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2021年1月アーカイブ

M.mullerensis.jpgひとはくのタイプ標本紹介 その①


タイプ標本という用語を聞かれたことはあるでしょうか。学術標本の中でも特に重要なもので、ひとはくには昆虫や植物のタイプ標本が千点以上収蔵されています。

現生の生き物であれ恐竜に代表されるような化石種であれ、新種に学名をつけるときには、国際的なルールである命名規約に法った形で発表する必要があります。現生植物の場合は国際藻類・菌類・植物命名規約に従います。新種を発表するまでの大筋はどの生物群でも同じで、新種の形態的・生態的な特徴を詳細に記述し、近縁種との類似性や相違点について議論した論文を、査読のある学術雑誌等に発表するという手続きを踏みます。その際、論文には新種の存在の証拠となる標本を引用しなければなりません。それがタイプ標本です。いわばその種の「メートル原器」というわけです。これがなくなると、種を規定する「物差し」がなくなるわけで大問題です。ですので、タイプ標本は個人で所蔵するのではなく、公共性と永続性が担保された公立博物館に納めることが推奨されています。逆に言えば公立博物館は、それら標本を未来に継承する義務を負っているのです。

植物標本は他の生物群と異なり、虫害、カビ害や火災による消失のリスクがある一方、一か所で複数個体を採集することが比較的容易で同じ種の標本を多数つくりやすいため、リスク分散のために重複標本(同じ日、同じ場所で、同じ人が採集した同種の標本)を作って各地の植物標本庫に配布することが推奨されています。ですので、植物特有の命名規約上のルールとタイプ標本があります。タイプ標本の種類を説明すると、最も重要なのは記載論文で命名者が定めるタイプで、ホロタイプ(Holotype: 正基準標本)と呼ばれます。2021年現在、藻類・菌類・植物命名規約に従えば新種記載のホロタイプ標本の引用の際には、どこの植物標本庫にある標本かまで指定しなければなりません。往々にしてホロタイプにも重複標本が存在するからです。ホロタイプの重複標本で、指定された植物標本庫以外の標本庫に収蔵されているものはアイソタイプ(Isotype: 副基準標本)と呼ばれます。アイソタイプは植物命名規約にのみ出てくる用語です。ただタイプ標本がメートル原器とはいえ、生物には多少とも個体間変異があるのが普通ですから、変異の幅を示すためにも記載論文に標本が複数点引用されることが望ましいです。ですので、タイプ標本以外にも可能な限り多くの新種の標本を引用します。記載論文中に引用されたホロタイプ、アイソタイプ以外の新種標本のことをパラタイプ(Paratype: 従基準標本)と呼びます。

 ここでご紹介するのは、ボルネオ島のほぼ真ん中にあるミュラー山脈(Müller Range)の植物調査を行った時に発見された、ショウガ科の新属新種Myxochlamys mullerensisのアイソタイプ標本です。外国人がインドネシア政府から許可を得て調査研究を実施する際には色々と条件がつきますが、その中に「新種を見つけた場合は、ホロタイプをボゴール植物園に納めること。」というものがあります。ですのでホロタイプはボゴールに納めた標本を指定しました。その重複標本を京都大学総合博物館とひとはくに収蔵したので、ひとはくのMyxochlamys標本はアイソタイプというわけです。

ところで、「属」というのは似た種を集めて作る分類学上のカテゴリですが、この種を記載したとき、既存のどの属のカテゴリにも合わないので新属記載も一緒に行うことにしました。本種を記載した際には11種でしたが、その後別の種がみつかり、現在Myxochlamys12種となっています。

mullensis description.jpg      Myxochlamys の新属新種記載論文の一部(Takano & Nagamasu 2007)。

赤線で囲った部分がタイプ標本の指定箇所。標本の詳細情報(採取された産地、採集日、採集者番号)のあとに(Holo-BO; iso- HYO, KYO)とあるが、ここがタイプ標本が収められた植物標本庫を略称で指定している部分となる。BOはボゴール植物園(インドネシア)、HYOはひとはく、KYOは京都大学総合博物館の植物標本庫の略記号。Myxochlamysのホロタイプはボゴール植物園、アイソタイプはひとはくと京大総合博物館収蔵の標本である。という意味になる。

