オトシブミの標本撮影のために編集者とカメラマン(著者の一人でもある)が来館されました.来春出版予定の野外観察用のハンドブックの図鑑頁に載せるためのものです.

 二年がかりで作り貯めた「ていねい仕上げ」の標本を一匹一匹撮って行きます.撮影順に並べ替え,掃除して,ラベルを外して,レンズの下で角度を決めてライティングを変えて数パターン撮影,これと並行してパソコンにデータを打ち込んでラベルを戻します.

 なにしろ5ミリほどの虫なので小さなゴミずも巨大に写りこみます.顕微鏡下で筆で糸くずや細かい埃を取り除いて行きます.顕微鏡で見ていると,ついついモデルさんのポーズに不満が出てきます.触角の曲がり方が,とか.下手にいじると壊してしまうのでグッと我慢.
 もっとも時間がかかるのがこの掃除です.撮影パターンは事前に検討してあるので撮影自体はすぐ済むのですが … 日本産のオトシブミと葉を捲くチョッキリなどを撮るのに,けっきょく3人がかりで1日半かかりました. 撮影装置は企業秘密(?)なのでアップできませんが,沢田的には大変参考になりました.

自然環境評価研究部 沢田 佳久

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