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2008年7月アーカイブ

先日夕方、ひとはくの駐車場でイソヒヨドリの巣立ったばかりのヒナを見かけました。

首の後ろにまだヒナのぽやぽや産毛(?)が残っています。
駐車されている自動車の上にとまり、ぴょこぴょこまわりを見回していました。
どこかにいる親鳥を探していたのかもしれません。

鳥たちは、朝夕によく活動します。夕涼みをかねて、身近な自然を見に出かけてみてはどうでしょうか。生きものたちが元気な季節がまだまだ続きます。

遠藤 菜緒子(自然・環境マネジメント研究部)

オオサンショウウオは、ひんやり冷たい体をしている両生類ですが、夏が来る
と体をボロボロにして熱い旅に出ます。一年中、ほとんど移動しない彼らが、
なぜこのような旅に出るのでしょうか?

 その旅は、産卵のための移動です。彼らは、産卵期以外は個々の巣穴に定
住しますが、産卵期前になると限られた巣穴を探して移動を行います。平均す
ると数百mほど遡上しますが、なかには4kmも遡上するヤツがいます。この時
期にオオサンショウウオを調査すると、あごや頭、手足、お腹などがズルズル
に擦りむけた痛々しい姿をよく見かけます。遡上途中に石などにぶつかるため
でしょうか。それとも、移動を阻害する堰(せき)などの障害物を越える際にケガ
をするためかもしれません。
移動が阻害されると繁殖の機会を失い子孫を残せなくなるため、彼らは必死に
移動するのだと思います。人が生活していくために、利水・治水用の堰が必要
な所もあります。ただし、それらが動物の移動を阻害しないように、対策を考え
るべきです。私は、そのようなオオサンショウウオの移動阻害に関して、人と動
物が共存できる方法を研究しています。

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)


右後肢にケガをしているオオサンショウウオ


取水用の堰を越えようとするオオサンショウウオ

庭の楽しみ

2008年7月17日

 戸建て住宅の方々のみならず、マンションなどの集合住宅にお住まいの方々
も、庭や緑を楽しまれてます。庭やベランダには、太陽の直射光も雨もが降りそ
そぎ、風も吹き込みます。そして、そこには多くの植物が植えられています。
庭は多様に「変化する空間」、緑が「生長する空間」なのです。
一方、家には屋根があり、壁があって、外界から守られた私達人間にとって「安
定した空間」といえます。

 人間にとって、この「安定した空間」と「変化・生長する空間」が共存するこ
とが重要なのです。このことによって、私達は精神的な楽しみ、安らぎ、ゆとり
などを享受することができるのではないでしょうか。私達の生活の中で、家と庭
の緑、部屋とベランダの緑、この絶妙な関係づくりが庭づくりの極意といえるで
しょう。

 住宅の庭のみならず、ベランダでも、家族のライフスタイルにあった縮景の庭、
借景の庭、さらには石の庭までもつくることができます。その際には、庭の方位、
雨・風などの自然現象、周囲の山々や公園や街路樹の緑などの環境、さらには
街並み景観などをよく観察し理解して、それらの良いところを如何に旨く取り込
み、活かすことができるかが重要です。

 庭は、私達にとって精神的な楽しみ、安らぎ、ゆとりを与えてくれると共に、
緑の日除けや風除け効果などの気象緩和、野菜や果樹などを通じた食物生産、
生物多様性の維持、さらには街並み景観づくりにまで役立つといっても過言では
ありません。更に、庭はオープンガーデンなどを通じた地域社会づくりにまで貢
献してくれます。

 昨今、地球温暖化、化石エネルギー消費、食糧問題などの多くの課題が山積し
ています。私達の庭づくりから、これらの諸課題の解消に向けて挑戦することは、
成熟社会での豊かな生活の質の追求であり、真の庭づくりの意味ではないでしょ
うか。
                      
中瀬 勲(兵庫県立人と自然の博物館 副館長)

  

写真1 緑の街並み
自分の楽しみのみならず多くの方々と楽しみを共有するオープンガーデンで有名な
北海道恵庭市の街並み景観の一コマ。市民一人一人の楽しみがまち全体を美しくし
ている。恵庭市はわが国でのオープンガーデンの発祥の地の一つである。
本年は「ガーデンアイランド北海道」のテーマのもとで庭づくり、花づくりが全道
で展開されている。
  
   
 
写真2 だんだん畑
阪神・淡路大震災後の震災復興住宅として建設された南芦屋浜の集合住宅の中庭。
住棟間は、だんだん畑として、樹木の植栽のみならず、住民によって野菜なども栽
培されている。住民にとって、見て、手入れして、収穫して楽しめると共に、コミ
ュニティ形成の場となっている。

