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2013年1月アーカイブ

 今日は1月31日 久しぶりに快晴

快晴は きっもちE~(o^^o)

(写真をクリックすると、大きく表示されます)

 

 とても暖かい一日です。 過ごしやすい一月の晦日

  青空は 続くよ どこまでも

 

 どこまでも どこまでも つながってる..... ぐるっと 地球を 回ってるかな? 

ひとはく2013

2013年1月30日

ひとはく20年の実績に基づいて、21年目からのひとはくのあるべきすがたを描き出しています。日常的な活動と並行し、現在の博物館に求められているものが何かを広く検討し、ひとはくに注目して下さる方々のご意見をいただきながら、成人したひとはくのあるべきすがたを模索する作業を進めました。年度末には、ひとはくの20年を総括し、自己評価する文書を取りまとめ、同時にひとはくの将来構想を公表する準備を進めています。自分たちの活動が何であったかは、すでに『みんなで楽しむ新しい博物館のこころみ』(研成社刊、2012年)にまとめ、博物館に関心を寄せ、活用して下さる人々からの評価をいただいています。より広い範囲の人々の博物館活動への関心を呼ぶことができれば幸と思っています。

 ひとはくでは新しく、ひとはく多様性フロアに「魅せる収蔵庫」コーナーを整え、博物館が生物多様性とどのように取り組んでいるか、それをすべての階層の人々とどのように共有できるかの試みを始めました。これからの人と自然の調和ある共存のために、わたしたちを含む生物多様性の望ましい在り方をいっしょに考えるコーナーに育てるように、ひとはくはいっそうの注力をしたいと考えています。

 

(ひとはく多様性フロア)

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今年は、移動博物館車「ゆめはく」が皆さん方のお近くで見かけられる機会も増えることと思います。「ゆめはく」がやってくるのを待つだけでなく、積極的に「ゆめはく」をみなさんの地域に呼び寄せる行動も起こしていただければと期待します。「ゆめはく」はひとはくの移動博物館車ですが、同時にみなさんの移動博物館車でもあります。その実績が、今年は大きな効果を上げることを期待したいと思います。

(ゆめはく)

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これまでひとはくといっしょに学ばれた方も、これまでひとはくと接点がなかったけれども今年は恊働の実績をあげたいと期待されている方も、ひとはくの活動を起点とした学習に今年はいっそう多く参画されるよう期待します。

 

                       岩槻邦男(館長)

 

 

 

みなさま、あけましておめでとうございます。

昨年は多くのお客様にお越しいただき、素敵な出会いをありがとうございました。

 

 

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今年もひとはくをどうぞよろしくお願いします。1月のひとはくは3日から開館していました。凍えそうな寒さの中、多くのお客様がひとはくでのお正月を楽しんでくださっていました。

こちらはFSとあそぼう「凧づくり」の様子です。

 

たこづくり.jpg

P1140929.jpg 

 

 

みなさまが作ってくれた凧は高くまで上がり、楽しんでくれていましたが。スタッフも一緒になって楽しんでしまったために、写真がありません。

様子をお届けできなくて、すみません。

 

現在、ひとはくはメンテナンス休館のため、お休みをいただいております。

2月は9日(土)から開館、さっそく楽しいイベントが、もりだくさん♪

 

2月のフロアスタッフとあそぼう(土日祝15:00~)

2月9日()10()・11日(月・祝)「川でさかなつり」 

2月16()17()「画はくの日」

2月23()24()「おひなまづくり」

 

うきうきワークショップ10:3016:00※時間内はいつでもご参加できます!)

