさんのご参加、ありがとうございました!

次回のフロアスタッフとあそぼうは11月1日(土)、3日(祝・月)
「アンモナイトおりがみ」
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自分だけのオリジナルのアンモナイトを作ってみましょう!
みなさんのご参加、お待ちしております。

フロアスタッフ きただにさやの

みなさんこんにちは~♪ 秋の行楽シーズンを満喫されていらっしゃいますか~?
ひとはくはこの秋、4階ひとはくサロンをリニューアルいたします!

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4階ひとはくサロンインフォメーションカウンターでは、館内の各種お問い合わせ、授乳室や救護室のご利用案内などを受付けております。
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壁面(丹波竜くんver).jpg

   

              
   こちらが目印です。→・→・
















ひとはく
サロンで、まず目に入るのがこのです。
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ミュージアムBOX
はテーマごとに分けてありますので、標本などを解り易く観察して頂く事ができます。 パズルやかるたなど、楽しく学べるアイテムもありますよ!

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今はまだ数が少ないミュージアムBOXですが、これから増やして行く予定です。
「こんなミュージアムBOXがあるといいなぁ~。」と思われた方は、カウンターにいるフロアスタッフまで、是非ご意見をお寄せください。(*^_^*)

また4階ひとはくサロンインフォメーションカウンターでは、「フロアスタッフとあそぼう!」や「ひとはく恐竜ラボの化石発掘体験」などの参加申し込みの受付も行っています。
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 ひとはくにお越しの際は、ぜひ4階ひとはくサロンにお立ち寄りくださいませ。

                                                                                
                                                                                          フロアスタッフ てらお ゆみこ

~ひとはく探検隊!アリをみつけよう!~

台風接近で心配されていましたが・・・お天気でした♪

探検に行く前に

お部屋で、アリのお話!!!

橋本佳明先生より、アリについての質問?!


アリのお話









日本にはどれだけの種類のアリがいますか?

世界中にはどれだけの種類のアリがいますか?

シロアリはアリのなかま?

ハキリアリ?ってどんなアリ?

みんなは何問答えられたかな?!

アリのことが少しわかったところで

深田公園に出発!!!

先生!このありの名前は?先生!このアリの名前は?


よく見るクロヤマアリ発見!

茶色で小さいアメイロアリも見つけたよ!

先生、このおおきなアリは?・・・ムネアカオオアリ!!!

アリどこにいるかな?スコップで土や落ち葉を・・・

土や落ち葉をザルでこすと・・・アリ発見!

トビイロシワアリトビイロケアリアミメアリ

 

6種類のアリが見つかりました。(^-^)

たくさんご参加いただき、ありがとうございました。

来月のひとはく探検隊は...
11/2(日)13:00~ ひとはく探検隊「きのこGETだぜ!」

▼ひとはく探検隊の年間予定はこちら
http://www.hitohaku.jp/exhibition/staff/2014tankentai.pdf

             フロアスタッフ  にしぐちひろこ




皆既月食のコマ送り

2014年10月15日
一つ前の投稿では写真で皆既月食の様子をお届けしましたが、さらに枚数を増やしたものでコマ送りを作ってみました。

 特別なソフトではなく、PCに標準(?)でついてくるムービーメーカーで、写真をつないで動画にするだけの操作です。細かい設定や修正等はしていませんので、見やすさはさほどではありませんが、雰囲気だけお届けできれば^^;
 


 次のファイルを開くかダウンロードして再生してみてください。

  moon.wmv

 
 
平成26年10月8日(水)
                     17:52 頃オレンジ色の月が昇りました 夕方 満月が昇り始めました。 低い位置にある時は結構赤味の多い印象でした。


