11/8(日)ひとはく探検隊「きのこGETだぜ!」を行いました!
当日が雨...。まさかの中止!?と思いきや、なんとか雨が上がってくれました!
朝からたくさん集まってくださったみなさんのおかげでしょうか(^^)?
外はすっかり秋模様、落ち葉の中を進んでいきます。
さぁ、どんなきのこに出会えるかな?
みなさん地面とにらめっこ!真剣です!
落ち葉の下、木の根元...まるで宝探しのようですね(^^)!
「見つけた!」そんな声があちこちから!
「これはなんですか?」
秋山研究員のまわりはたちまち子どもたちでいっぱい!
みなさん、とても上手にきのこを探してくれました!
見つかったきのこはなんと10種類以上!
スタッフも大興奮のひとはく探検隊でした(^▽^)!
ちなみに、今はきのこだけではなく、
紅葉のベストシーズンでもあります!
深田公園も美しい秋の景色を楽しんでいただけますよ。
ぜひ一度、お越しください(^∨^)
次回のひとはく探検隊は12月6日に行われる「ダンゴムシの観察」
http://www.hitohaku.jp/MusePub/datafiles/?id=syskey1_key11843_subkeyFILE3
身近な生きものダンゴムシ、じっくり観察してみましょう!
みなさまのご参加、こころよりお待ちしております!
ユニバーサル・ミュージアムをめざして72
「柳に風」
「河合雅雄さんがおっしゃったこと」へのご感想-2
三谷 雅純(みたに まさずみ)
このブログは、自分では認識できない多様な人びとの感覚や世界観もあるんだとおもしろがって書いています。河合雅雄(かわい まさを)さんの書かれてきたことも、本質は同じだと思います。
前回書いた兵庫県宝塚市のシンポジウムでご一緒した日本脳外傷友の会の東川悦子さんは、河合さんの「柳に風」について、こうお書きです。
本日の「柳に風」のお話も、東京下町生まれの私にとっては、ちょっと反省させられるお話しでもあります。まあ最近は歳のせいか、まともにあちこちにぶつかって、喧嘩を吹っ掛けることはなくなりましたが......。
<ケ・セラ・セラ>と思う反面、日本脳外傷友の会を立ちあげた動機も、あまりにも脳損傷者への施策が何もなっかったことへの怒りから発しています。運動を始めてみれば、あちこち問題だらけ。そして今や、日本国憲法さえもあやしくなっているという世の中に、怒らずにはいられないという気もします。
5歳で終戦を迎え、子供ながら、焼け野原(の中)で、絶対戦争のない平和な国を作ろうと思っていたのですから。その後70年も頑張って働いてきて、 こんな世の中しか作れなかったのかと思うと、死んでも死にきれないという気もします。
一方で、なるようにしかならいのだから、<ケ・セラ・セラ>。今日も元気に終わった、明日も元気に働こうとも、思うのですね。
忙しい日々の中で、「あれ、こんな花が咲いた!」と喜んだり、おいしいもの食べて満足したり、単純なものです。
「昨日又、かくて ありけり、明日もまた かくて ありなん」(1) の東川です。
姫路循環器病センターで言語聴覚士をなさっている高月容子さんも、似た感想を送って下さいました。
毎日カリカリしながら生きていく中、この度の『柳に風』のお話はとても身に染みました。
これからは『柳に風』を思いながら、出来るだけ肩のちからを抜いて生きていこうと思います。
中西祥子さんは高次脳機能障がい当事者の立場から、次のような感想を送って下さいました。文意を変えないように気を付けながら、少し読みやすくしました。中西さん、これでいいですか?
