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2010年3月アーカイブ

 連続セミナー「芦屋で学ぶ森・川・海の自然」の第9回として、「森の樹木と土の観察」を実施しました。


この連続セミナーは、芦屋で活動されている団体「NPO法人さんぴぃす」、「芦屋川に魚を増やそう会」と「ひとはく(企画者:三橋研究員)」との共催で、2009年度(4月〜3月)12回実施されました(下記参照)。

連携セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」ラインナップ
*******************************************************************************
第1回 4月25日(土) 春の六甲山ハイキング (橋本研究員)
第2回 5月9日 (日) 浜辺の鳥 食べもののとり方を観察しよう(遠藤研究員)
第3回 6月13日(土) 川の魚と水生昆虫 (田中研究員・三橋研究員)
第4回 7月18日(土) 森の昆虫は何を食べ、何に食べられるか (大谷研究員)
第5回 8月13日(木) 真夏の鳴く虫を聞く (大谷研究員)
第6回 9月13日(日) 芦屋の里山 (村上氏 芦屋森の会2001)
第7回 10月3日(土) 芦屋をとりまく森のキノコ (秋山研究員)
第8回 11月6日(金) モクズガニとウミボタルの観察 
                          (三橋研究員・大脇氏 NPO法人さんぴぃす)
第9回 12月5日(土) 森の樹木と土の観察 (小舘研究員)
第10回 1月9日(土) 芦屋の街 野鳥図鑑をつくろう (遠藤研究員)
第11回 2月13日(土) 手作りカメラで自然を写そう (赤澤研究員)
第12回 3月13日(土) 湿地の水生動物(三橋研究員)
*******************************************************************************

それぞれの回のようすは、ひとはくブログに掲載されています(ブログで紹介されていない回もあります)。
そのタイトルとアドレスは、下記のとおりです。
======================================================
●セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」第2回を行いました
http://hitohaku.jp/blog/2009/05/2_2/
●『芦屋でまなぶ森・川・海の自然 〜第3回 川の魚と水生昆虫』
http://www.hitohaku.jp/blog/2009/06/3/
●芦屋セミナー第4回「森の昆虫は何を食べ、何に食べられるか」
http://hitohaku.jp/blog/2009/07/post_368/
●芦屋セミナー第5回「初夏の鳴く虫を聞く」
http://hitohaku.jp/blog/2009/08/post_437/
●芦屋セミナー第7回「芦屋をとりまく森のキノコ」 
http://www.hitohaku.jp/blog/2009/10/post_476/
●セミナー報告「芦屋でまなぶ森・川・海の自然 第10回」
http://hitohaku.jp/blog/2010/01/post_593/
======================================================

さて今回は、2009年12月5日に予定されていた第9回のものが雨で延期となり、2010年3月27日に開催されたセミナーのようすをご報告します。

当日の参加者の中に、「芦屋森の会2001」(連続セミナー第5回の講師をしていただいた)村上さんもいらっしゃいました。

セミナーは午前10時からはじまりました。
天気は、晴れでしたが風が冷たく、歩いていないと寒く感じるほどでした。

1.ashiya.jpg            2.ashiya.jpg 

▲3月は雨が多かったのですが、この日は晴れです    ▲さあ、出発です(登山口)

 

3.ashiya.jpg     4.ashiya.jpg

▲高い位置から芦屋ゲート方向をみる        ▲森林整備がされ、
 (アカマツが多い斜面、手前右下はマツ枯れ)    アカマツの苗が植えられたところ

5.ashiya.jpg   6.ashiya.jpg

 ▲土の観察中です                ▲色見本で、土の色の呼び方を決めます

 

7.ashiya.jpg  8.ashiya.jpg

   ▲色が異なる土の3種類           ▲アカマツの大木の下で、
(左側が表層で暗褐、褐、黄褐色)            こんなものが見られました

 

それぞれの生育場所の植物と土について、いろいろと観察しました。

また、ここで森林整備などの活動をされている村上さんから色々と現地のことを教えていただきました。
この場をお借りしてあらためてお礼申しあげます。

 

さて、こんなものも見られました。

9.ashiya.jpg

▲ これは、どのような状態かわかりますか?

 

実は、下記のような樹名板(プラスチック?)をクスノキの幹が

取り込んでしまった状態でした。

黒字で「ス」と「ノ」の一部が見えたのと、

「大切に育てましょう」とうっすら見えました(文字のあとが・・・)。

 

10.ashiya.jpg

▲近くのヒノキの幹につけらている樹名板
 

この樹名板には、「ヒノキ科 ヒノキ 大切に育てましょう。」と書いてあります。

おそらく先程のクスノキの樹名板には「クスノキ科 クスノキ 大切に育てましょう。」と

書いてあったのでしょう(このヒノキの樹名板をみて確信しました)。


  木の成長力はすごい!?
 大切に育てると、木がプラスチックを食べちゃう???

 

参加いただいたみなさん、(このブログを見ていただいたあなたも、)

おつかれさまでした。

11.ashiya.jpg
▲参加いただいたみなさん

 

明日から新年度です。

ひとはくでは、いろんなセミナーをご用意しております。

ぜひ、ご参加ください。


                        (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)


 
連載1  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_634/

連載2  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/2_6/

連載3  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/3_3/

連載4  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/4_3/ 


 
 
 『吾輩はキリギリスである』も大好評のうちに最終回を迎えることとなりました。
 長らくご贔屓に与り、誠に感謝感激、雨あられ!!


 それでは、最終回、どうぞお楽しみください  鳴目 虫石(なくめ ちゅうせき)

 

 
 ほかには、陶器製の虫籠やヘルンさん愛用の舟形の虫籠、フィールドノートが展示され、途中からは、七夕に虫に願いを祈る笹飾り、民俗学者柳田國男先生がカマキリの方言を調べた「蟷螂考」の展示、沢田佳久研究員お手製のの3D写真展示ホッパーズなどどんどん広がりを見せた。

3D 写真展示 ホッパーズ

 追加された展示の中でもっとも吾輩が怖かったのはお菊虫である。まったく吾輩たち鳴く虫とは関係ないが、ヘルンさんの作品「日本の庭にて」に登場する縁で出現した。あの有名な怪談「播州皿屋敷」のお菊井戸に大量発生したジャコウアゲハのさなぎであり、シダの研究者でありながらネズミやカタツムリもやる鈴木武研究員が連れてきたものである。葛屁食草(かずら へくそう)という珍元斎そっくりな落語家が演じた「皿屋敷」は、一枚二枚・・・お菊さんが皿を最後まで数え、皿が足りないというのを聞くと死んでしまうという話で吾輩は怖くてたまらなかったが、最後はお菊さんが風邪をひいて、明日休むために余分に数えるというのには、あきれて言葉がでなかった。真剣に聞いた吾輩が馬鹿だったのである。それにしても、あの後ろ手に縛られたお菊さんそっくりな姿を見ると、吾輩はあまりかかわりたくない虫だと思うのである。
 