2月23()「コウノトリとあそぼう!」参加費無料

 

 

くわしくはうきうきカレンダー12月合併号をごらんください。

今年もたくさんの笑顔に出会えることを楽しみに、みなさまのお越しをお待ちしております。

 

フロアスタッフ みの あんな

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして22

 

サラマンカ宣言があった!ー2

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 サラマンカ宣言では、ユネスコとスペイン政府が「特別なニーズが必要な子どもの教育をしっかりやろう」という理想を宣言しました。「特別なニーズが必要な子ども」というと、まず障がい児のことを思いうかべるかもしれません。でも、世界にはいろいろな子どもがいます。ストレート・チルドレンや難民の子ども、お金のために売られた子どももいるでしょう。女の子には教育は要らないという人もいます。そんな全ての子どもに援助が必要です。みんな「特別なニーズが必要な子ども」なのです。

 

 サラマンカ宣言では、まず地域の普通学校を想定しています。各地域には、保育や幼稚園で行う幼児教育から始まって、大学や大学院までさまざまな教育施設があります。日本では小学校と中学校が義務教育ですから、子どもは全て、小学校や中学校で教育を受ける権利があります。ただ、特別な場合は学校に行かずに家庭でいてよかったり、後には特別な教育をする学校に行ったりする時期が長くありました。「特殊教育」と言う、たとえば盲(もう)学校や聾(ろう)学校、養護(ようご)学校の事です。

 

 盲(もう)学校というのは盲(もう)や弱視(じゃくし)の子どもが通った学校です。ここでは点字(てんじ)を教えてくれました。点字(てんじ)というのは、紙にポツポツの穴が開いていて、普通の字と同じように何かの意味を読み取る字の書き方のことです。ただし、目ではなく、指先や、指のない人はくちびるで読み取ります。ちなみに、よくあるインクや鉛筆や筆(ふで)で書いた「目に頼る字」の事は、「点字(てんじ)」に対して「墨字(すみじ)」と呼びます。

 

 聾(ろう)学校というのは、ろうの子どもや難聴(なんちょう)の子どもが通った学校です。ここが普通の学校と違うのは、システムは学校によって少し違うのですが、手話(しゅわ)で授業が受けられた事です。手話(しゅわ)というのは、多くの人が使う発話言語(はつわ・げんご)とは違います。ジェスチャーや指の動き、表情で伝える言葉です。言うなら「耳に頼る言語」ではなく「目に頼る言語」なのです。ろうや難聴(なんちょう)の子どもは、学校で手話(しゅわ)が禁止されていた頃から、友だちとのお喋りや遊びを通して手話(しゅわ)を身に付けたものでした。ですから、手話(しゅわ)はもともと人工的に作られた「仮の言葉」などではなく、自然な本来の言葉なのです。

 

 その他に、知的障がいのある子どもや自閉症の子ども、知的障がいはないのだが、手や足がなかったり、マヒがあったりする子どもがいます。そのような子どもが通うのが養護(ようご)学校でした。この学校に点字(てんじ)や手話(しゅわ)のように特別なコミュニケーション手段はないのですが、でも子どもの感性や才能が特殊な場合がよくあります。絵を描(か)く事に特別な才能を持っていたり、音楽は、一度聞けば全部憶えるという子どももいます。ですから先生は、子どもの持っている可能性に感覚を研ぎ澄まさねばならないはずです。先生自身に学習障がいのある、たとえば絵の才能が豊かな人なら、子どもの才能を見逃す事は少ないでしょう。

 

 このような特殊教育を行う学校は、つい最近、日本でも制度が変わりました。2007年4月に変わった特別支援学校による特別支援教育です。

 

 特別支援教育でも、元の盲(もう)学校や聾(ろう)学校のように、点字(てんじ)や手話(しゅわ)といった特別に訓練をした先生や、先生自身がもうやろうでないと教えられない事があります。ですから、名前は特別支援学校に変わりましたが、今でも元の盲(もう)学校や聾(ろう)学校に通う子どもたちは大勢います。

 

 でも、その子どもたちが特に望むのなら、地域の「普通学校」に通う事もできるようになりました――多くの市町村では、当事者の希望と障がいの種類や程度から、特別支援学校に通うべきか「普通学校」に通うべきかを「総合的に判断」するのだそうです (1)

 

☆   ☆

 

