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ユニバーサル・ミュージアムをめざして21

 

サラマンカ宣言があった!-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 インターネットを調べていて、わたしの考えているユニバーサル社会やユニバーサル・ミュージアムとよく似た考え方に気が付きました。今さらながらですが、少し驚きました。サラマンカ宣言 (1) といいます。もともと「サラマンカ宣言」の名前は知っていました。ただ、この宣言がユニバーサル社会やユニバーサル・ミュージアムに、どうつながっているのかは、よく知りませんでした。

 

 サラマンカ宣言は、ユネスコがスペイン政府といっしょに開いた「特別なニーズ教育に関する世界会議:アクセスと質」(ユネスコ・スペイン政府共催、1994年)という集まりで出した声明です。スペインのサマランカという町に、いろいろな教育関係者が集まって「支援が必要な子どもへの教育」について話し合ったのです。サラマンカ宣言はその会議の結論のようなものでした。「教育の支援が必要などんな子でも、みんな教育を受けられるようにしないといけない」という意味のことが述べてあります。

 

 サラマンカはスペインの首都マドリードからおよそ200キロメートル北西へ行ったところにあり、旧市街はユネスコの世界遺産に指定されています。サラマンカにはサラマンカ大学という古い大学があるのですが、ことさら会議にサラマンカ大学は関係がないみたいです。でも大学にはたくさんの教員や学生、大学院生がいるはずですから、どこかで貢献があったのかもしれません。

 

 インターネットには、サラマンカ大学は1244年に創設された、世界で三番目に古い大学だと書いてありました。他のふたつも調べてみると、フランスのパリ大学とイタリアのボローニャ大学という事です。パリ大学なら何度か行った事があります。

 

 いずれにせよ、そのサラマンカでユネスコとスペイン政府が「特別なニーズを持つ子どもの教育もしっかりやろう」という理想を宣言しました。それがサラマンカ宣言です。

 

☆   ☆

 

 「特別なニーズ」というと、日本の教育者はまず最初に「障害児の教育」を思いうかべるのでしょうか? 確かに「障害児には、いろいろな配慮が必要」な事はまちがいありません。全盲のひとし君には点字が欠かせませんし、ろうのいつ子ちゃんには手話が必要です。脳性マヒのさとし君は、自分ではまだよくわかっていないのですが、人一倍、疲れやすいのです。クラスのみんなが騒ぐ時は、そっと見守ってあげないといけません。われを忘れて騒いでしまうからです。そして、それぞれ違う形でですが、どの子も学ぶ事が大好きです。

 

 今、言ったように、子どもによって学び方は違います。そして、みんな普通の子どもなのです。このような「特別なニーズ」のある子どもも「みんな普通の子ども」だと認めようというのが、会議に集まった教育関係者がサマランカ宣言で言いたかった事だと思います。「特別なニーズのある子ども」は障がい児に限りません。いじめられたり、いじめたりする子もいれば、日本語のよくわからない子もいます。日常の習慣が多くの人と異なる子どもも、クラスではとまどう事が多いでしょう。そんなすべての子どもが、「特別なニーズのある子ども」であり、「みんな普通の子ども」なのです。

 

 サラマンカ宣言ではこんな事を宣言しています:

 

・ すべての子どもは教育への基本的権利を有しており、満足できる水準の学習を達成しかつ維持する機会を与えられなければならない。

・ すべての子どもは独自の特性、感心、能力および学習上のニーズを有している。

・ 教育制度の計画および教育プログラムの実施にあたっては、このような特性とニーズの広範な多様性が考慮に入れられるべきである。

・ 教育上の特別なニーズを有する者は普通学校にアクセスできなければならず、普通学校はそのようなニーズを満たしうる子ども中心の教育のなかへそのような者を受け入れるべきである。

・ このようなインクルーシブな志向を持つ普通学校は、差別的な態度と闘い、誰もが受け入れられる地域を創造し、インクルーシブな社会を構築し、かつ万人のための教育を達成するもっとも効果的な手段である。

 

 「ニーズ」は要求とでも訳せばよいのでしょうが、「要求」と言ってしまうと、たとえばワガママな要求も「要求」ということになります。ここではそんな意味ではなく、「(教育への基本的権利を守るための子どもの)自然な要求」といった意味です。

 

 「子ども中心の教育」というのは、当たり前のことを言っているに過ぎません。「子どもが主人公の教育」という事です。教育はもともと教育を受ける人――子どもに限らず、生涯学習ではおとなや高齢者、また女性という場合もあります――のためにするのですから、これが「教師中心の教育」「教師が主人公の教育」では矛盾しています。ここでは「特別なニーズを持つ子どもの教育」のための宣言なのですから、「子ども中心の教育」でよいのです。

 

 それから「インクルーシブ」というのは、あえて日本語にすれば「多くを含んだ」という意味です。「多様な要求を持った」とでも訳せばよいのでしょうか。ここでは、たとえ普通学校であっても、すべての子どもが「ふつう」という規準に合わせるのではなく、子どもはひとりひとり、みんな違うのだから、いろいろな子どもの「当然の要求」、つまり「ニーズ」を学校の側が形やプログラムを柔軟に変えて、尊重しなければいけないという意味で使っています。無理に日本語にすると誤解をする人がいると思ったのか、今はカタカナのままで使っているのです。

