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2008年3月アーカイブ

春といえばサクラ。
では、サクラといえば何でしょうか。たぶんソメイヨシノを連想される方が圧倒的に
多いのではないでしょうか。ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンの自然交
雑または人工交配によって生まれた園芸品種であり、江戸時代中期〜末期に誕
生したと言われています。種子はできても正常に育たないため、挿し木や株分け
など栄養繁殖的な方法でしか増やすことができません。ですから、ソメイヨシノは
いろんな地域に植栽されていますが、実はそれらは遺伝的に全く同じもの、要す
るにクローンなのです(ご存知でしたか?)。
 
   
  
さて、話は突如かわって、ここからが本題です。ソメイヨシノは園芸品種ですが、
日本にはいろんな種類の野生のサクラが生育しています。このうち、今回は兵庫
県に自生する代表的なサクラ(バラ科サクラ属)をご紹介します。ソメイヨシノの花
見も楽しいですが、野生のサクラの花見もなかなかおつですよ。


1. エドヒガン
ソメイヨシノの母種。本州・四国・九州に広く分布していますが、兵庫県では大変
珍しく、兵庫県版レッドデータブックのCランクに指定されています。自生地は限ら
れていますが、妙見ケーブルや一庫ダムの周辺では比較的多くみられます。
花期は4月上旬〜中旬です。


2. ヤマザクラ
 県内各地の里山で普通にみられます。展葉と同時に花を咲かせるのが特徴で、
褐色の若葉と淡紅色の花の調和がたいへん優美です。
花期は4月上旬〜下旬です。


3. カスミザクラ
 県内に広く分布していますが、なぜか淡路島ではほとんどみられません。ヤマ
ザクラと同じく展葉と同時に花を咲かせます。ただし、若葉は黄緑色で花は白色
です。
花期はヤマザクラよりもやや遅く、4月下旬〜5月上旬です。


4. キンキマメザクラ
 本州の日本海側(兵庫県では但馬地域)を中心に分布し、蛇紋岩地帯に多いと
いう特徴があります。樹高は低く、5m程度にしかなりません。3月下旬〜4月上旬
に淡紅色の花を下向きに咲かせます。花は少なくて迫力に欠けますが、何ともい
えない風情があります。


5. ウワミズザクラ
ヤマザクラやカスミザクラに比べると数は少ないのですが、県内に広く分布してい
ます。サクラらしくないサクラで、花期(4月中旬〜下旬)になると、新しい枝の先に
総状の花序を出し、そこに白色の小さな花を数多くつけます。
その姿はまさに「白いブラシ」です。


                           石田弘明(自然・環境再生研究部)

春の虫

2008年3月29日

春の虫といえばギフチョウです.だいたいソメイヨシノが咲く時期に成虫が現れ
ます。早春限定でみられる事に加え、姿も美しく、それなりの生息環境が保た
れた場所にしか現れない事も人気の理由でしょう。ギフチョウは里山の虫です
が、山奥にも春の虫はいます。

ブナ林の代表的な春の虫は瑞々しいブナやミズナラの葉に見られるルリクワ
ガタの仲間でしょうか。ブナの葉は夏になると硬くて色も濃くなりますが、展開
直後は柔らかく、毛が多くモケモケです。人間が見ても美味しそうだったりしま
す。虫はそのような賞味期限にうまくシンクロして出現します。ノミゾウムシの
仲間も春は早めに現れ、展開しつつある葉に産卵します。
穴場はカエデの花です。あまり目立ちませんがカエデの仲間は大量に花を咲
かせます。遠目には樹全体がほんのり赤く見え、近づいて注目すると、ちゃん
と花が咲いています。そして蜜と花粉目当てに小さな虫がわんわんたかって
います。ハナアブやカメムシ、翅のあるアブラムシ、小型のカミキリ、ヒラタハナ
ムグリなど、虫だらけ。虫を食べる虫も来ています。中には「カエデの花で採れ
るがその他の生態は不明」というような謎の虫もいて、その虫と人類の接点は
今のところ春のカエデの花だけだったりします。