 
 その後18時10分過ぎくらいから部分的に地球の影で月が食われていきました
                18:18~18:33 頃moon02.jpg
                18:40~18:43 頃moon03.jpg
                18:50~19:10 頃moon04.jpg 少しずつ少しずつ左の下の方から食われていき、19時40分頃には全部食われてしまい(皆既月食)、光り輝く満月は、赤銅色かオレンジかピンクか、そんな色に見えました。なのでBloodMoonと呼ばれることもあるそうです。
                19:18~19:41 頃moon05.jpg
 そしてゆっくりと、同じ時間をかけて元の月が姿を現してきました。
                21:09~21:14 頃moon06.jpg
                21:22~21:30 頃moon07.jpg
22時前には元の満月になったとさ(^^)

                        21:47 頃IMG_1000.JPG
次回日本で皆既月食が観察できるのは、来年の4月4日だそうですよ。

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生涯学習課



おまけ

今夜.....空をみあげて

2014年10月 8日
いよいよ今夜

皆既月食  観察できるといいですね....  18時過ぎから

http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2014/lunar-eclipse.html(外部サイトへリンク)

生涯学習課

10月のKidsサンデーが10月5日に開催されました。
南の方からだんだん台風が近づいてきて、
ご来館予定の皆さんは大丈夫かしら...と心配していましたが
元気なキッズたちが遊びに来てくれました。
お足もとが悪いなか、ありがとうございました!

<自然ってすごい!~ひっつきむし☆ラボ~>
植物はかせと3種類のひっつきむしのひみつをさぐりました。
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<展示室ツアー『海の仲間たちツアー』>
クジラ、サメ、ウミガメなどステキな海の生きものたちの楽しいクイズに挑戦。
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<フロアスタッフとあそぼう『六角パズル』>
ふしぎ!くるくる絵が変わるパズルを作りました。
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<サイエンスショー『スーパー飛行機作り』>
割りばしと紙だけでできた、ビューンとよく飛ぶ飛行機を作りました。
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<パネルシアター>
今の季節にぴったりの『さるかにがっせん』のお話。
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<自然ってすごい!~ひっつきむし☆プレイルーム~>
ひっつきむしで布に絵や名前をかいてワッペンを作りました。
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マネキンが来ている服(ズボン)についたひっつきむしを数えたら...
時間内にみんなに数えてもらっただけでも3000コ以上ありました!
(これは「アレチヌスビトハギ」の生えている草むらを3分間歩いたらついたものでした。)
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皆さんのまわりにはどんなひっつきむし=ひっつくタネが見られるかな?
服はとるのが大変なので、お家の人に布をもらってさがしてみるといいかも!

ここで大事なお知らせです☆
来月、11月2日(日)はKidsサンデースペシャル2014を開催します!
いつもよりたくさんのプログラムを用意して皆さんをお待ちしています。

夏休みに大好評だった『むしむしたいけん』や、プラネタリウム☆も登場予定!
プログラム詳細は決まり次第、ホームページなどでお知らせします。
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キッズの皆さん、秋の毎日を元気に楽しみましょうね!

              (たかせゆうこ/キッズひとはく推進プロジェクト)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして58

 

誰が美しいと決めるのか?-2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

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  ジュリア・カセムさんの『「インクルーシブデザイン」という発想:排除しないプロセスのデザイン』という本を読んで、インクルーシブ・デザイン(この本では、分かち書きのない「インクルーシブデザイン」)やユニバーサル・デザインについて考えたことを書いています。

 

☆   ☆

 

 もうひとつ。この本を読んでいて、これは何か変だと感じたことがありました。それはデザイナーとデザイン・パートナー(ここでは障がい者や高齢者)が、共同してものを創っていく(219ページから221ページ)という発想です。

 

 誤解しないでほしいのですが、デザイナーが美的感覚や創造力を生かし、障がい者や高齢者が自分の経験を生かすというのは、まさにインクルーシブな協働です。デザイナーが美的独善に陥(おちい)る愚を防げますし、デザイン・パートナーは積極的に創作に貢献できるのです。ただこのことを、さらに突っ込んで考えてみると、例えばデザイナーが障がい者だったら、どうなるのだろうと思ってしまうのです。

 