                                 (自然・環境評価研究部 高野温子)

ひとはく・ちがくレター(令和3年1月15日号)

 兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)の恐竜タスクフォースを中心とした研究員が関わる講演会や展示、イベント、出版物、出演などについてお知らせいたします。お問い合わせ先について、別途表記のないものは当館となります。詳細は各URLでご確認ください。なお、今後の新型コロナウイルスの影響等によっては、各イベント等の開催について変更が生じる場合があります。その際は、当館ホームページ上でご案内申し上げます。この内容は当館の化石剖出と石割調査ボランティアの方々には、メールにてお送りしています。

<ひとはく主催の企画>

はかせと学ぼう!「アンモナイト石けんをつくろう!」(佐藤研究員)
 アンモナイトのシリコン型に石けん素材を流し込み、アンモナイト化石のレプリカを作製します。石けんが固まって完成するまでに約30分を要します。
 日  時:令和3年2月23日(火)13:0013:2013:4014:0014:2014:40の6回
 場  所:兵庫県立人と自然の博物館4階オープン・ラボ
 定  員:各回4名(家族単位)
 参 加 費:300
 そ の 他:当日4階インフォメーションにて10:00より参加申込の受付を開始します。定員になり次第終了します。
 https://www.hitohaku.jp/MusePub/eventdetail/?id=18096


はかせと学ぼう!「化石を掘り出そう!」(久保田研究員)
 ヘラやハケを使って、本物の化石を掘り出していきます。どんな化石が見つかるのかはお楽しみです。掘り出した化石はお持ち帰りできます。
 日  時:令和3年3月13日(土)13:0014:0015:00の3回(所要時間:約40分間)
 場  所:兵庫県立人と自然の博物館4階オープン・ラボ
 対  象:小学生以上
 定  員:6組(各回先着順)
 参 加 費:500
 備  考:当日4階インフォメーションにて10:00より参加申込の受付を開始します。定員になり次第終了します。
 https://www.hitohaku.jp/MusePub/eventdetail/?id=19066

<ひとはく以外が主催の企画>
企画展「となりの恐竜展」(静岡科学館)
 期  間:令和21219日(土)~令和3223日(火)
 場  所:静岡科学館(静岡市駿河区南町1425号エスパティオ810階)
 ★化石のレプリカをつくろう!(久保田研究員)【コロナウイルスの影響で中止となりました】
  時  間:令和3214日(日)13:0014:0015:00
  対  象:小学生以上
  定  員:先着順に各回30名限定
  参 加 費:無料
  所要時間:約40分/回
  そ の 他:当日12:00から会場にて整理券配布(先着順)
  https://www.rukuru.jp/webxml//showPDF.php?id=2601

次号は令和3年216日(火)に発行予定です。
 ※都合により前後する場合があります。予めご了承ください。
                                  恐竜タスクフォース 久保田克博


これで展示作品はすべてです。


17 ブラックベリー.jpgブラックベリー  (バラ科)
Rubus fruticosus L.

岡本智恵美 作 OKAMOTO Chiemi















18 シナアブラギリ.jpgシナアブラギリ  (トウダイグサ科)
Aleurites fordii Hemsl.

小原景子 作 OHARA Keiko















19 コウヨウザン.jpgコウヨウザン  (ヒノキ科)
Cunninghamia lanceolata (Lamb.) Hook.

寺川礼子 作 TERAKAWA Reiko







20 アネモネ.jpgアネモネ  (キンボウゲ科)
Anemone coronaria L.

永田有紀子 作 NAGATA Yukiko















21 アンスリューム.jpgアンスリューム  (サトイモ科)
Anthurium andraeanum Linden ex André

古本典子作  FURUMOTO Noriko














22 クロマツ.jpgクロマツ  (マツ科)
Pinus thunbergii Parl.

西田知子 作 NISHIDA Tomoko
















23 カラスウリ.jpgカラスウリ  (ウリ科)

Trichosanthes cucumeroides (Ser.) Maxim.