 そして、夏が過ぎ、吾輩たち鳴く虫族がワーワー大騒ぎする秋を迎えるという時、この企画展は終わり、吾輩は無事、野に放たれたのである。おかげで多様な人間の世界を見物させてもらったが、寒くなる前に大急ぎでメスのキリギリスを探しだし、吾輩の偉大なる遺伝子を残し、鳴く虫族の多様な世界を永遠のものとせねばならない。
 ところで、聞くところによると、いろんな吾輩たち鳴く虫族の写真パネルや虫売り屋台などの展示物は、滋賀県の多賀町立博物館、そして、奈良の橿原昆虫館に巡回し、好評を博したそうである。あの巨大キリギリスぎっちょん君はというと、吾輩たちのご神体となり、この博物館の前にあるフローラ88で今もデーンと展示され、吾輩たち鳴く虫族を見守ってくれているのである。
 
              

−完−
 


毎日実施している、フロントスタッフのイベント。今日のイベントは「けんちくかの日〜みんなのまちをつくろう!」でした。
みんな、思い思いに自分の家を作っています。 

0327iedukuri.JPGこのイベントを企画した、山崎研究員もカウンターに座って、参加したみなさんの様子を見ています。 0327yamasaki.JPG家が出来たら、街の好きな場所に家を建てます。


                              P1020790.JPGのサムネール画像   0327iewooku.JPGのサムネール画像

「子どもたちは、自分の家を自然豊かな場所に置くんですよ。」とフロントスタッフの瀬良さん。  緑が少ない都会に住みたいって、意外と思わないみたい。


0327kannbann.JPG明日も、この「けんちくかの日」のイベントを実施します。
                                                   15:00〜16:00(ひとはくサロン)


「このイベントをきっかけに自分の街をもっと知って、大人になったら自分たちで、よりよい街を作っていってほしい」とフロントスタッフの高瀬さん。
0327takase.JPGフロントスタッフと一緒に世界に1つしかない自分の家と街づくりをしてみませんか?


                                                                    小林美樹(生涯学習課)

建築スケッチ紀行

2010年3月26日

村野藤吾は文化勲章や日本芸術院賞を受賞するなど日本を代表する建築家の一人であり、兵庫県にも数多くの作品を残しています。

実際に現地に行き、見て回ることで造形や空間を体験します。繊細な光のコントラストや、人の動線設定の巧みさ、リズミカルに連続する造形美、風景としての見られ方や、風景の見せ方隠し方等、建築家・村野藤吾の意図を読み取りながら感じ取りながら、1枚1枚、1時間程度かけて、ゆっくりと描いていきます。一見、奇妙に見える造形でも、その中に潜む建築家の意図が次第に見えてきます。

 

        yamazaki3-1.jpg          yamazaki3-2.jpg

             集合場所に集合した様子                       隣の建物から建物の観察

 

yamazaki3-3.jpg

                                                         建物の中を歩き回る

昨年度は午前中に1枚、午後に1~2枚のスケッチを描きました。本セミナーでは、描いた絵の出来栄えではなく、何をどう読み取るかを重視し楽しみながら描いていきます。

                  yamazaki3-4.jpg    yamazaki3-5.jpg   

                     宝塚カトリック教会の内部。                       周辺から建物を見て回る。  

                       スケッチしている様子。

 本年度も引き続き、尼崎市役所、旧大庄村役場、西山記念会館といった村野藤吾作品を秋空のもとスケッチして巡る予定ですので、是非、1日の小さな建築の旅にご参加ください。

 

                                山崎義人(自然・環境マネジメント研究部)


 

こんにちは!ひとはく総務課で働き始めて2年目の総務課職員です。

展示のある1階〜3階ではなく4階(ひとはくサロンのある階です)に総務課はあるため、皆様にはあまりなじみのない場所かもしれません。

そこで!メルマガ編集長の命により、総務課職員はどのような仕事をしているのか

ある1日の流れをもってご紹介したいと思います。

(今回登場する総務課職員は給与・服務・福利厚生などを担当しています。)

 

○月△日(火)

出勤     基本は月曜日が休館日のため、火曜日が週の仕事はじめ!と感じます。

9:30頃  券売機を作動させます。ひとはくは10時開館です☆

午前     本日は職員の給与計算。

社会保険や雇用保険など、給与担当ならではの単語が出てきます。

電卓は必須アイテムです。

 

denntaku.JPGお昼休み   

午後     次に職員の旅費計算。

ひとはくの職員は、資料収集や研究用務などで県内外へ出張することもしばしば。

16:30  小鳥の声の放送がかかります。

総務課では、この放送を「ピヨピヨ」と呼び、「ピヨピヨの時間が来たよ」と言うことも。

ひとはくは17時まで開館していますが、入館できるのは16時半までのため、この放送を聞いて券売機の作動を停止します。

今日は何人くらいお客様がいらっしゃったかな??

 

kennbaiki.jpgその後仕事は続く・・・

 

とても簡単にですが、1日の流れを追ってみました。いかがでしたでしょうか。

仕事をしながら日々感じることは、職員さんとの会話がとてもおもしろいことです。

珍しい虫の話や化石、植物の話など…。知らなかった世界をのぞくことが出来ます。ひとはくに勤務することが出来て、楽しいなと思う瞬間です。

ひとはくに来ていただく方にも、さまざまな魅力を感じていただけるよう

ひとはく職員の一員としてこれからも仕事に励みたいと思います。

                     

                                            津田奈保子(総務課)

 

みなさ〜ん こんにちは!

桜が舞 新学期が始まりますネ。

新しいお友達はできるかな?

 

3月のフロアスタッフのイベントでは

「かわいいマスコットきのこ」をつくりました。

オリジナルのカラフルな「きのこ」ができましたネ。

ご参加頂き、ありがとうございました。 

 

FS3-1.JPG          ピンクのかわいいきのこ

 

4月のフロアスタッフとあそぼうは・・・

  34日  「さくらを飾ってあそぼう」

            思い出をさくらで飾りませんかぁ!

FS3-2.JPG

                      サクラのフォトフレーム

 

  1011日 「画はくの日」

  1718日 「川でさかなつり」

          とっても人気です。

               上流・中流・下流にわかれてよ〜いドン!

        どんな魚がつれるかな?

    

FS3-3.JPG                   魚を釣っている様子

 

2425日 「動物すごろく」

  29日  「くるくるとぶたね」

  を予定しています。

 

●ゴールデンウィーク初日

   429日は「ふかたん」・・・春のむしをさがしに深田公園を探検してみましょう!

   どんな虫をみつけられるかな?

 

フロントスタッフは、お客様の誘導・案内、そして、展示解説・デジタル紙芝居・FSとあそぼう、など、いろんなイベントを行っています。

詳しくは・・・うきうきカレンダーをご覧くださいネ。

お客様の御来館心よりお待ちしています。

 

       西口浩子(フロントスタッフ) 

人と自然の会クラフトクラブの3月例会は杉原紙の里を訪ねました。

313() 朝から雨模様の中、10時に博物館を3台の自動車に分乗して出発、中国自動車道滝野社ICから岩座神(いさりがみ)棚田に到着。鎌倉時代に作られたといわれる石垣の棚田の景色は、日本の棚田百選に認定されており、その美しさは西日本一とも言われています。秋には刈り取られた田んぼをステージに見立てて、棚田コンサートも開かれています。

       hitoto3-1.jpgのサムネール画像     hitoto3-2.jpgのサムネール画像

                                     水を張るころにもう一度訪ねたい

この岩座神地区にある、簡素でひなびた五霊神社の郷土記念物ホソバタブ3本は兵庫県内では、第1・2・3位と言われる大木です。ゆっくりと散策してきました。

 

