2013年12月アーカイブ

ユニバーサル・ミュージアムをめざして42

 

気が付くと「ユニバーサル社会」が出現していた

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)


 

 あっと気が付くと、身の回りは、いつの間にか「ユニバーサル社会」になっていました。ただし、その社会はあまり気分がよくありません。長く過ごしたいとは思わない社会です。

 突然、こんな事を書いて、訝(いぶか)しく思われるかもしれません。わたしは「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」を書き続けて来ました。博物館や美術館、図書館といった生涯学習施設は、本質的に誰でもが利用しやすい設備やサービスが必要です。それがなければ、本来の豊かな機能が発揮できないのです。ところが、今の生涯学習施設では、充分、少数者に配慮できない。たとえ配慮して見せても、それは形だけのことで、当事者の感覚や意見は反映されていない。内実が伴っていないのです。わたしにはそんな思いがありました。その事に、長い間、苛立っていたのです。こんな思いに至ったのは、わたし自身が障がい者になってからというよりも、もっと前からの事だったような気がします。

 ところが気が付くと、日本は、形だけは立派な「ユニバーサル社会」になっていたのです。気が付いてみて、改めて驚きました。

 わたしは本来の兵庫県立大学の教員や人と自然の博物館の研究員以外に、ある私立大学で非常勤講師をしています(していました)。その大学に勤めている知り合いの方が体調を崩(くず)され、体力が戻るまでの間、授業を手伝ってほしいと望まれたのです。わたしはその方に返すべき恩がありました。それで、迷うことなくお引き受けしました。その方は結局、思うように体調が戻らず、職を辞する事にされた(当然、手伝っていたわたしも、その大学の非常勤講師を辞める)のですが、その大学は、わたしの知る「大学」とは、かなり雰囲気が違うのです。

 学生は「学生」と呼ぶのを ためらうほど幼く、自分から望んで何かをするという事は、ほとんどありませんでした。「自分が何がしたいのかは、探さなければ見つからない」という事も知らないようでした。抽象的な事を伝えようとすると、とたんに私語が始まります。立ち歩く学生が出ます。あるいは、机に突っ伏して寝てしまいます。「わからない」「理解できない」という意味の、わたしに対する(暗黙の)抗議だと解釈しましたが(そして、抗議しているはずの「理解できない」という現実を意識している学生は、残念ながら見当たりませんでしたが)、どれほど噛み砕いて説明しても、授業は成立しませんでした。いったん私語が始まると、収まらないのです。どんな授業であれ、授業そのものを受けた経験が乏しいのだと思います。

 寝ている分には静かです。ですから、たとえ、わたしの講義を聴きたいと言ってくれる学生がいたとしても、その人の邪魔にはなりません。眠っている学生は放っておきました。ただ、わたしの説明を子守歌にして、教室中が気持ちよく眠っていたということが、現実にありました。一生懸命に説明をして、学生の方を振り返ってみて、唖然としたことがあります。大げさだと思うでしょうが、本当の話です。

 教員には高齢者が多くいました。どこかの大学を定年で辞められ、運よく再就職をした方とか、場合によっては高校を定年で辞めてから、非常勤講師として教えに来ている方もいました。わたしがお手伝いした方も、大学を定年で辞められたのです。わたしのように、「自分の考えた事をひとつの可能性と断って説明する」というのは、そこの学生には理解が難しく、重荷だったみたいです。その代わり、元高校の先生は初歩の初歩をやさしく教えてくれるので、学生から好かれていたようでした。

 このような場所を何と呼べばよいのでしょうか? わたしが「大学」と呼んで来た場所とは本質的に違います。そこは「大学」とは異質な空間に見えました。わたしは考え込んでしまいました。そして、これこそが「ユニバーサル社会」の具体化ではないのかと思い当たりました。たちの悪い冗談か、悪い夢でも見せられているようでした。

☆   ☆

 コンゴ共和国のブラザビルやインドネシアのボゴールの街は、少年・少女でひしめき合っています。高齢者もいますが、働いている人は多くはいません。人前で働くとしても、高齢者には高齢者なりの、人生の経験に似合った役目があるものです。少年・少女がする、例えば店の売り子は、経験よりも熱意と体力です。買い手の方も、売り子の熱意を買うのです。売り子の熱意は売れた時の笑顔に表れます。

 一方の日本ではどうかというと、少子高齢化社会です。ひしめき合うほどの少年・少女は、すでにこの国にはいません。少年・少女は、いたとしても過保護のためか一様に幼く、人生の何事かを決め、希望や目標を持って生きていくことは、残念ながらできそうにありません。皆がそうだとまでは言いませんが、そんな少年・少女が目に付きます。

 そのような幼稚な「学生」を、定年退職でいったんは現役を退いた高齢者が教える。その「大学」の事務は、次つぎに顔ぶれが変わる日々雇用の人が勤めている。弱い立場の市民だらけです。おまけに非常勤講師には重度障がい者(=わたし)がいます。これこそまさに、「ユニバーサル社会」以外の何物でもありません。