平井照子 作 HIRAI Teruko














24 シシユズ.jpgシシユズ [獅子柚子]   (ミカン科)
Citrus pseudogulgul Hort. ex Shirai

平岡俊輔 作 HIRAOKA Shunsuke








25 カエデ各種.jpgカエデ 寄せ書き  (ムクロジ科)
Acer spp.

中嶋恵子 作 NAKAJIMA Keiko

8種が描かれています
Acer truncatum マンシュウイタヤ
Acer crataegifolium ウリカエデ
Acer rufinerve ウリハダカエデ
Acer davidii (和名なし)
Acer amoenum ヤマモミジ
Acer palmatum イロハモミジ
Acer nikoense メグスリノキ
Acer buergerianum トウカエデ





26 アズマシャクナゲ.jpgアズマシャクナゲ  (ツツジ科)

Rhododendron degronianum Carrière

本田依子 作 HONDA Yoriko
























つづけて、教室のみなさんの作品です。
2回に分けます。

06 ヤマグルマ.jpgヤマグルマ  (ヤマグルマ科)
Trochodendron aralioides Siebold et Zucc.

岡本智恵美 作 OKAMOTO Chiemi















07 ブラシノキ.jpgブラシノキ  (フトモモ科)
Callistemon speciosus (Sims) Sweet.
寺川礼子 作



















08 ヘゴシダ.jpgヒカゲヘゴ [ヘゴシダ] (ヘゴ科)
Cyathea lepifera (J.Sm. ex Hook.) Copel.
Alsophila pustulosa Christ


小原景子 作 OHARA Keiko

日本では沖縄などに自生するヘゴの仲間。

園芸用に鉢植えにされることもあり、
ヘゴシダという名前が使われる。














09a レモン.jpgレモン  (ミカン科)
Citrus limon (L.) Burm.f.

中嶋惠子 作 NAKAJIMA Keiko

2枚セットです。











09b レモン.jpg










10 キリ.jpgキリ  (キリ科)
Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud.

西田知子 作 NISHIDA Tomoko









11 タンバグリ.jpgタンバグリ[丹波栗]   (ブナ科)
Castanea crenata Siebold et Zucc. f. gigantea Makino

平岡俊輔 作

品種名 f. gigantea は大型の実を示しています。
牧野富太郎の命名とは初めて知りました。















12 アネモネ.jpg
アネモネ  (キンポウゲ科)
Anemone coronaria L.

上田朋子 作 UEDA Tomoko

地中海沿岸の自生で、いろいろな色の花があり、
園芸用に栽培されています。














13 オリーブ.jpgオリーブ (モクセイ科)
Olea europaea L.

古本典子 作 FURUMOTO Noriko











14 オトメツバキ.jpgオトメツバキ (ツバキ科)
Camellia japonica f. otome Makino

本田依子 作 HONDA Yoriko















15 ナス.jpgナス (ナス科)
Solanum melongena L.

平井照子 作 HIRAI Teruko

野菜はわかりやすいためか、

次のメキャベツも含めて、
親子でよく眺めていました。













16a メキャベツ.jpgメキャベツ・  (アブラナ科)
Brassica oleracea var. gemmifera (DC.) Zenk.

柳瀬都 作 YANASE Miyako

彩色画と鉛筆画の2作品です。

















16b メキャベツ.jpg

植物画展 『いのちの輝き』田地川和子教室作品を
2020/10/10から3Fオープンギャラリーで開催していましたが、
明日2011/1/7で終了となりました。

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記録のため、作品を画像とともに紹介します。

まずは、田地川和子先生の作品5点です。

01 ダイセキナン.jpgダイセキナン[大石楠] (ツツジ科)
Rhododendron maximum L.

田地川和子 作 TAJIKAWA Kazuko

北米原産のシャクナゲです。
大きい石楠花から「大石楠」との
名前になったようです。











以下4点は、1992年のひとはく開館のころに、田地川さんに描いていただいて
当館で所蔵している植物画です。

02 ヤマフジ.jpgヤマフジ (マメ科)
Wisteria brachybotrys Siebold et Zucc.

田地川和子 作 TAJIKAWA Kazuko













03 サクラバハンノキ.jpg
サクラバハンノキ (カバノキ科)
Alnus trabeculosa Hand.-Mazz.

