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2009年5月アーカイブ

みなさん「植物油脂」って何かわかりますか?
食品(チョコレート、インスタントラーメン・・・)や
洗剤(台所用、洗濯用)など身の回りにある商品の原材料を
見てください。たくさんありますよ。

次の写真は私がジャングル体験スクールで飛行機から撮影したものです。

上空から

▲川の近くの緑が、濃い緑から淡い緑になっています
上空から2

▲近くで見るとアブラヤシ畑がよくわかります

今ボルネオでは、熱帯雨林がどんどん失われて、木材輸出に続いて、
アブラヤシのプランテーションによるヤシ油の輸出が急増しています。
もちろん日本も大量に輸入しています。
私たちは便利で快適な生活をしています。しかし、海の向こうでは、どんどん自然が失われているのです。

ウランウータン

▲オランウータンも住む場所をどんどん奪われています・・・

テイオウゼミ

▲こんな大きなセミ見たことない!このテイオウゼミも数が減っているのかも・・・

このジャングル体験スクールには、マレーシアの子どもたちも参加します。サバ大学マリアッティ博士は、「マレーシアの子どもたちにも、地球環境のことを日本の子どもたちと一緒に学ばせたい」とおっしゃっておられました。

マレーシアの子ども

▲マレーシアの子どもたちと(現地の学校での歓迎会にて)

先生方

▲(左から)岩槻館長、マリアッティ博士、河合名誉館長
すばらしい先生方からお話が聞けるのも、このスクールならではのことです。

今年のボルネオジャングル体験スクールの申し込み締め切りは
いよいよ来月6日(土)。あと1週間と迫ってきました!

詳しくは、生涯学習課(079−559−2002)まで
申込書は下記からダウンロードできます。

http://hitohaku.jp/top/borneo/2009/annnai.pdf

http://hitohaku.jp/top/borneo/2009/moushikomi.pdf

 

(生涯学習課長 平松紳一)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年もひとはくは、第11回目となるボルネオジャングル体験スクールを
実施します!

今月は、新型インフルエンザの県内での患者発生に伴い、
学校が臨時休校になり、広報がなかなかできませんでしたが、
申し込み締め切りが、いよいよ来月6日(土)。
あと1週間と迫ってきました。

私もこのジャングル体験スクールを3回担当しましたが、
日本を離れて、熱帯雨林のジャングルの中で過ごす生活は
大人にとっても格別のものです。
特に写真の好きな私にとっては、ファインダーを通して
見える雄大な大自然に、思わずシャッターを押し続けていました。

 

川を渡る子どもたち

▲橋を渡ってジャングルの奥地に進む子どもたち。どんな世界が待っているのか・・・

 

朝靄の風景

▲早起きすると朝もやの風景が目の前に!遠くからサルの鳴き声が・・・

バードウォッチング

▲早朝バードウォッチングでは珍しい鳥や早起きのサルたちに出会えます。

高い木

▲こんな高い木見たことない!80m以上あります。

ジャングルでの生活は、見るものすべてが美しく、
そして耳から入ってくる虫や生き物の鳴き声は、
真夜中も静まるときがありません。
たくさんの生き物が、昼と夜と棲み分けているのだとか・・・

このボルネオジャグル体験スクールでは、環境教育、異文化交流など 様々なことが学べますが、
とにかくジャングルの中の大自然を満喫したいあなた、
ぜひ、参加してください。
詳しくは、生涯学習課(079−559−2002)まで
申込書は下記からダウンロードできます。

http://hitohaku.jp/top/borneo/2009/annnai.pdf

http://hitohaku.jp/top/borneo/2009/moushikomi.pdf

(生涯学習課長 平松紳一)

 

 

 

 

 皆さんご存じでしたか?兵庫県立人と自然の博物館には100万点以上の収蔵資料があることを!

     ちょっとびっくりしませんか。

 その中には、非常に貴重な資料で、日常的に展示することができない資料もあります。また、化石や魚類や昆虫類、植物など、展示できるように整理されていない資料もたくさんあって、全部を展示することはできません。

 

 じゃぁ、展示されていない資料はどこに眠っているかって?

 その謎を探るために、博物館の”蔵”をのぞいてきました。 

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 この大きな扉の奥は・・・・

 

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 広い収蔵庫棟の部屋の中は、ロッカーで埋め尽くされています。ロッカーの上には未整理の資料などが段ボール箱やコンテナボックスに入れて並べてあります。

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動物の骨格の標本やハチの巨大な模型などもあります。

 また収蔵庫の一角に厳重に管理された金庫があります。この中には金塊が・・・・!

resized_500_P1000173.JPG 実は「タイプ標本」といって、世界中で基準になる標本が管理されています。基本的に世界に一つしかない基準の標本ですから、大変重要な標本です。

  

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  動物や植物などの生き物だけではなく、古い地図なんかも収蔵されています。研究員は本(古地図)を傷めないように、ちゃんと手袋をして取り扱います。

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 恐竜の化石もおいてありますが、恐竜以外にも、貝殻の化石だとか木の葉の化石だとか、たくさんたくさんあります。

 化石だけではなくて、岩石の標本などもたくさん収蔵されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 魚などは、ホルマリンやエタノールにつけ込んで標本になります。研究員が自分で採集してくるものもあり、いつ・どこで・何をなどをマジックで書いて、整理を待っている資料もたくさんあります。

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 今回探検した収蔵庫は、「生物系収蔵庫」、「環境系収蔵庫」、「液浸収蔵庫」、「地学系収蔵庫」でした。博物館の一番大事なところを探検させていただきました。

 

 今回の探検で、博物館は標本を展示して来館者に観てもらうだけではなく、研究の最前線として学術標本(タイプ標本など)を保管・提供・研究するための研究施設でもあることがよーくわかりました。

 

情報管理課:八尾

 

 

ひとはくでは、来館団体向けの特注セミナーとして
「やさしい化石のレプリカづくり」を実施しています。
これを「ぜひ学校で」という声にお応えして、今年度から
貸し出しできる教材としても準備しました。

貸し出しできる教材は、
■化石(アンモナイト、三葉虫など)
■型取り材(おゆまる)
■ビーカー、石こう容器(ゴム製ボウル)、油粘土、カリ石けん、バット
など

学校で用意していただくものは
■ホットプレート
■石こう
だけです。

昨日は、さっそく三田市立つつじが丘小学校に持ち込んで
やってみました。
今回は担当の先生に代わって私が講師となり、
4年生から6年生までの児童30人を対象に実施しました。

「レプリカって何?」と聞くと・・・

「にせもの!」と答える子どもたち(^^)

しかし、本物の化石から自分で型どりをしてつくるレプリカは、
「にせもの」ではなく正真正銘の「レプリカ」です。
ぜひ、みなさんの学校でもいかがですか?

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        ▲化石は3種類

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        ▲石膏を流し込む子どもたち

 

事前レクチュアを兼ねた学校の先生向けのセミナーもあります。

http://hitohaku.jp/education/09syousai/G26.html

詳しいお問い合わせは、生涯学習課(079−559−2002)まで。

さて、ひとはくの企画展「丹波の恐竜を知ろう−3年間の発掘報告−」は
いよいよ31日(日)までです。
明日、明後日は、入館時に配布するスタンプラリーを完成された先着100名の方にクリアフォルダのプレゼントもあります。
また、最終日には研究員による「恐竜の歯のレプリカづくり」(定員10名)もあります。
ぜひ、この週末はひとはくにお越しください。

(生涯学習課長 平松紳一)

 

 

 

 

 

 

5月27日、山本さんと一緒にセミナー下見のため篠山市の白髪岳に登りました。山頂で昼食をとった後、タニウツギにスズメガが訪花しているのに気づき、写真を撮りました。口吻が花に差し込まれているのが分かるでしょうか?このスズメガ、写真を八木研究員に見せたところヒメクロホウジャクであると判明しました。 高野 温子(自然・環境評価研究部)

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5月30日におこなわれるセミナーの下見のため、白髪岳(しらがだけ)に行ってきました。
今回の白髪岳のセミナーは、ただ植物を観察するだけでなく、参加される方と一緒に植物調査をおこないます。前回は文保寺周辺で調査しましたが、今回は白髪岳山頂まで登ります。

今日は曇り空で山登りには最適でしたが、予想より蒸し蒸しする天気で、汗だくになりながら登りました。
もしかして端境期で花が何もないかもしれないと心配しましたが、ツツジの仲間が沢山花をつけていました。