晩春に多い虫もあります。最近は「養老虫」として知られるヒゲボソゾウムシの
仲間がそうです。これもギフチョウなみに環境を選びますが、特定の植物との
つながりは弱く、郊外の針葉樹の混じった広葉樹林ならたいてい何種か見ら
れます。いる所にはワンサカいて、緑色に輝く軽快な姿がそこらじゅうに見られ
ます。
森から湧き出すように現れ、梅雨前には姿を消します。

(自然・環境評価研究部 沢田佳久)

芽吹きを待つカシワノミゾウムシ


比較的ハデなハウチワカエデの花

厳しい寒さから一転して春本番の暖かさになりましたね。
早春にだけ現れる虫たちも、順調に出てきているようです。

晩秋から早春にかけて現れる「キリガ」と呼ばれる蛾のなかまがいます。
やわらかな毛並みや上品な色彩から、人気の高い蛾です。キリガには、晩秋にだけ現れるもの、晩秋に現れてそのまま越冬し早春にかけて活動するもの、早春にだけ現れるものがあります。(※1)

JR「T田尾」駅は、山間にあって、灯火にいろんな蛾が飛んで来ることで、わりと有名な駅です。2008年3月16日(日)、キリガの採集に訪れた少年たち(※2)のようすを観察しました。



改札前。「二匹のディスタンス」(※3)風に、ならんでもらいました。かわいいでしょう。左:スギタニキリガ、右:スモモキリガ。


階段でしゃがんでいるのは、気分が悪いからではありません。蛾は地面に落ちていることが多いです。珍品が無惨に踏まれていて、ああ、なんてことを・・・と思うことあり。


蛾は、天井にはりついていたり、すき間にいたりします。ちょっとお行儀悪いですが、隅々まで見ることは重要です。


ええもん採れましたかー? 夜はさすがに寒いっすねー。という感じ。


スギタニキリガ 早春だけに現れる、キリガの中では大型の種類。普通種だけど、思わず見とれる美しさです。格調高いっすよー


自転車置き場の地面に落ちてたシロトゲエダシャク。メスは翅がない「フユシャク」と呼ばれる蛾のなかまです。フユシャクの中では最も遅く現れる種で、3月に見られます。薄い翅とふさふさのアンテナ(触角)が上品。


※1、3 「共生のひろば」第3号に掲載の「宝塚市武庫川渓谷と西宮市甲山のキリガ相」「二匹のディスタンス」を参照下さい。(現在印刷中ですので、配布およびホームページでの公開はしばらくお待ち下さい。)

※2 ひとはくのセミナー「ユース昆虫研究室」現役および卒業生(テネラル)の人たちです。ユース昆虫研究室オフィシャルサイトはこちら。過去のようすがごらんいただけます。セミナーはこちらからお申込いただけます(中学生限定。〆切:4月1日です)。

キリガの採集についてさらに関心がある方にはこちらが超おすすめです。


自然・環境評価研究部 八木 剛 でした。

第2次発掘で見つかった化石を周囲の岩盤ごと切り出し、セッコウで固めて
大小9つ塊にした後「プラスタージャケット」で覆って保護し、クレーンで吊り
上げ、トラックに載せ搬出しました。
そのプラスタージャケットの1つがひとはくのエントランスにやってきました!
エントランスに置いてあるのは、9つのうちの2番目に大きいものです。
4月20日(土)オープン予定の化石クリーニング施設「ひとはく恐竜ラボ」に
移され、慎重に岩石から取り出す作業が進められますので、さわることが
出来るのはそれまでになります。

「ひとはく恐竜ラボ」では、作業のようすを間近に見ることができるようになっ
ています。



(プラスタージャケットはセッコウをはがして、化石の取り出し作業をします。)




この機会にひとはくに来て、中に化石が入っている、このプラスタージャケット
をさわってみてください!


(エントランスホールに置いてあるプラスタージャケット)

滅多に体験出来ませんよ。
ただし、上に乗ったり、乱暴なことをするのはやめてくださいね。
※ 衣服が汚れるかもしれません。 ご注意ください!

工事のお知らせ

2008年3月 2日

4Fセミナー室付近の工事がはじまりました.
で工事中の貼り紙を見ると,なんとオトシブミさん登場! 葉を巻いている途中らしく,まさに「工事中」です.
よく見るとチョッキリさんのような気もしますが.

(昆虫担当 沢田)


※博物館は通常通り営業しています。

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