 わたしの目には、今、日本の教育は、古い「特殊教育」からサラマンカ宣言の理想としたシステムへ移っていく「渡り廊下(わたり・ろうか)」の途中にいるような気がします。古い「特殊教育」のシステムでは、特別に訓練をした先生や障がいのある先生が、子どもたちの障がいの種類や程度に応じて教えてくれますから効率的でしょう。その一方で、子どもは盲(もう)学校や聾(ろう)学校、養護(ようご)学校だけに通いますから、多数者の、つまり晴眼者や聴者といった人びととふれ合う機会は、それだけ少ないことになります。

 

 サラマンカ宣言の理想としたシステムでは、障がい児に限らず「特別なニーズが必要な子ども」は誰でも地域の学校に通います。そして地域の学校は、さまざまな「特別なニーズ」に対応できるようにカリキュラムや教育内容、設備をそろえていくのです。この事から、「社会は元来、さまざまな人びとで成り立っていて、そのさまざまな人びとが、お互いを認め合う事で、力(ちから)を得るのだ」というインクルーシブな社会、ユニバーサル社会 (2) の理想に近づくことができると思います。ただ、インクルーシブな社会やユニバーサルな社会を実現するためには、まだまだ乗りこえるべきハードルがあるように思います。その事を教育について考えてみましょう。

 

 まず、特別に訓練を受けた先生の確保です。点字(てんじ)や手話(しゅわ)は、使える人が、まだまだ少ないコミュニケーション手段です。今いる先生に訓練を受けていただくといっても、コミュニケーション手段は小さい時から使っていなければ、なかなか本当に使えるようにはなりません。子どもの得意な事とか発達を認識するのも難しいかもしれません。

 

 「(子どもによって)複数の先生がひとつのクラスで、同時に教える」形態は、日本でもすでにあるのだと思いますが、ヨーロッパなどの「インクルーシブ教育」先進国では普通の事のようです。先生は教育技能の質が違っていて、言ってみれば「自分の得意技」で教育できるのです。しかし、先生のお給料は、2人いれば2倍、3人いれば3倍というふうにかかります。これは普通の出費と違って、社会全体の教育費ですから、ただ棄てるようなお金ではなく、未来への投資です。しかし、これを実現するには地域の人の理解が欠かせないでしょう。

 

 同様に、カリキュラムを増やし、新しい設備を入れるのにも、使いこなせる人材とお金が必要です。それを一度に変えるというのは難しそうです。日本の教育制度が、今、「渡り廊下(わたり・ろうか)」の途中にいるようなものだと思うのは、そんなわけです。

 

☆   ☆

 

 博物館のような生涯学習施設は、義務教育のための小学校や中学校とは違うかもしれません。でも生涯学習施設なら、今はまだユニバーサルであったり、インクルーシブであったりすることは少ないのですが、もともとが「全ての人びとに開かれている(べき)施設」です。わたしは「サラマンカ宣言の理想としたシステム」に、いちばん近いように思います。

 

 もちろん、義務教育のところで述べたように、制度を作り直す難しさや、お金の心配、言い換えれば、さまざまな人の使いやすさを市民がどれだけ理解してくれるかといった難しさはあります。それにもまして、館員自身の理解がおぼつかないのでは話になりません。まずは、そこから始めなければならないからです。

 

 ですが、生涯学習施設――博物館以外にも美術館や図書館がありますし、最近では、たとえば放送大学などは生涯学習施設の色彩があると思います――なら誰でも、どのような立場の人でも学ぶ事ができます。そしてもうひとつ大切な事は、計画の時から、みんなで参加する事です(これを実現できている施設は少ないと思います)。

 