最後の登りはロープを伝っていくところがあります。30日はあまり良くないとの予報ですから、足下の準備を怠らないようにしましょう。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

2007年に奈良県の橿原市昆虫館が特別展「バッタ・コオロギ・キリギリス」を開催しました。その後、この展示を元に巡回できるものをパックにして、NPO西日本自然史系博物館ネットワークに所属する諸館に「巡回展」を呼びかけました。その結果、伊丹市昆虫館→大阪市立自然史博物館→きしわだ自然資料館→兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)→多賀町立博物館→橿原市昆虫館の順序で開催することが決まりました。「ひとはく」では、初夏から鳴き始める鳴く虫があまり知られていないことに着目し、「初夏の鳴く虫と巡回展」というタイトルにしましたが、もう少しインパクトをと、鳴く虫研究会「きんひばり」にアイデアを求め、「ぎっちょん君、参上!」という副題がつきました。

ちょうどそのころ、佐用町にある「兵庫県昆虫館」が「佐用町昆虫館」に脱皮するときで、新生記念の「巡回展」をする話がもちあがりました。しかし、日程その他で調整がつかず、上郡町の「赤松の郷昆虫文化館」でサテライト展示「虫かごの今昔と鳴く虫文化」を同時開催して頂くことになりました。ひとはくにも虫かご数点が展示されます。

「巡回展」のメインの展示物は、日本直翅類学会監修の写真パネルです。生きた鳴く虫の姿を満喫できます。この生態写真を見ながら、伊丹市昆虫館製作の解説や、きしわだ自然資料館製作の解説をお読み下さい。ひとはくの「初夏の鳴く虫とは」も必見です。

ひとはく独自の標本類(写真左)につづいて、竹細工の鳴く虫コーナーをつくりました。竹細工作家・戸田和孝氏にオリジナル作品をお願いし、6/21のオープンセミナー「竹細工で鳴く虫をつくろう」の優秀作品も展示予定です。

最後は昆虫生態写真家・栗林慧コーナーです(写真右)。栗林氏には、ひとはく開館時の最初の企画展でお世話になりました。当時「自然の瞬間をとらえる」と題した45点の企画展を開催したのですが、そのうちの19点を厳選しました。関連イベントは、8/1()に開催される栗林氏の講演会「鳴く虫撮影の思い出」です。

 

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4階の「ひとはくサロン」にも楽しい展示・イベントがあります。オープンセミナーで色塗りした体長約2mの巨大キリギリスにご注目下さい。

 

                   (自然・環境マネジメント研究部主任研究員 大谷 剛)

インドネシアは広い国です。広い国土と自然の中で人びとがさまざまにくふうしたために、文化や食べ物もさまざまです。もともとインドネシアはひとつの民族からなり立っているというよりも、さまざまな民族がより集まってできた<人工の国>でした。ですから、もともとは民族集団ごとに特色のある文化があり、料理があったのです――料理はりっぱな食の文化です。ところが、そのようなインドネシアにも、例外的にひろく拡がった料理があります。それはパダン料理です。

 パダン料理は「インドネシア料理」と紹介されることがありますが、もともとスマトラ島の一地方料理、ミナン・カバウの料理でした。ミナン・カバウは西スマトラ州のミナン・ハイランドと呼ばれる山岳地域を中心に住んでいたのですが、今では西スマトラ州――そこにパダンという都市があります――はおろか、インドネシア全体にひろがりました。なぜ、そんなに広がったのでしょう?それはミナン・カバウの伝統社会のあり方と、おおいに関係があります。

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(写真:パダン料理店 屋根は典型的な「ウシのつの」型をしています。建物の右下には、外からでも見えるように、いくつもの料理が並んでいます。)

 

 皆さんは母系(ぼけい)社会という言葉(ことば)をご存じでしょうか?現在の日本では、人は死ぬ前に遺言(ゆいごん)を書いておけば、たとえば自分の財産(ざいさん)を受け取る人を決めておくことができます。遺言がなかったら、男であるか女であるかを問わず、家族ならどの人でも、法律で決まったわりあいで受け取ることができます。財産以外では、これは法律で決めてあるわけではありませんが、たとえば誰がお墓を護(まも)るのかといったことを習慣として決めておきました。このことを相続(そうぞく)と言います。母系社会というのは、その相続が母や母の祖先から娘にされる社会です。前回、紹介したアグロフォレスト(=屋敷林:やしき・りん)も、ミナン・カバウの人たちにとっては母の持ち物であり、娘に引き継がれるべき財産です。

 ミナン・カバウは、現在でも母系社会をたもっています。ただ母系社会とはいっても、お父さんの役目は、日本で見るのと変わりはありません。ある日、パダンのアンダラス大学でお世話になった先生のおうちで、夕食をごちそうになったのですが、その家庭のホスト役は、おだやかなお父さんが、もの静かに務めておられました。母家長(ぼ・かちょう)であるはずのお母さんはごちそうをつくるのに忙しく、あまり長い間おしゃべりをしたという記憶はありません。

 いずれにせよ、システムとしては母系の社会なのです。そして旅が自由にできる社会でもあるのでしょう。土地にしばられるようなかつての日本では考えにくかったことですが、男たちは皆、商人としてあちこちに散っていきます。そんな商人のうち、料理の好きな男たちが、自分たちの食べている料理を食堂に並べたのです。それは出身地の名前をとって「パダンの料理」、つまりパダン料理と呼ばれました。これが「インドネシア料理」の代名詞であるパダン料理の由来です。

 

パダン料理店では、お客が食事に来ると、まず、小皿に盛った肉やさかなを、これでもか、これでもかと、お客の前のテーブルいっぱいに並べます。その中から、お客は、自分の食べたいものを好きなだけ食べ、最後に店員が客の食べたものを確かめて、お金を請求するというやり方です。この方法だと、自分の腹具合にあわせて好きな物をほしいだけ食べらます。その上、あまりインドネシア語ができなくても問題にはなりません。よい制度だと思うのですが、でも、ついつい食べ過ぎてしまう人もいるかもしれません。

s-mitani3-2.jpg(写真2:レストランで働く若い男たち 女に比べて圧倒的に多くの男、というより少年が働いています。)

 

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(写真3:わたしの前に並んだ料理の数かず すべて食べるわけではありません。基本的に、牛肉と鶏肉、それに魚料理です。左の白いひげ面がわたし。右はアンダラス大学の講師リザルディさん。)

 

スマトラ島はインドネシアでは、いちばんイスラームの影響が強いところですから、パダン料理ではブタ肉とお酒は絶対に出ません。豚肉とお酒は、イスラームではタブーです。それにインドに近いからでしょうか、パダン料理にはカレー粉をよく使います。「インドネシア料理」とカレー粉の取り合わせは、パダン料理の影響だと思います。でもパダン料理には、ほとんど野菜を使いません。ミナン・カバウの人たちは、野菜の代わりに果物を大量に食べて、繊維質やビタミンを補うのだそうです。それでも、西スマトラは高血圧の人が多いのだと聞きました。

 

s-mitani3-4.jpg(写真4:屋台に並べられたドリアン パダンの街(まち)はドリアンの季節でした。家のアグロフォレストから取ってきて、屋台に並べます。すると、ほしい人がひとつひとつ品定めをして、よいと思うドリアンを割ってもらいます。すると大きな種を包む甘い種皮があらわれます。ほおばるとカスタード・クリームのようです。)

あちこちに散っていったミナン・カバウの人たちは、パダン料理を食べるとき以外でも、郷里である西スマトラの山や田んぼをなつかしく思うのでしょうか?
 