 聞けば、今は高齢者のための施設や病院でも、内実は似たり寄ったりだと言います。どこかの誰かは楽をしてお金を得ているのでしょうが、ここで言う「ユニバーサル社会」(=現代社会)を形作っている人の大半は、弱い立場の市民です。それ以外の何者でもありません。そして、その「ユニバーサル社会」は、決してわたしが思い描いていたような、暮らして楽しい場所ではありませんでした。

 この事を、今さらのように実感しました。

 どこが悪いのでしょう? 制度の問題でしょうか? それとも悪いところなどはなく、発展した社会はやがて滅びることが必然なのでしょうか? この社会は現実に滅びつつあるのかもしれません。そんな事まで考えてしまいます。

 「大学」という名前が誤解を生むもとかもしれません。何でもかんでも「大学」と名前を付けなくても、「○○塾」や「○○学校」と名乗って、そこで一人前の人間を育てればよいのです。「○○大学」と呼ぶと、わたしのように勘違いをしてしまう人間が出て来ます。「大学」は必ずしも創造的な場所でなくてもいいのかもしれませんが(それでも、本質的には創造的な場所であってほしいと思っています)、「一人前の社会人を育てる」というのは立派な教育です。そこで学ぶ学生の意欲も認めるべきです。それにふさわしい名称を考えて、付ける事を提案します。(「大学」と名前を付けておけば、そう名乗るだけで国のお金が支給されます。しかし、学生や教員や事務員に恩恵があったとは思えません。いったい誰が得をしているのでしょう?)

☆   ☆

 ユニバーサル社会を形作る市民citizen=公民:単純に、ある市に住んでいる人も○○市の「市民」と呼びますが、ここでは権利と義務を持つ公民という意味です)は、誰かが決めた事に、ただ黙って従う事はしません。納得したから従うのです。納得できなければ反論します。意見が割れれば、みんなのルールにはしません。それが、わたしにとっての民主主義です。ユニバーサル社会は民主主義から生まれてきます。

 ユニバーサル・ミュージアムは生涯学習施設のあり方のひとつです。ただし、それに留まりません。現実の社会ではなかなか実現できない、理想の「ユニバーサル社会」を探る社会実験です。言ってみれば、ユニバーサル・ミュージアムは現実社会のひな形なのです。

 理想のユニバーサル社会とは、気が付いたら、わたしの周りにあった、いつの間にか「ユニバーサル社会」になっていた社会とは違うのだと信じています。

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

最後は硬い?石の紹介です。

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メノウは石英の非常に細かい結晶が網目状に集まって固まった「玉髄」の一種です。
オパール、石英などが層状に岩石の空洞に沈殿してできた鉱物です。
石の見かけが馬の脳に似ているため、「瑪瑙」となったとされています。
 白、黒、青、赤、緑など美しい色どりがあり、装飾品に使われます。古代には勾玉として利用されました。硬い性質から、乳鉢にも加工されます。

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ロシア沿海州の海岸に打ち上げられていたメノウの小石です。

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「サードニクス」と呼ばれるメノウの一種です。
白色と紅色の縞目に彩られています。宝石としても利用され、「8月の誕生石」です。

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金属イオンを染み込ませて焼き付けることで、メノウに色づけすることもできます。
いくつかさわれるように展示していますので、手に持ってみて下さい。

(鈴木武)
「ウマ」にちなむ虫や植物です。

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まずは昆虫から。
 マグソコガネ(馬糞黄金)ウマノオバチ(馬之尾蜂)アメンボ(中国語で水馬)
 マグソクワガタ(馬糞鍬形)マグソガムシ(馬糞牙虫)カマドウマ(竈馬)ウマオイ(馬追)
の標本を展示しています。




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マグソコガネが「馬グソ」に並んでいます。
「馬グソ」が付く昆虫は、ウマ、ウシなど大型草食獣のフンを食べる昆虫です。


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ウマノオバチ(馬尾之蜂)です。
馬の尾の毛のように見えるのは、長い産卵管です。
クヌギの幹の中にいるシロスジカミキリの幼虫に卵を産みつけるといわれています。
一体どうやって見つけるんでしょうね。

クツワムシ(轡虫)とかヤスデ(中国語で馬陸)とか探せばいくらでもでてきそうですが
こんなところで…



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このあたりが馬にちなむ植物がでています。
標本などでアリマウマノスズクサ(有馬馬鈴草)ウマノアシガタ(馬之足形)コマツナギ(駒繋)オシダ(中国名が綿馬)を展示しています。

アリマウマノスズクサは六甲山でよくある植物ですが、夏緑性ですので冬には見れません。
「馬」が2つも重なります。植物画も出しています。


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生植物でウマスギゴケ(馬杉苔)トクサ(英名がHorseTail)を展示しています。
上の写真はウマスギゴケで、馬のたてがみのようにふさふさした帽子があることに由来するともいわれています。
コイン写真はフィンランドの50ペンニア硬貨です(現在は使用されていません)。
☆の模様のようなのはウマスギゴケといわれています。

(鈴木武)


ウマに関連する海の生き物の紹介です。

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ウマヅラハギ(馬面剥)です。
いわゆる「ハゲ」で、おいしい魚です。
水槽に生きた状態でいます。



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ついでに「マルハゲ」=カワハギも展示しています。
じっとみているとウマヅラハギと動きも違います。
ともに神戸市立須磨海浜水族園から提供いただきました。