 計画といっても、何も「設計図を引くところから」という意味ではありません(観客として来た人が設計図を引いてくれたら、思いもよらない発想の生涯学習施設ができて、おもしろいと思うのですが)。たとえば、計画する人のなかに視覚障がい者がいれば、ガラスで囲まれた展示物は、やがてなくなるでしょう。ガラスで囲まれていたのでは、触る事ができないからです。母語が日本語でない人がいたら、やがて日本語だけの展示解説というのもなくなるでしょう。また認知症や学習障がい者、失語症者のようなコミュニケーション障がい者が入っていれば、展示解説をくふうして、よくある字(漢字・ひらがな・カタカナ)だけの解説から、ビデオや絵が出て、同時に読み上げてくれるようなマルチメディアの展示解説がいいと言うかもしれません。

 

 計画段階からいろいろ多様な人が参加する事で、本当に使いやすいユニバーサルでインクルーシブなもの――見た目も大切です――ができるのです。

 

 前にも書いたと思います。ユニバーサルでインクルーシブな生涯学習施設は、ユニバーサルでインクルーシブな社会の雛形(ひながた)です。サラマンカ宣言の精神は、そこで具体的に求められているのだと思います。

 

------------------------------------

(1) 竹内まり子 (2010) 「特別支援教育をめぐる近年の動向―『障害者の権利に関する条約』の締結に向けて―」(国立国会図書館 ISSUE BRIEF 調査と情報,第684号,pp. 12. [http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3050393_po_0684.pdf?contentNo=1]

 

(2) 兵庫県(2005  ひょうごユニバーサル社会づくり総合指針.兵庫県,pp. 30. [http://www.universal-hyogo.jp/contents/outline/shishin.html]

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして21

 

サラマンカ宣言があった!-1

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 インターネットを調べていて、わたしの考えているユニバーサル社会やユニバーサル・ミュージアムとよく似た考え方に気が付きました。今さらながらですが、少し驚きました。サラマンカ宣言 (1) といいます。もともと「サラマンカ宣言」の名前は知っていました。ただ、この宣言がユニバーサル社会やユニバーサル・ミュージアムに、どうつながっているのかは、よく知りませんでした。

 

 サラマンカ宣言は、ユネスコがスペイン政府といっしょに開いた「特別なニーズ教育に関する世界会議:アクセスと質」(ユネスコ・スペイン政府共催、1994年)という集まりで出した声明です。スペインのサマランカという町に、いろいろな教育関係者が集まって「支援が必要な子どもへの教育」について話し合ったのです。サラマンカ宣言はその会議の結論のようなものでした。「教育の支援が必要などんな子でも、みんな教育を受けられるようにしないといけない」という意味のことが述べてあります。

 

 サラマンカはスペインの首都マドリードからおよそ200キロメートル北西へ行ったところにあり、旧市街はユネスコの世界遺産に指定されています。サラマンカにはサラマンカ大学という古い大学があるのですが、ことさら会議にサラマンカ大学は関係がないみたいです。でも大学にはたくさんの教員や学生、大学院生がいるはずですから、どこかで貢献があったのかもしれません。

 

 インターネットには、サラマンカ大学は1244年に創設された、世界で三番目に古い大学だと書いてありました。他のふたつも調べてみると、フランスのパリ大学とイタリアのボローニャ大学という事です。パリ大学なら何度か行った事があります。

 

 いずれにせよ、そのサラマンカでユネスコとスペイン政府が「特別なニーズを持つ子どもの教育もしっかりやろう」という理想を宣言しました。それがサラマンカ宣言です。

 

☆   ☆

 

 「特別なニーズ」というと、日本の教育者はまず最初に「障害児の教育」を思いうかべるのでしょうか? 確かに「障害児には、いろいろな配慮が必要」な事はまちがいありません。全盲のひとし君には点字が欠かせませんし、ろうのいつ子ちゃんには手話が必要です。脳性マヒのさとし君は、自分ではまだよくわかっていないのですが、人一倍、疲れやすいのです。クラスのみんなが騒ぐ時は、そっと見守ってあげないといけません。われを忘れて騒いでしまうからです。そして、それぞれ違う形でですが、どの子も学ぶ事が大好きです。

 