 なつかしく思うのだと思います。たとえば、インドネシアで一番大きな大都市ジャカルタには、ミナン・カバウの各村の同郷会があります。この同郷会は、たいへん人びとの結びつきが強く、たとえジャカルタ生まれであったとしても、自分はミナン・カバウだという思いは消えないそうです。
 
 その他にも、在ジャカルタ・西スマトラ州連絡事務所という、まるで「ミナン・カバウ大使館」のようなはたらきをしている事務所や、ミナン・カバウの伝統的な踊りや音楽を演ずるための組織、ミナン・カバウの言葉を守ろうというのでしょうか、ミナン・カバウ・アナウンサー協会といった専門家の団体まであります。このようなミナン・カバウの組織は、今でも、西スマトラの郷里に残る人びとと深い精神的つながりを絶やすことはないようです。
 
 わたしは昔から、パダンや西スマトラ州周辺のべつの都市を訪れたとき、若い男性のなれなれしさにおどろいたことがありました。そのような「なれなれしさ」は、この文章を書いていて、旅と漂泊(ひょうはく)の裏返しなのではないかと気がつきました。父系(ふけい)社会と土地にしばられた日本では、なかなか見られなかったことです。でも漂泊の人生は、たとえば中国やインドの人びと、「アラブの商人」と呼ばれるイスラーム世界の人びと、ロマの人びとなど、地球の上では広く見られます。そのことを思うと、案外、日本のような「同じ場所に住み続ける人」の方が珍しいのかもしれないなどと考えたりもします。
 
 今回の文章では、東南アジア研究21巻に載っていた加藤 剛さん(1983)の「都市と移住民:ジャカルタ在住ミナンカバウの事例」という論文を参考にしました。(つづく)
 
三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所/ 兵庫県立人と自然の博物館

 

※このブログで掲載されている文章・写真の無断転用・転載はご遠慮ください。

 

4月25日より「ひとはく恐竜・化石大作戦!」が始まりました。

ゴールデンウィークのフロアスタッフとあそぼうでは、「恐竜化石・骨パズル」で骨の部位を覚えて、骨格標本の巨大パズルに挑戦しました。

スタンプラリーの「ろっこつ」・「びつい」・「けつどうきゅう」・「のうかん」の名前と場所覚えたかな?

 

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                            写真:ほねパズルをはめている様子

 

毎週日曜日(5月3,10,17,24,31日)は恐竜ラボ解説のあと、「恐竜の歯のレプリカ作り」を有料でおこないました。「おゆまる」をあたため型に入れて作ります。

たくさんの方が参加してくださり「歯」の化石レプリカを2種類作りました。

 

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                写真2;歯のレプリカを作っている様子

 

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                             写真3:歯のレプリカできあがり!

 

     

6月は「画はくの日」「鳴く虫おめんをつくろう」「鳥の巣づくり」「かたつむりクイリング」を予定しています。

イベントの詳しい内容は、「うきうきカレンダー」を見てチェックしてくださいネ!

6月6日より『初夏の鳴く虫と巡回展〜ぎっちょん君 参上!〜』が始まります。

どんな鳴く虫がやってくるかな・・・?どうぞ!お楽しみに!!

みなさまのご来館、心よりお待ちしております。

                 

               フロントスタッフ  西口 浩子

 

 

昨年に引き続き、今年も「ドリームスタジオ体験セミナー」をします。

このセミナーは、来館者に自分たちの趣味や特技を生かしたメニューで

「ミニドリームスタジオ」を計画・実施します。

その過程で博物館の裏側をのぞく「ひとはく探検」収蔵庫を見てみよう!や

「むしむしガーデン」での観察会なども予定しています。

自然の事に興味のある方、子供大好き!なかた、是非是非ご参加ください。

 

    昨年の様子

 

  1-1.jpg        グループワーク中

 

 

1-2.jpgのサムネール画像                 ひとはく探検中!

 

 

1-3.jpgミニドリームスタジオ実施、たくさんの方に楽しんでもらいました。

 

 

開催期間:2009年7月〜8月 全5回

 

詳細はチラシに記載しています。

(こちらを参照ください。

 表:http://hitohaku.jp/top/pdf/kmik01.pdf

 裏:http://hitohaku.jp/top/pdf/kmik02.pdf )

 

皆さんの応募、お待ちしています。

 

          NPO法人 人と自然の会
                 長里芙美子

 

 

 

 

 

フォギング

2009年5月26日
 日本ゾウムシ情報ネットワークの「地域ファウナ調査会」が5月15日から25日まで京都大学の芦生研究林(京都府丹南市)で行われ,幹事業務を兼ねて参加しました.

 11日の期間のうち参加メンバー20名が集中的に採集するのは23〜24日で,天気が悪く気温も上がらず,虫の動きは低調でした.天気の様子や季節の進み具合を見て臨機応変に採集方法を使い分け,採集対象をきりかえるのも技のうち.ビーティングを中心に,捕虫網でのスウィーピング,樹幹を刷毛で払う方法(名称不明)など,それぞれに工夫して採集しておられました.

 これらの通常採集のほかパントラップやFIT(フライト・インターセプト・トラップ),マレーゼトラップなども設置しました.パントラップやFITは歩きながら良さげ場所に次々と仕掛けていくだけで,ときどきザルで回収して回るだけの手軽な方法です.マレーゼトラップは設置には手間がかかりますが,一旦設置すると,定期的に回収に行くだけです.

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パントラップ,FITと回収用具

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マレーゼトラップ

 興味深かったのは東京農業大学の方々が4人掛かりで行っていた「フォギング」です.狙った木の下に受け皿を設置し,エンジン付きの噴霧器で巨大蚊取り線香を焚きます.霧に当たって落ちてくる虫は漏斗状の受け皿の底の瓶に回収されます.
 目的の枝に正確に十分に霧を当てるためには,時間帯を選んだり,空気の流れを読んで噴射する位置どりを変えたり,けっこうコツが要る作業のようです.
 もちろん受け皿の設置にも手間と時間が掛かります,今回は朝方の風の弱い時間帯に噴霧するため,逆算して起床は4時起きだったようです.噴霧完了後の落下待ち時間は約2時間.回収が完了したあとの撤収にもそれなりに時間が必要です.

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フォギング

 昆虫の採集方法は割と単純で機動的なものが多いのですが,その中でこのフォギングはきわめて大掛かりなものです.こういうのもあるんだなぁ,というのが感想です.

昆虫共生・沢田佳久

丹波の植物を調べる

2009年5月24日

植物リサーチクラブ専修科の有志の方達と丹波の植物を調べに篠山市に行きました。その中には地域研究員の方が3人いらっしゃいました。今回の調査はセミナーではありませんでしたが、リサーチクラブ共通のテーマで、希望者と丹波地域の植物を調査するというものです。

まず篠山口IC近くに集合し、どこに調査に行くかを決めました。そして、沢沿いに2箇所で調査しました。沢沿いのせいもあってか涼しく、フジやヤマブキがまだ咲き残っていました。天気はあまり良くなくて、午後から雨が降り出しましたが、なかなか良い調査だったと思います。

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夏頃にはまた違った植物に会えそうです。

山本伸子(自然・環境評価研究部

本日(5月24日)開催のオープンセミナー「身近な植物を顕微鏡で観察しよう」の準備のため、博物館のすぐそばにある深田公園でモチツツジの花を採集しようとしていたら、ブーンと大きな羽音が。。ハチかと思いきや、スズメガの仲間でした。野外に行くときは何を見つけるか分からないので、いつもデジカメを持参しています。これはシャッターチャンス!と思い、カメラを構えました(写真)。博物館に帰って、昆虫が専門の八木研究員に写真を見せたところ、スカシバというスズメガであることが判明しました。 羽が透けているところから「透かし羽」という名前になったとか。

その後八木氏から、このスカシバはオオスカシバであるというコメントが寄せられましたので、ご報告します。

 

高野温子 (自然・環境評価研究部)   sukashibaweb.jpg

岩槻邦男のコラム4

2009年5月23日

 ひとはくの新展開は成功しつつあると、多少独断的に自己評価します。根拠はいろいろありますが、計画の方針が妥当で、その結果さまざまないい現象が現れていると見るのもその理由の一つです。

 ひとはくの事務部には総務課、生涯学習課、情報管理課の3課があり、研究部は複数の部門で構成されており、最近は大学院生も所属しています。他に、委託で派遣されている管理や清掃の関係者もあります。ひとはく関係者は大学籍を含めて常勤職員は50余名(定員不補充などで、定員と定数は一致していません)ですが、大学院生、派遣職員や私のようなパートタイマーを加えると、広い意味の館員は100名近い規模になります。

 新展開が始まった時、県の職制とは別に、博物館独自の事業部組織がつくられました。と同時に、事業部員の座る席が設けられましたから、大学籍の教員も、指導主事も、事務職員も、職制で区別されることなく、館員の間の情報交流はスムースに行われ、恊働が円滑に進むようになりました。