 

☆   ☆

 

 この連載の4回目に、「ユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理」 (2) を書きました。その中で「インクルーシブ・デザイン」 (3) についても書いています。「ことばの整理」によればインクルーシブ・デザインとは、「『いろいろな人が使いやすいように』というのはユニバーサル・デザインと同じですが、ユニバーサル・デザインでは『いろいろな人が使いやすいように』するために、美的には劣るものになっていたり、自分は使いたくない・行きたくないと感じる場合があります。それを防ぐために、作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人が、デザイナーなどといっしょになって計画し、みんなが美しい、あるいは、みんなが使いたいとか、行ってみたいと思うようなデザインを創造するという理念です」とわたしは説明しました。宣言の最後に「インクルーシブな志向を持つ普通学校」とか、「インクルーシブな社会」という言葉がありますが、これはさしずめ、「作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人がいっしょになって計画した普通学校」や「作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人がいっしょになって計画した社会」という事になります。

 

 サラマンカ宣言の精神は、教育だけではなくて社会にもおよぶものです。だから「いろいろな子どもが計画段階からいっしょになって創る教育システムや社会システム」というだけでなく、本来は、いろいろな立場のおとな、つまり高齢者や障がい者といった人たちも参加して、システムを創っていくべきです。インテグレーション(4) という言葉(ややこしい!)もありますが、インテグレーションでは、価値観は「ふつう」の人が規準です。そこの高齢者や障がい者は、無理をして「ふつう」に合わせなければいけないのだが、そのかわり、一方的に福祉を受ける立場ということになります。しかし、サラマンカ宣言の教育でいうインクルーシブな社会の理念では、高齢者や障がい者が無理に「ふつう」に合わせなくてもいいし、一方的な福祉を受ける立場にならなくてもいいのです。

 

 次ぎに続きます。

 

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(1) サラマンカ宣言(ここでは、サラマンカ声明)の全文が、国立特別支援教育総合研究所のホームページに載っていました。特別支援教育法令等データベース 総則 / 基本法令等 - サラマンカ声明 -http://www.nise.go.jp/blog/2000/05/b1_h060600_01.html

 

(2) 「ユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理」(http://hitohaku.jp/blog/2012/04/post_1498/

 

(3) インクルーシブ・デザイン(九州大学のサイトは http://www.inclusive-d.com/, 京都大学のサイトは http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/inclusive/about_unit.htm

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

今年最初のkidsサンデーは1月6日。

キッズ館長を務めてくれたのはこの大使たち☆  

  201301kids館長   201301kids館長  

 
小学生の館長には、ひとはくのPRコメントをもらいました♪ 

201301kids
Q.博物館でしたいことはなんですか?
ゆうき館長:新しい生物とかを見つけてみたいです。 

 P1040719.JPG
Q.ひとはくでやってみたいことはなんですか?
みく館長:今年はもっと植物のことを調べて知りたいです。


P1040729.JPG
Q.博物館でしたいことはなんですか?
はじめ館長:恐竜の化石見つけです。

  
 それでは、バックヤード巡回に行きましょう。
普段は入れない博物館の裏側に潜入します☆

 「面白そうなものがいっぱいありそうだな…!」
  201301kids

 

はじめに見学するのは図書室。

「あれ、本はどこにあるんだろう?」ボタンを押すと…
20130106kids館長      201301kids

「あ!棚が動いて本が出てきたー!」
201301kids

 201301kids    201301kids
「なんて書いてあるんだろー?」              「あ、この魚は…!」

次はひとはくの大切な宝物がたくさん置いてある収蔵庫に入ってみましょう。
ペタペタ、靴に付いているかもしれない虫さんと取ります。
201301kids         201301kids
 さぁ、中を見学しましょう☆             「何があるんだろう!」

  ここでは、鳥のはく製や植物の標本を見せてもらいました。
201301kids   201301kids
 

続いて荷解き場へ。
ここにはたくさんの荷物が置いてあります。

201301kids
「わー、荷物がいっぱい!」

 
最後は、お客様のお出迎えというとっても大切なお仕事に挑戦です☆

まずは、予行練習。
201301kids   201301kids

ごあいさつの練習やチラシの渡し方を習い、いざ本番へ!

ドキドキしながらお客様を待ちます…。

201301kids   201301kids
「お客様、まだかな…!」      「ぼく、上手に渡せるかな…?」

 

201301kids      201301kids
「こんにちは!いらっしゃいませ!」  「チラシをどうぞ!」

 

元気なご挨拶でお客様をお迎えしてくれました。
チラシもとっても丁寧に渡せており、大成功です♪

キッズ館長を務めて下さったみんさん、ほんとうにありがとうございました!
 