 今、言ったように、子どもによって学び方は違います。そして、みんな普通の子どもなのです。このような「特別なニーズ」のある子どもも「みんな普通の子ども」だと認めようというのが、会議に集まった教育関係者がサマランカ宣言で言いたかった事だと思います。「特別なニーズのある子ども」は障がい児に限りません。いじめられたり、いじめたりする子もいれば、日本語のよくわからない子もいます。日常の習慣が多くの人と異なる子どもも、クラスではとまどう事が多いでしょう。そんなすべての子どもが、「特別なニーズのある子ども」であり、「みんな普通の子ども」なのです。

 

 サラマンカ宣言ではこんな事を宣言しています:

 

・ すべての子どもは教育への基本的権利を有しており、満足できる水準の学習を達成しかつ維持する機会を与えられなければならない。

・ すべての子どもは独自の特性、感心、能力および学習上のニーズを有している。

・ 教育制度の計画および教育プログラムの実施にあたっては、このような特性とニーズの広範な多様性が考慮に入れられるべきである。

・ 教育上の特別なニーズを有する者は普通学校にアクセスできなければならず、普通学校はそのようなニーズを満たしうる子ども中心の教育のなかへそのような者を受け入れるべきである。

・ このようなインクルーシブな志向を持つ普通学校は、差別的な態度と闘い、誰もが受け入れられる地域を創造し、インクルーシブな社会を構築し、かつ万人のための教育を達成するもっとも効果的な手段である。

 

 「ニーズ」は要求とでも訳せばよいのでしょうが、「要求」と言ってしまうと、たとえばワガママな要求も「要求」ということになります。ここではそんな意味ではなく、「(教育への基本的権利を守るための子どもの)自然な要求」といった意味です。

 

 「子ども中心の教育」というのは、当たり前のことを言っているに過ぎません。「子どもが主人公の教育」という事です。教育はもともと教育を受ける人――子どもに限らず、生涯学習ではおとなや高齢者、また女性という場合もあります――のためにするのですから、これが「教師中心の教育」「教師が主人公の教育」では矛盾しています。ここでは「特別なニーズを持つ子どもの教育」のための宣言なのですから、「子ども中心の教育」でよいのです。

 

 それから「インクルーシブ」というのは、あえて日本語にすれば「多くを含んだ」という意味です。「多様な要求を持った」とでも訳せばよいのでしょうか。ここでは、たとえ普通学校であっても、すべての子どもが「ふつう」という規準に合わせるのではなく、子どもはひとりひとり、みんな違うのだから、いろいろな子どもの「当然の要求」、つまり「ニーズ」を学校の側が形やプログラムを柔軟に変えて、尊重しなければいけないという意味で使っています。無理に日本語にすると誤解をする人がいると思ったのか、今はカタカナのままで使っているのです。

 

☆   ☆

 

 この連載の4回目に、「ユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理」 (2) を書きました。その中で「インクルーシブ・デザイン」 (3) についても書いています。「ことばの整理」によればインクルーシブ・デザインとは、「『いろいろな人が使いやすいように』というのはユニバーサル・デザインと同じですが、ユニバーサル・デザインでは『いろいろな人が使いやすいように』するために、美的には劣るものになっていたり、自分は使いたくない・行きたくないと感じる場合があります。それを防ぐために、作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人が、デザイナーなどといっしょになって計画し、みんなが美しい、あるいは、みんなが使いたいとか、行ってみたいと思うようなデザインを創造するという理念です」とわたしは説明しました。宣言の最後に「インクルーシブな志向を持つ普通学校」とか、「インクルーシブな社会」という言葉がありますが、これはさしずめ、「作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人がいっしょになって計画した普通学校」や「作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人がいっしょになって計画した社会」という事になります。

 