 さらに、毎月1回、第2金曜の朝30分間、全館員が集まって月例報告会を開きます。新展開では、さまざまな項目に数値目標が設定されています。前の月に、その数字がどう動いたかを取りまとめ、厳密な内部評価を行う会合です。数字を見るだけだったら、全員が集まるまでもないのですが、この種の統計では、数字がしばしば一人歩きして、勝手な解釈につながることがありますので、報告会で問題になりそうな数字を検証し、問題のある項目についてはよりよい成果に結びつけるような方策が模索されます。短時間ですが、ここでも職制を超えて館員の意思疎通が円滑に進みます。

 わたしは、ひとはくに関与するまで、所属は一貫して高等教育機関でしたが、京大、東大、立教大、放送大と少しずつ違った4つの大学に勤務しました。しかし、どこでも、研究者側と事務側に考え方の相違があり、その間の意思の疎通が何らかの障壁に遮られているのを感じていました。

 東京大学では植物園という多少特異な性格の部署にいました。もとの国立大学では、教育研究を支えているのは教官だと考える雰囲気が強く、技官、事務官は教育研究支援要員と呼ばれたりしていました。だから、大学ではすべてを教官が決めようとし、教官は会議に時間を取られていました。植物園には優れた能力を備えた技官もいました。教官のもっとも大切な役割が研究教育にあることはいうまでもないことで、わたしも植物園在任中には、いいスタッフにも恵まれ、研究や教育にそれなりの成果をあげてきたと自信をもっていますが、さらに優れた技官との恊働にも積極的に取り組みました。技官の貢献をもとに、スエーデンの王立科学院が発行している雑誌AMBIOに共著の論文を出したりもしました。ことほど然様に、大学のような機関でも、教官、事務官、技官が三位一体で活動し、研究教育に貢献するのが本来のすがただと考え、そういう雰囲気づくりに努めました。

 日本の大学等機関では、残念ながら、一般的に、研究者と事務職員の間の意思の疎通には埋めがたい断絶があるのが現実です。そういう現実を見続けてきた目でみれば、ひとはくの事業部組織が、館員の意思疎通を円滑にする器となっており、恊働の精神を実体として構築しているのを見るのはたいへん心強いことです。恊働が実行されることによって、ひとはくは実際に実力(人員数でも個々人の能力でも)以上の成果を挙げているといえるのだと見ています。

 日本では大きい方だとはいえ、ひとはくの規模は欧米の主要な博物館等施設に比べるとずいぶん小さなものです。ですから、活動には規模に掣肘されるさまざまな制約があります。しかし、それにもかかわらず、最近のひとはくは、生涯学習支援、シンクタンク機能発揮に具体的な成果を描き始めています。まず、博物館内で、前向きの意思統一が進んでいることが原動力になっているためでしょう。

 

 

岩槻邦男(人と自然の博物館 館長)

 

明石市立朝霧小学校のすぐそばに「朝霧山」という林があります。3年生のみなさんは、年に何回か朝霧山で虫調べをしています。

ひとはくの研究員が、児童生徒のみなさんといっしょに野外に行ってアドバイスできればいいのですが、なかなかむずかしいことも多いです。そんなときは、こんな方法もあります。

児童のみなさんや先生方に、野外での体験学習のときにつかまえた虫を、デジカメで撮影してもらいます。それを、電子メールやCDで、あらかじめ、ひとはくに送ってもらいます。

少々ピンボケの写真でもわかりますから、だいじょうぶ! プロですから。
たとえば・・・

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これくらいきれいに写っていたら、じゅうぶん鑑定できます。
ヤマトシジミというチョウです。目立たないですが、たぶん、どんな学校にもいると思います。このチョウの幼虫は、校庭の片隅に生えているカタバミという植物を食べます。

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これくらいボケた写真でもだいじょうぶ。
これはツマグロヒョウモンというチョウの幼虫です。たぶん、学校にパンジーを植えてあるので、そこに幼虫がついています。さなぎになるときに、パンジーから離れて、地面を歩いていることがあります。そんな幼虫を見つけたら、教室に連れて帰ると、すぐにさなぎになりますよ。さなぎには、幼虫の姿からは想像できない、金色の斑点がついています。チョウになるとこんなにきれいです!(写真略)

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ノコギリカミキリです。
朝霧小学校は、住宅地の中ですが、こんなに大きなカミキリムシもいるのですね。朝霧山のおかげです。

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カシワマイマイという蛾の幼虫です。巨大なケムシ。
ケムシはたいていさわってもだいじょうぶだけれど、これはあまりさわらない方がいいね。

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フタホシスジバネゴミムシです。
長い名前だからおぼえられないと思いますが、斑点が二つあって(フタホシ)、はねにスジがある(スジバネ)ゴミムシの仲間という意味です。ほーら、わかりやすいでしょう。

というような話を、児童のみなさんにすることができました。


(八木 剛@自然・環境評価研究部)
明石市立朝霧小学校3年生のみなさんは、2008年秋、校庭のバッタを調べて、バッタマップをつくりました。

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模造紙に拡大した校庭の地図を用意します。
児童のみなさんが、バッタを見つけた場所に、付せんを貼っていきます。自分でつかまえた場所は、みんな、よくおぼえています。

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付せんには、バッタの種名、絵、どんなところにいたかが書かれています。

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絵を描くことで、虫をじっくり観察することができます。みんな、特徴をよく捉えています。

1月の終わり、まとめの授業のときに、私が学校を訪問し、コメントをしました。
バッタとキリギリスのちがいや、バッタの種類、生活についてなど。

バッタは、子どもたちにも先生にも、扱いやすい昆虫です。室内飼育も簡単です。
都市部の学校にも、数種類が必ず見られます。学習素材として活用されてはどうでしょう。

また、バッタの種類によって、草のないところによくいるもの、草が深いところによくいるもの、林のふちにいるものなど、環境の好みが異なります。バッタとりを楽しみながら、虫と環境のちがいに気づくこともできます。

いろんな学校でバッタの種類を比べてみるとおもしろいですね。

(八木 剛@自然・環境評価研究部)
兵庫県では、2009年度から、小学校3年生を対象とした環境体験事業が全校で実施されています。

ひとはくでは、これまでも毎年たくさんの学校が訪れて学習し、研究員が、学校での環境学習のコンサルティングを行っています。

このカテゴリでは、先生方や、グリーンサポーターのみなさんの参考になる事例を紹介していきます。どうぞご期待ください。

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ひとはくでの学習
いつもの教室とは違った空間での学習、専門家の一言が、児童のやる気を引き出します。
400人収容のホロンピアホールで、マンモス校にも対応できます。

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教室でのアドバイス
ときには、研究員が学校に出向き、先生方の実習をサポートします。

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フィールド学習のアドバイス
校庭や校区にも、学習素材はたくさんあります。ふだん見過しているような小さな生き物、地域の環境に目を向け、児童の関心を高めるポイントを、研究員がアドバイスします。

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夏休みに実施されます。授業に役立つ実習型の研修がたくさんあります。ぜひ受講ください。(教職員限定です)

(八木 剛@生涯学習推進室)

オチフジはシソ科ラショウモンカズラ属の1種で、世界中を探しても近畿地方にしかないという、非常に珍しい植物です。この植物の実体を明らかにするために交配実験や訪花昆虫の調査、DNAの解析をおこなっています。

オチフジは流れのある沢沿いの急な斜面や、がれ場に生育しています。今回は兵庫県内のオチフジの生育地で結実率の調査とDNAサンプルの採取をおこないました。

花はすでに終わって実になっていました。結実率は良く、1つの花に4個ないし3個の果実をつけていました。他家受粉をおこなった個体でも良く実をつけていました。

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ただ、盗掘された痕跡があり、前回花が咲いていた個体がなくなっていました。オチフジは絶滅危惧植物に指定されている希少な植物です。見つけても珍しいからと持って帰ったりせず、大切にしてください。

(自然・環境評価研究部)

2009年5月9日(日)に連続セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」の第2回を行いました。この連続セミナーでは、森・川・海がコンパクトにそろった芦屋を舞台として、1年を通じた自然観察プログラムを実施します。芦屋のような都会でも、たくさんの生き物がいて、自然を学ぶフィールドとしてとても良い場所になるのです。セミナーには、地元芦屋で活躍するひとはく連携グループのNPO法人さんぴぃす、芦屋川に魚を増やそう会が協力してくださっています。

この回のテーマは、「浜辺の鳥 食べもののとり方を観察しよう」です。芦屋川河口の干潟で潮の満ち引きの様子や野鳥の観察、干潟の生き物採集を行いました。

あしやがわかこうのひがた
芦屋川河口干潟

観察会は、14時からはじまりました。参加者は、13名。芦屋川探検隊の小学生も参加してくれました。お天気が良く潮干狩りの人出があったため、残念ながら干潟で見られた鳥は、カラスとドバトだけ。人がいると鳥は逃げていってしまいます。実は、こんなささいなことからも、人と鳥との関係が見えてきます。

それでも、ちょっと沖のほうへ出てみると、アジサシの仲間やカワウを見ることができました。アジサシは空中からダイブして、カワウは潜水して魚をとるのです!