タツノオトシゴ(Sea Horse) やウミウマは一昨年の「辰年」の竜で登場したばかりなのでやめておきました。
マトウダイ(馬頭鯛)やアマダイ(Horse-head fish)などもありますが、入手できませんでした。



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バフンウニ(馬糞雲丹)です。
暗緑色やうすい紅色の短い刺があり、岩の隙間などに隠れます。
カワハギのはいっている水槽に入っていて、砂利の下に隠れていることが多いです。
洲本市由良からいただきました。




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バテイラ(馬蹄螺)です。きれいな三角形の貝です。
色や形が馬蹄を思わせることに由来します。『螺』は巻貝を意味します。
食用になります。海水水槽に発生する藻類の掃除屋として飼育されることもあります。



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西宮市貝類館からは、「ウマ」にちなむ貝の標本を借りてきました。
バテイラの他にシマウマダガラ(縞馬宝)ウマノアゲマキガイ(午之揚巻貝)ウマノクツワガイ(馬之轡貝)を展示しています。

(鈴木武)


みなさーん、こんにちは\(^∇^)/
いつもひとはくのイベントにご参加頂きありがとうございます。


わたくしたちフロアスタッフは、皆様と愉しめるイベントを企画するため、
日夜ネタ探しに励んでいます。(^◇^)
例えば…他館の見学やTVの報道、生きもの観察、店頭のディスプレイ、インターネットの検索など…
何でも目に付くものは、すかさずチェックします!
実は先日、インターネットでふと目にした写真からヒントを得て、イベントを企画しました。

タイトルは「ゆらゆら☆恐竜」

ご家族にプレゼントするために小学生が一生懸命製作した作品の写真をインターネットで発見!
 ひとめぼれ! したわたくしは早速作者に交渉し、企画の参考作品にさせていただく許可を得ました。
快く承諾していただき、トライやる・ウィークでひとはくに来られていた中学生に試作してもらいました。

海野開さんの作品                 海野 開さん(11才)の作品

 

 ☆まずは中学生に写真を見せてイメージを伝え、試作中です。

中学生1 中学生2

お客様の自由な発想で作って頂けるように、色画用紙の色は自由に選んでもらいます。

(化石が発見された事により恐竜が大昔に存在した事実がわかっていても、皮膚の正確な色がわからないので想像して作成していただきました。)

「ゆらゆら★きょうりゅう」参加者             個性的な色とりどりの作品が完成!

 

イベント当日は親子連れのお客様が多数ご参加くださいました。
皆様のおかげで、私たちフロアスタッフも今は絶滅してしまった恐竜の存在を、お客様と一緒に楽しむ事ができました。
ご協力いただいた皆様に深く感謝いたします。
これからも「フロアスタッフとあそぼう!」をよろしくお願いいたします。

     フロアスタッフ てらお ゆみこ(*^_^*)

ウマに関係する品物です。
まずはウマが利用されている品物です。

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バイオリンの弓の弦は馬の尾の毛が使われています。
このバイオリン、当館の研究員のご子息が使っていたもので子供用の小型のものです。
ちょうど展示ケースにおさまったのでお借りしました。

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馬の尾ですが、これがバイオリンの弓に利用されます。
尾の毛も展示しています。
左がバイオリン用の替え毛で市販されています。右は日本の在来馬「野間馬」の尾の毛です。
多少ひっぱっても大丈夫ですので、さわってみてください。

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兵庫県立農業高等学校で飼育されている2頭の「野間馬」(のまうま)です。
江戸時代以前からいた日本の在来馬は、わずかに8種類が現存しています。
「野間馬」は8番めに認定された在来馬で、愛媛県今治市野間で飼育されています。
左が「雄馬」右が「泰生」(ともに♂)。「雄馬」の尾の毛をもらってきました。


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(左)馬の毛でつくられた絵筆です。筆のかなりの割合は馬の毛が使われているようです。
(右)馬油(ばーゆ)入のリンス。
 馬油は皮膚の炎症などの薬効があるとされています。馬油入の石鹸やシャンプーも販売されています。


続いては「ウマ」に使われた道具です。
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馬につけられていた鈴です。澄んだいい音がします。
戦前に北海道で使われていたもののようです。
馬の居場所がわかりやすくするため、熊よけにするために付けられていたといわれます。

諸説はありますが、こうした馬に付けた鈴の形に似ていることから
ジャガイモを「馬鈴薯(バレイショ)」と呼ぶという説があります。


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いろいろな品種のジャガイモの実物も並べています。
上段左から シャドーパープル、インカのめさめ、アンデスレッド
下段左から 男爵、黄爵、メークイン

(鈴木 武)
干支展「ウマ」の概要の続きです。
なんとなく歴史っぽい内容です。

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古墳から見つかる「馬形埴輪」です。社会や歴史の教科書も登場します。
(展示しているものは縮小模型)
埴輪の馬は装飾品をつけていて、当時は王様が乗る高級な乗り物だったと思われています。
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参考までに神戸市埋蔵文化財センターに展示されている馬形埴輪です。
神戸市東灘区の住吉東古墳の出土です。