梅雨明けが近づいてきました。
ゲンジボタルが終わりの頃、ヒメボタルのシーズンとなります。


チカチカとフラッシュのように光るので、写真に撮ると、黄色く丸い点が並んだようになります。これは、三田市内のとある神社で撮影したものです。

ヒメボタルは、陸生のホタルで、森林にすんでいます。
ホタルは川にいるものと思っている方が多いので、あまり知られていません。田んぼや湿地にすむヘイケボタルと間違える人も多いです。

今年は「六甲山系ヒメボタル分布調査プロジェクト」を実施中です。17名ほどの方が、深夜の調査に頑張っておられます。すでに新しい生息地も発見されました。

みなさんも、ご近所の林をのぞいてみませんか? 意外と裏山にいるかもしれませんよ。
もっとも多いのは、スギ林、ついで竹林。大木のあるような自然林にはたいてい見られます。

(八木 剛@自然・環境評価研究部)

6/28に生田文化会館にてシンポジウム「生物多様性を考える」をNGO生物多様性JAPANのみなさまと開催いたしました.

環境省によれば「生物多様性」という言葉の国内での認知度は約30%とのことで,地球温暖化に比べると,まだまだ世間一般には浸透していませんが,当日はお忙しい中,約120名の方々がご参加くださり,大変熱気にみちた会となりました.

会の中では以下の6つの話題が提供されました.
ひとはくからは,岩槻館長,中瀬副館長,服部研究部長が講演者として参加しました.

「恐竜時代から考える現在の生物多様性」では、現在地球上にみられる生物多様性は,約40億年前に出現した共通の祖先から枝分かれしたもので,以後天変地異による5回の大絶滅の危機を経験しながらも右肩上がりの多様化がつづいた結果生まれたものであること,そして今それが人間活動によって急速なスピードで失われつつあることが紹介されました.

「生物多様性ちば県戦略と市民・NPO,そして子どもたちの未来」では千葉県で先進的にとりくまれた県版生物多様性戦略の策定の過程と内容にふれ,「生命(いのち)のにぎわいとつながりを子どもたちの未来へ」という理念が紹介されました.

「生物多様性兵庫県戦略構想」では,現在策定の準備を進めている兵庫県版生物多様性戦略について,これまでの県の施策の変遷を整理して課題を提示し,戦略に盛り込むべき内容についてのアイデアを提案されました.

「生物多様性に対する兵庫の取組」では国内でもっとも先進的な取組である,兵庫県の森づくり・里山林の整備・多様性豊かな草原の創出について紹介されました.

「生物多様性条約COP9 NGO活動報告」では,締約国会議にあわせて政府関係者だけでなく各国NGOも生物多様性に関する取組について活発に情報交流している様子が紹介されました.

「COP10の課題:経済・社会・環境のバランスを目指して」では,COPという国際会議が(1)生物資源の持続可能な利用,(2)遺伝資源の利用から得られる富の公正かつ衡平な配分,(3)生物とその生息環境を保全することを目指した会議であり,環境だけではなく,経済や社会問題に深く関わる会議であることにふれ,生物多様性に関して市民・NGO・科学者ができることについてや,2010年に名古屋で開催するCOP10で話し合われるであろう主要課題について紹介されました.

どのお話しも興味深く,会場からは多数の質問や意見が寄せられ,活発な意見交換がなされました.


講演者への質問,多数いただきました!


会場の質問に答える岩槻館長

昨年度後半より生物多様性に関する活動は実は活発になってきています.
第3次生物多様性国家戦略の策定,都道府県版戦略の策定(千葉,埼玉),生物多様性基本法の制定,名古屋でCOP10開催が決定,そして兵庫県でも生物多様性戦略を策定中!です.
ひとはくも生物多様性に関する活動を全面的に支援しております.

ぜひ今後も国内外の生物多様性に関する活動ご注目ください.

橋本佳延(生物多様性TF サブリーダー)

「科博コラボ・ミュージアムin ひとはく『絶滅の恐れのある植物』」が3階ギャラリーと4階ひとはくサロンで開催中です。見所は、これまで門外不出だった野外絶滅危惧シダ植物シビイタチシダの生株展示です。

シビイタチシダの生株

シビイタチシダDryopteris shibipedis Sa. Kurata オシダ科

シビイタチシダは、2007年版レッドリストで絶滅種に指定されました。ところが、昨年9月、国立科学博物館の筑波実験植物園で生きていることが再発見されたのです。この植物は、産地が限られており、野生では絶滅しています。今残っているのは植物園の3株と鹿児島県の個人宅で栽培されている1株だけなのだそうです。本展示は13日(日)まで開催しております。お見のがしなく!

★本企画展にあわせて、7月6日(日)にオープンセミナーが開催されます★
公開講座「絶滅危惧植物の現状と保全」 13:30〜16:00
「シダを使ったコケ玉づくり」 11:00〜13:00(材料費500円が必要です)

詳しい案内はこちらをご覧ください。「科博コラボ・ミュージアムin ひとはく『絶滅の恐れのある植物』」

★★★企画展「クリプトガミック・ボタニー」も開催中!★★★

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