 もしデザイナーが障がい当事者だとしたらどうでしょう? その場合は、デザイン・パートナーはデザインだけに没頭するデザイナーの頭を冷やすことが求められるのでしょう。そうでないと、その障がいのあるデザイナーは自分にだけ便利なデザインをしてしまうかもしれません。自分の思いだけで良しとしてしまうのでは、インクルーシブなものはできません。感覚の違う人たちがグループになり、コミュニケーションしあい、協力しあうことで、より使い勝手のよいものができあがる。そのことの方が重要なのだ。つらつら、そんなことを考えました。

 

 カセムさんの言うデザイナーとデザイン・パートナーは、健常者と障がい者や高齢者のことです。イギリスではデザイナーの60パーセントが40歳以下の青年で占められている(198ページ)そうです。デザイナーにこっそり潜む障がいがあっても(人には自分でも気が付かない障がいがあるものです)、その障がいは、まだ目には見えないでしょう。そしてユニバーサル・デザインやインクルーシブ・デザインの利用者は、デザイナーの生きる世界の「外側」にいる障がい者であり、高齢者です。カセムさんも、この思考の罠(わな)に捕まっているのかもしれない。そんな気がしました。

 

☆   ☆

 

 デザイナーは単なる技術者ではない。美的な感覚と感性がためされる芸術家です。わたしは霊長類学という、70パーセント理系、30パーセント文系の人類学(もちろん、研究者によって見方は異なります)を専門にしているので、わかる気がするのですが、デザイナーにとって審美性とか美的感覚は、とても大切なものなのです。

 

 わたしには、仕事をする上では美よりも真理が重大事です。しかし、カセムさんにとっては真理よりも美が重大事なのかもしれません。ただし、真理と美は介在するものが違います。つまり、「真理」は文化や時代性といったものに影響を受けない(はずの)ものですが、「美」は文化によっても、また時代によっても変わるのです。先ほど「判断する基準」について書きましたが、ここでも同じことを言います。何を美しいと感じ、何を醜いと感じるのかの基準を示さないと、わたしのようなデザインのイロハも知らないシロウトは戸惑うばかりなのです。

 

 わたしは、「人(あるいはヒト)に理想の姿などはなく、時代と場所に応じて多様に変わる『人(あるいはヒト)像』だけがある」のだと思っています。そのように仮定して、ものごとを考えています。この考え方から、多様な人(あるいはヒト)を生かすためにはどうすればよいかと考え、ユニバーサルな物事の発想を探ってきたのです。その上で問いますが、では障がい者スポーツに使うスポーツ義足やスポーツ車イスやチェアスキーは、はたして美的でしょうか。かっこう良く、機能的です。わたしなど、スポーツ車イスやチェアスキーが乗りこなせたら、世界は変わるだろうなと思います。しかし、「美的」というのとは違うと感じるのです。

 

 もちろん「美的」だと感じる人もいるのでしょう。人によって感覚は違うのが当然です。そんな感覚の違いは、使用者(=障がい当事者)によってもあるはずです。例えば男女には感性に差があるでしょう。育ってきた環境も影響します。年齢も違います。障がいの種類も違います。視覚障がい者と失語症者では、美しいと感じる内容が大きく違って当然です。そんな多様な人びとがいるのだから、その人たちには、使い勝手だけではなく何を美しいと感じるか(あるいは、感じないか)を、当事者にこそ選ばせてほしい。そう思いました。デザイナーは創意を発揮した提案ができます。しかし、デザイナーは必ずしも障がいの当事者ではありません。だからこそ、インクルーシブ・デザインにはデザイン・パートナーが必要だと発想したのではなかったのですか。

 

 違うでしょうか?