 サラマンカ宣言の精神は、教育だけではなくて社会にもおよぶものです。だから「いろいろな子どもが計画段階からいっしょになって創る教育システムや社会システム」というだけでなく、本来は、いろいろな立場のおとな、つまり高齢者や障がい者といった人たちも参加して、システムを創っていくべきです。インテグレーション(4) という言葉(ややこしい!)もありますが、インテグレーションでは、価値観は「ふつう」の人が規準です。そこの高齢者や障がい者は、無理をして「ふつう」に合わせなければいけないのだが、そのかわり、一方的に福祉を受ける立場ということになります。しかし、サラマンカ宣言の教育でいうインクルーシブな社会の理念では、高齢者や障がい者が無理に「ふつう」に合わせなくてもいいし、一方的な福祉を受ける立場にならなくてもいいのです。

 

 次ぎに続きます。

 

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(1) サラマンカ宣言(ここでは、サラマンカ声明)の全文が、国立特別支援教育総合研究所のホームページに載っていました。特別支援教育法令等データベース 総則 / 基本法令等 - サラマンカ声明 -http://www.nise.go.jp/blog/2000/05/b1_h060600_01.html

 

(2) 「ユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理」(http://hitohaku.jp/blog/2012/04/post_1498/

 

(3) インクルーシブ・デザイン(九州大学のサイトは http://www.inclusive-d.com/, 京都大学のサイトは http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/inclusive/about_unit.htm

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

今年最初のkidsサンデーは1月6日。

キッズ館長を務めてくれたのはこの大使たち☆  

  201301kids館長   201301kids館長  

 
小学生の館長には、ひとはくのPRコメントをもらいました♪ 

201301kids
Q.博物館でしたいことはなんですか?
ゆうき館長:新しい生物とかを見つけてみたいです。 

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Q.ひとはくでやってみたいことはなんですか?
みく館長:今年はもっと植物のことを調べて知りたいです。


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Q.博物館でしたいことはなんですか?
はじめ館長:恐竜の化石見つけです。

  
 それでは、バックヤード巡回に行きましょう。
普段は入れない博物館の裏側に潜入します☆

 「面白そうなものがいっぱいありそうだな…!」
  201301kids

 

はじめに見学するのは図書室。

「あれ、本はどこにあるんだろう?」ボタンを押すと…
20130106kids館長      201301kids

「あ!棚が動いて本が出てきたー!」
201301kids

 201301kids    201301kids
「なんて書いてあるんだろー?」              「あ、この魚は…!」

次はひとはくの大切な宝物がたくさん置いてある収蔵庫に入ってみましょう。
ペタペタ、靴に付いているかもしれない虫さんと取ります。
201301kids         201301kids
 さぁ、中を見学しましょう☆             「何があるんだろう!」

  ここでは、鳥のはく製や植物の標本を見せてもらいました。
201301kids   201301kids
 

続いて荷解き場へ。
ここにはたくさんの荷物が置いてあります。

201301kids
「わー、荷物がいっぱい!」

 
最後は、お客様のお出迎えというとっても大切なお仕事に挑戦です☆

まずは、予行練習。
201301kids   201301kids

ごあいさつの練習やチラシの渡し方を習い、いざ本番へ!

ドキドキしながらお客様を待ちます…。

201301kids   201301kids
「お客様、まだかな…!」      「ぼく、上手に渡せるかな…?」

 

201301kids      201301kids
「こんにちは!いらっしゃいませ!」  「チラシをどうぞ!」

 

元気なご挨拶でお客様をお迎えしてくれました。
チラシもとっても丁寧に渡せており、大成功です♪

キッズ館長を務めて下さったみんさん、ほんとうにありがとうございました!
 

さて、キッズ館長のお仕事は終わりましたが、キッズサンデーは続きます☆
キッズサンデーのプログラムの1つ、高瀬科学コミュニケーターによる「ヘビのふしぎ」をご紹介します♪
20130106kids館長←高瀬さんの相棒、へび吉くん

  プログラムは2回行われましたが、1回目はこんなにたくさんの子どもたちが集まってくれました♪
  201301kids
 
高瀬さん「今からヘビのクイズしますよー!」

くねくね動くヘビの動きに関するクイズを一緒にしましたね!

クイズの次は、ヘビの工作をしました。

みんな、きれいな色に塗れたかな?