キアシシギ  チュウシャクシギ
芦屋川河口周辺で見られるかもしれない鳥。(左)キアシシギ。(右)ゴミの中のチュウシャクシギ、観察会の日は見れず。(5月7日撮影)

折しもこの日は、満月。すなわち大潮の日。潮の満ち引きが大きいのです。干潟の様子がどれだけ変わるのか楽しみでした。セミナー終了時の17時には、堤防の下まで潮が押し寄せていました。しかし。。。残念ながら、くたびれていて、比較できるような写真を取り忘れました。
下右の写真は、さんぴぃすの大脇さんが撮影されたものです。

13時半のようす  16時半のようす
干潟の変化。(左)13時半、(右)16時半ごろ。右写真は、左写真手前の石がごろごろしているあたり。

この観察会のようすは、NPO法人さんぴぃすのホームページにも報告されています。こちらもぜひご覧ください。(http://sanps.com/index.html

セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」は、毎月1回行われます。各回ごとに事前申し込みが必要です。さまざまなテーマ、研究員で実施いたしますのでぜひご参加ください!セミナーについての詳細やお申し込みについては、こちらをご覧ください。→ http://hitohaku.jp/education/main.html

(自然・環境マネジメント研究部研究員 遠藤菜緒子)

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セミナー「芦屋でまなぶ森・川・海の自然」 今後のラインナップ

6月13日(土) 川の魚と水生昆虫 (田中研究員・三橋研究員)
7月18日(土) 森の昆虫は何を食べ、何に食べられるか (大谷研究員)
8月13日(木) 真夏の鳴く虫を聞く (大谷研究員)
9月13日(日) 芦屋の里山 (村上氏 芦屋森の会2001)
10月3日(土) 芦屋をとりまく森のキノコ (秋山研究員)
11月6日(金) モクズガニとウミボタルの観察 (三橋研究員・大脇氏 NPO法人さんぴぃす)
12月5日(土) 森の樹木と土の観察 (小舘研究員)
1月9日(土) 芦屋の街 野鳥図鑑をつくろう (遠藤研究員)
2月13日(土) 手作りカメラで自然を写そう (赤澤研究員)
3月13日(土) 湿地の水生動物(三橋研究員)

54日(月)〜5日(火)の2日間、毎年の恒例行事となっている『ありまふじフェスティバル'09春』に参加してきました。


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<ひとはくの展示テント>


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<自然観察会:生き物に親しもう>

ひとはく研究員を隊長として、早春の有馬富士公園内で魚・プランクトン・昆虫・鳥などの生き物の観察会を行いました。特に魚の観察会は大盛況!エビや小魚をたくさん捕まえることができました。

 

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<研究員の説明にも熱がはいります> 

たくさん捕まえられたかな?

 

 

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<プランクトンを採集中> 

プランクトンネットという器具を使って、水中の小さなプランクトンを効率よく集めます。

 

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<恐竜化石のコーナー> 

実際に恐竜化石が発見された発掘現場の石を展示しました。この中にも恐竜化石が入っているかも?!ひとはくでは、恐竜展示特別企画『丹波の恐竜を知ろう―3年間の発掘報告―』が開催中です。

 

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<昆虫標本展示>

6月6日から831日にひとはくで開催される企画展『初夏の鳴く虫と巡回展:ぎっちょん君参上!』に先駆けて、キリギリス、バッタ、コオロギの標本を展示しました。キリギリス、バッタ、コオロギの違いがわかるかな?

 

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会場には、ひとはく博士も登場し、子供たちに大人気でした。

 

ここからは、この春からひとはくにやってきた3人の新人研究員(上田、武田、北村)の出し物の様子と感想を紹介します。

 

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<びわ玉コマ回しコーナー>

ビワの若い実でつくったコマは思いのほかよくまわります。


「フェスティバルに来られた方々とふれあいの機会が持てて嬉しかったです。子どもさんと一緒になって必死にビワこまを回してしまいました(笑)。ひとはくのコーナーを訪れてくださったみなさん、今度はぜひ博物館にお越し下さい!!」(上田)


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<コウノトリの折り紙コーナー>

折り鶴をちょっと作りかえると、はばたくコウノトリが完成!

 

「皆さんと一緒に作ったコウノトリが、人と自然の共生する環境を考えるきっかけとなれば幸いです。いつの日か、皆さんのもとにたくさんの幸せを運んでくれることを願っています。」(武田)

 

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<タネが運ばれる仕組み>

みんなが大好きなくだもの。どんな動物が食べるのかな?

 

「子供からの核心をついた質問にわかりやすく答えるのはなかなか難しかったです。」(北村)

 


ひとはくコーナーを訪れていただいたみなさま、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、博物館へも足を運んでみてください。お待ちしております。

 

北村 俊平(自然・環境マネジメント研究部)


「C05巨大キリギリスをつくろう」5/23(土)の変更のお知らせ

「6/6(土)オープンセミナー:巨大キリギリスをつくろう」に変更します。時間は14〜17時まで。

 

kirigiri001.jpgこの体長約2mの巨大キリギリス「ぎっちょん君」に、みんなで色をぬって完成させましょう。オープンセミナーなので、参加費は無料です。完成したら「ぎっちょん君」は

 

  初夏の鳴く虫と巡回展〜ぎっちょん君参上!(2009.6.6〜8.31)

 

で、ずっと展示されます。

  さぁ、6/6(土)の14時、4階ひとはくサロンに集まってください。楽しい「立体ぬりえ」をしてみませんか。

 

(自然・環境マネジメント研究部  大谷 剛)

今年もホタルの季節が近づいてきました。

兵庫県西播磨県民局さんが、西播磨ホタルを育む水辺の調査と題して、ホタル調査員を募集しています。みんなでホタルを探しに行きませんか?

お問い合わせは、西播磨県民局環境課さんへ。(電話:0791-58-2137)

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兵庫県のホタル10種を紹介した「プチ図鑑 兵庫の螢」は、ひとはくのホームページからダウンロードできます。どうぞご利用ください。(ページの下の方にあります)

(八木 剛@自然・環境評価研究部)

5月16、17日に高知県で学会がありました。その学会のあと、せっかく高知県まできたのだからと18日に高知県物部村に岡山理科大学のスゲの先生とゼミ生と調査に行ってきました。

前の日は大雨でどうなるかと思いましたが、当日は大変良い天気で暑いくらいでした。

普段は特に目につかないスゲですが、たくさんの種類がありました。
観察できたスゲは、イワカンスゲ、カンスゲ、アブラシバ、チャイトスゲ、コハリスゲ、タマツリスゲ、メアオスゲ、ナキリスゲ、イトアオスゲ、ヒメスゲ、ニイタカスゲ、ヒナスゲなどです。

また、コガクウツギ、ヤマフジ、ツツジやスミレの仲間、テンナンショウの仲間などきれいな花をつける植物もたくさんありました。

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山本伸子(自然・環境評価研究部)

皆さん、一度は四つ葉のクローバーを探したことがあるのではないでしょうか。
クローバーとはマメ科のシロツメクサのことです。普通は3枚の小葉をつけますが、稀に4枚つけることがあります。

セミナーに参加してくださった方が五つ葉のクローバーを見せてくださいました。この五つ葉の不思議なところは羽状になっていることです。同じ所から小葉が5枚出ているものは見たことがありますが、羽状になっているのは初めて見ました。おもしろいですね。葉が四つ葉になる原因は環境によるものと遺伝子によるものとがあるようです。この五つ葉は同じ株でいくつも出来ているそうなので、きっと遺伝子によるものなのでしょう。

