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2012年4月アーカイブ

みなさんこんにちは(*^_^*)

ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?

今日ひとはくでは、おなじみの 「ふかたん」がおこなわれました。

きょうのテーマは、「水辺の生きもの探険隊」

隊長は、お魚博士の田中主任研究員でした。

総勢23名で、深田公園の人工池の生き物たちを観察しました。

 

ふかたん「水辺の生き物探検隊」

1 23捕まえた生き物をバットに入れて観察 まずは網ですくって、生きものたちをバットに入れて観察します。  

実験セミナー室で観察

もっと詳しく観察したい生き物は、博物館実験セミナー室の実体顕微鏡を

使って、観察しました。

深田公園人工池の生き物たちミナミヌマエビ、スジエビ、アメリカザリガニ、ヤゴ(シオカラトンボ、

チョウトンボ)、メダカ、フタバカゲロウ、エラミミズなど。

観察が終わった後、生きもの達はもとの池に帰ってもらいました。(*^_^*)/

これからの季節は水辺の生き物を観察する機会がふえるかもしれません。

とは言え、水辺には危険な場所がたくさんあります。

観察する時は、じゅうぶんに注意しましょう。

 

本日ご参加くださいました みなさまに厚く御礼申しあげます。

ありがとうございました。 

    (フロアスタッフ てらお ゆみこ)        

 

 

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして5

 

 

博物館の基礎科学と応用科学

 

 

 人と自然の博物館の研究者が取り組んでいる学問には、いろいろなものあります。その幅があまりに広いので、ひとことで説明するのは難しいくらいです。

 

 わたしが長くやって来たのは霊長類学(れいちょうるい・がく)という学問です。霊長類というのは、サルや類人猿やヒトの事です。でも、霊長類学は「サルの動物学」ではありません。化石に残らない、ヒト(とヒト以外の霊長類)の行動や社会を科学する学問です。霊長類学は理学の一種ですから、基礎科学ということになります。しかし、人と自然の博物館では、「わたしのやっている霊長類学は基礎科学です」といって、すましているわけにはいきません。学問を求める人には、さまざまな立場の人がいらっしゃるのですから、その人、一人ひとりに合った、わかりやすい展示やセミナーを工夫していかないといけないからです。

 

 

 たとえば、次の文章はどうでしょう? 

 

「マカクの脳の下前頭回(F5領域)と下頭頂葉では、自分で行動する時と、他の個体が同じ行動するのを見ている時で、同じ活動電位が発生する」

 

こう書いてしまったのでは、何だかひどく難しく感じてしまいます。なぜなら、これでは専門家を相手にした時の説明の仕方だからです。

 

 

 それでは、向学心のある市民――博物館を訪れる可能性のある多くの方――には、どんな説明をするべきなのでしょうか? わたしなりに書いてみます。たぶん

 

「ブタオザルやアカゲザルは、あることをするのを見ただけで、脳の一部が自分がやっている時と同じように反応してしまう」

 

と書く方が、ずっとわかりやすくなると思います。いかがでしょう? まだ、わかりにくいですか?

 

 

 さらに、

 

「その『脳の一部』というのは、失語症に関係の深い、ヒトの言語中枢(ブローカ野)に進化した可能性が高い」

 

と聞くと、失語症者はもちろんですが、ご家族に失語症者がいる方も興味を持ってくれるでしょう。また、この脳の一部は「共感」とも関連が深いと想像されていることを説明すると、ご家族に自閉症者がいる方の興味をひくかもしれません。

 

自閉症の方は、「共感」、つまり理解したくても、他人の気持ちを理解する能力が低いと言われているのです。

 

 

 絵や写真も大切です。小さな子どもには、ことばの説明そのものはわからないかもしれません。そんな時は、「サルの赤ちゃんが人のまねをして舌をつき出している写真」を見てもらえば、理屈はわからなくても、伝えたいことはわかってもらえると思います。

 