201301kids    201301kids 

 では、作ったヘビさんを木に登らせてみましょう☆
201301kids

みんなが作ったヘビさんは、シュルシュルと上手に木に登っていました♪

 

キッズサンデーに遊びに来てくれたみんさん、ほんとうにありがとうございました!
またキッズサンデーでまたお会いできることを楽しみにしております☆

次回のキッズサンデーは3月3日です。


<kidsひとはく推進室 ほそかわ まりえ>

森林動物研究センターシンポジウム
「野生動物の保全と管理の最前線」 ~拡大する被害にどう立ち向かうか~

当館と同じく兵庫県立大学自然・環境科学研究所の部門である森林動物系による公開シンポジウムが下記のとおり開催されます。野生動物による被害地域の拡大や問題の多様化について最新のデータ分析に基づく現状や地域での取り組みの成果を発表し、今後の対策と体制づくりに向けて県民とともに考えるシンポジウムを開催します。関心のあるかたのご参加をお待ちしております。

wildlife_center_04.gif

チラシはこちらからダウンロードできます!(PDF形式 2.2Mb)


【日時】
 平成25年2月16日(土) 13:00~16:30

【場所】
 兵庫県立美術館 ギャラリー棟1階 ミュージアムホール
 (神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 tel. 078-262-0901)
  *ホール専用の駐車場はありますが、限りがありますので公共交通機関でお越しください。

【定員等】
 定員250名 参加費無料

【申込方法】
 以下のリンクから必要事項を入力し、申し込んでください。
 なお、定員になり次第募集を締め切ります。

  → お申し込みはコチラから ←

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

【プログラム】

野生動物はなぜ出没するようになったのか?―その背景にある基本的構図
 【藤木大介(県立大講師・センター研究員)】

都市環境へ進出する野生動物―イノシシの市街地出没要因を探る
 【横山真弓(県立大准教授・センター主任研究員)】

孤立した群れが引き起こす被害への対応―住民・行政の協働によるサル管理モデル
 【鈴木克哉(県立大助教・センター研究員)】

地域が主体となった獣害対策―「獣害に強い集落づくり」の実践
 【安井淳雅(センター森林動物専門員)】

パネルディスカッション
【コーディネーター:林良博(センター所長)】
 会場参加者からの質問等に対応する方法で実施します。
(会場参加型パネルディスカッション方式)

 (みつはしひろむね)

mikageK2013_track.jpg

mikageK_zentai1.jpg 毎年恒例の「六甲山のキノコ展 」を今年も開催しております。今回は、阪神御影駅まえにある「御影クラッセ」を会場に、1F玄関口には、「ゆめはく号」が登場。ちょっと変わったキノコを展示しつつ、4Fにて開催されている本展示へと誘導します。当館のやくわりは、看板です。
駅前だけあって、人通りが多く、たくさんの人が尋ねてくれています。
さて、4F展示室では・・・

mikageK2013.jpg  
ともかく御影クラッセ4Fの展示室ではたくさんのキノコをずらっとならべています。
これ以外にも写真に写ってない左側にもたくさんあります。

mikageK2013_k.jpg

キノコに関心が高い小さな子、やたらとキノコに詳しい少年が次々と登場しています。本物がしっかりと展示されていて、しかもケースに入らないで間近で観察できるので迫力があります。
すっかり恒例の行事になっていて、去年は展示してなかった標本を見つける方、近くの方に解説してくれるお客さん、お客さんどうしで対話される様子など、双方向の交流ができあがりつつあります。

きのこ展のご案内はこちらです。1月12日~14日までの開催となっています。
 → ポスター

会場にキノコのにおいが充満しています。約400種類のキノコが一同に並んでいて圧巻です。
明日、14日まで展示していますので、興味のある方はぜひお越しください。

(みつはし)

1月7日(月)より2月8日(金)までの間、ひとはくは臨時休館となります。
休館日前日の6日、最後のイベントとしてフロアスタッフとあそぼう「たこづくり」開催されました。