現地で合流組とあわせて12名で、道の駅R427かみでレストラン車留満(しゃるまん)で昼食、ここでは多可町の特産「播州百日どり」が名物、みんなで地鶏の味を噛み締めました。

 

杉原紙研究所は道の駅と杉原川を挟んで隣接しています。

多可町で杉原紙を漉き始めたのは七世紀奈良時代後半と推定されています。大正時代には一時紙漉きが途絶えました。しかし、昭和45年に地域のお年寄りにより復活したのです。原料は楮(コウゾ)です。楮から杉原原紙になるまでには12の工程があります。1楮刈り、2楮蒸し、3皮はぎ、4黒皮とり、5川さらし、6釜だき、7楮みだし、8紙たたき、9紙漉き、10圧搾、11紙干し、12選別、以上12の工程を経て始めて杉原和紙になるそうです。

原料の楮は現在は他県産や輸入物も使用しているそうですが、出来上がりの色が地元産のものと比べると異なるので、将来的には地元産の材料で賄うよう準備を進めているそうです。

                   hitoto3-3.jpgのサムネール画像

                            黒皮取り 

                  

                   hitoto3-4.jpg    

                        さらされた材料

 

水を張った大きな漉舟に、紙たたきでほぐされた楮とサナ(トロロアオイから取る)が入れられており、6人一チームでそれぞれオリジナルの紙を作りました。それぞれ思い通りの色を着色することも出来ます。

 

 

                  hitoto3-5.jpg 

               指導員の説明を聞きながら・・・チャレンジ

 

これまで牛乳パックを使って紙すきをしたことはたびたびありますが、本格的な紙すきの体験は貴重なものでした。今後、クラフトクラブのメニューに変化があるでしょうか?ご期待下さい。

 

               北方唯男 (NPO法人 人と自然の会)       

植物ウォッチングは,春・夏・秋・冬いつでも楽しむことができますが,春は特におすすめの季節です.とにかくいろいろな植物がわれもわれもと動き出します.

 

kuroda3-1.jpg   kuroda3-2.jpg

       アカメガシワ        コナラ

 

春の光を浴びて,木の芽から葉っぱが少しずつ広がってきます.少し近寄って見てみましょう.春の葉っぱは単純なみどり色ではありません.あるものはきらきらと銀色に輝き,あるものは真っ赤に染まっています.そこには普段あまり目にすることない豊かな彩りを見ることができるでしょう.そして,あるものは花びらを広げ始めます.写真を撮るのも良いですが,届くようでしたら鼻を近づけ,においをかいでみましょう.今まで感じたことのないすてきな香りを楽しむことができるかもしれません.そして,地面からはいろいろな植物がもこもこと出てきます.そんな姿は繊細でありながらもたくましさがあり,自分も頑張らねば!と気合いが入ります.

 

  kuroda3-3.jpg     kuroda3-4.jpg

    コバノミツバツツジ        ショウジョウバカマ

 

お花見も粋なものですが,ぽかぽか陽気の中の植物ウォッチングはそれ以上に心を和ませてくれます.さあ皆さん,春の野山へ出かけましょう♪

 

 

 

                               黒田有寿茂(自然・環境再生研究部)

 

連載1  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_634/

連載2  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/2_6/

連載3  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/3_3/

 

 

 
 さて、企画展示室から外に出ると、明治時代の虫売りの屋台がデンと置いてある。

  復元 虫売り屋台ここは鳴く虫を愛した明治の文豪小泉八雲(ヘルンさん)の展示コーナーで、その作品「草ひばり」や「虫の音楽家」の紹介パネルや謎の造形師Y・フジワラの大型屋台と謎の木工職人T・ケンヂの体験用屋台などがある。屋台からは、ヘルンさんのエッセー「虫売り」を元にした、謎の講談師河南堂珍元斎と呼ばれるあの怪人着物男の自作自演の講談の声が流れている。
 
 珍元斎は、普段、総務課でデスクワークをしているようだが、吾輩たちのように脱皮をして着物姿となり、来館者に時々、講談を披露している。鳴く虫の持ちネタは3つあり、 ぎっちょん君 卵時代卵の頃の刷り込みで鳴かないオスのキリギリス「ノコギリ名人ぎっちょん君誕生!」 ノコギリ名人 ぎっちょん君誕生 ノコギリ名人 ぎっちょん君誕生やイソップ物語で有名な「アリとキリギリス六変化」、    アリとキリギリス六変化    アリとキリギリス六変化   アリとキリギリス六変化そして、ヘルンさんが長屋の仲間のおっちょこちょいで仕事が長続きしない喜六に歴史や売り声を教える「虫売り」の話である。

虫売り そういえば、近所の小学生や高校生もこの男にだまされてか寸劇で出演している。特に珍元斎の相方の四十一斎という太った男はひどい。どんな役でもやる男で、虫売りやフンコロガシまでやっている。フンコロガシはとても似合うが、あの姿はとても吾輩たちキリギリスには見えない・・・あれでは緑色のゴキブリである・・・が、なかなか動きがコミカルでつい、吾輩も笑ってしまう。他にも、黒子の名人御免奈斎や司会の達人綾毬奈斎など少年少女からおじいさんまでの多様な構成の河南堂一座である。
 この夏、河南堂一座は、松江や明石天文科学館、有馬の旅館瑞宝園など依頼されて、鳴く虫公演で、大忙しのようである。にもかかわらず、あの四十一斎という男はなぜか痩せない。


 
 話は展示室にもどる。ときどき遊びにくる子どもたちは床几に座り、吾輩たちの美しい声のCDや虫売り講談CDに耳を傾け、ここで飼育されているキリギリスやエンマコオロギ、ヒメギス、ツユムシ、スズムシなどを興味深げに観察している。しかし、虫たち昼間なかなか鳴かない。だが、夜になると美しい声を奏でる。これが閉館した後なので、吾輩はとても残念である。

 

 

 ・・・・・・つづく(だろう?!)  鳴目 虫石

 

 

 

 

  omote2.jpg以前にもブログでこの写真の生き物について紹介したかと思います。
http://info.hitohaku.jp/blog/2008/09/post_158/

この生き物は、甲殻類エラオ亜綱チョウ目チョウ科チョウ属のチョウです。
学名は、Argulus japonicus Thiele,1900 。当館の液浸収蔵庫にも一部標本が保管されています。エイリアンのような格好で、養殖のコイに付着する外部寄生性の水生動物として知られています。

この写真等をブログで紹介したところ、しばらくして、広島大学の長澤先生より標本提供の依頼があり、提供させていただきました。しばらくした後に、長澤先生らにより、この標本をはじめ各地のチョウやチョウモドキ(朝来のアマゴに付着)に関する記録が以下の論文で取りまとめられています。チョウ類のことを調べたい方には、以下の文献が役立ちます。

長澤和也ら(2009)本州西部で採集されたチョウとチョウモドキ、J.Grand.Sch.Biosp.Sci.,Hiroshima Univ.48:43-47.
長澤和也(2009)日本産魚類に寄生するチョウ属エラオ類の目録(1900-2009年). Bull.Biogeogr.Soc.Japan 64.135-148

市民の方からの通報にはじまり、ブログへの掲載、そして学術論文として記録が残ることになって、なによりです。こうして、自然史の情報が積み上がってゆきます。
なかなか採れない生物、希少でマイナー生物は、こういった形で情報を流通させることで大切だということを再認識。甲殻類の専門家はこの博物館にはいませんが、生物多様性情報のハブ機関としての自然史系博物館の役割が良くわかる一連の顛末でした。
あらためて、広島大学の長澤先生にお礼申しあげます。

(みつはし ひろむね)

オトシブミの裏側

2010年3月24日
風は吹くわ 雨は降るわ さぶいやら ぬくいやら

でも,だんだん春になってきていて,オトシブミの展示をやっている
槻の「あくあぴあ芥川」でもそろそろ桜が咲きはじめる頃かもしれませ
ん.行くのなら花見も兼ねて,ですよ(勧誘).虫が動き始めたら,生
き虫も置きますので,その頃に行くのもいいですけど(勧誘).入場料
は無料ですし(勧誘).

