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ひとはく研究員の発表論文紹介(2019年)

小・中規模植物標本庫に適用可能な、簡便・低予算で最低限の画質を担保した植物標本画像撮影方法の開発

Simple but long-lasting: A specimen imaging method applicable for small- and medium-sized herbaria

2019年6月発行
著者: A. Takano, Y. Horiuchi, Y. Fujimoto, K. Aoki, H. Mitsuhashi, A. Takahashi
掲載誌: Phytokeys 118巻 1-14 page 2019年
内容紹介: 2012年に人と自然の博物館に寄贈された頌栄短期大学植物標本コレション25万点の整理を加速するため、2017年11月から標本画像撮影作業に取り組んでいる。アルバイトさんにも一定画質の画像が撮影可能なよう装置を工夫し、LEDライトで一定の光量を確保し、のちのOCRラベルデータ取得を想定し周辺部までゆがみの少ない画像を撮影できるカメラとレンズの選定を行った。現在1日平均571枚の標本撮影を行っており、2018年7月現在、7.4万点の標本撮影が終了した。

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撮影された頌栄短大植物標本


海浜植物ウンランの海流散布の可能性

Thalassochory potential of the coastal dune plant Linaria japonica

2019年6月発行
著者:黒田有寿茂・藤原道郎・澤田佳宏・服部 保
掲載誌:植生学会誌、35巻2号、117-124、2018年
内容紹介: 海浜植物の種子が海流や潮流によって散布されるかどうか(海流散布の可能性)調べていくことは、その地理的分布の背景や保全上の留意点を理解・検討していく上で重要です。本研究では、太平洋沿岸や瀬戸内海沿岸で減少している海浜植物ウンランの海流散布の可能性を評価するために、種子の浮遊能力と塩水接触後の発芽・出芽能力を調べました。その結果、ウンランはいずれの能力も備えており、長期間の海流散布が可能な種であることがわかりました。

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ウンランの花(左上)、若い果実(右上)
熟した果実(左下)、種子(右下)


自然系博物館における小さな子ども向けの日「Kidsサンデー」の設定とその初期効果

Setting of the Day for Small Children at the Museum of Natural History "Kids Sunday" and it's Early Achievements

2019年6月発行
著者:小舘誓治・高瀬優子・古谷 裕・八木 剛・高橋 晃
掲載誌: 博物館学雑誌(全日本博物館学会), 第44巻 第2号, 83-86 , 2019年
内容紹介: ひとはくでは、様々な年齢の方にプログラムを行っています。この論文では、月の第1日曜日を「Kidsサンデー」と呼び、小さな子どもとその家族向けの体験型のプログラムを実施していることを紹介し、その初期(スタートして3年間)の効果(未就学児の来館者数の増加など)について報告しています。

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「Kidsサンデー」での体験型のプログラムの様子


岡山県に侵入した侵略的外来種アルゼンチンアリの防除に向けた、遺伝子型の同定

Identification of the mitochondrial DNA haplotype of an invasive Linepithema humile (Mayr, 1868) (Hymenoptera: Formicidae) population in Okayama Prefecture, Japan, for its effective eradication.

2019年6月発行
著者: 中濵直之*, 前原 裕*, 瀬古祐吾*, 飯田恭平, 澤畠拓夫, 早坂大亮 (*同等に貢献)
掲載誌:Entomological News128巻、217-225、2019年
内容紹介: 生態系や人間活動に大きな被害を与えるアルゼンチンアリが岡山に侵入したのは2012年ですが、まだどんな遺伝子を持つアルゼンチンアリかは不明でした。アルゼンチンアリは持っている遺伝子によって、薬の効き方が異なっています。今回の研究から、アルゼンチンアリは"Japanese main"という遺伝子型を持つアリであることが分かりました。このタイプは狂暴である反面、フィルロニル殺虫剤が効きやすいとされていることから、防除への応用が期待されます。

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アルゼンチンアリ (瀬古祐吾氏 撮影)


近畿地方初記録の絶滅危惧植物、コツブヌマハリイ

Endangered species Eleocharis parvinux Ohwi, Newly discovered in Kinki district.

2019年6月発行
著者:藤井俊夫・織田二郎・レッドデータブック近畿研究会
掲載誌: 近畿植物同好会々誌.42号、29-32、2019年
内容紹介: ヨシ原で有名な淀川の鵜殿で、近畿地方初記録となるコツブヌマハリイを採集しました。コツブヌマハリイは、利根川の遊水湿地(渡良瀬遊水地)で発見され、日本固有の植物とされます。東北、関東、四国、九州で記録がありますが、近畿では初めての報告となります。ヨシ原の一画で、背丈の低い草本が生育している空隙地に一個体群が見られました。環境省の全国版RDBで、絶滅危惧II類に指定されています。証拠標本は、京都大総合博物館に収めました。

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コツブヌマハリイの花


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