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さて、聞いた話では四つ葉は幸福、五つ葉は金運、六つ葉は名声を呼ぶのだそうです。知りませんでした。
そこで、私も四つ葉のクローバーを探してみることにしました。四つ葉のクローバーを見つける 「
こつ」 は、人や車に踏まれるようなところを探すことです。
博物館の周りを探してみると、ある株でたくさんの四つ葉を見つけました。また、四つ葉になりかけのものや五つ葉などもありました。

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皆さんもシロツメクサを見つけたら、四つ葉のクローバーを探してみてはいかがでしょう。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

今日、KissFMの「キッス・ドライビング・レポート」でレポーター:阪本智子さんがひとはくに来られました。「おはよう朝日です」やテレビCMでも活躍されている方です。

「丹波の恐竜を知ろう―3年間の発掘調査―」を取材して、リスナーの方々に紹介していただきました。

 

9時にスタッフの方々と阪本智子さんが来られて、電波のつながりのよい放送場所を探しながら、阪本智子さんに恐竜化石の展示や、アメリカマストドン、動物の剥製など館内を案内していると、いつのまにか時間がたってしまいました。

結局、放送場所となった「ひとはく恐竜ラボ」に着いたのが9時40分。そこからリハーサルをしたのですが、放送時刻は迫ってくるものの、なかなか話が時間内におさまらず、最後は「読み原稿(台本)」が決まらないまま放送となってしまいました。

 

スタッフの方々の顔にも焦りが見えて、私も「ヤバいかな?」と感じながら、10時20分いよいよ本番!! 阪本智子さんがひとはくの紹介をしたあと・・・

 

「それではひとはくの平松さんよろしくお願いします」

「はい。よろしくお願いします」

「私の住む近くに、恐竜がいたなんて驚きです!」

「そりゃ今いたら大変ですけど、この恐竜がいた1億4千万年前の丹波市は、中国と陸続きでしたから、このあたりも恐竜がたくさんいたかもしれませんね」

「さっき、化石を見たのですが、あちらをみて専門家の人はすぐに、『あっ化石だ!』とわかるものなんですか。私も子どもの時、遠足で同じようなものを見つけたことがあるような気がするのですが」

「一目見て化石とわかるのは難しいですね。今回の発見は、研究者ではなく一般の方が見つけられました。地層から飛び出した石のようなものを、『なんだろう?何か違うぞ』と感じたことが、世紀の大発見につながったのです」

「化石ってどこでも見つかるんですか」

「化石はどこを掘っても見つかるわけではありません。化石のある場所に行かないと見つかりません。たとえば神戸なら、須磨区から北区にかけて神戸層群という地層があります。ここでは3500万年くらい前の植物の化石が見つかります。でも恐竜の化石は見つかりませんよ」

「私も化石を見つけてみたいなあ」

「そうですね。ひとはくで本物の化石をじっくり見ていただいて、神戸層群や篠山層群で行われる博物館のセミナーに参加して、化石を見つけてみてください」

となんとかスムーズに・・・レポーターの阪本智子さんとのやりとりは短い時間でしたが、ちょっと緊張してしまいました(^^)

打ち合わせ通りではなかったけれども、うまく会話が流れて、終わった瞬間、スタッフの方もホッとされて「いつもは原稿どおりに放送するんですが、こんなのは初めてですよ」と言われてしまいました。

それにしても阪本智子さんは、化石にも興味があって、小さい頃から近くの博物館に通っていたとか。そんな方に取材に来ていただいてよかったです。 

 

 

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この放送を聞いていただいたリスナーのみなさん。

ぜひ、ひとはくに本物の恐竜化石を見に来てください!

5月中の土・日には、恐竜スタンプラリーを完成されたお客様先着100名に素敵な「恐竜クリアフォルダ」のプレゼントもありますよ。

ここまでは放送で紹介する時間がなかったので・・・ぜひ、お越しください。

 

KissFMのブログでも紹介されています。

http://www.kiss-fm.co.jp/program_blog/driving/index.php?page=1

 

 

(生涯学習課長 平松紳一)

 

 

 

ユズ(柚子)の葉にいたこの幼虫はなんでしょう?? 

遠目には鳥のフンそのもの.白い模様の入り具合なんて絶妙です.

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正解はナミアゲハの幼虫.

鳥のフンに擬態していると言われていますが,納得です.

下の写真は左から1齢幼虫,2齢幼虫,4齢幼虫,5齢幼虫. 5齢幼虫は緑色で鳥のフンには擬態していませんが,大きな目玉のような模様があって面白いですね.この緑色の幼虫にまで成長すると,やがて蛹になり,成虫になります.

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私の専門は植物.次回こそは植物の話題を提供したいと思います(^ ^).

(自然・環境評価研究部 布施静香)

ひとはくに、ぎっちょん君がついに参上しました。
実はこのぎっちょん君、6月6日からの初夏の鳴く虫と巡回展「ぎっちょん君参上!」に登場する巨大展示物で、昨年度から行っています県立美術館との連携の一環で、県立美術館の藤原義勝ミュージアムティーチャーにつくってもらった2mはあろうかという巨大キリギリス。 
同じく美術館の橋本尚人指導主事とひとはくの大谷剛研究員と河南堂珍元斎で制作チームをつくり、本体の素材から塗料までアイデアを出し合い、制作になんと2か月かかった大作です。
さすが、藤原先生、メンバーの無理難題を見事クリアし、期待どおりの仕上がりです。素晴らしい!

ついに、「ぎっちょん君」完成!といいたいところですが、未完成・・・。

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実は、この「ぎっちょん君」、美術館とひとはく、そして来館者の「みんなでつくる展示物」なのです。
ほぼ出来てはいますが、仕上げは、5月23日に行う大谷研究員のオープンセミナー「巨大キリギリスをつくろう!」でみんなで色を塗り、組み立てて完成します。

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ぜひ、巨大キリギリス「ぎっちょん君」をみんなで完成させましょう。家族そろって、ひとはくへ!ぜひご参加ください。

川東丈純

 

 


 

4月19日に白髪岳(しらがだけ)ふもとの文保寺でセミナーがありました。
白髪岳でおこなわれる2回のセミナーは、ただ植物を観察するだけでなく、参加される方と一緒に植物調査をおこないます。

今回は文保寺周辺で調査しました。午後1時から始まるセミナーでしたが、10時にはすでに来られて、白髪岳を登ってきたという方もおられるくらいで、12時30分にはほとんどの方が集合していました。そして各自、自主的に調査を始められていました。今回のセミナーの趣旨を説明したあと3班に分かれて調査をおこないました。

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きれいな花や目立たない植物などを採集し、最後にどのような植物があったのかを発表しました。皆さん熱心に講師の説明を聞いていました。

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今回観察できた植物は以下のとおり。
カテンソウ、サンショウソウ、ミミナグサ、ハコベ、ミドリハコベ、ミヤマハコベ、クロモジ、ニリンソウ、オウレン、ヒメウズ、アケビ、ミツバアケビ、ミツバアケビ、ミヤコアオイ、クサノオウ、タケニグサ、ニシノオオタネツケバナ、タネツケバナ、オオバタネツケバナ、ヤマネコノメソウ、コチャルメルソウ、オヘビイチゴ、ビロードイチゴ、クサイチゴ、ナガバモミジイチゴ、ミヤマカタバミ、コクサギ、ナワシログミ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレ、キブシ、セントウソウ、コバノミツバツツジ、キランソウ、タチイヌノフグリ、ニワトコ、コバノガマズミ、オオカメノキ、ヤブタビラコ、サルトリイバラ、スズメノヤリ、ヤマスズメノヒエ、ムロウテンナンショウ、ヒメカンスゲ、ナルコスゲ、オクノカンスゲ、タニガワスゲ、ノゲヌカスゲ、ニシノホンモンジスゲ、イヌガンソクなど


まだ芽生えの草本や芽吹いたばかりの樹木で分からなかったものも、次回の5月30日におこなわれるセミナー「白髪岳の植物を調べる(2)初夏の植物」のときにははっきりするのではないでしょうか。次回が楽しみです。

山本伸子(自然・環境評価研究部)

 毎年やっている深田公園でのオトシブミ観察会を,10日に行いました.結果は全部で5種(揺籃4種,成虫2種)でした.
 ヒメクロオトシブミはクヌギの苗木に成虫も揺籃も見られたのですが,切ったり巻いたりしている現場は見られませんでした.例年,作業中の個体が見られるハギルリオトシブミも,今年は成虫が摂食しているだけでした.今年はあらたにエゴツルクビトシブミの揺籃が多数みつかりました.何年も前から目をつけていたエゴノキなのですが,今年突然降って湧いたように出現,しばらく成虫を探したのですが,結局見つからず,

 深田公園はちょうどモチツツジの季節です.
 モチツツジはコバノミツバツツジより数週間遅れて咲きます.柔らかな色で,花も大きいのですが,あまり人気がないように思います.たぶん奇麗に咲いていないからでしょう.たいていはどこか傷があったり,複数の花がグシャッとかたまっていたりします.近づいてみると蕾や萼がネトネトで虫がへばりついています.要するに,きちゃない.