県内では長尾タイ山古墳(たつの市)、蟻無山古墳(赤穂市)
などでも見つかっているそうです。

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ついでに「はにわの馬」の切手も出しています。
1966(昭和41)~1972(昭和47)年に
定型郵便15円、速達料金50円を合わせた 65円切手として発行されました。

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兵庫県内の遺跡からは馬の骨も出土しています。
県立考古博物館の所蔵物を借用して展示しています。

(前左)玉津田中遺跡(神戸市西区) ウマの臼歯 平安~鎌倉時代
(前右と奥)堂山遺跡(赤穂市) 奥:脊椎骨、右前:臼歯 鎌倉時代


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江戸時代の鯰絵(なまずえ)です。
1855(安政2)年の江戸大地震の際に
地震で助かった人がなぜか馬の毛をもっていたといううわさ話から
神馬がナマズをけちらしてくれたという内容です。

(鈴木 武)
12/14から来年の干支「午(ウマ)」に関する展示を
ひとはく4階でしています。
どんなモノが出ているか紹介します。
一度本物を見においで下さい。

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センターを取っているのはウマとシマウマの頭骨です。
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左がウマ(サラブレット)、右がグレビーシマウマ(王子動物園所蔵)です。
グレビーシマウマはワシントン条約付属書1にあがっていて、
環境省への申請が必要かとあせったのですが、問い合わせたところ、骨だけなら不要とのことでした。

この裏側にあるのがウマとグレビーシマウマの脚の骨です。
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ウマの脚の骨の特徴として、
1.ウマの脚の指は1本
 5本の指の祖先から中指(第3指)が発達して、次第に指の数が減少していきました。
2.甲の骨が長くなる
 ヒトと比べると、ウマの第3中手骨・中足骨(ヒトの甲に相当)が伸びていて、脚が長くなっています。
3.指のなごりが2本ある
  第3中手骨・中足骨のそばには、細く退化した第2と第4中手骨・中足骨(人差指・薬指に続く)が残っています。

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上の写真はグレビーシマウマの左後脚です。
他にウマの左前脚、左後脚の骨もあります。

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そばの低い台にウマの右前脚の骨がおいてあります。手にとって実感してみて下さい。
(鈴木 武)

*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 *。.☆゚*.。

ジングルベ~ル♪ ジングルベ~ル♪・・・゚

もうすぐクリスマスですね。人と自然の博物館ではクリスマスを

たっぷり楽しめるイベントをたくさんご用意しております。

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明日より「クリスマス特別企画」のイベント

フロアスタッフとあそぼう「チョコでつくる化石のレプリカ」を開催します!

12/21(土)・22(日)・23(月・祝)の3日間限定になります。

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小さなお子様から大人まで楽しめるイベントですので、ぜひご参加くださいませ。

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デコレートしたアンモナイトのチョコはもちろん、食べられますよ!

とってもおいしそうですね♬  

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クリスマスイベントの他にも、デジタル紙芝居やクイズをまじえた展示室ツアーなどもありますよ。

ぜひ、家族のみなさまで人と自然の博物館へおこしくださいませ。

゚*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆*。.☆゚*.。 ☆

フロアスタッフまつだ

 

日ごと寒さがつのる今日このごろ。皆様風邪などひいていませんか?
さて、12月12日より、エントランスホールにて、 たんば恐竜・哺乳類化石等を活かしたまちづくり推進協議会制作の、丹波竜のフィギュア(サンプル)を公開しています。


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原画は小田隆氏(画家・成安造形大学)、原型製作は徳川広和氏(造形作家・株式会社ACTOW)、監修は当博物館の三枝春生主任研究員。最新の研究に基づいて制作した、超本格的なフィギュアなんです!

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/吾輩は丹波竜である。学名はまだ無い※\
※2013年12月現在

竜脚類のフィギュアは色々な所で見かけますが、丹波竜が属する「ティタノサウルス形類」のフィギュアはなかなか珍しいです。

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フィギュアの製品版は来年3月以降に発売を予定しています。(詳しくは恐竜.infoにて)皆様のお宅に丹波竜がやって来るまで、あと少しですよ!


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また一段と寒くなってきました。

明日、12/14(土)から、恒例の干支展「午(うま)さんようこそ」が始まります。

 

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2014年の干支(えと)は「午(うま)」です。「馬」にちなむ生き物や自然に関する展示を行います。ウマの頭骨、馬(ウマ、コマ)の名前がつく植物(アリマウマノスズクサ)や昆虫(カマドウマ)、岩石(瑪瑙)などが登場します。

 

また、干支がらみで午(うま)ではなく竜(たつ)の話しですが、ただいまエントランスにて「丹波竜フィギュア」のサンプルが展示されています。

 

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博物館では4Fサロンをはじめ、クリスマスイルミネーションがとても華やかですよ!

 

 

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ぜひ、みなさまで博物館にお越しください。

 

フロアスタッフまつだ

 

 

星の世界★

2013年12月12日

 夜は寒いです(>_<) 今朝は県内のあちこちで雪の便りが・・・・・

 

 でもでも、夕方くらいに雨が降ったりなんかして、大気中のホコリやチリが洗い流されたりした日の夜は、一段と夜空が冴え渡り、星がきれいに見えますよね。

 

 

 お月さんも、だんだん肥えてきました。来週17日頃が満月の予定です。

 チョッピリ寒いですが、夕焼けや宵の明星、お月さん、夜の星・・・・ちょっと、空を見上げてみませんか?オリオン座のきれいなこと!!