「柳に風」の話 ほんとうに 私も そう思いました。
私は 子供時代から 心臓が 悪い事は わかってたけど、私には ナカナカ(なまじっか)体力が あったのです。心臓の事には自覚が ないし 対策も 何もしてないので、心房細動の不整脈が原因で 脳梗塞に なったのです。それで 後遺症が 残りました。
8年前に (別の)大きい病気をしたので 自覚しようとしてます。頑張り過ぎないように してます。
私の後遺症の「失語症」と「聴覚失認」は、脳の中で 別々に起こっていると 思っています。
(脳梗塞の)入院時に 担当の先生から 「一過性脳虚血発作(TIA)が 以前から2~3回 あったと思います」って 言われた。入院の時から 「前ぶれ」のような事が 気づきに(なって、)思い出しました。その時から 妹と筆談でコミュニケーションが 出来ました。
通院の時に 難しい本で(=を示して) ST(=言語聴覚士の)先生から「聴覚失認」(とは、どういうものか)を教えてもらいました。
「一度の脳血管障害で 両側の聴皮質や聴放線が障害されることはまれで、多くは過去に脳血管障害の既往(きおう)があり、そのときは一次的に片麻痺や失語症状が出現するが回復し、そのあとに反対側の大脳半球に脳血管障害が生じて、初めて言葉も音楽も聞き取れなくなる。」
「(中西さんの)聴皮質あるいは聴放線が損傷されているにもかかわらず、聴覚作用は完全に失われることはない。残存聴覚作用は脳のどの部位で認知されているのか。単なる半射作用なのか、まだわかっていない。大脳に副次的な聴皮膚の在存がありうると推測している。このようにもう一つの聴覚神経系は脳のどこにあるかを明らかにすることが大きな課題として投げかけられている。」
私の障がいを このメモでは 解りました。それで 前向きに できました。
以前のこのコラムで登場をお願いした関 啓子さん (2) は、ご自身が神戸大学で言語聴覚士を目指している学生に教えている方です。また高次脳機能障がい当事者でもあります。
私にとって「柳に風」と言う河合雅雄さんの発言は、レジリエンス(=回復力や復元力)という意味に解釈され、大変深い内容と思います。クローズアップ現代でも取り上げられた「折れない心」を意味します。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3486_all.html
番組によれば、(ナチスの行ったユダヤ人や障がい者に対する)ホロコースト(=大量虐殺)を経験した子どもたちの調査の結果、落ち込み前向きに進めない子どもがいた一方で、トラウマを乗り越え前向きに明るく生きた人たちもいたそうです。
その人たちに共通する性格傾向は、逆境にあっても楽しみを見出す、ユーモアを解するなど人生に前向き・肯定的とくくれるようなものであったとのこと。
私は自分の経験を語るとき、よくこの言葉を借用しています。
皆さん、ありがとうございます。
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(1) 「昨日又、かくて ありけり、明日もまた かくて ありなん」は、島崎藤村の「千曲川旅情の歌」の二番のはじめ「昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ」から取ったものだと思いますが、東川さん、違いますか?
(2) 関 啓子さんのホームページは、
http://brain-mkk.net/
です。
三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館
ユニバーサル・ミュージアムをめざして71
「柳に風」
「河合雅雄さんがおっしゃったこと」へのご感想-1
三谷 雅純(みたに まさずみ)
今回のコラム「河合雅雄さんがおっしゃったこと」 (1) に興味を持って下さった方から、いくつかご感想をいただきました。ありがとうございます。
本題に入る前に、少しだけ寄り道です。
10月に兵庫県宝塚市で高次脳機能障がいの啓発シンポジウムが開かれました。これに参加してきました。シンポジウムでは言語聴覚士の方が「高次脳機能というものを、どうとらえるべきか」とか、高次脳機能障がい者ご自身の対談が企画されていたので、わたしにとっては本当によい勉強になりました。わたしも失語症という高次脳機能障がい者のひとりですが、ダメージを受けた脳の場所は一人ひとり違うので、さまざまな高次脳機能障がい者の意見は新鮮です。新しい認識が得られるのです。
脳にダメージを受けた「さまざまな高次脳機能障がい者」というのは、ちょうど手足や内臓など、ダメージを受けた身体の場所によってそれぞれ違う症状が出ることに似ています。脳は身体のいろいろな場所を個別にコントロールしているからです。ただし、身体の動きを司るだけではなく、脳は思考や感情といった形にはならない重要な働きもしています。身体のコントロールよりも、もっと広い範囲にわたるのです。