ちなみに、この写真のような物まねは、サルでは起こらないと考えられていました。しかし、最近の研究では、生まれたてのサルにかぎって起こることがわかりました。まだ脳のどこが働いて、サルの赤ちゃんが物まねをするのかはわかっていませんが、ミラーニューロンという場所があやしそうです。そのため、サルのF5領域は、「物まね細胞」とか、「ミラーニューロン・システム(=まるでカガミに映ったかのように、動作をまねする時に使う神経システム)」と呼ばれることがあるのです。 

 

1280px-Makak_neonatal_imitation.jpgのサムネール画像のサムネール画像Evolution of Neonatal Imitation  Gross (2006), PLoS Biology 4: 1484-1485

 

 

 応用科学や教育を経験してきた方は、わかりやすい説明の大切さがわかっています。しかし、基礎科学しか経験してこなかった人は、なかなかわかりません。わたしがそうでした。わたしは脳塞栓症(のう・そくせん・しょう)の後遺症で、今でも少し失語が出るのですが、失語症になる前は、文を読んでも理解できない人がいることに、(知識としては知っていたのですが、心の底では)納得できませんでした。ましてや、自分自身が失語症がなるなんて、夢にも思いませんでした。

 

 「一人ひとりにわかりやすい展示やセミナー」は、博物館員であれば、やって当たり前の工夫です。しかし、それをユニバーサル・デザインとか、特に博物館や美術館、図書館などの生涯学習施設ではユニバーサル・ミュージアムと呼ぶ事があります。ユニバーサル・デザインとかユニバーサル・ミュージアムと呼ぶと、特殊なことに聞こえます。何だか大げさに聞こえるのです。しかし、それは、やってごく当たり前のことなのです。

 

 どうしてもできない人がいるとしたら、それは、かつてもわたしのように、人やヒトに対する想像力が不足しているのかもしれません。でも、不足しているのなら話は簡単です。補えばそれですむように思います。

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

春になり、桜が満開の頃、ひとはくサロンでも、みなさんの夢のお花が満開咲きました。

ひとはくサロンみなさんの夢が叶うように、ワニさんもヘビさんも祈ってくれています♪

 

フロアスタッフはさまざまなイベントを行っています。

ほんの少しご紹介しましょう。

 

昨年度は、新しいデジタル紙芝居「ころころだんちゃん」「アンモナイト物語」が完成し上映しました^^

新しい紙芝居の製作には、長い時間がかかります。題材を見つけて、ひとはくの研究員と相談しながら、何度も何度も作り直します。みなさんにご披露するまでには、半年から一年はかかるんですよ。

今年度は「丹波の恐竜タンタンものがたり(5月上映予定)」「マツの子くるりんの大冒険」が完成しました。みなさんに楽しんでいただけるかしら〜ドキドキです。

 

フロアスタッフとあそぼうでは…

「川でさかなつり」 は、ひとはくの三橋主任研究員とフロアスタッフがコラボし、新しく生まれ変わりました。2階展示室で行うイベントは、本物の標本をそばでみることができるため、自分がつった魚がどんな姿をしているのかをすぐに学ぶことができます。

川でさかなつり さかなのおはなし「けんちくかのひ」は、まちに自分のおうちをたてるイベントです。環境を考えながら、まちをつくっていきますが、こどもたちの自由で豊かな発想は大人顔負けです。

おうち けんちくかのひ  

フロアスタッフは、遊びながら学ぶことができるイベントづくりを、今年度も続けていきます。「来てすぐ楽しいもよおし」に、ぜひご参加ください。

5月の予定はうきうきカレンダーでチェック!!   http://hitohaku.jp/top/12ukiuki/ukiuki1205.pdf

20周年を迎えるひとはくへ、ぜひ、お越しください。

スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。

笹山由利子(フロアスタッフ)

 

 

 

 

4月22日(日)福島県会津若松市にある福島県立博物館を訪問し、ひとはくKidsキャラバンを行いました。ひとはくが復興支援のためのKids キャラバンとしては昨年7月と12月に続き3回目、そして福島県を訪れるのは今回が初めてのことです。