 

 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

ユニバーサル・ミュージアムをめざして57

 

誰が美しいと決めるのか?-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 athletes.JPG

平成25年度 誰にでもやさしい観光地づくり形成事業 観光バリアフー推進モデル事業 報告書から引用しました。
発行 : NPO法人バリアフーネットワーク会議(沖縄市照屋)
http://barifuri-okinawa.org/bfn/

 

 障がい者のスポーツ大会で、もっとも有名なものがパラリンピックです。国際的な大会です。パラリンピックでは、スピードの出るスポーツ・タイプの車イスとか、板バネのような強くしなう義足など、日常では使わない、しかしスポーツの世界では当たり前の装具をご覧になった方も多いでしょう。アスリートたちの、まさに手足となる道具です――リハビリテーションの世界では、このような道具の内、身に付けるものを装具(そうぐ)と呼ぶので、ここでもそう呼びました。もちろんスポーツ大会ですから、必要以上に力の出る装具は認められません。補助ロボットのたぐいもタブーです。補助ロボットを付けて競技に出たら、ドーピングをするようなものですものね。しかし、一定のルールの中でなら、従来の装具概念を打ち破った新たな装具が認められます。制約の中で、いかに速く、いかに強いものを創り出すか。それはデザイナーや技術者の腕の見せどころです。デザイナーや技術者にとってパラリンピックの競技場とは、感性と知恵を競うアリーナであり、スタジアムなのです。

 

 わたしが、パラリンピックは「デザイナーや技術者の腕の見せどころ」だと知ったのは、ジュリア・カセムさんの『「インクルーシブデザイン」という発想:排除しないプロセスのデザイン』 (1) という本を通じてでした。現代では障がい者のための道具を創るデザイナーや技術者には、パラリンピックなど国際的な競技大会が格好の舞台となったのです。それなら、現代のようにパラリンピックが脚光を浴びるまでは何を通じてだったかというと、......それは戦争でした。

 

 大昔から、戦争はさまざまな技術を発展させてきました。火薬や大砲はもちろんですが、最近では衛星写真やコンピュータ技術など、「戦争のおかげで発展した技術」がいろいろあります。障がい者は戦争のどこから恩恵を受けているのかというと、それは義肢(ぎし)です。金属の棒を足にくっ付けただけのような素朴な義足――報道写真で見たことがあります――から、最新のテクノロジーを駆使して、脳波で人工関節や人工筋肉の動きが当節できる義足まで、失った手足を蘇(よみがえ)らせる技術なのです。

 

 戦争はどんどん過酷さを増しています。無人戦闘機ではパイロット役の技術者が、「日常の業務」として家から通勤できるオフィスで、遠隔操作のミサイルを放ちます。そして死者の数――ミサイルを発射する側にではなく、発射される側の――は、うなぎ登りに増えていきます。兵士が身体を張って陣地を争ったころの戦争とは、較べものになりません。兵士ばかりでなく、ごく普通の家族や親子までが殺されます。いくら「大義」があったところで、国家が人を死に追いやるのが戦争の実態です。できるだけの補償はし(て見せ)なければ、国家の体(てい)をなしません。その補償のひとつが、高度な技術を駆使した装具の開発にあったのです。時代の潮流が追い風となって、現在はそれがパラリンピックに受け継がれたのでした。戦争は現実に起こる人間の行いですが、戦争を「戦争」と言葉に出すことが、はばかられたのかもしれません。

 

☆   ☆

 

 インクルージブ・デザインとユニバーサル・デザインは、もともと同じような考え方です。ただしカセムさんは、ユニバーサル・デザインという言葉が嫌いなようです。『「インクルーシブデザイン」という発想』によると、ユニバーサル・デザインは官僚的で、当事者(=障がい者や高齢者)の使い勝手ではなく、形式をそろえることだけに腐心していて、当事者の意見を聞くことがない(この本の66ページから70ページ、78ページから79ページなど。以下、同じようにページ数を表記します)とおっしゃいます。日本では「ユニバーサルデザイン」という言葉が浸透してきましたし、多くの役所で、今や「ユニバーサルデザイン」は大流行です (2)。わたしが書いている、このコラムも、「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」です。確かに、「当事者の意見を聞かず、形式だけをそろえる愚を犯して、それでよしとする」というのは、昔も今も、日本の悪しき習慣です。その習慣を改めるために、「みんなの美術館プロジェクト」 (3) では、美術館を訪れるさまざまな困難を抱えた人たちの声を集め可能な解決策を提案しています (4)。また、このコラムには、以前、博物館員になりたい車イスを使う中学生の博物館探検記(=ひとはくの良い所と悪い所):「聞いてみて、初めてわかることがある-1」 (4) を書いたことがあります。自分たちの周りにはたくさんの当事者がいる。それにも関わらず、それでも当事者には聞こうとしない態度を皮肉ったのです。マニュアルに頼って、あるいは「専門家」や「デザイナー」と称する人が勝手に決めることで、不便の何がわかるというのでしょう?