で,オトシブミの話の続きをば.

オトシブミといえば,子供のために葉っぱを巻く虫という事で

『まじめでほのぼの』

のイメージですが,それは真実の半分でしかありません.母親オトシブ
ミは確かにそうなのですが,おやじオトシブミときた日には,ふだんは
ロクに働きもせずブラブラしてるかと思えば,いきなり凶暴で好戦的な
虫に豹変する恐ろしい動物なのです(ちょっと悪く言い過ぎてますが).

そもそも,オトシブミの仲間は大型の種類ではオスの体がグワッと変な
形になっています.前足がやたらと長いとか,口が長いとか,胸から首
にかけて長いとか,です.その代表は,日本産の種ではヒゲナガオトシ
ミです.この種類は雄の前胸が長く,さらに首が長く,さらに触角も長
くなっています.それらはたぶん背比べ(というか触角の先までのルー
ル)をするためです.

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キリンオトシブミの♂(奥左)と♀(奥右)
ヒゲナガオトシブミ♂(手前左)
ロクロクビオトシブミの一種の♂(手前右)

ヒゲナガのヒゲ比べはまだエレガントなほうで,カシルリオトシブミは
前足を使ってレスリング状態になりますし,ルイスアシナガオトシブミ
は前脚で殴り合いをするようです.

世界的には,マダガスカル産で世界一大きいオトシブミとされている,
キリンオトシブミ(Trachelophorus giraffa)というのがいて,
これも大型のオス個体では首が長くなっています.触角に防御装備があ
りますので口の先までを比べるのではないでしょうか?

また,フィリピンのロクロクビオトシブミ類(Trachelismus spp.
は,体は小さいのに雄の首は長大です.妖怪の「轆轤首(ろくろくび)」
みたいに首がうにょうにょ曲がるわけではありあません.付け根のと
ころ,つまり頭部と前胸の間で曲がるだけ.これでどうやって餌を摂る
のか心配になります.たぶん無理では? とにかく不健康な長さです.
珍しい虫なので今のところ戦い方は不明です.

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ロクロクビオトシブミの一種の♂

このような「オトシブミの裏側」はそのつもりでいると観察の機会は
少なくありません.もっとも身近なカシルリオトシブミでも,多くの
個体が活動しているところでみていると,一匹の♂が飛んできていき
なりバトルが始まります.ふつうは継続時間が短いので要注意.

昆虫共生・沢田佳久

ひとはくの本館4階の「ひとはくサロン」には、休憩コーナーがあります。

このコーナーの一方の壁面に飲み物の自動販売機がありますが、
その反対側の壁面(?)には「掲示ボード」があります。

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▲ 4階の「ひとはくサロン」の休憩コーナー
(写真右下のところが掲示ボード)

 

その掲示ボードには、フロアスタッフが行っているオープンセミナー「ふかたん」や「画はくの日」

(これらは、参加無料のイベントです)の作品が掲示されています。

 

2s-201010324 .jpg   3s-201010324 .jpg 

▲子どもたちがつくった作品              ▲「ふかたん」のマーク

(ここには、「ふかたん」で観察したことなどを記録したマップが貼ってある)

 

さて、今回は、その掲示ボードでも現在紹介されている先日(3月20日に)
行った「ふかたん」の実施報告です。


「ふか・たん」は、「深田(ふかた)公園 うきうき探検隊(たんけんたい)」のことです。
ひとはくの建物は、深田公園の中にあります。

「ふかたん」は、この公園の中を(テーマにそって)、いろんなものをみんなで観察しながら探検をする

イベントのことです。

このイベントは、(隊長は研究員が担当するのですが、)フロアスタッフが
企画・司会進行・記録(写真撮影)・とりまとめ等を行います(スタッフのみなさん、御苦労さまです)。

 

今回のテーマは、「冬を耐えた植物を かんさつしよう!」です。

14時に集合し、少し説明を聞いて、いざ 外へ!

 

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▲ さあ、出発だ!                ▲ まずは、ツバキの花をかんさつ!

 

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▲ クヌギの枯れ葉をかんさつ中!       ▲ ツクシが生えているところの
                              土を掘っています

 

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▲ ドングリを探しています            ▲ 根がでているドングリをみつけたぞ! 

 

この他にもいろいろと かんさつ しました。

「ひとはくサロン」に、もどってきて、みんなで かんさつ したことなどをマップに書きます。

 

10s-2010324.jpg
▲ みんなで、 かんさつ したことを マップに まとめています

 

全体で約60分のイベントでした。

 

◆2010年4月からの「ふかたん」は、下記の日が予定されています。

  なお、テーマや日程等を変更する場合がありますので、参加を希望される方は、
  日が近づいた時点で(ホームページに掲載される、その月の「うきうきカレンダー」等で)
  確認をお願いします。

<平成22年度の「ふかたん」開催予定日>(テーマは、月によって、いろいろです)
********************************************************************************

   月/日:  4/29、5/8、6/5、7/10、8/21、9/18、10/23、11/23、12/23、2/19、3/19

********************************************************************************

みなさんも、ぜひ、参加してみてください。
                                                               (自然・環境再生研究部 小舘 誓治)

 

 

 

nagahashisumire2.jpg兵庫県竹野町でナガハシスミレが咲いていました。

ナガハシスミレの別名は天狗すみれ。

花の後ろ側にある細長い部分(「距(きょ)」と言います。蜜を出したり溜めたりする部分です)が,天狗の鼻のように長いことから名づけられました。

なるほど。天狗の鼻に見えますね。

このスミレは主に日本海側に分布しています。日本海側にお住まいのみなさん,是非探してみてくださいね。

撮影:ひとはく地域研究員 小豆むつ子

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

 

nagahashisumire_arrow2.jpg

連載1はこちら →  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_634/

連載2はこちら →  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/2_6/

 

 

 

 吾輩は、時々、そっと虫籠から抜け出し、館内を見てまわる。2階には、メインの企画展示があり、その中には世界のぎっちょん君という日本では考えられない巨大なナナフシなどの吾輩の仲間の標本が展示してあり、吾輩たちの美しい鳴き声や写真、昆虫写真家として有名な栗林慧氏の瞬間写真などもある。吾輩はバッタの飛ぶ瞬間の写真とカブト虫の脚をあげてのオシッコの写真がお気に入りである。
世界のぎっちょん君 

 