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 今回のひとはくからのメンバーは、キッズひとはく推進室からは私(古谷)、布施研究員、清水さんの3人、総務課からは岩崎館長補佐です。

 今回、化石関係では、福島県立博物館の地学分野の学芸員である竹谷さんや相田さんにご協力いただき、おゆまるを使って化石のレプリカを作ってもらったり、化石の実物標本に触ってもらったりしました。レプリカ作りの前には、アンモナイトが化石になって博物館にやってくるまでの過程を描いたデジタル紙芝居の「アンモナイト物語」の上演も行いました。AiduDejitarukamisibai.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

布施研究員は人と自然の博物館や、福島県立博物館の近くで採集した植物、ひっつき虫、イノシシやシカなどの動物の毛皮など、さまざまなものを顕微鏡やサイエンススコープなどを使っ拡大し、身近なものに隠れた意外な面白さを紹介していました。  

Hittukimusi.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きものや化石の大好きな子どもたちと充実した楽しい時間をすごすことができ大満足の一日でした。今回、大変お世話になった福島県立博物館の皆さんどうもありがとうございました。

                                      キッズひとはく推進室

 

さくらも終わり

2012年4月22日

 昨日今日の雨で、最後まで残っていたサクラの花びらも全部落ちたように思います。みなさんはお花見には出かけられましたか?

 そして今、ひとはくの周りでもコバノミツバツツジが見頃になってきました。みなさんのお住まいの近くでもきっと見ることができると思います。お天気のよい日は、ぜひ外へお出かけしてみてください ヘ(^o^)/

 春先は、色とりどり(^o^) うきうきですね。

 ひとはくでも、ゴールデンウィークを中心に楽しいイベントが盛りだくさん。是非ご家族おそろいでお越しください。

生涯学習課:やお  syao

 

被災された福島県の皆さんを応援しようと ひとはくが行っている子ども向けの自然素材を活用した体験活動など実施するため、今日福島へ向けて出発しました。

 

                                  s-P1090488.jpgのサムネール画像     

古谷主任研究員は、車で。忘れものない?

                

                                   s-P1090490.jpg

布施主任研究員は新幹線で。風邪、大丈夫?

気をつけて行って来てください。

すでに福島に到着している岩崎館長補佐とキッズひとはく推進室スタッフの清水さんと明日、合流します。

22日は福島県立博物館、明後日23日には郡山市こども総合支援センターニコニコこども館に伺う予定です。
アンモナイトの化石のレプリカを作成や近隣で植物を採集し観察していただきます。

 

子どもたちのたくさんの笑顔が見れますように。


                                                  小林美樹(キッズひとはく推進室&生涯学習課)


 

 4月20日金曜日 大阪の追手門学院小学校5年生のお友達がひとはくに来てくれました。
 あいにくのお天気でしたが、到着のあいさつの後、ホロンピアホールで三枝主任研究員による「兵庫県にいた恐竜」の特注セミナーを受講されました。

 その後は、ひとはくの展示をたっぷり見学して帰られました。


 晴れでも雨でもご利用いただけるひとはくへ是非お越しください。

 

syao

生涯学習課:やお

フロアスタッフ手作りの大きなスクリーンで動くデジタル紙芝居。

 

 

5/1(火)から、新作デジタル紙芝居

『丹波の恐竜 タンタンものがたり』を上映いたします。

 

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2006年に 丹波市の篠山川のほとりで発見された丹波の恐竜、

“タンタン”がこの物語の主人公です。

 

むかしむかしその昔、いまから約1億1000万年前のおはなし…。

頭が小さくて首としっぽが長い丹波の恐竜 タンタン。

背中にかたいヨロイを持つタンタンのお友達 ヨロイリュウくん。

こわ〜い肉食恐竜ティラノくんやカエルさんたちも登場します。

 

osowareru.jpgのサムネール画像

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また、3F丹波の恐竜化石展示室では4/28(土)から、

展示特別企画『丹波の恐竜化石発掘〜6年間の軌跡〜』がはじまります。

(展示期間:20124/28(土)〜20133/31(日))

 

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これまでの発掘調査の軌跡をたどるとともに、最新の研究成果や新たに発見された化石産地についてもご紹介します。

丹波の恐竜タンタンのモデルとなった恐竜化石も展示されています。

タンタンに会いにきてください!