夕方からシンポジウムの参加者が集まって、歓談と意見交換をする機会がありました。本当であれば、わたしは夕方から行われる催しには参加しません。高次脳機能障がいのせいで、極端に疲れやすいからです。しかし、その日は大勢の高次脳機能障がい者が参加しています。医師や言語聴覚士もいます。体調が悪くなっても大丈夫そうです。安心して任せておけばよいでしょう。わたしは歓談に参加して、おしゃべりを始めました。
しゃべり始めて一時間も経った頃、おかしな感じがしました。初めての感覚です。最初は何が起こっているのか、よくわかりませんでした。
おしゃべりをしている相手の口元が、音もなくパクパクと動いています。その上、微笑んでいます。でも声は聞こえません。確かにワーンというノイズは聞こえるのですが、言葉が聞こえない。ふしぎな感覚でした。わたしは、これが「聴覚失認」かもしれないと思い当たりました。厳密には違うのかもしれません。しかし、ノイズは聞こえるのに言語音は聞こえなくというのは、いかにも「聴覚失認」だと思えてしまいます。
いずれにせよ、その聴覚失認(もどき?)の感覚がわたしの身に生じて初めて、やっと「聴覚失認」を実感できた気がしました。聴覚失認という現象が不思議でも何でもなくなりました。それまでのわたしは「言語音が聞こえる」のは当たり前でした。言葉は身近にあったのです。それが具体的に「聴覚失認」を体験したのです。
大げさに聞こえるのかもしれませんが、自分自身の「聴覚失認」は、研究者として貴重な体験だった気がします。
10分ほどして、わたしの聴覚はもとに戻りました。わたしと話をしていた人は医療関係者でしたので、わたしのようすが変だと気が付いたかもしれません。でも幸いなことに、その方はごく自然に振る舞い、微笑んで、わたしが話し始めるのを待っていて下さいました。きっと、ようすは変だが、その内、元に戻るということを経験から知っておられたのでしょう。
☆ ☆
このブログに書いてきたことは、多様な人びとの感覚を見直し、人を「目が見えない」とか「耳の聞こえない」といったマイナスのイメージで捉えるのではなく、こんな世界観もあるんだとおもしろがる。伊藤亜紗さんが『目の見えない人は世界をどう見ているのか』で書かれたこと (2) を、目を使わない人だけでなく多様な人を対象に書くことでした。ですから、このコラムは福祉がテーマではありません。ましてや自分のことでもあるのですから、失語症や高次脳機能障がいの不利益を訴えて「哀れを誘う」ことでもありません。わたしの書くことに障がい者の「不幸」や「悲しみ」といったテーマ設定はありえません。
河合雅雄(かわい まさを)さんの書かれてきたことも同じだと思います。
性格によるのか、志向によるのかはわかりません。「自分は河合さんと似たところがあるから、河合さんのように偉いのだ」などと言うつもりもありません。河合さんは河合さん、わたしはわたしです。それぞれ別の人格なのですから、個人個人、分けて判断してもらうべきだと思っています。
インドネシアに連れて行っていただき、わたしが脳塞栓症を発症した後も、いっしょにフィールド・ワークをして下さった元京都大学霊長類研究所の渡邊邦夫さんは、次のような感想を送って下さいました。意味がわからないといけませんので、カッコに入れて補います。
私も河合さんから「柳に風」の話を聞かされたことがあります。
河合さんは、子供の時から喧嘩はそれなりに強かったんだけど、いかんせん結核をやったせいで(体力が)長続きしない。すぐに熱が出るので学校を休むことが多く、(そんな時)裏山に入っては自然と語らっていたんでしょうね。それで、いろんな思いやイメージを膨らませて、人にわかりやすく伝える術を身につけたんだと思います。
「原稿を頼れた時に、イメージがすっと湧いてきたものは、すぐに書ける。そうでないものは、呻吟しても、なかなか書けない」と言っておられました。長い自然との語らいによって身についたものを、一気に文章にして書いていく。それが面白く読める含蓄のある文章の基になっているんでしょうね。
自分の不幸を話のネタにして、笑い飛ばしてしまう。
このアフリカのロアロア(=ロア糸状虫)にやられた時でも、医者に行ったら他にもたくさんの熱帯病を持ち帰っていて、大変重宝がられたとか、(河合さんの書かれた)『ゴリラ探検記』 (3) でもジープが横転して大怪我をしながら、「『ライオンがいるぞ』と言って気を失った」と書く。
事故の時に一緒だった水原洋城さん (4) に、本当ですかと聞いたら、「肋骨を何本も折って、アコーディオンみたいになっていて、イタタ!イタタ!しか言わなかった」とか。
こうやって前向きにプラス思考で生きて行くのがいいんでしょうねぇ。なかなか真似のできないことです。
サル学者の仲というのも、必ずしも、いつもいいだけじゃなかった。当然でしょうね。河合さんは「いつもは仲が悪いけど、何事かがあれば団結するんだ」とも言ってました。
私は川村(俊蔵:しゅんぞう)さん (5) の弟子だったけれども、河合さんには可愛がってもらいました。本当は私が勤務した宮崎県の(京都大学霊長類研究所)幸島観察所には直系の弟子をいれたかったのでしょうけれども、そんなことは、おくびにも出さずに、幸島の運営だけでなく、たくさんの支援を頂きました。
