ひとはくの研究とは
ひとはくでは、共生博物学に向けた実践的な研究活動を行うために、総合共同研究、部門研究、個人研究という3区分の研究テーマを持っています。
総合共同研究は、県政課題等の解決・提言に向けた大研究テーマを選定し、原則として全研究員が共同で取り組む長期研究です。これまでに、武庫川流域の自然・環境をテーマに分野横断で取り組む「武庫川研究」や「公園都市研究」、「六甲山研究」などが行われ、成果の一部は書籍などにもまとめられています。部門研究はひとはくの研究部門毎に時代の潮流を探るためのもので、代表的なものとして「丹波の恐竜化石」「ワイルドライフ・マネジメント」や「里山管理」などがあります。 個人研究は、個性的な研究員の持ち味を活かすもので、その成果は学会発表などの学術交流はもちろん、セミナーや企画展をはじめ、あらゆる館の事業の源泉となっています。
最近では、丹波地域をはじめ兵庫県内で発掘された各種化石に関する研究が注目を集めています。これらの詳しい内容は下記のページをご覧ください。
恐竜化石等の情報
研究に関する最近のニュース
2020年(令和2年)のニュース
- 繁殖をめぐる競争へのオスたちの適応がメスの産仔数を増加させる複数の機構を、実験室内での進化実験により解明(令和2年12月) NEW
- 中濱研究員が12月23日(水)開催のバーチャル研究会「生物多様性のDNA情報学」に講演者として出演(令和2年12月) NEW
- 草原内の防鹿柵の設置により、植物と昆虫の多様性が回復する (令和2年12月) NEW
- 博物館と生態学(32)自然史標本の価値と情報をすべての人に (令和2年12月) NEW
- 大阪府にヒメミコシガヤは産しない (令和2年12月) NEW
- アリ擬態によるアリグモ属の捕食能力の制約 (令和2年12月) NEW
- 隔離強化が種認識ではなく棲み場所の好みによって生じる時により容易に種が共存する (令和2年12月) NEW
- あまりに、そっくりに化けると損もする-アリそっくりに擬態するアリグモ属が、擬態によって跳躍力や獲物の捕獲能力を低下させていることを発見(令和2年10月)
- 森のシカは、夏は落ち葉を、冬は嫌いな植物を食べて生きぬく-シカ糞の遺伝情報から、シカの食べる植物の季節変化を解明-(令和2年10月)
- 特定外来植物「ヒガタアシ」の日本への侵入経路を解明-原産地の北米東部から中国を経由した二次的な経路で侵入-(令和2年9月)
- 種内適応荷重:多種共存のメカニズム (令和2年9月)
- 地方公共交通分野へのソーシャル・インパクト・ボンドの導入可能性と運用スキームの提案 (令和2年9月)
- 育雛期間の進行に伴うアオバズクNinox scutulata japonicaの給餌内容の変化 (令和2年9月)
- マイクロカプセル化ワサビ成分のヒアリ燻蒸効果 (令和2年9月)
- 絶滅の危機に瀕したある日本淡水魚のddRADを用いた集団遺伝と系統 (令和2年9月)
- お花畑の保全は、植物多様性の保全につながるのか―文化的サービスと生物多様性の保全を両輪で推進するための計画―(令和2年8月)
- 篠山層群より発掘された獣脚類恐竜の卵・卵殻化石、ヒメウーリサス・ムラカミイのギネス世界記録への認定(令和2年8月)
- 140万年前のホモ属の卓越した技術を解明―エチオピア、コンソ遺跡出土の骨製ハンドアックスを詳細分析(令和2年7月)
- 自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える~生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存~(令和2年7月)
- 但馬地方に生息するニホンイヌワシの繁殖成功(令和2年7月)
- 絶滅危惧種ニッポンバラタナゴの保全に関する論文の出版および臨時展示の実施(令和2年7月)
- 篠山層群より発掘された獣脚類恐竜の卵・卵殻化石の記載論文の出版および臨時展示の実施(令和2年6月)
- 淡路島・和泉層群から発見された海鳥化石に関する論文の出版および臨時展示の実施(令和2年6月)
- 髙田主任研究員が令和元年度土木学会賞(論文奨励賞)を受賞しました。(令和2年5月)
- 書籍「外来アリのはなし」(編:橋本佳明 主任研究員)の出版(令和2年5月)
- マイクロカプセル化ワサビ成分を安全、簡便なヒアリ燻蒸・殺虫法に活用する研究成果の発表(令和2年4月)
- シカの侵入を防ぐ柵(防鹿柵)の設置は草原の植物や昆虫の多様性を回復させることを解明しました。(令和2年4月)
- 中瀬館長が令和2年度(第14回)「みどりの学術賞」を受賞することが決まりました。(令和2年3月)
- 「資料の管理と活用」ページを新設、新規技術の開発と社会貢献について記載します。(令和2年3月)
- ヒロハコモチイトゴケ種複合体の系統分類学的再検討によって判明した3新属(蘚類,コモチイトゴケ科)(令和2年3月)