 

デジタル紙芝居は、開館日に上映!

 

 

デジタル紙芝居 『丹波の恐竜タンタンものがたり
上映期間 :
5/1(火)5/31(木)予定

 

上映時間 :平日 15:0015:15/

                    土日祝(2回上映)11:0011:15 ・14:3014:45

5/6(日)のみ『たんぽぽレストラン』を上映いたします。

『丹波の恐竜タンタンものがたり』は上映いたしません。

5/6(日)、5/13(日)は、1100〜・1600〜 

 

上映場所 :3階アースシアター

  

(フロアスタッフ 松田)

 

人と自然の会は自然との触れ合いを通じてひとはくと連携して子供たちや来館者向けの普及活動をしています。

 

人と自然の会は平成24年度の新しい会員の方を募集しています。

自然が大好きな方、ひとはくを舞台に活動してみようと思われる方、ぜひ人と自然の会へご入会ください。

 

詳細は募集案内 をご覧ください。20120417omote.jpg

  申込用紙はこちら→  20120417ura.pdf

                人と自然の会

 昨年(2011年)5月におこなった「カブトムシの幼虫をそだててみよう!」でフロアスタッフが

育てたカブトムシ3匹のうち2匹が無事成虫になったことは以前このブログで紹介しました。

そして、その成虫を育てていたケースの中から卵が見つかって、ペットボトルで育てている

ことも、昨年の10月25日のブログで紹介しました。

 

その後の幼虫の様子ですが・・・

幼虫は順調に育っています。毎日ペットボトルのなかをのぞいて、時々霧吹きしているだけ

ですけど・・・(^_^;)

 

4月11日の幼虫さん。体の色が黄色っぽいです。 

 

s-2012041712580000.jpg                 s-2012041510480000.jpg

                  s-2012041510480001.jpg

       ホントに大きくなりました。たくましいです(*^_^*)

 

                   

          今日の幼虫さん♡

                     s-2012041713040001.jpg   

       体のまわりの土が少し湿っています。

 

立派な成虫になる日が楽しみです♪♪

 

                                                                                  フロアスタッフ ありむらむつこ

   

SATOYAMA

2012年4月15日
3月3日から開催の「みんなの福島展」、4月8日をもって、終了しました。

東日本大震災から、はや、1年が経過しました。
この1年、ひとはくは、標本レスキューやKidsキャラバンなど、さまざまな震災復興支援活動を行ってきました。
地震・津波に加え、原発事故に風評被害と、四重に苦しむ福島の人々。
「みんなの福島展」では、福島は私たちと同じ日本にあり、同じように人々が暮らしているという、ごくあたり前のことをお伝えしようと考えました。

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「ビッグパレットふくしま避難所記」写真展では、同名の書籍から、子どもたちの写真を中心に、ピックアップしました。当館での展示を快諾くださった同刊行委員会さま、ありがとうございました。

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巡回パネル展「放射線とエネルギーの科学」もお借りし、あわせて展示しました。原発事故で関心が高まっている「放射能」や「放射線」って何なのか、わかりやすく親しみやすい内容でした。

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「福島のミュージアムから」のコーナーでは、各館の職員さんの生のメッセージを、顔写真入りでお伝えしました。急なお願いにも関わらず、資料をご提供くださった館ならびにご担当のみなさま、ありがとうございました。

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「メッセージ交流ひろば」では、たくさんのメッセージが寄せられました。
「福ちゃん」が、温かいメッセージを促してくれたものと思います。

寄せられたメッセージの一部は福島の施設に展示され、お返しのメッセージも、たくさん寄せられました。

手書きのメッセージは温かいですね。
しばらくの間、3階オープンギャラリーに展示しておきますので、ご覧ください。見ている方も、心が温まります。
その一部はこちらのページでもご紹介しています。


