ひとはくに隣接する深田公園には
いろいろな木が植えてあります。
本館3階入り口前の階段近くに、
ハナミズキ(ミズキ科)が
あります。
現在(離れたところから見ると)
枝先にピンク色っぽいものが
あり 綺麗です。
画像をクリックすると、写真が
拡大するものがあります。

▲3階入り口ちかくのハナミズキ
ちなみに黄緑色のものは、ケヤキ
(ニレ科)の葉です。
いきなりですが、ここで質問です。
下記の写真で、いくつの花が
咲いているでしょうか?

▲ハナミズキの花
(2025年4月23日撮影)
いくつだと思われましたか?
「赤っぽい花ビラが4つずつ
咲いていて、3つの花が咲いて
いるよ」と思われた方、
普通そうですよね。そう見えますよね。
じつは、3つの花のように見える
もの、のそれぞれの中心部を
よく観察すると・・・
先ほどの写真の左から、順番に
仮にA、B、C としましょう。
それぞれの中心部の拡大写真を見ると、
まずは、Aです。

▲Aの中心部
次に、Bです。

▲Bの中心部
最後にCです。

▲Cの中心部
それぞれの中心部を見ると、左側のAと
真ん中のBには、小さな花がそれぞれ1つ
見えているのが わかりますか?
そのほかの、先が丸い棒みたいなものは、
すべて1つ1つが花のツボミなのです。
赤っぽい花ビラみたいに見えているのは、
「苞(ほう)」といいます。
「苞」とは、花や、花の集まりである
花序(かじょ)の基部にある特殊化
した葉(あるいは、「苞葉(ほうよう)」
ともいう)のことです。
ハナミズキの花の構造は、赤っぽい苞が
4枚あって、その中心部に20ケくらいの
ツボミがあります。やがてそれぞれが
開いて黄緑~黄色っぽい花ビラが4枚と、
白~黄色っぽい葯(やく)がある
雄しべが4つ見えます。
さらに中心部には薄い緑色の雌しべが
1つあります。
右側のCの中心部には、すべて、
まだ開いていないツボミでした
(ここで感心してでてくる言葉の
「ほオう」と言ってもらえれば・・・)。
したがって、小さな花はAとBの
それぞれ1つずつ、合わせて2つ
しか咲いていませんでした!
(ここでも、感心してでてくる
言葉の「ほォう」と言って
もらえれば、私も嬉しいです)。
花は、近くで観察しないと、
咲いているか、どうか
分からないこともあるのですね。
皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。
研究員 小舘