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自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える~生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存~

自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える
生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存


1 概要

 山道真人(クイーンズランド大学生物科学科 上級講師)、京極大助(兵庫県立人と自然の博物館 研究員)、入谷亮介(理化学研究所数理創造プログラム 研究員)、小林和也(京都大学フィールド科学教育研究センター 講師)、高橋佑磨(千葉大学大学院理学研究院 助教)、鶴井(佐藤)香織(琉球大学戦略的研究プロジェクトセンター 特命助教)、山尾僚(弘前大学農学生命科学部 助教)、土畑重人(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)、辻和希(琉球大学農学部 教授)、近藤倫生(東北大学大学院生命科学研究科 教授)の研究グループは、個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が生物多様性の維持に貢献している可能性を、理論研究により明らかにしました。
 自然界において、なぜ多数の種が共存できるのかは、生態学における最大の未解決問題の一つです。生物たちが示す鮮やかな模様、求愛ダンス、鳴き声、巨大な角などは、配偶相手をめぐる争いには有利かもしれませんが、その種の個体数増加には貢献しないという意味で、種内に生じた「ムダの進化」と解釈できます。自然界に広くみられる「ムダの進化」によって、種と種の競争が弱まり、結果的に多種の共存が促進されうることを本研究では数理モデルにより明らかにしました。本研究の結果は、種間競争を重視する従来の見方とは対照的な生態系観を提案するものです。
 本研究成果は2020年7月9日23時30分に、国際科学誌「Trends in Ecology and Evolution」の電子版に掲載されます。

2 詳細

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3 論文情報

 (1) タイトル
  Intraspecific adaptation load: a mechanism for species coexistence
  (種内適応荷重:多種共存のメカニズム)

 (2) 著者
  Masato Yamamichi, Daisuke Kyogoku, Ryosuke Iritani, Kazuya Kobayashi, Yuma Takahashi,
   Kaori Tsurui-Sato, Akira Yamawo, Shigeto Dobata, Kazuki Tsuji, Michio Kondoh
  (山道真人、京極大助、入谷亮介、小林和也、高橋佑磨、
   鶴井(佐藤)香織、山尾僚、土畑重人、辻和希、近藤倫生)

 (3) 雑誌・号・doi
  雑誌:Trends in Ecology and Evolution
  号:35
  doi:未定

4 問い合わせ先

 兵庫県立人と自然の博物館 研究員
 京極大助
 電話:079-559-2001
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