私自身、今まで「人」を中心とした展示をしたことがなかったので(虫ばっかり)、今回の企画は、とてもよい勉強になりました。
諸々の事情で急ごしらえの企画であったにもかかわらず、快く協力くださった関係のみなさまに、厚くお礼申し上げます。

ひとはくでは、2012年度も、福島をはじめ、東北地方各地への支援活動を、引き続き行っていきます。


(八木 剛)

ユニバーサル・ミュージアムをめざして4

 

ことばの整理

 

 

 バリアフリー・デザイン、ユニバーサル・デザイン、そしてユニバーサル・ミュージアムです。似たことばが飛び交っています。中には「インクルーシブ・デザイン」という聞き慣れないことばが使われることもあります。なれない「ことばの海」にアップアップしているのは、わたしだけではないしょう。

 

 そこで、このよく似たことばを、わたしなりに整理しておこうと思いました。まずはバリアフリー・デザインから。

 

 

◎ バリアフリー・デザイン

 

 日本には、いわゆる「バリアフリー新法」という法律があります。もともとは、道路や公共の建物などをきちんと整備して、高齢者や障がい者が使いやすく、安心できるようにするくふうの事です。ひとはくも公共の博物館ですから、バリアフリー・デザインでなければいけません。ですから、ひとはくの床には段差がなく、エントランスホールには視覚障がい者のための触地図があるのです(さわれなければ意味がありません。触地図の前には、視覚障がい者のじゃまになるものを置かないようにしましょう)。基本的にバリアフリー・デザインというのは、「高齢者や障がい者が通行や居住がスムーズにできるように、障害となっているものを取り除く」ということです。

 

 

◎ ユニバーサル・デザイン

 

 バリアフリー・デザインも高齢者や障がい者が使いやすく、安心できるようにするくふうなのですが、バリアフリー・デザインには批判があります。それは、「高齢者にせよ、障がい者にせよ、特定の人に使いやすいデザインであっても、まわりの人にはかえって使いにくいことがある」というものです。たとえば、わたし(三谷)が作ったひとはくブログのページ:

 

http://hitohaku.jp/blog/2010/06/post_754/

 

は、コミュニケーション障がい者には読みやすいだろうが、普通の人には読みにくいという批判をいただいています(どんな批判だったかは、

 

http://hitohaku.jp/research_collections/no22pdf/HN22_06_43_51.pdf

 

の表2にくわしく書いてあります)。それを防ぐため、障がい者に限らず、みんなが使いやすくしようと計画したのがユニバーサル・デザインです。

 

 自分自身が身体障がい者であったアメリカ人のロナルド・メイスという大学の教員で建築家が、「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」をユニバーサル・デザインと呼んだのです。ユニバーサル・デザインは、障害がある人やない人、年齢、性別、民族や母語はどうか、人種はどうかなどにかかわらず、さまざまな人がいっしょになって、快適に使えるようにしようという考え方です。

 

 

◎ インクルーシブ・デザイン

 

 インクルーシブ・デザインは、いちばん新しい概念だと思います。発祥の地かどうかはわかりませんが、現在ではイギリスで広がっている運動のようです。「いろいろな人が使いやすいように」というのはユニバーサル・デザインと同じですが、ユニバーサル・デザインでは「いろいろな人が使いやすいように」するために、美的には劣るものになっていたり、自分は使いたくない・行きたくないと感じる場合があります。それを防ぐために、作り始めから高齢者や障がい者などいろいろな立場の人が、デザイナーなどといっしょになって計画し、みんなが美しい、あるいは、みんなが使いたいとか、行ってみたいと思うようなデザインを創造するという理念です。

 

 ユニバーサル・デザインはユニバーサルデザインの7原則に固執するあまり、「美的には劣るものになっていたり、自分は使いたくない・行きたくないと感じるものになっている」場合があるという批判です。ユニバーサルであっても、きれいなものやかっこいいものの方がいいですものね。

 

