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チビクチキウマ

2008年1月24日

 昨年5月に兵庫県初記録となるコオロギの仲間を篠山で採集しました。名前はチビクチキウマ。カマドウマ(竈馬:昔の台所の竈周辺に住んでいたので、この名前がある)の仲間で、森林の朽木などで見つかることが多く、体長が2cmと、この仲間では比較的小さいことから名づけられました。2003年に石川均氏によって学名が記載発表された新種です。原記載によると、従来の分布は本州(神奈川、長野、山梨、静岡、大阪)、九州(福岡、宮崎)から知られており、日本固有種。兵庫県からは生息が予想されていましたが、初記録となります。標高500-1,200mの森林に生息し、雌の産卵管が短く、上によく曲がるのが特徴です。5月23日に、ささやまの森公園内で植物調査中に1雌が採集されました。カマドウマ科は日本から80種が知られており、翅が退化し、後脚が発達するのが特徴で、体色も朽木や落葉に似ているものが多く、見つけるのが難しい昆虫です。
 日本にはバッタ、コオロギ、キリギリスの仲間が500種以上も生息し、近年の研究の進展により、その全貌が明らかになりつつあります。みなさんに馴染みの深いキリギリスもヒガシキリギリスとニシキリギリスの2種類に分けられています。

藤井 俊夫(自然・環境再生研究部)


 写真は2枚とも5年ほど前に公園内で撮影されたチビクチキウマの雄成虫(撮影:太治庄三)。

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