 そんなある日のこと、その栗林慧さんが長崎からはるばるやって来るというではないか。吾輩の心は躍った。写真撮影の思い出を語る講演会と吾輩たち虫族の写真撮影の手ほどきを子どもたちにする「昆虫写真であそぼう!」というぜいたくなイベント。この企画は、あの小柄な白髪の学者風の男、大谷剛研究員が栗林さん家の居候・・・いや客分だったのが縁で実現したのである。吾輩はいつも以上に顔をゴシゴシして男に磨きをかけ、その瞬間を待った。カシャ!「やった。栗林さんに撮ってもらった!」と吾輩は叫んだ。その写真は今、吾輩の虫籠に飾ってある。吾輩の宝になったのである。それにしても、ただでさえ格好いい吾輩を一層格好よく切りとる技術は感心せざるを得ない。吾輩だけでなく参加した子どもたちも直接指導に大はしゃぎで、最後はサイン大会となったのである。
撮影大会   記念撮影

 

 
 それから、博物館の定番といえる標本づくりのセミナーもやっている。大谷剛研究員は根っからの昆虫少年で、標本づくりになると目がキラキラしてまぶしい。たくさんの子どもたちが吾輩たち鳴く虫族をきれいな標本に仕上げていくのは複雑な気持ちであるが、その子どもたちの目もキラキラして美しい。また、この大谷研究員は鳴く虫の聞き分けセミナーもやっている。「きんひばり」はそのセミナーを修了した鳴く虫インストラクターだったのである。夏の夜、鳴く虫の声の聞き分けをしながら、虫を捕獲する「きんひばり」の面々の顔もまた、キラキラ光り輝いているのである。

昆虫標本づくり実演コーナー

 

     ・・・・・・・つづく

鳴目 虫石(なくめ ちゅうせき)

ひとはくでは7月17日(土)から12月26日(日)まで、
展示特別企画「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」を開催します。

瀬戸内海側と日本海側の2つの海をテーマにして、その違いとその結果としての生物多様性や風土の多様性を紹介するこの企画。

瀬戸内海と日本海で代表的な「漁」もご紹介します。

まずは瀬戸内海ということで、イカナゴ漁のVTR取材に行ってまいりました。

イカナゴは今が旬。スーパーなどでも、イカナゴのくぎ煮が売られているのを見かけます。おいしいイカナゴは、どんな風に獲られているのでしょうか?

DSCN9857.JPG

夜明け前、明かりを灯したイカナゴ漁船が、いっせいに出港します。

早朝の海はとっても冷えます。取材は、寒さと船酔いの闘いです・・・

魚群を追ってしばらくすると、だんだんと空が明るくなってきました。

 

DSCN9940.JPGのサムネール画像

イカナゴ漁では、2隻の船で網を曳き、別の船が網の最後部にある袋網を取り上げてイカナゴを港へ運びます。上の写真は、網を曳いている2隻です。船の後部から網のロープが出ています。ちなみに、私たち取材班が乗せていただいたのは、運搬船の方です。

 

DSCN0047.JPG        100318 606.jpgのサムネール画像のサムネール画像

袋網の取り上げは力のいる作業。3人の漁師さんはとにかく仕事が早いです。

DSCN0086.JPG 

袋の中には、大量のイカナゴが。

イカナゴは容器に入れられ、氷と混ぜられ、早々に港へ運ばれます。

 

DSCN0031.JPG

漁を終えた船の周りには、カモメの仲間が大量に集まります。

 

DSCN0263.JPG      DSCN0276.JPG

 獲れたてぴちぴちのイカナゴは、港で早速せりにかけられます。

 

DSCN0332.JPG      DSCN0325.JPG

 くぎ煮の工場も見学させていただきました。しょうゆのおいしそうな香りが漂っていました。これが私たちの食卓に届くわけですね。

詳しくは、7月17日からの展示特別企画にてご紹介します。

ぜひ足をお運びください。

※この度の取材でご協力いただきました淡路町漁業協同組合と(有)浜口商店の皆様に、厚くお礼申し上げます。

(自然環境・マネジメント研究部 上田萌子)

 

1回はこちらから http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_635/

2回はこちらから http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_642/

 

 

 四階のひとはくサロンのところに大型キリギリス模型をつくるアイデアもカワ・チンである。しかも県立美術館の藤原義勝氏にりっぱな「白塗り大型キリギリス」に仕上げて頂く手筈も彼が調えた。そして、それを子供たちに好きな色を塗らせ、楽しい「巨大キリギリスをつくろう」(図5)にしたのもカワ・チンだった。

図5. 巨大キリギリスの色塗りをした子ども達図5.巨大キリギリスの色塗りをした子ども達


 この成功を「ぎっちょん君ハウス」の外壁ぬりにも採用した。こうした素早い運用・援用のスタイルは、生物の進化における常套手段で、最近はDNAの遺伝子セット(ツールキット遺伝子群)として理解されている。というのは、まあ、置いておくとして、とにかく矢継ぎ早に出てくるアイデア・即実行についていくのが精一杯というのが正直なところ。

 

 「ぎっちょん君ハウス」は筆者のアイデアだが、カワ・チンの素早い発注に仕様書も運用計画もついていけず、「箱物をつくってみたけれど」の典型例みたいになってしまった。鳴く虫の声を、思い通りの高さ・位置で出して、鳴く虫の聞き分け訓練や、聴き分けクイズに使用したかったのだが、そうするにはもっと高額のコントロール装置が必要だった。

 まあ、そんなわけで、「ぎっちょん君ハウス」以外は、大成功。それもこれも珍種カワヒガシギッチョン・チンゲンサイの活躍のおかげだったのだ。
 以上、<生態>の記載おわり。

 

 

自然・環境マネジメント研究部 大谷 剛

 

 

 

 (図4の鳴く虫ブラザーズ:左からカネタタキ・エンマコオロギ・スズムシ・マツムシ)

みなさん「ひとはく手帖2010」をご紹介して第7回目となります。
もうお手元に手帖はありますでしょうか?

さて、今回は「団体向け特注セミナー」です。
博物館というのは展示を見るところと思っておられる方はいませんか?
ひとはくは自然史系博物館としては5本の指に入るほど人的スタッフつまり研究員が在籍しています。

特注セミナー

▲メニューがぎっしり!!

38名の研究員がそれぞれの専門分野で、ひとはくの展示や今の旬の話題などを盛り込んだわかりやすいセミナーを開催します。
個人向けには一般セミナーがありますので、団体向けにリクエストに応じて行うものです。

学校はもちろんのこと一般団体、研修会、サークル活動などでひとはくに来館する目的の一つにこの特注セミナーを考えてみてはいかがでしょうか?

特注セミナー01 特注セミナー

▲セミナー室での講義風景。大セミナー室(定員108名)、中セミナー室(72名)、実習室(63名)、アースシアター(50名)、ホロンピアホール(500名)など。

ひとはくの森

▲博物館のある深田公園内に整備された「ひとはくの森」での風景

2010年は「国際生物多様性年」。
10月には名古屋で「COP10」が開催されます。

「生物多様性って難しいなあ」「COPってなんやねん?」
そんな疑問にもお応えします。
ひとはくでは7月17日(土)から12月26日(日)まで
展示特別企画「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」を開催します。展示見学とともに多様な「特注セミナー」ぜひご検討ください(^^)


「ひとはく手帖2010」が今ない、という方はホームページで特注セミナー一覧をご覧ください。
「一般団体向け」「高校生向け」「小学校4年〜中学生向け」「小学校3年環境体験学習向
け」「30分以内のミニレクチュア」と対象別に一覧にしています。

 こちらから http://hitohaku.jp/education/10tokuchu/2010taisyoindex.html

まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載の「ひとはく手帖2010」。「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくだけで無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろん館内にもあります。ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