 ユニバーサル・デザインとインクルーシブ・デザインは、求めているものは同じですが、求め方には、少し違いがあるようです。

 

 

*「ユニバーサル・デザインの7原則」

 

どんな人でも公平に使えること

使う上で自由度が高いこと

使い方が簡単で、すぐに分かること

必要な情報がすぐに分かること

うっかりミスが危険につながらないこと

身体への負担がかかりづらいこと(弱い力でも使えること)

接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること

 

 

◎ ユニバーサル・ミュージアム

 

 そして、ユニバーサル・ミュージアムです。ユニバーサル・ミュージアムという言葉は、ユニバーサル・デザインから生まれました。元神奈川県立生命の星・地球博物館研究員の奥野花代子さんによると、それまでは展示ケースのガラスや車いすの視線位置などをまったく考慮してこなかった博物館だが、障がい者をはじめ、いろいろな人の使いやすさを考えて、生命の星・地球博物館ができたそうです。

 

 これとは別に、初代館長が視覚障がい者の梅棹忠夫さんが基礎を築かれた国立民族学博物館でも、障がい者、異なる民族、無国籍の人など、さまざまな人が研究者として在籍しています。たとえば座頭市流フィールドワーカーとして有名な広瀬浩二郎さんは、全盲の民族学者です。国立民族学博物館は、もともと異文化には理解があったでしょうが、館長が障がい者だと、館員の障がい者に対する理解も、こなれたものになっているのでしょうね。(わたしをはじめ)障がい者は、ある意味で「異民族」です。

 

 現在は「ユニバーサル・ミュージアム」を標榜する博物館(や美術館、図書館)が、あちこちにできました。人と自然の博物館は、今はまだ「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」いるのですから、道半ばと言えそうです。いろいろな来館者が訪れる博物館や美術館では、ユニバーサル・デザイン(やインクルーシブ・デザイン)が求められています。

 

 それに博物館には展示や展示の説明、印刷物、ネット情報などの、あれやこれやがありますが、人と自然の博物館ではこれらのユニバーサル化を考えなければなりません。

 

 わたしが、「ユニバーサル・デザイン(とかインクルーシブ・デザイン)」という言葉ではなく、あえて「ユニバーサル・ミュージアム」という、あまり聞き慣れない言葉を使ったのは、博物館に「ユニバーサル・デザインを考慮した道路や建物」と同じ扱いをしたのでは、(来館者はもちろんのことですが、館員も)あまり居心地がよくないと思うからです。

 

三谷 雅純

みたに まさずみ

 

       今年の桜の開花は ちょっと遅れ気味ですね〜

  でも 春が来た〜♪ ひとはくに来た〜♪♪〜 ♪〜

 

春のモビール

 1本の糸とピンクや青色の紙で桜のモビールを作りました。

女の子3人姉妹

 

おじいちゃんと一緒にチョキチョキ〜おじいさんとお孫さん

男の子ふたり

みんなのサクラ最高! 3人

 

 

 

 

 

    次回のうきうきワークショップは 

 4月7日(土)10時30分から4時まで

       4階ひとはくサロンにて

「きょうりゅうのジオラマをつくろう」です。

 みなさん きてね〜\(^o^)/

       フロアスタッフ ありむら・ おの

セミナー B02:マツバラン観察会のご案内

4月22日(日)に姫路市の北、旧新宮町嘴崎の屏風岩周辺でマツバランの観察会を行います。

午前10時にJR姫新線の東嘴崎駅集合、マツバランを観察し、本龍野へ移動、醤油博物館や鶏籠山を観察します。

参加費:500円

申込はこのホームページからできます。

psilotum.jpg

嘴崎の屏風岩に生えるマツバラン(新宮町指定天然記念物)

根も葉もない、茎だけからなる原始的なシダ植物です。

茎は原始的な分枝方法である、二叉分子を繰り返す。

(イチョウの葉の葉脈も二叉分子です)

他に、イワヒバ、ツメレンゲなども見られます。

この季節は、川沿いでクサソテツの新芽が採れるかも。

                   (再生研:藤井俊夫)