 

 

 うつむいていても、ねぇ!(^^)!

 ただし、風邪をひかないように温かくしてください(*^_^*)

 

 

今日は館内に休館日のポスターを貼りにいきました。

じゃじゃーん。

 

s-blog.jpgあれ?同じサイズで印刷したはずなのに、大きさが違う…。

 

さて、ひとはくは12/28(土)~1/2(木)まで休館となります。

来年の1/3(金)から開館しますので、お正月はご家族でぜひひとはくにお越しください。

お正月の楽しいひとはくの情報は…うきうきカレンダーをご覧ください♪

http://hitohaku.jp/top/event.html#event

 

そして、1/6(月)から2/7(金)までの期間は、臨時休館となりますのでご了承ください。

 

 

                                 みの あんな

 

深田公園の木々が色づき、秋だなぁなんて思っていたら...季節はすっかり冬に移り変わり。

日に日に寒さは増していきますが、ひとはくに来てくださるお客様の笑顔で、心があたたまる日々です♪

4階のひとはくサロンの、赤と白のクリスマスツリー。

 

 

 

P1170606.JPGこのツリー、何を表わしているかわかりますか?

じつは、サンタさんの帽子です!毎年この時季になると、素敵なツリーがお目見えするので、私たちスタッフも楽しみにしています。

 

フロアスタッフのイベントも、楽しい企画がいっぱいですよ♪

 

 

1221日(土)、22日(日)、23日(月・祝)フロアスタッフとあそぼう

「クリスマス特別企画~チョコで作る化石のレプリカ」

 

おゆまるで作るレプリカ作りは、何度か体験してくださった方も多いと思いますが、

今回はアンモナイト化石のあまーいレプリカを作ります♪

 

 

blog.jpg本物のアンモナイト化石を使って型どったホワイトチョコレートに、クリスマス感いっぱいのデコレーションをしてみよう

プレゼントにも喜ばれるかも♪

 

 

23日(月・祝)うきうきワークショップ「コノハムシペーパークラフト」

 

konoha.jpgボルネオジャングルにかくれんぼしているコノハムシ♪実はとっても魅力的な虫なんです。みんなで標本を見ながら、作ってみよう♪

 

 

他にも12月の楽しいイベントについては、うきうきカレンダーをご覧ください。

 

 

 

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クリスマスムードたっぷりのひとはくに、ぜひ遊びに来てくださいね!

みなさまのお越しをお待ちしております。

 

 

 

                      フロアスタッフ みの あんな

          hyoushi.jpg start.jpg kinoko-tori.jpg kinoko-tori-2.jpg kinoko-shukaku.jpg 以上!「ふかたん~きのこGETだぜ!~」、無事 大盛況に終わることができました。

ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

次回の「ふかたん」は、3月に予定をしております。どうぞよろしくおねがいします。                                                           

                            FSうえやま

12月Kidsサンデー報告☆

2013年12月 4日

ひとはくの周りの木々は赤、橙、黄と
紅葉(黄葉)した葉っぱをはらはらと落として、冬支度をしています。

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12月1日のKidsサンデーには、紅葉に負けないくらい真っ赤なほっぺの
キッズたちが、寒さに負けず遊びに来てくれました!

ではプログラムをいくつかご紹介します☆

◆わくわくネイチャー・テクノロジー
「自然ってすごい!~ちいさな かわいい かせき~

ちいさな化石の「すごい!」を化石はかせがお話してくれました。

131201kidssundayblog (4).JPG今話題の3Dプリンターで作った化石の拡大レプリカも登場↑
最後は小さな化石でツリーを飾りつけ。

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とってもステキな化石ツリーが完成しました!(完成作品はページの一番下↓を見てね!)

化石の3Dレプリカの作成にあたっては
摂南大学の岸本直子先生にご協力いただきました。有難うございました。

◆展示室ツアー「ひとはく ふしぎ発見ツアー」

ひとはくにかくれている不思議を クイズに挑戦しながら解き明かしていきました。

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131201kidssundayblog (7).JPG                          みんな展示にかぶりつきですね!

◆サイエンスショー「プラトンボづくりに挑戦」

竹とんぼならぬ、プラスチックのはねを持ったプラトンボを作りました。

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                                  青空の下、思いっきり飛ばしたい!

◆「四季の星空案内」

冬の星座についてクイズをしたり、歌をうたったりしながら楽しく学びました。

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他にもパネルシアター、デジタル紙芝居、研究員のオープンセミナーなど
多数のプログラムが実施されました。

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博物館でしか会えない本物の標本やスタッフを見つめる
キッズの瞳はキラ☆キラ☆でした。そのキラ☆キラ☆がず~っと続きますように!