連載1はこちら →  http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_634/

 

 

 しばらく時がたち、吾輩が夢中でキュウリを食べていると、ひとはくサロンに強大な白いかたまりが運ばれてきた、それは、6mはあろうかという巨大な白いキリギリス。兵庫県立美術館の謎の造形師Y・フジワラの作品で、何やら黒い帽子をかぶった怪しげな着物姿の男と小柄な白髪の学者風の男が、例の「きんひばり」のメンバーと巨大キリギリスを囲み、何やら相談している。そこに黒いビニール袋をかぶった子どもたちがたくさん集まってきて、ペンキまみれになりながら、巨大キリギリスに色を付け始め、なんともまあカラフルな巨大キリギリスが誕生した。それにしても吾輩とは格好よさには足元にも及ばぬこっけいなキリギリスである。どうもこの巨大君が展示のシンボルモニュメントになったようである。
 
 他にも、フロアスタッフと称する美しきマドンナたちが演じる「ススキ高原のオーケストラ」というデジタル紙芝居もある。これには吾輩も少し登場するようであるが、吾輩は女性に囲まれると緊張してしまう性分なので、まだ見ていない。サロンには、ぎっちょん君ハウスという虫の声の聞き分け体験ができる黒テントやバッタロデオと称する馬のようなバッタ風乗り物や人間がキリギリス族になる「ぎっちょん君変身コーナー」などがあり、つい先日もラジオ関西で喋ることを生業にする林真一郎という男が現れ、熱心にキリギリス族に変身し、仮面ライダーのようにバッタロデオに乗って楽しんでいた。

ラジオ関西 林 真一郎 氏   

岡山からの女子大生6人組 驚いたことに、岡山からきた6人の女子大生たちもハチやキリギリス、テントウムシに変身し「チョー楽しい!」と騒いでいた。どうやら、人間たちにとって我ら虫族に変身することはとても楽しいようで、ほとほと人間というものの不思議さを感じぜずにはいられないのである。

 

 

 ・・・・・・・つづく    鳴目 虫石(なくめ ちゅうせき)

今日、打ち合わせで来られた方が博物館の近くの飲食店でたまたま近くにいた方に
「人と自然の博物館ってどんなところですか?」
と尋ねられたそうです。
するとその方は、
「私は一度しか行ったことがないですが孫はしょっちゅう行って楽しんでますよ」
と答えられたそうです。

きっとその子は、ひとはくのオープンセミナーに参加されたのでしょうね(^^)
「ひとはく手帖2010」の見どころ紹介シリーズ第6回は、オープンセミナーを紹介します。

ひとはくでは、
1)申し込み不要の「オープンセミナー」
2)申し込み制の「一般セミナー」
3)団体のリクエストに応じて行う「特注セミナー」
と大きく3つに分けています。「イベント」と言わずに、すべて「セミナー」と呼んでいます。

なかでもフロアスタッフによるオープンセミナーは子どもたちに人気です!!
◆幼児から楽しめるのは・・・デジタル紙芝居(毎日)
すべてオリジナル。スタッフが考え、スタッフが絵を描き、スタッフがお話しする・・・
種類も豊富なので、きっと次に行ったときには違うプログラムになっているはずです。

紙芝居

▲3階アースシアターはとっても落ち着ける雰囲気です。去年の秋の新作「丹波の恐竜たんたんのひとはくナイトミュージアム」はとっても人気でした。子どもたちにもわかりやすく恐竜についてのお勉強までできます。

◆子どもたちに人気なのは・・・展示室ツアー(毎日)

ボルネオ

▲1階「共生の森」での「ボルネオジャングル探検ツアー」。子どもたちはクイズに答えて楽しみながら、熱帯雨林のことオランウータンなどジャングルの生き物たちのことを学んでいきます。

◆展示室でも遊べちゃう・・・フロアスタッフとあそぼう(土曜・日曜・祝日)

川で魚つり

▲展示室で遊べる博物館なんて!!このときだけはOKですよ(^^)おおらかな人と自然の博物館ならではですね。

まだまだあります!

そして、2010年度はすべての土曜・日曜・祝日に、研究員や館員、
フロアスタッフのオープンセミナーを企画しました。

「ひとはく手帖2010」p.10からp.13までの4ページには、ぎっしりとオープンセミナーが掲載されています。
「ひとはく手帖2010」がお手元にない方、
ひとはくセミナー倶楽部にご入会(入会金・年会費無料)いただくと、
今ならナント無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

今日は どんな日?

2010年3月17日

今日の暦 これは国立天文台(http://www.nao.ac.jp/koyomi/)のホームページに掲載されている今日のこよみです。

 

    日の出の時刻 6:08    日の入りの時刻 18:08

 

 になってます。・・・・・・・ということは、日が出ている時間は12時間なんですねぇ。

 つまり、今日は昼の長さと夜の長さが同じなんです。あれ?春分の日はまだなのに。

 

 疑問に感じる方は、国立天文台のページや図鑑で調べてみてください。

 

 

     情報管理課:八尾

小さなイワナシの花

2010年3月17日

イワナシという植物をご存知ですか?

とても背の低い木です。

落ち葉に半分埋もれながら,1cmほどのかわいい花を咲かせていました。

場所は篠山。

イワナシは元来北方系の植物で,本州では普通日本海側に見られます。篠山は北方系の植物がどきどき見られる面白い地域。イワナシもその一つなんですね。

iwanashi.JPG

果実は甘くてナシのような味がするそうですよ。

撮影:ひとはく地域研究員 小豆むつ子

(自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

前回はこちらから http://hitohaku.jp/blog/2010/03/post_635/

 

 

 以上の絵心だけでも超有用人物なのだが、真骨頂は「謎の講談師」である。既成のネタを語れるというのではなく、イベントにあった「語り」を創れるのだ。本人は徹夜で創ったとか、今度のテーマは難しくて3日かかったとか言っているが、傍から見ていると、いとも簡単に創作しているように見える。それだけではない。いろいろなイベントには小さな子どもが参加していることもあり、この子どもを飽きさせないようにと、寸劇をつけているのだ。彼が兵庫県立美術館に勤務しているとき、寸劇つきの講談を考え出したらしく、カワ・チンが「やるよー!」と言えば、そのときの寸劇団員がわらわらっと集まってくる。忙しくて都合がつかなくて人数が足りない時は、そばにいる適当な者が即席で団員化する。筆者もかり出された記憶がある。獅子舞の尻役だったかなー・・・・。そんなわけで、「謎の講談師」にご登場願いたい人は、直接珍種カワ・チンに相談のほど。

 

 

 最後に、ひとはくの「初夏の鳴く虫と巡回展」に関わった展示について。私が企画展示室を目一杯使ったが、出口の部分にはかなりのスペースがあるので、たいてい企画展をしたときはそこにはみ出すことになっている。カワ・チンは2008年の「ファーブルまなぶ展」という巡回展のときに「小泉八雲」の展示を創ったのだが、それを出口スペースで手直し拡張して展示をしてくれたのである。ひとはくで眠っていた栗林慧さんの写真を活用し、特設コーナーをつくるアイデアを出したのもカワ・チンだし、竹細工のコーナーのそばに七夕のモウソウチクを置いて、願いの短冊コーナー「虫に願いを」をつくったのも彼のアイデアだった。

 

・・・・つづく

来年度2010年度のひとはくの1年を紹介する「ひとはく手帖2010」
もうお手元にありますか?