セミナー

B06: 山陰海岸植物観察会(春:2日間)の案内

セミナーガイドにも載っていますが、宿泊を伴い、申込期限も短いので、このブログでもお知らせします。

5月12日(土)、13日(日)の二日間にわたって、山陰海岸の春の植物を観察します。

 5月12日(土)13:00−17:00 JR竹野駅集合・解散

 5月13日(日)10:30−16:00 JR諸寄駅集合・解散

二日間で、参加費2000円です。(1日だけの参加は1000円)

宿泊施設は、各自手配をお願いします(紹介はします)

セミナーの申し込みはホームページからできます。

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竹野町の猫崎半島に群生する暖温帯性のムサシアブミ

対馬海流の影響を感じさせられる

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日本海側の福井県から鳥取県までの岩場に生えるタンゴイワガサ

(ミツバイワガサ):イワガサの変種で、海岸に見られる。

浜坂町諸寄の城山海岸で。           再生研:藤井俊夫

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展示のまえで体験をともなって、楽しみながら学ぶことができる「フロアスタッフと遊ぼう」に新しいプログラム「川でさかなつり」が加わりました。これまでのプログラムを大幅に改訂したもので、ちょうど川にすむ生き物と餌の関係を釣りゲーム形式で楽しむものです。

ちょうど昨年の8月頃から企画と準備をはじめて、1月末にキットが完成(全部スタッフの手作りなんです!)、2月にデモンストレーションを何度か行い、ようやく通常メニューとなりました。事前演習を繰り返し、うまく釣れなかったり、釣れすぎた部分を改造したりと、結構手が込んでいます。昨日のイベントは満員御礼で、定員に限りがあるため、釣りに参加できなかった子どもさんもいて残念、ごめんなさい。

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まずは、フロアスタッフの松田さんによるルール解説です。今回のプログラムづくりでリーダです。
展示の前で解説するのがポイントです。

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上の写真にあるような指令が書かれたカードを最初にもらい、餌となるカードを選んで釣り糸の先につけ釣る訳です。
指令カードにある魚をつるために、必要な餌を自力で選びます。餌には、フックや磁石などのカラクリがついていて、魚の種類と合致しないと釣れないようになっています。魚は種類ごとに上流から下流へと適地に配置されています。

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こんな感じで指令カードにしたがって釣って行きます。無事3匹つれると、ちゃんと釣れたか鑑定です。指令にある魚の種類は、ちゃんと上流〜下流に棲み分けていて、学習してないと効率よく探せません。

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なんとか大物が釣れました。ぜひ次は実際の川で釣りに行ってくださいね。

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最後は学習します。どうして、アユはアユで釣れたのか、外来種ってなに、そんなことを紙芝居で解説します。学習を後にまわすことで体験と知識が合致しやすくなります。

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展示スペースと隣接したところでのワークショップ・プログラムですので、まわりの標本や展示をみながらも発展的に学ぶことができます。餌が間違っていたり、魚を見分けられないと、子ども達はお父さん、お母さんにたずねることになります。そうすると、みんなで一緒に川の生き物について学ばざるを得なくなります。親子で学ぶための仕掛けも、このプログラムの特徴です。
おかげさまで、初日ですが、トラブルもなく大いに盛り上がりました。

川の魚には、外来種、絶滅危惧種(レアアイテム)、回遊魚などもあり、もう少し高学年の子ども達の団体来館のときには、環境との関わりを含めた発展プログラムも用意してあり、Questionに対してActするかたちのプログラムの基本形がなんとか完成しました。

当館の中期目標(平成24年度まで)のなかでの重点項目として、常設展示を使った演示と来館者とのインタラクティブな交流を促進するプログラムづくりが目標に掲げられていますが、23年度中に原型ができて、あと一年引き続いて実施したのちに見直しや改良をかけてゆきたいと思います。

 → 川でさかなつりのスケジュールはコチラ(うきうきカレンダー)をご覧ください!

(みつはしひろむね)






 

 

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