 

 このカセムさんの本を読んでいて、わたしが不思議に思ったこともあります。それは、ユニバーサル・デザインは(利用者でなく)デザイナーにとって安全で退屈、そしてしばしば醜い(185ページ)と書いてあったのです。「醜い」とは強いことばです。「ある品物が醜い」という以上、そこにはそれなりの判断基準があるのだと思います。どのような規準で判断されたのでしょうか。これを「デザイナーとしての審美性」(191ページ)だとおっしゃっても、その審美性には、さらに、何が美しいのか、何が醜いのかという客観的な規準があるはずです。ところが、この本の中に、明確な規準は書かれていませんでした。これは、いちばん不思議な点でした。

 

 ユニバーサル・デザインは形式的で、みんなに使いやすいものは、本当には実現しない(68ページ)のだと、カセムさんは主張されています。まさにそうだと思いました。だから多様な人それぞれの要求をデザインに生かすことが大切だと主張されているのです。これも、そのとおりだと思いました。

 

 しかし、「醜い」という判断は強烈です。おそらく、それは、多民族から成り立つコミュニティでは――カセムさんはイギリス人だということですが、ヨーロッパは自分たちとは生活習慣の違う異民族が隣り合って生活しています。第一、グレートブリテン・北アイルランド連合王国(=イギリス)自体が、もともと独立した制度や習慣、そして伝承を持った、いくつもの民族で成り立ったものなのです――曖昧(あいまい)なことは嫌われます。ヨーロッパでは、定義の明確な法という文章で定めることが重要なのです。その法定主義的な文化や習慣が、芸術家という、もっとも自由な精神をもっているはずのカセムさんには、耐えられなかったのかもしれません。

 

 次に続きます。

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(1) 『「インクルーシブデザイン」という発想:排除しないプロセスのデザイン』 ジュリア・カセム著、平井康之 監修/ホートン・秋穂 訳、フィルムアート社 (Inclusion through Design by Julia Cassim)

http://filmart.co.jp/books/design/「インクルーシブデザイン」という発想/

Inclusion through Design_FP.jpg 

(2) 「インクルーシブデザイン」や「ユニバーサルデザイン」という書き方には、表記の〈わかりやすさ/わかりにくさ〉という点で大きな問題があります。最近の日本語では、外国語を表記する時に、「ユニバーサル デザイン」のような分かち書きも、「ユニバーサル・デザイン」のような中黒も使わなくなりました。なぜでしょうか? それなりの理由はあるのでしょうが、わたしは、よく知りません。おかげで、失語症などの高次脳機能障害者やコミュニケーション障がい者が、〈読めない・理解できない〉ということが、よく起こります。しっかりとした認識能力を持っていたとしてもです。おそらく、ひらがなやカタカナのような表音文字でも、「分かち書きをしない」とか「中黒を入れない」というのが、「いま風の日本語」なのでしょう。しかし、当事者の戸惑いを知った上で、当事者の存在を無視してまで流行を優先するという態度に、わたしは書き手の傲慢(ごうまん)さを感じます。意識しないで書いているのなら、そこにはまた別の傲慢さが潜んでいるのでしょう。ドイツ語は単語をやたらと続けて書くことがありますが、英語やフランス語では単語ごとに区切るのが当たり前です。先日、本当にひどいと思った例がありました。ある本の表紙に「ユニバーサルデザインハンドブック」と大まじめに書いてあったのです。悪ふざけで書いたのではありません。これなど高次脳機能障害者やコミュニケーション障がい者でなくても、一回読んで(眺めて?)わかる人は、圧倒的に少ないのではないでしょうか。