次回のKidsサンデーは新年1月5日(日)。
2月のKidsサンデーは博物館の冬休み期間中でお休みです。


もういくつ寝ると・・・クリスマス!お正月!とキッズたちには楽しいイベントが続きますね。
ひとはくのクリスマス&お正月も楽しいもよおしが盛りだくさん。
詳しくはコチラ

手あらい、うがいをしっかりして、
ピカピカ笑顔でおもいっきり楽しんでくださいね。

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                  (生涯学習推進室/Kidsひとはく推進タスクフォース たかせ ゆうこ)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして41

 

研究者が研究対象の当事者になるということ
『「話せない」と言えるまで』書評

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

Seki Keiko_san.jpgのサムネール画像

関 啓子さんの最近のお写真です。

 

 これまでわたしは、どんなに偉い人に対しても、あえて「○○先生」とは呼ばずに、「○○さん」と呼んできました。この文章でも知り合ったばかりの関さんに対して「関 啓子さん」とお呼びしています。この文章スタイルを、ずいぶん失礼なことだと受け取る方がいらっしゃるでしょう。しかし、このようにお呼びすることで、わたしは人と人の対等な関係を確認しているつもりなのです。もちろん、わたしに対しても、「三谷先生」ではなくて「三谷さん」と呼んでいただきたいと思ってます。そうでなければ、わたしの書いた内容に異論がある時、素直に意見が言いにくいでしょう。普段は医療界の習慣に従って、同僚の方どおしを「○○先生」と呼び合っている関さんも、「関 啓子さん」と呼ぶことをお許し下さいました。このコラムを読んで下さっている方が誤解されるといけませんので申し上げますが、わたしは関さんを尊敬し、信頼しています。関さんは、ご自身の工夫と回りの方の助力によって、脳こうそくの後遺症から驚異的な回復を果たされた方です。また、わたしにとっては研究者仲間でもあります。関さんは高次脳機能障がいのリハビリテーション法を研究していらっしゃいます。

 さて、

 研究者が自分自信に起こった(起こっている)事を書いた本は、たくさんあります。有名なものでは、例えば自閉症で動物行動学者のテンプル・グランディンさんがマーガレット・M・スカリアノさんといっしょに書いた『我、自閉症に生まれて』(1) や、脳こうそくになった免疫学者・多田富雄さん『寡黙なる巨人』(2) があります。これらの本を通してグランディンさんや多田さんのファンになった方も多いでしょう。全盲の宗教民族学者、広瀬浩二郎さんには、『触る門には福来たる』(3) という本がありますし、脊髄腫瘍(せきずい・しゅよう)で首から下がマヒしてしまった文化人類学者のロバート・F・マーフィーさん、『ボディ・サイレント』(4) という本を通して「障がい者が生きるもうひとつの世界」を生き生きと、しかし、静かに描き出してくれました。しかし、いずれも研究対象の当事者そのものになった方はいません。例外は、ご自身が盲ろう者でバリアフリーのことを研究している福島 智さん『盲ろう者として生きて』(5) と、脳出血で脳が壊死していく最中(さなか)の「恍惚感」を内面から描き出した神経解剖学者ジル・ボルト・テイラーさん『奇跡の脳』(6) でしょうか。もっとあるのでしょうが、わたしが読んだのは、この2冊ぐらいです。その中で、関 啓子さんの書いた『「話せない」と言えるまで』(7) は、例外中の例外でした。研究者が自らに起こった事実を素材にして、第三者としてではなく内面から見つめることで文章にされたのです。しかも、その事実は、長年研究をされてきたことそのものでした。

 関さんは、右脳のダメージで身体の左側にあるものが分からなくなるという現象を研究していました。その右脳に関さんご自身がダメージを負ってしまいました。わたしも脳こうそくの後遺症が残る当事者だから平気で言えるのですが、普通なら、あわてふためくところです。障がい者になったことと健常者であった頃とのギャップに――それまで普通にできていたことが、急にできなくなるのです――尋常でない戸惑いがあったと思います。しかし関さんは、発症から復職の過程や現在の思いを冷静にまとめ、「1例報告」として出版されました。それはとても大切な証言でした。

☆   ☆

 はじめて関 啓子さんにお目にかかったのは、2013年11月のことです。神戸市の適寿リハビリテーション病院で講演会があり、それに参加してお会いしたのです。関さんはその講演会の演者でした。関さんは神戸大学の保健学科で長く教授を勤められた言語聴覚士です。研究室を運営され、何人も大学院生を指導して、ご自分も学術論文や書籍を発表されています。お会いした時、関さんからは「ゆったりとした、ずいぶん穏やかな方」という印象を受けました。

 講演会は失語症の家族会と病院関係者で持たれました。ただし、わたしのように勝手にまぎれ込んだ人間も、むやみに断るという事はありません(参加しますという通知は出していましたよ。念のため)。多くの若い言語聴覚士が会場の準備をし、受付をし、演者の関さんをお迎えして、失語症の当事者と家族会の皆さんが席に着いてお話は始まりました。この時のお話から、関さんは右脳にダメージを負い左半身にマヒがあること、普通は左脳にダメージを負った人がなることの多い失語症だが、右脳にダメージを負った関さんにも失語症があること、などがわかりました。