DSC03014_1.jpgのサムネール画像


DSC03013_2.jpgのサムネール画像大勢の参加者でにぎやかにタコづくりが行われました。

DSC03015_3.jpg

子どもたちも一人一人自分のたこを熱心に制作していました。

DSC03016_4.jpg

完成後、解散となりましたが深田公園で飛ばしている人発見!(遠くて見えないですが・・・)

しばらくの間、臨時休館させていただきますが、2月9日(土)より様々なイベントを用意し、皆様のお越しをお待ちしています。

情報管理課 阪上勝彦

1月7日(月) 今日から仕事始めの方も多いのかなと思いますが、博物館は今日からメンテナンスのための臨時休館をいただきます。
そんな今朝は、我が家で恒例の「七草がゆ」をいただきました。

          
 ちょうど、5日の土曜日に服部先生のオープンセミナーで【春の七草】についてお話を聞いたところでした。万葉の時代から、秋と春に見られる身近な七種類の草本やツル性の植物などのうち、春には「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」が詠われています。それをお粥の具にしていただいたものなのだそうです。

       

 ということで、新しい年を健康に過ごすため人間も体調を整えますが、ひとはくもメンテナンスのため2月8日まで臨時休館します。


2月9日(土)から開館しますのでしばらくは.....館内はさびしいですが、職員は普通どおりです。

初虫!

2013年1月 3日
明けましておめでとうございます。

ひとはくは、本日1月3日から開館しています。

朝、4階関係者入口横の壁で、みつけました。
初虫です!
IMG_2865.jpg

これは、ナミスジフユナミシャクです。

冬にだけ現れる、フユシャクといわれる仲間の蛾です。
だから、初虫になりやすい虫です。

昨夜、灯に飛んで来たのでしょうね。
翅の長さは1.5cmくらい。

とくにめでたい虫でもありませんが、和風で渋い味わいの模様は、お正月に似合います。
おみくじでいえば、小吉くらいの気分です。


舌を噛みそうな名前の意味を解説しておきましょう。
「シャク」というのはシャクガ科の蛾、尺取り虫の親のことです。
その中に、ナミシャクと呼ばれる仲間があります。
その中に、冬にだけ成虫が現れるフユナミシャクと呼ばれる仲間があります。
その中の、波のような模様のある種、という意味です。

この仲間のメスは、翅(はね)が退化していて、クモのような姿をしています。
当然、飛べないので、なかなかみつかりません。みつけたら、大吉でしょう!

八木 剛(自然・環境評価研究部)

 いつも、ひとはくブログを愛読してくださってるみなさま、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 ひとはくは、今日から開館しています。

 館内では、いろいろなセミナーに多くの方々が参加くださり、賑やかに新年を迎えました。

ひとはく連携活動グループ 人と自然の会による恒例の「ひとはくのお正月」 

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たこ作りに、こままわし、お手玉・・・。 私も小さなころ、やりました。

干支にちなんで フロアスタッフとあそうぼう「びっくりスネーク」

何にびっくりするんだろう???

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こちらのイベントには神戸新聞の篠原記者が取材に来てくれました。

いつもありがとうございます。

 

うきうきワークショップ「化石のレプリカづくり」

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カラフルな半透明プラスチック粘土の中から好きな色を選んで化石のレプリカを作ります。

 

今年の開館初日にひとはくへお越しくださった みなさまありがとうございました。

ひとはくは、今月7日(月)から2月8日(金)まで臨時休館に入ります。

お勤めの方で、6日(日)までお休みの方もいらっしゃるとか。

本日実施されました、フロアスタッフとあそうぼう「びっくりスネーク」(午後3時~定員20名)とうきうきワークショップ「化石のレプリカづくり」(10時30分~午後4時 時間内はいつでもご参加いただけます。)は明日も実施していますよ~。

今日来てくださった方も、予定があって来れなかった方も、臨時休館に入る前に、是非、ひとはくへお越しくださいね。

 

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