- タンガニイカ湖に生息する、貝を産卵に使用するシクリッドの色彩変異(令和2年3月)
- ウスギナツノタムラソウ及び種内分類群の分類学的研究:レクトタイプ指定と新変種の提案(令和2年3月)
- 砂浜海岸における維管束植物の種数ー面積関係:海浜植物相の保全に向けて(令和2年3月)
- 遺伝情報を長期保存できる昆虫乾燥標本の作製方法を新たに開発(令和2年3月)
2019年(令和元年)のニュース
- 遺伝情報を長期保存できる昆虫標本の作製方法を新たに開発-「遺伝資源」としての昆虫標本を次世代に-(令和元年12月)
- わさび vs. ヒアリ:マイクロカプセル化わさび成分のヒアリ忌避剤としての有効性のベイトトラップを使った検証.(令和元年11月)
- 兵庫県南東部のアカマツ・コナラ二次林におけるカキノハグサの生育立地特性(令和元年11月)
- ハワイ諸島と台湾からそれぞれ見つかったオオタマコモチイトゴケ属Aptychellaの2新種(令和元年11月)
- 伊豆諸島固有種ニオイエビネと広域分布種ジエビネの自然交雑(令和元年11月)
- 聴覚失認者に認知しやすいチャイム音は存在するか―視覚刺激と数値計算の負荷による検討― (令和元年11月)
- 恐竜は群れで巣を守っていた! ~モンゴル ゴビ砂漠でアジア最大規模の獣脚類恐竜の集団営巣跡を発見~(令和元年7月)
- 小・中規模植物標本庫に適用可能な、簡便・低予算で最低限の画質を担保した植物標本画像撮影方法の開発 (令和元年6月)
- 海浜植物ウンランの海流散布の可能性 (令和元年6月)
- 自然系博物館における小さな子ども向けの日「Kidsサンデー」の設定とその初期効果 (令和元年6月)
- 岡山県に侵入した侵略的外来種アルゼンチンアリの防除に向けた、遺伝子型の同定 (令和元年6月)
- 近畿地方初記録の絶滅危惧植物、コツブヌマハリイ (令和元年6月)
2018年(平成30年)のニュース
- 中部ミャンマーの上部新生界より産出した長鼻類化石の新標本について(平成30年9月)
- 兵庫県新産のタマムラサキ(ユリ科)(平成30年6月)
- ヘスペロルニス目:最古の潜水鳥類の起源と進化(平成30年4月)
- 言語音の認識が難しい高次脳機能障がい者が理解しやすい災害放送とは?-肉声への非言語情報の付加に注目して-(平成30年3月)
- Function of nuchal humps of a cichlid fish from Lake Tanganyika:inferences from morphological data(平成30年1月)
2017年(平成29年)のニュース
- 東大阪市の街路樹における市民要望と空間的・環境的要因の関係性(平成29年12月)
- 瀬戸内海沿岸における海浜植物ウンランの保全・再生の可能性(平成29年12月)
- ヒメシロネとコシロネ(シソ科)の雑種形成について(平成29年12月)
- Sea-level variations during Marine Isotope Stage 7 and coastal tectonics in the eastern Seto Inland Sea area, western Japan. 海洋酸素同位体ステージ7の海水準変動と瀬戸内海東部地域の沿岸テクトニクス(平成29年10月)
- Vegetation zonation and distribution of threatened dune plant species along shoreline-inland gradients on sandy coasts in the eastern part of the San'in region, western Japan(平成29年6月)
- 子供を対象として蚊の採集と観察に関する実習の実践(平成29年6月)
- 日本産アキギリ属の分類学的研究:テリハナツノタムラソウの系統的位置とナツノタムラソウの多系統性について(平成29年6月)
- ボルネオ島熱帯林のアリ・シロアリ類の巣から排出される二酸化炭素量について(平成29年5月)
- 京町家を自然史博物館に~自然史レガシー継承・発信事業の試み~について発表を行いました。(平成29年2月)
研究テーマ
研究部門ならびに研究員の個々のテーマについては、下記の紹介ページをご覧ください。
![]() 山の中で発電機を回し、灯に集まる昆虫を採集しているところです。ブラックライトを用います。 |
![]() 「ミクロトーム」を用いて、木材標本の切片を切っているところです。 |
![]() 氷河時代からの環境変化を調べるため、数万年にわたる湿原の積物を、ボーリング調査によりサンプリングしています。 |
![]() DNA分析用サンプルを調製しているところです。 |
![]() 地層の堆積のようすを記載し、花粉などの分析用サンプルを壁面から採取しています。 |
![]() 里山の現状や変化をくわしく調べるためには、土壌や植生の調査が必要です。コナラの木の胸高直径を測定しているところです。 |