「ひとはく手帖2010」の見どころ紹介シリーズ
第5回は「申込締め切り日が最も早いセミナー」

セミナー紹介01

橋本佳延研究員が担当する「日本一の里山、北摂地域の早春を観察しよう」は、申し込み締め切りが何と3月21日(日)次の日曜日までです!!!
4月10日(土)に行われるこのセミナー、能勢電鉄妙見口駅から歩いて妙見山のふもとへ・・・
今も炭焼きに利用されているクヌギ林、満開のエドヒガンザクラの花を
きっと堪能されると思います。

能勢妙見口12月

▲私もかつてこの場所に行きました。12月だったので桜は見られませんでしたが、クヌギ林が炭作りに使われていて「パッチワーク」の様子は見ることができました。

炭焼き小屋

▲今も「菊炭」の生産が行われている炭焼き小屋です

 

このほか4月の第2週
 6日(火)「万博記念公園植物観察」申し込み締め切り3/27
 7日(水)「気ままに植物ウォッチング〜丹生山〜」申し込み締め切り3/23
こちらもお見逃しなく!!

 詳細・申し込みはこちらから http://hitohaku.jp/education/main.html

ひとはくで体験するセミナー!!
詳しくは「ひとはく手帖2010」で(^^)
まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載です。
ご希望の方は「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくと何と無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しいたします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

来年度2010年度のひとはくの1年を紹介する「ひとはく手帖2010」
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「ひとはく手帖2010」の見どころ紹介シリーズ
第4回は「山陰海岸ジオパーク」

ジオパーク

兵庫県は瀬戸内海(太平洋側)と日本海(側)に面する本州唯一(山口県と青森県を除いて)の県です<小学校で習いましたね^^>が、今年、ひとはくでは「ひょうごの生物多様性 瀬戸内海VS日本海」を7月17日から開催します。
この情報はまたの機会に紹介するとして、昨年、鳥取県の鳥取市東部・岩美町から兵庫県の新温泉町・香美町・豊岡市、そして京都府の京丹後市にまたがる地域「山陰海岸ジオパーク」が世界ジオパークに加盟申請することとなりました。

ちょっと難しい話ですが、加盟申請ということは、これから世界ジオパークネットワークのメンバーになるということで、日本国内11あるジオパークのうち、世界ジオパークに認定されているのは洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島の3地域だけです。

ひとはくでは、この山陰海岸ジオパークに関連するセミナーとして、
4月29日(木・祝)「春の石めぐりハイキング〜山陰海岸ジオパーク〜
5月16日(日)「バスでめぐるジオスポットツアー」(※申込先が異なります)
など多数開催しています。

 詳細・申し込みはこちらから http://hitohaku.jp/education/main.html

ひとはくで体験する山陰海岸ジオパーク!!
詳しくは「ひとはく手帖2010」で(^^)
まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載です。
ご希望の方は「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくと何と無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しいたします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

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「ひとはく手帖2010」の見どころ紹介シリーズ
第3回は「ひょうご恐竜・ほ乳類化石プロジェクト」

恐竜化石

今年、第4回となる丹波の恐竜化石発掘調査も3月5日(金)に無事終了いたしました。先日の記者発表でも報告したとおりです。
発掘現場

▲年々深く掘られている発掘現場・・・篠山川が上を流れます

 

3本の歯

▲発表された歯。左から竜脚類、獣脚類、鳥脚類のものです。いずれも第4次発掘で発見されました

5月5日(水・祝)には三枝春生主任研究員の「丹波の恐竜化石第4次発掘報告会
7月18日(日)には池田忠広研究員の「丹波の恐竜化石、発掘体験ツアー
いずれも楽しみですね。

 申し込みはこちらから http://hitohaku.jp/education/main.html

そのほか、ひとはくではオープンセミナー(事前申し込み不要・先着順)として、
5月5日、8月29日、10月3日、11月7日に、それぞれ
11:00〜、13:00〜、15:00〜 の1日3回、
君も発掘隊員!!丹波の恐竜化石をさがしだそう」(一人500円)が
あります。恐竜の骨、歯、卵の殻の化石やカエルの化石が見つかるかもしれませんよ(^^)

 

卵の殻

▲こんな卵の殻が出てきたら腰を抜かすでしょうね(^^)

ひとはくで体験するプログラム!!
詳しくは「ひとはく手帖2010」で(^^)
まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載です。
ご希望の方は「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくと
何と無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しいたします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

来年度2010年度のひとはくの1年を紹介する「ひとはく手帖2010」
もうお手元にありますか?

「ひとはく手帖2010」の見どころ紹介シリーズ
第2回は「生物多様性大作戦!」

生物多様性大作戦

2010年10月に名古屋で生物多様性条約締結国会議COP10が開催されます。
そんなわけで今年は「国際生物多様性年」。
すでに兵庫県では昨年「生物多様性ひょうご戦略」が策定されています。
その中心的役割を果たしているのが、もちろんひとはくです<(`^´)>

10月には「ひとはくと、COP10に行こう!」という企画もあります。
10月15日から29日までの開催期間中、名古屋に「ひとはくブース」を出展し、研究員によるガイドツアーも計画しています。

そして今年は、
6月に南フランス・アベロンを訪問する「ファーブル生誕地南仏アベロンの自然とミクロポリス探訪
7月に西表島での野外観察会「西表島の生き物観察

そして今年で12回目となるマレーシアボルネオ島での体験「ボルネオジャングル体験スクール」は7月23日(金)出発です!!(申し込みは、まもなく要項を公開します。お問い合わせは079-559-2002生涯学習課まで)

 

ボルネオジャングル

▲ボルネオジャングルにあなたの想像を超えた世界が・・・

このほか「松山・小泉八雲記念館」「安芸の宮島」「岡山・新見市」「伊吹山」「奈良・春日山」「淡路・成ヶ島」「ハチ北高原」「養父市・ほたるの里」「能勢妙見山」「篠山・西光寺山」・・・
とにかく紹介しきれないほどのツアー型セミナーがあります。

 申し込みはこちらから http://hitohaku.jp/education/main.html

ひとはくと体験する生物多様性!!
詳しくは「ひとはく手帖2010」で(^^)
まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載です。
ご希望の方は「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくと何と無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しいたします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

みなさんご無沙汰しておりました(^^)
今年度も残すところ3週間ですが、来年度2010年度のひとはくを紹介する「ひとはく手帖2010」が出来上がり、すでにセミナー倶楽部の会員の皆様、全国の博物館、関係機関、そして県内すべての学校に発送したところです。
もうお手元に届きましたでしょうか?

