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博物館では、2月10日から5月31日の約4カ月間にわたって、「六甲山のキノコ展 〜
リアルな森の妖精たち〜」を開催しております。この展示は、兵庫県立御影高等学校、
兵庫きのこ研究会、当館との共同開催です。六甲山の修法ヶ原でとれたキノコ約80種
類、110点を展示しています。博物館が所蔵する「キノコ」の標本は、普通は干しシイタ
ケのように縮こまった形となり、生きていた状態とは似ても似つかないものになりますが、
今回は凍結乾燥や樹脂含浸、封入標本などによる特殊な技法を駆使して、できるだけ
生きている状態に近い形でリアルな標本に仕上げています。
展示を見られた方で、眼の肥えている人ほど、「どこの業者に作ってもらったの」なんて
質問される方がいますが、すべて、高校生と博物館スタッフによる手作りです。キノコ
好きの方だけでなく、博物館の展示用標本の作製技術に関心がある人にも必見です。

(写真1:ニセマツカサシメジ)


(写真2:サンコタケ)


この展示には、もうひとつの大きな特徴があります。それは、高校と博物館、市民団体
のコラボレーションです。標本の採集や製作、展示は、兵庫県立御影高等学校の第2
学年の総合学習を通じて実施したものです。


(写真3:採集の様子)

採集には、初夏、夏と秋の3シーズンにおいて、六甲山系再度公園(修法ヶ原)のキノ
コを調査・観察し、これらの活動やキノコの鑑定には「兵庫きのこ研究会」の方々の協
力を得て実現しています。高校、博物館、地元の専門家の3者が揃わなければ実現
できない企画でもあります。

展示を見て頂ければ、六甲山には、実にたくさんのキノコが生育していることがひとめ
で分かるかと思います。キノコを一同に並べて眺める機会はそうそうないのではありま
せんか。この展示会では、自然界では起こりえない風景、キノコの標本を一堂になら
べることで、生物多様性が織りなす不可思議な光景をお見せしたいと思います。


(写真4:企画展全景)


<開催の概要など>
展示コーナーは小さいですが、中身がぎゅっと詰まってます!

期間: 2009年2月10日(火) 〜 5月31日(日)
場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
観覧料: 無料(博物館観覧料が必要です)
主催・共催: 兵庫県立御影高等学校 ・兵庫キノコ研究会・
兵庫県立人と自然の博物館 
URL: http://hitohaku.jp/exhibits/temporary_old/2008/mini08.html#minikinoko
展示品についての詳しい解説は、これからひとはくブログで紹介してゆきます!

                                 三橋弘宗(自然・環境マネジメント研究部)

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