オオクチキムシの顔

2010年1月13日
マツ枯れのあと,被害木が切り倒され,丸太のまま放置されている状況をよく見
かけます.こういった丸太の樹皮下を探していくと,いろんな虫が見つかります.
小型のキクイゾウムシやキクイサビゾウムシの仲間を狙って探索していると想定
外に大きなカデやオオゴキブリやウバタマコメツキが出現してビビることもあり
ます.


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写真の虫は,こういった採集時に出会う虫の定番ともいえる,オオクチキムシで
す.見つけた瞬間に同定できてしまう,どちらといえばザンネンな虫です.せめ
て「良く似た近似種がいて…」とかいった謎の部分があればねぇ.

でもこの虫の表面の質感はほかの虫にはないものです.艶のないところはビロー
ドコガネ類に似た感じですが,よりしっかりした作りになっています.翅鞘の点
刻列がきちっとしているあたりが端正です.独特の匂いもあります.そういう意
味で冬の採集の風物詩的な感じがある虫です.夏は夏でよく見かけるのですが.


詳しく見るてみると,小アゴのヒゲが思いのほか立派です.先端の節が広がって
いて平たくなっています.味を感じるのか?匂いを嗅ぐのか?とにかくグルメそ
うな顔つきです.

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今日のプルプル3D,シロアリ

昆虫共生・沢田佳久
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