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 四階のひとはくサロンのところに大型キリギリス模型をつくるアイデアもカワ・チンである。しかも県立美術館の藤原義勝氏にりっぱな「白塗り大型キリギリス」に仕上げて頂く手筈も彼が調えた。そして、それを子供たちに好きな色を塗らせ、楽しい「巨大キリギリスをつくろう」(図5)にしたのもカワ・チンだった。

図5. 巨大キリギリスの色塗りをした子ども達図5.巨大キリギリスの色塗りをした子ども達


 この成功を「ぎっちょん君ハウス」の外壁ぬりにも採用した。こうした素早い運用・援用のスタイルは、生物の進化における常套手段で、最近はDNAの遺伝子セット(ツールキット遺伝子群)として理解されている。というのは、まあ、置いておくとして、とにかく矢継ぎ早に出てくるアイデア・即実行についていくのが精一杯というのが正直なところ。

 

 「ぎっちょん君ハウス」は筆者のアイデアだが、カワ・チンの素早い発注に仕様書も運用計画もついていけず、「箱物をつくってみたけれど」の典型例みたいになってしまった。鳴く虫の声を、思い通りの高さ・位置で出して、鳴く虫の聞き分け訓練や、聴き分けクイズに使用したかったのだが、そうするにはもっと高額のコントロール装置が必要だった。

 まあ、そんなわけで、「ぎっちょん君ハウス」以外は、大成功。それもこれも珍種カワヒガシギッチョン・チンゲンサイの活躍のおかげだったのだ。
 以上、<生態>の記載おわり。

 

 

自然・環境マネジメント研究部 大谷 剛

 

 

 

 (図4の鳴く虫ブラザーズ:左からカネタタキ・エンマコオロギ・スズムシ・マツムシ)

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