ひとはくに隣接する深田公園には
いろいろな木が植えられています。
4月下旬にヒラドツツジ(ツツジ科)の
花が咲き始めました。
濃いピンク色や淡いピンク色、白色など
様々な色の花ビラがあります。
画像をクリックすると、写真が
拡大するものがあります。

▲4月下旬に咲き始めたヒラドツツジの花
ところで、ヒラドツツジの花ビラは、
横方向から見るとラッパのような形を
しています。

▲横方向からみたヒラドツツジの花
その花の先の方はいくつか、
に分かれています。
さて、いくつに分かれているの
でしょうか?
数えてみてください。

▲前方向から見たヒラドツツジの花
そうです。 5つ(5枚)ですね!
では、花の中心部から棒状のものが
出ていますが、何本出ていますか?
数えてみてください。

▲前方向から見たヒラドツツジの花
どうですか?何本でしょうか?
上記の写真に、数えやすいように
〇印をつけてみました。

▲棒状のものの先に〇印をつけたもの
そうです。11本ですね。
より中心部から出ている、
他のものよりも太くて長くて、
先の形が少し違うもの
1本を除くと10本です。
その他のものと違うものが
「めしべ」です(黄色の〇)。
他の10本は「おしべ」です。
この10本の「おしべ」は、
(微妙なもの もありますが、)
長めのものが5本(濃い青色の〇)、
短めのものが5本(淡い青色の〇)
あります。
「おしべ」のそれぞれの先には米俵
のような形の、花粉が入っている
葯(やく)が2つずつあります。
そのそれぞれの先に穴があいていて、そこから
花粉がでてきます。

▲「おしべ」の先の葯
一方、「めしべ」の先の柱頭(ちゅう
とう)をよく観察すると、なんと、
漢字 1 文字が見えます。

▲「めしべ」の柱頭
柱頭の先に漢字の「大」が見えませんか?
柱頭の先に丸いものが5つあって、
それぞれが接している隙間が「大」に
見えると思うのですが・・・。
それぞれの丸いものにつながっている
子房が、やがて5つの部屋に分かれて
その中にたくさんの種子がそれぞれに
入っている果実ができることに
なります。
つまり、ヒラドツツジの花は、
花ビラの先が、5つ(5枚)に分かれていて、
おしべが、10本(長めが5本、短めが5本)、
めしべの先が、5つの丸いものに分かれている、
というように、それぞれが5の倍数
(5数性ともいう)で
できているのです。
ちなみに花の下にある緑色のガク片も
5つ(5枚)あります。
ツツジ類を見つけたら、花ビラの数や
おしべの数、ガク片の数など
を数えて みましょう。
皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。
研究員 小舘