 わたしは左脳にダメージを負ったので、失語が出ても不思議ではありません。なぜかというと、多くの人は左脳に言語中枢があるからです。反対に言うと、右脳にダメージを負っていても、右利きの人なら失語が出ない(ことが多い?)のです。しかし、関さんは左利きです。関さんは右脳にも言語中枢がありました。そのために失語が出たのです。多数ではありませんが、このような人もいらっしゃるということです。

 講演が終わった後、わたしは関さんに自己紹介をして、メールで連絡を取り合えるようにお願いをしました。急なお願いでしたが、快く引き受けて下さいました。たぶん関さんもだと思いますが、たいていの失語症者は電話が苦手です。電話は発声することが苦手な音声しか伝達できないからです。わたしの障がいを無視して、平気で電話をかけてくる方がいますが、わたしの場合は不意に失語が出ることがあるために、基本的に電話には出られません。それでメールでと、お願いをしたのです。「電話に出られない」と言うのは難聴者やろう者と同じですね。

 先に『「話せない」と言えるまで』は、貴重な「1例報告」だと言いました。関さんは経験豊富な言語聴覚士です。ご自分がダメージを受けるまでは、言語聴覚士として、どうリハビリテーションをすれば当事者の機能回復や生活の向上につながるのかを客観的に考えてこられました。今度は内面から見つめるのです。ひとつひとつのリハビリテーションの意味はよくわかった上で、関さん自身が当事者として参加するのです。関さんを担当した方は、言語聴覚士は当然ですが、体や関節の大きな動きを診る理学療法士や日常生活の動作を訓練する作業療法士も、ずいぶん緊張したことでしょう。何しろ相手は、この前まで自分たちを指導していた立場の人なのですから。

 関さんはリハビリテーションを受ける際のポイントとして、当事者と療法士の信頼関係をあげておられます。療法士がどのように考え、なぜ、そのリハビリテーションが必要だと思ったのかについて、信頼していなければ効果は期待できない。信頼してはじめて回復が期待できるとおっしゃるのです。それはそうでしょう。不信に満ちていたら、たとえよい技法であっても、効果は表れません。なぜかというと、療法士の仕事は全て脳の機能に関係しているからです。不信の念は、脳の機能まで歪めてしまうことでしょう。

 それとともに、医療行為者としては、回復の見通しを当事者に伝えてほしいとも注文されます。これは、わたしが入院生活をした経験からも、どのような事を言っているのかがよくわかります。大多数の当事者には「脳こうそく」や「失語症」、「マヒ」といった現象の基本的な知識がありません。入院当初は、わたしも自分の置かれた立場が認識できませんでした。わたしの場合は右半身が動かず、言葉も出ず、おまけに気力も湧きませんでした。これから自分はどうなっていくのかという見通しは、知識として、もともと持っていなかったのです。そんな当事者にこそ、客観的な回復の見込み(や回復しない見込み)を伝えておかなければ、当事者として、また人間として、責任ある人生の選択はできません。関さんはその事をおっしゃっているのです。

☆   ☆

 わたしは、この本が誰を読者に想定して書かれたものか、一読してわかりませんでした。「右共同偏視を呈する」(視線が右側に偏っていること)とか「ブロンストロームステージ Br. Stage」(手や足のマヒの程度を測る規準)、「プロソディー障害」(イントネーションやアクセントに違和感があり、跳ねる音や長く伸ばす音などの発音が難しいようす)といった専門用語が次から次に出てくるからです。

 わたしは自分が入院した当事、ある看護師やある療法士は、わたし(=後遺症の当事者)に向かって「プラトーに達する」と言っていたのを思い出します。それは障がい当事者や家族にとって、決して親切な言い方ではありませんでした。「プラトー」とはわたしたちが日常使う言葉ではないからです。「プラトーに達する」という言葉の意味は、「回復の程度をグラフにすると、時間を追って立ち上がりが鈍くなる」ということです。そのグラフの形が、まるで「高原」のようなので、医療関係者は仲間内の符丁(ふちょう)として「プラトーに達する」(=「高原」の形に至る)と言っていたのです(間違っていたら、教えて下さい)。フランス語でしょうか。「回復のスピードが遅くなってきた」と言えば多くの人がわかるでしょう。しかし、「プラトーに達する」でわかる人は、ほとんどいないのです。正直に書くと、当初は『「話せない」と言えるまで』からも似た印象を持ちました。そのために、この書評を書くのをためらっていました。

 ところが、あることに気が付いて、関さんの意図が読み取れたように感じたのです。この本で想定した読者は、まだ経験の浅い若い言語聴覚士や、言語聴覚士になるために、現在、学んでいる学生ではないのでしょうか? そう考えて読み直すと、合点がいくところが多くありました。それに、若い言語聴覚士や学生なら、いちいち気にしなくても専門用語はわかるはずです。わからなくても、参考書が手近にあるはずです。この本を読むのに支障はないのでしょう。

 もう一度ページをめくり直すと、これは関 啓子さんの「内面から診た一例報告」なのではないかとも思いました。「一例報告」とは、「まれにしか見られない症例の記録」という意味の報告論文のことです。「一例報告」のために、この本には発症のようすから、その時のご自分の意識のこと、リハビリテーションの経過までをくわしく載せたのでしょう。