さて、キッズ館長のお仕事は終わりましたが、キッズサンデーは続きます☆
キッズサンデーのプログラムの1つ、高瀬科学コミュニケーターによる「ヘビのふしぎ」をご紹介します♪
20130106kids館長←高瀬さんの相棒、へび吉くん

  プログラムは2回行われましたが、1回目はこんなにたくさんの子どもたちが集まってくれました♪
  201301kids
 
高瀬さん「今からヘビのクイズしますよー!」

くねくね動くヘビの動きに関するクイズを一緒にしましたね!

クイズの次は、ヘビの工作をしました。

みんな、きれいな色に塗れたかな?

201301kids    201301kids 

 では、作ったヘビさんを木に登らせてみましょう☆
201301kids

みんなが作ったヘビさんは、シュルシュルと上手に木に登っていました♪

 

キッズサンデーに遊びに来てくれたみんさん、ほんとうにありがとうございました!
またキッズサンデーでまたお会いできることを楽しみにしております☆

次回のキッズサンデーは3月3日です。


<kidsひとはく推進室 ほそかわ まりえ>

森林動物研究センターシンポジウム
「野生動物の保全と管理の最前線」 ~拡大する被害にどう立ち向かうか~

当館と同じく兵庫県立大学自然・環境科学研究所の部門である森林動物系による公開シンポジウムが下記のとおり開催されます。野生動物による被害地域の拡大や問題の多様化について最新のデータ分析に基づく現状や地域での取り組みの成果を発表し、今後の対策と体制づくりに向けて県民とともに考えるシンポジウムを開催します。関心のあるかたのご参加をお待ちしております。

wildlife_center_04.gif

チラシはこちらからダウンロードできます!(PDF形式 2.2Mb)


【日時】
 平成25年2月16日(土) 13:00~16:30

【場所】
 兵庫県立美術館 ギャラリー棟1階 ミュージアムホール
 (神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 tel. 078-262-0901)
  *ホール専用の駐車場はありますが、限りがありますので公共交通機関でお越しください。

【定員等】
 定員250名 参加費無料

【申込方法】
 以下のリンクから必要事項を入力し、申し込んでください。
 なお、定員になり次第募集を締め切ります。

  → お申し込みはコチラから ←

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

【プログラム】

野生動物はなぜ出没するようになったのか?―その背景にある基本的構図
 【藤木大介(県立大講師・センター研究員)】

都市環境へ進出する野生動物―イノシシの市街地出没要因を探る
 【横山真弓(県立大准教授・センター主任研究員)】

孤立した群れが引き起こす被害への対応―住民・行政の協働によるサル管理モデル
 【鈴木克哉(県立大助教・センター研究員)】

地域が主体となった獣害対策―「獣害に強い集落づくり」の実践
 【安井淳雅(センター森林動物専門員)】

パネルディスカッション
【コーディネーター:林良博(センター所長)】
 会場参加者からの質問等に対応する方法で実施します。
(会場参加型パネルディスカッション方式)

 (みつはしひろむね)

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mikageK_zentai1.jpg 毎年恒例の「六甲山のキノコ展 」を今年も開催しております。今回は、阪神御影駅まえにある「御影クラッセ」を会場に、1F玄関口には、「ゆめはく号」が登場。ちょっと変わったキノコを展示しつつ、4Fにて開催されている本展示へと誘導します。当館のやくわりは、看板です。
駅前だけあって、人通りが多く、たくさんの人が尋ねてくれています。
さて、4F展示室では・・・

mikageK2013.jpg  
ともかく御影クラッセ4Fの展示室ではたくさんのキノコをずらっとならべています。
これ以外にも写真に写ってない左側にもたくさんあります。

mikageK2013_k.jpg

キノコに関心が高い小さな子、やたらとキノコに詳しい少年が次々と登場しています。本物がしっかりと展示されていて、しかもケースに入らないで間近で観察できるので迫力があります。
すっかり恒例の行事になっていて、去年は展示してなかった標本を見つける方、近くの方に解説してくれるお客さん、お客さんどうしで対話される様子など、双方向の交流ができあがりつつあります。

きのこ展のご案内はこちらです。1月12日~14日までの開催となっています。
 → ポスター

会場にキノコのにおいが充満しています。約400種類のキノコが一同に並んでいて圧巻です。
明日、14日まで展示していますので、興味のある方はぜひお越しください。

(みつはし)

1月7日(月)より2月8日(金)までの間、ひとはくは臨時休館となります。
休館日前日の6日、最後のイベントとしてフロアスタッフとあそぼう「たこづくり」開催されました。

DSC03014_1.jpgのサムネール画像


DSC03013_2.jpgのサムネール画像大勢の参加者でにぎやかにタコづくりが行われました。

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子どもたちも一人一人自分のたこを熱心に制作していました。

DSC03016_4.jpg

完成後、解散となりましたが深田公園で飛ばしている人発見!(遠くて見えないですが・・・)

しばらくの間、臨時休館させていただきますが、2月9日(土)より様々なイベントを用意し、皆様のお越しをお待ちしています。

情報管理課 阪上勝彦

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