さて、最近このひとはくブログでシリーズものがスタートしていますので、さっそく「ひとはく手帖2010」の見どころをシリーズでご紹介することにします。

第1回は「表紙」

P1090043-2.jpg

この表紙および来年度事業ページを担当したのは上田研究員です。
実はこのハマボウ、上田研究員が7月31日(土)に実施するセミナー「ぶらっと島めぐり−成ヶ島−」で訪れる兵庫県洲本市成ヶ島を代表する植物です。
ハマボウは温帯に生育する半マングローブ植物の一つで、塩分の混じった湿地に育つ植物ですが、兵庫県で群生地が見られるのはここだけなんです。
地域でも愛される花として親しまれており、海辺の緑地マネジメントを研究する上田研究員が実際に花の咲く時期にここでセミナーを開催します。楽しみですね。

 申し込みはこちらから http://hitohaku.jp/education/main.html

まだまだ見どころいっぱい、ひとはくの情報満載です。
ご希望の方は「ひとはくセミナー倶楽部」にご入会(入会金・年会費無料)いただくと何と無料でご自宅に送付させていただきます(^^)

 申し込みはこちらから http://info.hitohaku.jp/cgi/ml/usr_menu_smnrclb.asp

もちろんひとはくにお越しいただければ館内でお渡しいたします。
ぜひお越しください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(ひとはく手帖編集チーム&生涯学習課長 平松紳一)

ヘコミ系の昆虫調査

2010年3月 9日
 西宮市自然保護協会の方々が収蔵庫でオサムシの標本調査をされました.市域に分布するオサムシを中心に,武庫川,猪名川流域のものも含めて徹底的な調査のようです.

 トラップなどによる野外調査も精力的に行っておられますが,今回の標本調査も慎重で丁寧なものでした.館としてはオサムシ科(広義の)の標本が置いてある場所をお教えすることくらいのお手伝いしかできません.それらの棚にある標本箱を順番にスキャンしていき,各個体のラベルを読んで関連の調査対象の標本であればデータを記録していくという,地道な作業です.まるまる3日×8時間×2〜4人でリストアップして居られました.

 [昆虫調査]というと,野外での採集調査を思い浮かべますが,公共の収蔵庫や個人コレクションでの標本調査も重要な意味を持ちます.採集では新規に記録される種があるわけですが,標本調査では過去の記録の再確認や,自らが行った採集調査の裏づけ的な意味合いが強いです.
 野外の調査は[やった!こんなのが採れた!初記録!]といった盛り上り系なのに対し,庫内では[やはりあの記録は間違いであったか…]とか[自分たちは採集できなかったが,やはり居ることは居るみたい.]逆に[これだけ探して採れてないということは,やはり生息していないのだろう.]といった,どっちにしてもため息の出る,ヘコミ系の成果が得られます.してその両方とも重要なのです.

 まぁ,和気あいあいで作業しておられましたが,ほんとうに頭がさがる思いです.


今日のプルプル3D

toma-am.gif

Tomapoderus ruficollis
セアオオトシブミ(沿海州産)

昆虫共生 沢田佳久

                                作:鳴目 虫石(なくめ ちゅうせき)

連載1

 

 吾輩はキリギリスである。名前はまだ無い。
 どこで生まれたかというと見当がつかぬ。何とも薄暗いじめじめした草むらのなかで、太陽の光がスポットライトのようにあたり、黄色く輝くおいしそうなタンポポの花をめがけて飛んだ瞬間、吾輩はここではじめて人間を見た。それは、あとで聞くと鳴く虫連携グループ「きんひばり」という種族であった。それは、鳴く虫をこよなく愛すという点では敬愛すべき種族であったが、鳴く虫を捕獲するという点においては、吾輩たちの最大の天敵である鳥や昆虫少年よりもずっと手ごわい人間たちであった。

 その人間の手のひらでじっとしていたが、しばらくすると虫籠にいれられ、人と自然の博物館という恐竜やら動物、虫、植物からヒトに至るまでさまざな多様な自然を研究、展示する博物館のひとはくサロンで飼われることになった。毎日、水の補給とナスビやキュウリ、鰹節といった吾輩の好物を運びにくるので、少々窮屈な暮らしではあるが、乳母や召使いを何人か雇っているようなもので、悪くない暮らしではある。

 吾輩がなぜこんな運命になったかというと、どうやら「初夏の鳴く虫と巡回展 ぎっちょん君参上!」という企画展示を開催する中で、吾輩も展示されることになったからである。吾輩だけでなく他のキリギリスたちもここの博物館の研究員、八木剛研究員の「キリギリスの赤ちゃんを育てよう」セミナーに参加した家族連れにつかまり、各家庭で育てられているようである。

セミナー「キリギリスの赤ちゃんを育てよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・つづく

高槻でオトシブミ展

2010年3月 6日
 大阪府高槻市の「あくあぴあ芥川」で今日3月5日から企画展
「安田守昆虫展 不思議なムシ オトシブミ」を行なっています.
くわしくはこちら(↓)をごらんください


 で,5日の設営はこんな感じ(↓).いろいろと盛り沢山です.

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 ユニークなのはオトシブミをまねて葉を巻く体験コーナー.
難しいけど,揺籃の折り紙的な仕組みがよくわかります.

本日のおまけプルプル3D
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芥川と摂津峡の図

昆虫共生・沢田佳久

Kawahigashigicchon chingensai  Ohtani,sp.nov.
     図1.自画像。漢字では「河南堂珍元斎」と書く
図1.自画像。漢字では河南堂珍元斎と書く。

 成虫。オス(図1)、体長1.78m、体重80kg、中肉中背(いや、ちょっと太めか)、頭髪もじゃもじゃ系。眼鏡使用。アンテナ発達。活動性高く、昼夜ともによく鳴く。鳴くときは、和服を身にまとう。平常はソウムカにいることが多く、ネクタ・ジャケット姿で、スーツは着用せず。

<生態>
多芸多才。ソウムカの仕事を素早くこなし(ここを強調しないと本職の仕事をしていないように思われるらしい)、似顔絵・イラスト・キャラクターなどささっと描いてしまう。兵庫県立人と自然の博物館の「ひとはく手帖」の研究員の似顔絵はすべて描いている。

       
図2.ひとはく研究員の似顔絵。左から高橋・沢田・小舘・大谷。すべて写真から描く。


あまり似ていないものもあるが、大半の人は、その素早さについていけず、文句を言うタイミングを逸する。図2.の左3名はかなり似ているが、右端の筆者は少し似ているというところ。図1.の自画像は似ているほうである。もちろん、ひとはくの巡回展「初夏の鳴く虫と巡回展」のときのキャラクター「ぎっちょん君」もカワ・チンの作品である(図3.)。
ぎっちょん君
図3.ぎっちょん君。ひとはくの巡回展のキャラクターとして大いに活躍した。

 

何かイベントがあるとき、こうしたキャラクターがあると、全然感じが違い、何か盛り上がってくる。鳴く虫をダジャレ的にキャラクター化した「鳴く虫ブラザーズ」(図4.)もなかなか味がある作品なので、使いたい人は直接カワ・チンに連絡あれ。

         
図4.鳴く虫ブラザーズ。たくさんあるうちの、割合、想像がつきやすいものを4種選んでみた。種名を想像してください。キリギリス上科は入っていない。(正解は次回)

 

 自然・環境マネジメント研究部 大谷 剛

三田でも少しずつ春らしさが感じられるようになってきました. ooinunofuguri.JPG足元をみると,小さな瑠璃色の花が咲いていました.

これは,オオイヌノフグリ.

とてもかわいい植物です.

秋に発芽して,翌年の春に開花.夏には枯れてしまいます.

瑠璃色の花びらは4枚に見えますが,実は1枚.花が終わるとお椀のような花びらがポロリと落ちます.

原産地はヨーロッパで日本へは明治時代に入ってきたと言われていますが,今では日本各地に広く分布しています.

この植物は,街路樹の植え込みなどでも普通に見ることができるので,みなさんもこの「小さな春」を見つけてみてくださいね.

  (自然・環境評価研究部 研究員 布施静香)

 

 

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