米紋のキンカメムシ

2010年2月 9日
 休日に沖縄に行ってきました.ところが,低温で断続的に雨が降り風も強いと
いう最悪の天気 (ToT).しかも帰る直前に回復するという意地の悪さ (;¬_¬) 

 しかしけっこう幸運にも恵まれました.金武町の畑地をうろついていると路傍
に見た事のない美しいキンカメムシを発見.ノソノソした動きでしたので採集す
るまえに余裕で撮影もできました.そのときには風も弱まっていました.
 模様はある種のタマムシやフィリピンのカタゾウムシ類を彷彿させるデザイン
です.美しい.周りを探しましたが一匹だけでした.

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 キンカメムシは一般に大型で美麗,しかも日本でというか沖縄で見られる種類
はナナホシキンカメやアカギカメムシなどに限られていますので,カメムシのフ
ァンでなくても,知らない種なら「これはっ!」と思うのです.

 で,帰ってから正体を調べてみると,やはり日本のカメムシの図鑑には載って
ないやつです.ウェブで探すと,ありました.掲示板にありました.たぶん;

Scutellera amethystina

という種です.東洋区産で台湾にもいて漢字では「米字長盾椿象」と書くようで
す,「米」字模様のキンカメです.そういうふうにも見えなくはありませんが.

 掲示板での記述によると,2006年末に沖縄本島の名護岳と首里で相次いで発見
され,撮影されています.それ以降の続報はないようです.そのときの標本は残
ってないようなので,ひょっとしたらコレが日本初の標本かもしれません.

 もちろん,たぶん侵入種だと思われます.ヤンバルテナガコガネではあるまい
し,こんなに目立つ種が昔から棲息していて,人間がいままで気付かかずにいた
とは考えにくいからです.(キンカメムシには大移動して越冬する種もいるので,
自然分布や迷椿象の可能性もないではない)
 2006年(またはそれ以前)から継続して発生しているのか? すでに定着して
いるのか? そういった事が気になりますが,それもこれも,こういう「分かり
やすい種」での話です.誰も気付かないうちに侵入てしている地味な種が何百何
千倍もいて,それぞれ違った状況で「事態が進行」,ある割合で定着,蔓延して
いることが想像できます.

今日のプルプル3D

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問題のキンカメとゲットウにいるヨツメオサゾウムシ

昆虫共生 沢田佳久

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