偉い先生はたくさんいたけれども、やっぱり人間的に、とてもできた先生だったなぁと思います。だから今でもたくさんの人に取り巻かれているし、91歳になっても、まだ重要なポストで活躍できる。堺屋太一さんが「80歳過ぎて、まだ影響力を残していたら、人は妖怪と呼ぶ」と書いてますが、まぁ、河合さんは大妖怪でしょう。
わたしのひとはくブログを覗いて、いつもご感想を下さる山家健盛さんは、下さったお手紙の中で、このように書いておられます。
私は 伊谷先生や河合先生のご著書 何冊か読んでおります。河合先生の事は三谷さんからもお聞きしておりますが、ご自身でも片肺がつぶ(潰)れている事を書いておられます。弟さん(=ユング派の心理学者だった河合隼雄さんのこと:三谷)の方が先にお亡くなりになったのに、河合先生は今もあちこちの会に出席して挨拶されておられます。
一病息災を体現されているのが、河合先生だと思います。
河合先生がおっしゃった『ヤナギに風について......』は、本当だと思います。しかし、ついつい かっとする事もあるのが日常生活で起こりがちな事かと思います。心したいものです。
残りは次に続きます。
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(1) コラム「河合雅雄さんがおっしゃったこと」は:
http://www.hitohaku.jp/blog/2015/10/post_2074/
(2) 伊藤亜紗さんの『目の見えない人は世界をどう見ているのか』は:
http://www.hitohaku.jp/blog/2015/09/post_2065/
http://www.hitohaku.jp/blog/2015/09/post_2066/
(3) 『ゴリラ探検記』は光文社版や講談社学術文庫で出ていましたが、今は筑摩書房の全集
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480045065/
でしかないようです。
(4) 水原洋城さんは日本モンキーセンターの研究員、東京農工大学の教員をお勤めになりました。わたしの本棚を見ると『ニホンザル行動論ノート』(どうぶつ社)がありました。
(5) 川村俊蔵さんについては「河合雅雄さんがおっしゃったこと」
http://www.hitohaku.jp/blog/2015/10/post_2074/
に書いておきました。
三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館
センサーカメラを使った動物の撮影調査など、個人ではなかなか体験できない講座もあります(^^)/
土壌動物についても、研究員とともに学びながら観察できる講座もあります。
寒い季節になりますが、是非博物館で熱い学びを体験してください(o^^o)
2015年12月
開催日 | セミナータイトル | ジャンル |
2015/12/5(土) | E11 箱庭をつくろう ~本格サイズ編~ | 体験する講座 |
2015/12/6(日) | F08 むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと 2015 | 考える講座 |
2015/12/12(土) | D15 センサーカメラを使った動物の撮影調査(全2回) | 体験する講座 |
2015/12/13(日) | E12 海岸緑地と人のくらし | 基礎講座 |
2015/12/17(木) | C06 土壌動物の観察 | 基礎講座 |
2015/12/19(土) | B37 カヤツリグサ科勉強会 | 考える講座 |
タイトルをクリックすると詳細が見られます。受講申込も続けてホームページ上でできます。 |
12月のセミナーも〆切が近づいてきました。
気になるセミナーがございまいしたら、上記のセミナータイトルをクリックして、内容をご確認のうおえお申し込みください。
10月31日(土)、11月1日(日)の「フロアスタッフとあそぼう!」は
どうぶつビンゴでした。
まずは、動物の展示を見ながらクイズやお話をしました。
さすが本物の動物を使った剥製の標本は迫力ありますね。みなさんとっても熱心にお話を聞いて答えてくださいました。 さて、いよいよお待ちかねのビンゴ開始!
スタッフが箱から動物のしるしのついたボールを1つずつ取り出します。
みなさん動物たちのお話を思い出しながら、動物の絵の描かれたビンゴカードにチェック! カードのチェックが並んだら「ビンゴ~!」
ビンゴになったお友だちから順番に、ステキなひとはくグッズのプレゼントがありました。
みなさんご参加いただき、ありがとうございました!!
次回11月7日(土)の「フロアスタッフとあそぼう!」はオリジナルとんぼをつくろう!です。
http://www.hitohaku.jp/MusePub/eventdetail/?id=12346
(フロアスタッフ いしくら)