アンモナイトの殻は「隔壁」という仕切りで区切られた部屋がいくつもあることが大きな特徴です。
今日のセミナーでは、その「隔壁」がはっきりわかる断面標本ができあがります。
まずは、「正中線」に赤いペンで印をつけます。
「連室細管」が見えるものもありますね。
その赤い線の約1mm手前まで、削っていきます。
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今日断面標本を作るアンモナイトは、およそ1億1千万年前の「クレオニセラス」、本物です。
その断面標本を作るには、機械(カッター)で切ることも可能ですが、「初期殻」の構造をつぶさないために、各自の手で時間をかけて丁寧に磨いていくことがポイントです。
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最後は、目の粗さの違う3種類のペーパーで仕上げます。
途中、よ~く観察しながら作業を進めましょう。
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よく見ると「連室細管」が見えたり、「初期殻」の形がわかったりしましたね。
そして、色の違いや内部の物質からもどんなふうに化石となっていったのか、その過程にも思いを巡らすことができました。
最後に標本ラベルを書いて完成、みなさん、粘り強い、ていねいな作業の末、きれいな断面標本ができました。
今回のセミナーでは、このブログ内の「 」の語句や、アンモナイトとオウムガイとの違いの見分け方なども研究員に教えてもらいました。
たくさん勉強になりましたね。
◎参加したみなさまのコメント
・恐竜と同じ時代を生きていたアンモナイト、その時代のことがわかるのはすごい。
・最初はたいへんだったけど、だんだんきれいになってきてうれしかった。
・アンモナイトのことがよくわかりました。
・たのしかった。きれいにできました。
・自由研究にもぴったりでした。
◎生野研究員より
根気の要る作業でしたが、皆さんじっくり取り組んでいただけました。
化石を削ったり磨いたりしながら少しずつ内部の様子が見えてきたという体験を通して、アンモナイトの殻のつくりを理解できたのではないでしょうか。
削った部分がなくなってしまうのは残念ですが、削るからこそ得られる情報もあるということを知っていただければうれしく思います。
(文責 生涯学習課 ※この記事に関するお問い合わせは、生涯学習課までお願いします。)