企画展「瀬戸内海のいまとむかし」の片隅に、石材として瀬戸内をわたった岩石を展示し
ています。日本列島で大量に石が使われた時期は3回あります。最初に多く使われたの
は石器時代で、硬くて加工しやすいものは石器として各地に出まわりました。そのひとつ
が香川県の五色台や屋島から採れるサヌカイトという岩石です。次に古墳時代になると、
古墳や石棺の材料に各地の凝灰岩類が使用されました。なかでも高砂市の竜山石(た
つやまいし)は「大王の石」として知られています。そして、戦国時代から江戸時代になる
と、城の石垣に膨大な量の石が使われました。その代表が大坂城で、瀬戸内各地の花
こう岩が集められました。瀬戸内海はこのような石の交流の場でもあったのです。

 これらの岩石の成り立ちや利用のされ方、見分け方などを、
9月16日(日)の展示解説、http://www.hitohaku.jp/education/open_seminar.html#03 
9月24日(月)のセミナーhttp://www.hitohaku.jp/education/07syousai/A14.html 
で解説いたします。

詳しくはひとはく手帖またはホームページをご覧ください。
先山 徹(自然・環境評価研究部)

写真1 屋島。高松周辺には屋島や五色台など、上部が平坦な山塊が分布しています。
このような山地の平坦な部分にサヌカイトの溶岩が分布しています。


写真2 小豆島の海岸に残された残念石。
瀬戸内の島々や沿岸の各地には大坂城築城のときに使われずに取り残された
「残念石」が見られます。
写真は1980年代の小豆島の海岸で、現在は公園として整備されています。
一つ一つの石に文化財の番号がついているのがわかります。

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