田地川和子 作 TAJIKAWA Kazuko















04 カジノキ.jpgカジノキ (クワ科)
Broussonetia papyrifera (L.) L'Hér. ex Vent.

田地川和子 作 TAJIKAWA Kazuko













05 オオイタビ.jpgヒメイタビ (クワ科)
Ficus thunbergii Maxim.

田地川和子 作 TAJIKAWA Kazuko













(鈴木武)


























2021年が始まりました。
新年のひとはくサロンには、な!な!なんと!宝船が登場!
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ひとはくに ちなんだ七福神たち といっしょにパチリ!おともだちがポーズをとってくれたよ♪

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ひとはくサロンでは、みんなで願いごとをウロコに書いて完成させた
巨大アマビエ様も展示しています。
  
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こちらでは恒例ひとはくのおみくじ!さあ何がでるかな?
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ぼくは「大吉!」。今年の干支「牛」の絵がついてたよ。
おみくじは一人一回です、ひいてみてくださいね。

そして今日4日(月)と明日5日(火)のワークショップは
「とっても簡単!化石のレプリカづくり」です。

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お湯で温めて やわらかくした樹脂粘土を本物のアンモナイトからとった型につめてつくります。
どんな色のアンモナイトレプリカができるかな~


6日(水)、7日(木)のワークショップは「ひとはく缶バッジづくり」です。
詳細はコチラをクリック ★

フロアスッタッフ一同 今年もみなさまにお会いできるのを楽しみにしています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

※ひとはくは1月8日(金)から2月8日(月)までメンテナンス休館です。

(フロアスタッフ いしくら まきこ)

新年あけまして おめでとうございます
本年も ひとはく を よろしく お願いいたします



ひとはくは、本日(1月3日(日))から1月7日(木)まで
開館しております(1月8日から2月8日まで休館です)。

フロアスタッフ手作りの宝船飾り や 開運おみくじなども
ありますよ。




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▲宝船飾り と 開運おみくじ






さて、月の第1日曜日は「ひとはく Kidsサンデー」です。

2021年1月3日は、晴れたり、うす曇りになったりと、
不安定な天気で、ときより強い風が吹くような日でした。

旗もしっかり、風に なびいています。



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▲エントランスホール前のようす
(背が高いセコイアは、冬でも緑色の葉をつけています)






1月の主な プログラム の ようす の報告です。



■フロアスタッフと研究員の協同で行われた
「ひとはく探検隊『チビクワガタをゲットしよう』」のようす は・・・



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▲さあ、この樹林の周辺でさがすよ~


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▲みなさん一生懸命ですね~。みつかったかな?







■「まゆだまコロコロ」の ようすは・・・


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▲カイコの幼虫がつくった「まゆ」に絵を描いたりして、コロコロします







■フロアスタッフの「デジタル紙芝居」のようすは・・・


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▲開始のすこし前のようす



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▲開始直後のようす





■「おはしの木材を観察しよう」のようすは・・・

このプログラムは、小学校3年生から6年生までの子どもさん向けに実施しています。

実体顕微鏡を使って、木材の断面を観察します。


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▲研究員の説明を聞いて、それぞれの箸の断面を観察中





■人と自然の会の皆さんの
「ひとはくのお正月 ~日本の昔あそび~」のようすは・・・

今年は、凧づくりの材料をご用意いただきました。

例年ですと、羽子板やお手玉、独楽なども用意されていて
いるのですが・・・、今年は残念ながらできません。



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▲人と自然の会の皆さんが丁寧にサポートされています。

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▲できあがった凧を深田公園であげています





■フロアスタッフのワークショップ「とてっても簡単!化石のレプリカづくり」のようすは・・・



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▲好きないろの樹脂を選んでつくっていますよ





1月のKidsサンデーには、ボランティアとして、
こどもとむしの会の皆さん や 清水さん、古谷さん
が、子どもたちのサポートをしてくださいました。
お疲れ様でした。



次回の Kidsサンデー は、2021年3月7日(日)です。



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ご家族で、ひとはくへ お越しください!

 
                   Kidsサンデープロジェクト 小舘
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