夏休みももうすぐ終わるという時期,いつものようにクヌギやコナ
ラなどの樹をゴン!と蹴っても,もはやシロテンハナムグリやカナブ
ンが一斉に飛び立ったりすることもなく,カブトムシも終わっており,
クワガタが落ちればラッキーなほうです.
 代わりに小枝が数本パサバサ落ちてきてきます.小さな虫らきモノ
も数個落下して,ポツポツと音をたてて下草の中に.それが(たぶん)
ハイイロチョッキリです.

 深田公園には蹴れるようなポイントもなく,多くの場所で下草も落
葉もなかったりします.21日の夕方に「ふかたん」の下見をしていて,
コナラやクヌギの木の下に落ちている小枝をたくさん見かけました.
それぞれの小枝にはドングリがついています.ハイイロチョッキリが
ドングリに産卵し,枝ごと切り落としたものです.

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 ハイイロチョッキリは灰色というよりは黄土色の虫で,大きい♀で
は9mmに達する,日本産では最大級のチョッキリです.長い口吻が特
徴です.この口吻でドングリの殻斗の縁付近の薄い部分に穿孔して産
卵します.枝の切り落としもこの口吻で行います.
 ただ,低い所で作業していないと,虫そのものを見つけるのは難し
いかもしれません(成虫の写真↓は三田市内の別の場所で撮影).

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 この時期,クヌギにはクヌギシギゾウムシもいます.ただし,スズ
メバチには気をつけましょう.

昆虫共生・沢田佳久

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