 「脳こうそくの後遺症」と一口で言っても、表れる症状はさまざまです。それはそうでしょう。脳の一部にダメージを負ったのです。その脳は体のいろいろな場所をコントロールするだけではなく、立体を立体として感じたり、イメージや美しさを実感したりします。家族や仲間や社会の概念を認識したりもできるのです。あらゆる情報を受け止め、あらゆる情報を発信するのが脳なのです。ダメージを受けた場所によって、さまざまな事が起こるのは当然です。関さんの場合は、「プロソディー障害」のために新人留学生のように話したり、左側にあるものが、あたかもないように振る舞ったりしました。この事はまれですが、しかし、関さんと同じようなダメージを負った人には、同じように起こる事なのです。それを記録しておくことで、どこかの誰かが救われるかもしない。同じ症状の出る人が多い・少ないの問題ではありません。この記録を残しておく事が、とても大切なのです。

☆   ☆

 関さんは、今、職場のあった神戸から、もともと住んでいた東京に戻っておられます。大学の職を辞して、新しく研究所を立ち上げられたからです。

 我われは、皆、関さんと同じだと思います。関さんと同じような人間の一人ひとりで、社会は成り立っているのです。そのさまざまな人びとが、(その人なりに)元気に活躍することは、社会の活力であり、我われの生きがいでもあります。「働き盛りの人」だけが社会を回しているという認識は、錯覚に過ぎません。元気な人は、つい自分があたかも主人公であり続けるように誤解していますが、いつ事故にあったり病気になるかわかりません。そして事故にあったり病気になっても、社会の主人公であることは、何も変わらないのです。たとえベッドの上で、のたうち回っていたとしてもです。

 わたしたちは、いつでも、その人なりに足掻(あが)いて生きています。倒れるまで足掻(あが)くことは無用の努力でしょうが、でも、努力は続ける必要があります。額に汗して働く努力の事ではありません。充実した生を存分に生きていく努力のことです。

 関さんにお願いがあります。折りを見て、若い医療関係者ばかりではなく、ぜひ一般の人にもわかるように、ご自分の経験をお伝え下さい。充実した生を存分に生きていく努力のさまを、お伝えいただきたいのです。その時は、もう一度、そのご本を読ませていただきます。

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(1) 『我、自閉症に生まれて』
https://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1340018200

(2) 『寡黙なる巨人』
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-746592-1

(3) 『触る門には福来たる』
https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/7/0230100.html

(4) 『ボディ・サイレント』
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784582765663

(5) 『盲ろう者として生きて』
http://www.akashi.co.jp/book/b92693.html

(6) 『奇跡の脳』
http://www.shinchosha.co.jp/book/218021/

(7) 『「話せない」と言えるまで』
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=81958

 

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三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

冬の虫です

2013年12月 3日
ひとはくのまわり、深田公園の紅葉は盛りをすぎ、寒い冬がやってきました。

今日は冬晴れのよいお天気。
お昼休みにぶらぶらして、虫をみつけました。

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すっかり葉を落としたケヤキの幹に、クロスジフユエダシャクがいました。

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上がメス、下がオス。交尾中です。
フユシャクと言われる、冬にだけ現れるシャクガの仲間です。シャクガは、幼虫が尺取り虫です。
フユシャクでは、オスは普通の蛾の姿をしていますが、メスは翅(はね)が退化して短くなっていたり、なかったりです。
クロスジフユエダシャクは、昼間によく飛ぶ蛾で、各地の雑木林で12月に見られます。

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ひとはく4階通用口前の柱にも、ぽつんと、何かくっついています。

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これは、キバラモクメキリガという蛾です。ヨトウムシの仲間です。
この蛾は晩秋に現れ、来年の春まで見られます。
翅をすぼめてとまるので、折れた小枝のようです。
もっとも、こんなところに止まってたらよく目立ちます。
12月1日(日)にも、ここにいました。二晩同じ場所でじっとしてたということですね。いつまでいるんだろ?

(八木 剛)

 

ラフ・カ・ディオはんや。久しぶりやな。

 

 

 わいらタヨウ星人も夏が過ぎ、秋も過ぎ…いよいよ冬越しや。

 松江のヘルンさんとタヨウ星人展も9月30日に終わり、最後のワークショップと拡大展示をした一畑百貨店も盛況で、小泉八雲記念館には4月6日からの期間中なんと6万人もきてくれはったようや。みなさんおおきに。

   

 

わいも松江で終わりかいなあと思とったら11月15日に明石天文科学館でのイベント「星と本」にもちょこっと出演して、今年は一足早く仕事納めや。

 

         

 ゾウの絵たちも琵琶湖博物館の企画展いきものがたり展示にちょこっと登場。これで故郷のよこはまズーラシアへ帰るみたいや。

 

 

 で、仲間のタヨウ星人たちはというと丹波篠山あどべんちゃー2で「ささやまカラフルパラダイス」というお題で鈴木研究員、大谷名誉研究員、地域研究員のちんげんさいの3人と共演。今回はカラフルなはっぱたちと鳴く虫の探検とオハナシや。

 

      

 

 すっかり葉っぱも落ちたし、ほな、また春に。おやすみ…

 

 

 

 

 

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