 虫目線で見ると,モチツツジの蕾はかなり魅力的,有用な資源に映る(たぶん匂いで)らしく,いろんな虫が魅せられ引き寄せられます.その食害を防ぐためにモチツツジは(「おいしそう」はそのままに)このトリモチ戦術を発達させたのでしょう.殺生な,とはこの事です.その結果,実に様々な虫が捕まって死んでいます,粘着した半死の虫を吸血して回るサシガメなども存在します.地獄絵図です.

 しかし,トリモチ戦術も完璧ではありません.ツツジトゲムネサルゾウムシは,これに適応した虫です.この虫はモチツツジの蕾に穴をあけ,産卵するのです.もっともネトネト度が高い(?)蕾の表面でさえ,ゆっくりですが掻き分けるように歩くことができます.
 共進化の観点からいうと,モチツツジをモチツツジにしたのは,たぶんこの虫です.と同時に,ツツジトゲムネサルゾウムシをツツジトゲムネサルゾウムシにしたのも,たぶんこの木です.そして果てしないネトネト化競争は今も続いているのでしょう.

昆虫共生・沢田佳久

5月3日、ゴールデンウィークの真っただ中、ひとはくの向かいの

フローラ88・ダイエー三田店の1階中央広場で「初夏の鳴く虫と巡回展

『ぎっちょん君参上!」のプレイベントを開催しました。

いつものコンビ、大谷剛研究員と謎の講談師河南堂珍元斎がフローラ

88に久々に登場!といいたいところですが、大谷研究員は引く手あ

またで不在のため、珍元斎がお絵かき講談+鳴く虫の紹介をしました。

まずは、お絵かき講談「ぎっちょん君参上!」から。

 

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このお話は、虫売り、すなわちキリギリスやスズムシ、マツムシ

などの鳴く虫を売ることを商売にしている男が、同じ長屋の男に

だまされて、オスなのに鳴かない、変なキリギリスを仕入れてし

まい、ぜんぜん売れない(鳴かないからあたりまえ!)キリギリ

スに、大家さんのアドバイスで「ある道具」をあたえ人気者に

仕立てたとという、ぎっちょん君誕生秘話。

 

 

 

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今回はお絵かき講談。お絵かきといっても珍元斎だけでなく、

観客の子供たちにも絵を描いてもらう試み。まずは、お話を聞い

て、子どもたちの頭に浮かんだぎっちょん君を描きます。

 

 

 

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うまく描けたかな?さすがは、五感のすぐれた子どもたち、すら

すらと描いていきます。

 

 

 

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みんな違っていて、とても、おもしろい絵が描けました。   IMG_7902.JPG

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続いては、鳴く虫の紹介。今深田公園で鳴いているキンヒバリや

ケラ、クビキリギス、これから鳴きだす主役のキリギリスの鳴く声

を写真とあわせて聞いてもらいました。ケラが「ボー」っと鳴くこ

とを説明すると、子どもたちから「えーっ!」と驚きの声があがり

ました。ひとはくに来てから知りましたが、本当に鳴くのです。昔

からミミズによく間違えられているようですが、湿地とかの土の中

で夜「ボー」と聞こえたらそれは、おそらくケラです。みなさんも

夜の散歩で注意してみてください。 

 

そして、今度はスクリーンに映し出されたキリギリスを見て模写し

ます。

 

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今度はリアルなキリギリスになりました。

 

 

 

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比較して見ると、違っていて、おもしろいです。

 

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司会のお姉さんがいろいろ子どもたちに感想をきいてくれました。

楽しかったでしょうか?キリギリスを知らない子も見たことない

子もいましたが、おぼえて帰ってくれたらうれしいです。

 

 

 

 

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おもしろかった子どもさんの絵を何点かあずかりました。6月6日

からの初夏の鳴く虫と巡回展「ぎっちょん君参上!」のイベント案

内チラシなどに使わせてもらいますね。ありがとう。

 珍元斎も扇子に絵を描き、ひとはく鳴く虫クイズでプレゼント!

 

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6月6日〜8月31日に開催する企画展「初夏の鳴く虫と巡回展
『ぎっちょん君参上!』でも珍元斎は登場します。夏なので怪談

・・・。

会期中、いろんなセミナー、イベント目白押しで、大谷研究員

の鳴く虫セミナーや八木研究員のキリギリスの赤ちゃんを育てよう

をはじめ、ぎっちょん君ハウス、バッタロデオ、売りなど。

なんと8月1日には、あの有名な(昨日、NHKの「ダーウィン

が来た!」に出てはりました。)昆虫写真家栗林慧さんひとはく

へやってきます。乞うご期待!

 

川東丈純

 

 

岩槻邦男のコラム3

2009年5月 8日

 3月末に生物多様性ひょうご戦略が公示されました。この戦略の策定に当たって、ひとはくはシンクタンク機能を発揮し、参画と恊働の実を挙げることができました。

 生物多様性条約は1992年にリオデジャネイロで開かれた国連環境会議で採択された国際的な協定の一つです。日本はこの国際条約に積極的に賛成し、早期に批准して、成立に貢献しました。1993年5月に日本はカナダと並んで先進国としては最初に批准しましたが、その年の12月には、必要な条件を満たしてこの条約が発効することになりました。現在、世界の190国とEUが加盟しておりますが、アメリカ合衆国は参加していません。

 生物多様性条約では、加盟国はそれぞれの国で国家戦略をつくることとしており、日本も95年に最初の生物多様性国家戦略をつくりました。この戦略は常に変動する生物多様性と、それに対応する人間側の事情も踏まえて、5年ごとに改訂することにしており、2002年に新・生物多様性国家戦略、07年に第3次戦略がそれぞれ首相を座長とする関係閣僚会議で採択されました。

 生物多様性国家戦略は当時は政府の施策の基盤ではあっても、国内法によるものではありませんでした。2008年に生物多様性基本法が策定されましたが、この法で国家戦略をつくることが定められるだけでなく、地方公共団体やさまざまな主体がそれぞれに生物多様性戦略を策定することが期待されています。このような背景のもとに、生物多様性ひょうご戦略は08年春以来検討が進められてきましたが、09年3月に生物多様性にかかわる県の施策の基本方針として確定されました。

 兵庫県は日本海と瀬戸内海を南北に控え、中国山脈の東端を含み、さらに本州ではもっとも低地の平面分水界があって南北間の生物の移動に有利な地形をもつなど、多様な生物の棲息に好条件を備え、実際豊かな生物相がそこに住む人々の暮らしを潤してきました。自然と共生する日本人の生き方は兵庫県でも歴史を通じて見事に演出されてきました。最近も生物多様性について先進的な対応が図られてきました。生物多様性ひょうご戦略では、それらの現実が整理され、さらに今後必要とされる対応が述べられています。このひょうご戦略は兵庫県のホームページから読み取ることができますが、直接にhttp://www.kankyo.pref.hyogo.jp/JPN/apr/keikaku/strategy_of_biodiversity.pdfで検索することもできます。

 生物多様性ひょうご戦略は、兵庫県環境審議会が定めたものですが、この戦略の検討の過程では、人と自然の博物館がいろんな面で協力し、ひとはくがシンクタンク機能を十全に発揮したいい例となりました。兵庫県の生物多様性に関する情報が、ひとはくに蓄積されており、すでにこれまでにもさまざまな対応を行ってきた実績があり、その経験が役に立ったということです。もちろん、ひとはくは今後も兵庫県の生物多様性の持続的利用に貢献することに力を注ぎますが、それが日本の、そして地球の自然環境との共生に実を結ぶことが期待されます。環境問題に関しては、地域で活動し地球規模で考察する、は基本的な方針です。

 県レベルの戦略としては、最初につくられたのは千葉県で、兵庫県の戦略は約1年遅れて策定されました。目前に名古屋で開催される10年10月の第10回生物多様性条約加盟国会議(COP 10)が迫っています。ここでも、兵庫県の取り組みが地球の持続性を先導する力になることが期待されますが、そのためにも、生物多様性基本法に沿って、県下の多くの市町やさまざまな主体で生物多様性戦略が策定され、すべての県民が生物多様性の持続的な利用に向け、地球規模で考え、地域で活動することが期待されるところです。

 

岩槻邦男(人と自然の博物館 館長)

 

4月のふかたん(深田公園うきうきたんけん隊)は、4月26日(日)におこないました。

今回は、樹木博士の高橋研究員と一緒に『木の花を見に行こう!』

でも、その日は雨が降ったため...ひとはくサロンで『木の花を見よう!』に変わりました。

 

13時ぐらいから高橋研究員と、採ってきた木の枝を準備しながら、参加する人が少ないかも...と心配でしたが集合時間の14時頃には10人以上集まりました!自由参加なので何人集まるかはわからない〜!