 

(3) みんなの美術館プロジェクト

http://www.museumforall.org/

 

(4) 『みんなの美術館デザインノート』(みんなの美術館プロジェクト Museum for All Project Museum x Inclusive x Design Committee)

http://www.museumforall.org/102work.html

http://www.museumforall.org/pdf/DESIGN_NOTE.pdf

 

(5) 「聞いてみて、初めてわかることがある-1」

http://www.hitohaku.jp/blog/2014/06/post_1883/

「聞いてみて、初めてわかることがある-2」

http://www.hitohaku.jp/blog/2014/06/post_1884/

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館
台風の接近も心配されていたのですが、10月4日5日の二日間、神戸ハーバーランド近くの会場にて「ひょうごミュージアム2014」が開催されました。ひとはくも二日間ワークショップ出店で参加してきました。

 オープニングステージでは、こべっこ少年少女合唱団による合唱曲のご披露がありフェアの開会を盛り上げてくださいました。また県内のゆるキャラたちも何人か集合して、会場のあちらこちらで写真撮影に応じてくれました。
         

 今回ひとはくから提供させていただいたワークショップは......石膏でつくったアンモナイトのレプリカ(真っ白)に、絵の具で自由に色を塗ってもらう、というものでした。ホンモノのアンモナイトの標本も展示していましたが、子どもたちの発想力にはほんとに驚かされます。石頭の大人の私には真似できない自由な発想で、カラフルに色を塗ってくれました。

     

        



 会場は両日とも大変な盛況でした。

 参加いただいたみなさま、ありがとうございました!!


生涯学習課

恐竜に変身だ!!

2014年10月 5日
4階ひとはくサロンに、とつぜん・・・
トリケラトプスティラノサウルスがあらわれました。

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じりじり近づいてきて...

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  「ガオォォーーーッ!!」

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きゃー!大迫力ですね。
こちらは、トリケラトプスとティラノサウルスに変身できる
なりきりハットです。

博物館に遊びにきてくれたおともだちに、なりきってもらいました(*^_^*)

恐竜に変身したいおともだちは、
博物館の4階ひとはくサロンのカウンターに、なりきり恐竜ハットがあります。
トリケラトプスとティラノサウルスに なりきっちゃいましょう♪

イベントもたくさんご用意しておりますので、ぜひ遊びに来てくださいね。
                             (フロアスタッフ まつだ)

秋は遠足のシーズン、ひとはくにもたくさんの小学校が来てくださり、
館内もとても賑やかです。

さて、先日ブログにも掲載した10/4、5のイベント
フロアスタッフとあそぼう「六角パズル」ですが
カウンターに置いていたところ、みんな興味津津!
とても楽しそうに遊んでいました^^

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ちなみに参加費は無料!

みなさんもぜひ今週末、ご参加ください!
お待ちしております。

フロアスタッフ きただにさやの

秋も深まり、木の葉も色づいてきましたね。
今から紅葉が楽しみです^^!

さて、9/27、28日にフロアスタッフとあそぼう
「ちょうちょのクイリング」を行いました!
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 細い色紙をくるくる巻いて、オリジナルのちょうちょ作りです。
どんなちょうちょが出来上がるのか楽しみ!


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まずは「蝶」と「蛾」の違いについての説明です。
その後ひとりひとりに配られたカードを蝶と蛾に分けてもらいました。

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難しい問題でしたが、みなさんほぼ正解でした!
すごい^^!

 
違いについて分かったところで早速作業開始!
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小さいお友達は、お父さんお母さんと一緒に。くるくるくる、みなさん真剣です。

 

 

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コスモスの花にとまらせて完成!
大きさも色々なオリジナルのちょうちょがたくさん!

たくさんのご参加、ありがとうございました!

次回のフロアスタッフとあそぼうは、10/4(土)、5(日)に行います!
内容は牛乳パックを組み立てて作る「六角パズル」です。
みなさんのご参加、お待ちしております!


フロアスタッフ きただにさやの

 

 

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