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カイコと生きる

2007年11月28日

昭和30年代、養蚕は貴重な現金収入で、田畑を耕す牛とともに織物の生産源

であるカイコはどの家でも見られました。また、地域でカイコの餌となる桑園をつ

くる必要があったことから、地域の繋がりを大切にした産業でもありました。

養蚕家屋も面白く、蚕棚、まぶし(カイコが繭をつくるために、段ボールで組んだ

小部屋です。)、暖房器具(養蚕には温度を一定にしておく必要があったことか

ら、暖房器具は必需品でした。しかし、これが原因で火事も多かったそうです)

など、様々な知恵が結集した空間を体験できます。そんなカイコが最近幼稚園

の環境学習で頻繁に用いられるようになってきています。カイコは子どもに伝染

する病気を持たない清潔な昆虫であること(逆に人間から感染することがあるの

で手洗いの習慣づけになること)、卵からマユ(蛹)になるのが約1ヶ月であり、

観察には丁度良い長さであること、織物や食材など人間の生活と密接に関わり

のある材料であることなどが、教材として有用である理由です。蚕1匹で1000m

以上もの糸を出すカイコを、学校やご家庭で育ててみては如何でしょうか?


嶽山 洋志(自然・環境マネジメント研究部)

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