いつもとちょっと違ったふかたんの様子を、コメントと一緒にご覧ください!

 

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「今日は、木に咲く花を集めてきました」赤いジャンパーが高橋研究員。

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 左から、やまもも、はなみずき、こばのがまずみ。よーく観察しよう!

 

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ふじの花をスケッチ。花がたくさん付いている!

 

 

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「ねえねえ、はかせ。この木の名前は何ですか?」

「これはね…」なんでも質問できるよ!

 

 

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 水に溶ける色えんぴつ:水彩色鉛筆にも挑戦!

 

DSCF5265.JPG 教えてもらった木の名前は、タグに書いて、枝にくくりました。

 

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できあがったスケッチの数々…博物館の4階で『ふかたん観察シート』にして飾っておきますよ。

 

 

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「いろんな形の花や葉があるんだね」

 

 

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お花とはっぱのコラージュ。上の方は、花をこすって色を染み出してみました。

 

 

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よくできました!これはお母さんへのお土産にするそうです。

 

 

 

参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

木の博士と一緒にルーペを使って、花を観察したり、解説を聴ける機会はなかなかありません。

今回はそういった意味でも(雨が降ったおかげで?)ひとはくサロンで『ふかたん』ができてよかったと思います。実は、高橋研究員は雨男だそうです!

 

次回のふかたんは6月27日におこないます。鳴く虫博士の大谷研究員と一緒に『キリギリスをさがそう!』

くわしくは、フロアスタッフうきうきカレンダーなどをご覧ください。おたのしみに!

フロントスタッフ 藤田奈美

 

 

 

みなさん

化石のレプリカって作られたことありますか?

今日は、ひとはくの向かいのフローラ88・ダイエー三田店の1階中央広場で

「チョコレートで化石のレプリカをつくろう」のイベントをやりました。

化石のレプリカを「チョコレート」で作りました。

 

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▲チョコレートを型に流し込む子どもたち

 

いま、人と自然の博物館では「ひとはく恐竜・化石大作戦!」を展開中です。

今日のイベントもその一つ。

 

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▲完成するとこんな感じ?

あらかじめ本物のアンモナイトから型を取り、そこにアルミホイルを敷いて

電子レンジで溶かしたチョコレートを流し込むだけ!

簡単に誰でもアンモナイト・チョコのできあがりです。

もちろん本物の化石から型どりしたレプリカです。

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▲あらかじめ、「おゆまる」で型どりをした様子

 

「ひとはくでは今、化石がおもしろい!」

5月31日までの「丹波の恐竜を知ろう−3年間の発掘報告−」では、

毎日、恐竜・化石スタンプラリーができて、土日祝にはスタンプすべてを完成させた

先着100名様に、なんとクリアフォルダのプレゼントまであります!

ぜひ、この機会にひとはくにお越しください。

(生涯学習課長 平松紳一)

 

 

 連休中の5月2日 丹波市のポップアップホールにおいて、発掘ボランティアとクリーニングボランティアの方々に対する顕彰式が行われました。

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 化石の質の高さもさることながら、発掘にかかわってこられたボランティアの方々の努力や技術の高さが、丹波竜化石の質の高さを支えています。本当にありがとうございました。

 

 顕彰式のあと、三枝春生主任研究員による講演「丹波竜第3次発掘調査報告」が行われました。

 今回の第3次発掘では、期待されていた脚部の化石発掘には至らなかったものの、竜脚類の歯、獣脚類の歯や鳥脚類の歯が多数発見されました。

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  今までに発見された化石の数も膨大な量になりましたが、これらの化石のクリーニングがすべて完了しているわけではありません。既に発見された化石をすべてクリーニングするのに、まだまだ時間がかかります。

 

 さらに、発掘も第3次で出なかった脚部や念願の「完全な全身」を期待して第4次・5次・・・・と続いていくものと思われます。 ぜひ今後の発見・発掘にご期待ください。

 

 2日の報告会には丹波竜のマスコットキャラクター「ちーたん」も会場に駆けつけてくれました。

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(文責:県立人と自然の博物館 八尾)

 

 

 

 

 

ウメの木に見慣れない昆虫がくっついていました.
なんだこりゃ?
ぎょっとするほど真っ赤です.
体長は2.5cmほど.遠目にも目立ちます.
サシガメの仲間のようなのですが...

sashigame.jpg  sashigame2.jpg

気になったので昆虫が専門の研究員である沢田さんに尋ねてみました.
その結果「脱皮直後のヨコヅナサシガメ」であることが判明.
そう言えばお尻の方にくしゃくしゃの皮がくっついています.

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sashigame3.jpgのサムネール画像

近くには若虫(小さめの黒い個体)と脱皮を終えたらしい成虫(大きめ黒い個体.体の両脇にひらひらした白い翅があります)もいました.
真っ赤なのは脱皮直後だけ.成虫になると白い部分以外はあっというまに黒くなってしまうそうです.
良いものを見たなあ,と得した気分になりました.

(自然・環境評価研究部 布施静香)

 

今年も、ひとはくミニキャラバンがはじまります!

ミニキャラバンは、県内で行われるフェスティバルなどで、ひとはく研究員やスタッフが展示やイベントを行うというものです。県内各地でさまざまな人たちと交流することを目的にしています。

その第1弾として、このゴールデン・ウィークに開催される「ありまふじフェスティバル'09春」にでかけます。

「ありまふじフェスティバル'09春」は、ひとはくの地元である三田市の有馬富士公園で5月3日(日)、4日(月)、5日(火)に行われます。有馬富士公園で活動している住民グループの皆さんがさまざまなイベントやプログラムを行う、楽しいおまつりです。

※ 詳しくはこちらの最新情報をご覧ください→ http://www.hyogo-park.or.jp/arimafuji/

ひとはくがテントを出すのは、4日(月)、5日(火)の2日間。この夏の企画展「初夏の鳴く虫と巡回展 ぎっちょん君、参上!」をご紹介するほか、身近な自然に親しむ展示や観察会を行います。ひとはく博士も会場に行きます。ゴールデン・ウィークは、ありまふじフェスティバルへ!会場でお待ちしています。

(自然・環境マネジメント研究部 遠藤菜緒子)

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日時:2009年5月4日(月)、5日(火) 10時00分〜16時00分
場所:有馬富士公園自然学習センター前広場テント ※少雨決行

【予告展示】「初夏の鳴く虫と巡回展 ぎっちょん君、参上!」

6月6日(土)からはじまる企画展「初夏の鳴く虫と巡回展 ぎっちょん君、参上!」一部を一足先にご紹介します。

【展示】福島大池の自然

有馬富士公園内にある福島大池の自然や、ここで行われているプチ自然再生の方法を紹介します。

【自然観察会:生き物に親しもう!】

5月4日(月)
11:00〜11:45 魚をつかまえてみよう(田中研究員)
14:00〜14:45 プランクトンをつかまえてみよう(三橋研究員)

5月5日(火)
11:00〜11:30 昆虫をつかまえてみよう(大谷研究員)
14:00〜14:30 鳥を見つけてみよう(遠藤研究員)

場所:有馬富士公園内
定員:各回とも小学生以上20名(先着順)
受付:展示テント内において10時から

写真:昨年のありまふじフェスティバルでのキャラバンの様子

観察会へ出発します 顕微鏡をのぞいてみよう 展示:いきもののつながり パズルであそぼう

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