まず、全員が黒い網のようなものをかぶってうろうろしている集団の写真(写真1)をご覧下さい。写真1,2を撮った八木主任研究員の感想は「めっちゃ怪しい集団」ですが、もちろん変なことをしているわけではなりません。単に被り物をしているのが「怪しい」だけです。この被り物がハチに刺されるのを防ぐ「面布(めんぷ)」という養蜂具と聞けば、そして、あたりをハチがぶんぶん飛んでいるのを見れば(写真2)、怪しくないことが納得されるでしょう。

写真1
写真1: 防御用の黒い網(めんぷ)をかぶって準備する受講生たち。


写真2
写真2: ハチが飛び交う中、巣の内部を観察する受講生。

 愛蜂家養成講座・初級(全4回)は、ミツバチを飼ってみようかと思っている人のために4/21に第一回を開講しました。今年から始めた講座なので、募集は10名としたのですが、受講申し込みは何と22名。私と同じ団塊の世代や蜂蜜が大好きな女性など、動機はいろいろですが、「愛蜂家」になってみようという人たちが集まりました。午前中に「ミツバチの基礎知識」の講義と、ビデオを見て、午後は購入したミツバチ2群を養蜂場に設置する実習と、巣礎づくりの実習をしました。

写真3
写真3: たくさんの働きバチに混じって複眼の大きい雄バチが見える。体もひとまわり大きい。

写真4
写真4: 巣室を覗いて産卵場所を探す女王バチ。赤くて黒い筋のない女王のおなかには卵のもとがいっぱいつまっている。

写真5
写真5: 木の葉にとまって一休みの働きバチ。怒らせないかぎり刺すことはない。

 名古屋の㈱養蜂研究所から届いたミツバチは元気で、雄バチ(写真3)もいたので、みんなにさわってもらって、雄バチに毒針がないのを実感してもらいました。スズメバチやアシナガバチの雄バチはつかむと「刺すまね」をするのに、働きバチにあまり似ていないミツバチの雄たちはいじくりまわしても刺そうとはしません。巣を見ていくうちに女王バチも見つかりました。おなかが赤くて働きバチの倍ほどもあるのですが(写真4)、頭や胸は働きバチのあまり違わなくて、多くの受講生はびっくりしていました。
 ぶんぶんと羽音をたてて飛び回っているハチにも、受講生はすぐ慣れて、「意外と刺さないですねぇ」と感想を漏らしていました。そんな中、一匹の働きバチが近くの葉上にとまったところを、写真3,4と撮影した受講生の吉田さんがパチリ(写真5)。よく撮れています。
 この講座は、5/26, 6/23, 8/20 とあと三回開かれ、その後9月からの上級講座に移っていきます。また、NPO人と自然の会・みつばち研究会のメンバーに協力頂いて、講座開催日の途中でもミツバチ群のお世話をしていって、ミツバチにどんどん慣れていって頂く予定です。  <大谷 剛 主任研究員>

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