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毎月かわるよ!江田コレクション展・第5回「多様なカミキリムシ」

第5回(10月)展示の予告動画を作成しました(2021/9/24掲載)




1 主旨(「多様なカミキリムシ」)

 「毎月かわるよ! 江田コレクション展」の第5回目となる入替展示では,江田コレクションの中から厳選した,様々な形・体色のカミキリムシたちを展示します.
 皆さんは,カミキリムシをご存知ですか? 細長い体に,非常に長い触角が特徴的なコウチュウの仲間です.長い触角が牛の角に見えることから,漢字では「天牛」と表記されることもあります.また,カミキリ「髪切り・噛み切り」の由来となった大きな上顎も特徴的です.しかし,世界から2万種以上が知られるカミキリムシの中には,このカミキリムシの枠にとらわれない奇抜で美麗な種がたくさんいます.今回は,選りすぐりの奇抜・美麗カミキリムシたちを展示します.
 今回の一押し展示は,テナガカミキリです.「道化師のカミキリムシ」の異名を持つカラフルな模様を持つ種ですが,最大の特徴は,カミキリムシのなかでも最長の前脚を持つ点です.特にオスでは,体長の倍以上の前脚をもち,他のオスから交尾相手のメスを守るのに使われます.その他にも,マルハナバチにそっくりなツマキホソコバネカミキリ,ケラにそっくりなケラモドキカミキリなど,風変わりなカミキリムシや,宝石のように美麗なホウセキカミキリの仲間など,多種多様なカミキリムシを厳選しました.
 奇抜な形態も美麗な体色も,それぞれ,環境に適応した結果ですが,全てが解明されているわけではありません.多様なカミキリムシには,まだまだ進化的なミステリーを秘めています.「多様なカミキリムシ」展示を通して,生物の多様性とその裏に秘められた進化的なストーリーに思いを馳せていただけたら,より楽しめると思います.

2 実施概要

 (1) 期 日:令和3年10月1日(金)~10月31日(日) 予定
 (2) 場 所:兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン・休憩コーナー
 (3) 展示物:カミキリムシ類 32種(標本 105点)

3 担当

 兵庫県立人と自然の博物館 自然・環境評価研究部 主任研究員 山﨑健史・橋本佳明

4 展示資料(一部)
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1)テナガカミキリ
中南米の熱帯地域に生息するカミキリムシ.カミキリムシの中でも,最も長い前脚を持つと言われており,オスは前脚を,メスへの求愛やオス同士の闘争などに用いる.体には鮮やかな模様をもっており,「道化師のカミキリムシ」と呼ばれることもある.
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2)オオキバウスバカミキリ
南米のアマゾン川流域に生息するカミキリムシ.上顎が非常に発達しており,体長に対する上顎の長さは,カミキリムシの中で最長と言われている.個体数の少なさから,生態については,分かっていないことが多い.その希少性から乱獲されることもあり,また,生息域の熱帯雨林の減少が,個体数減少の一因となっているとされる.
3)ケラモドキカミキリ
南米に生息する珍しいカミキリムシ.触角が長い,一般的なカミキリムシに比べ,非常に短い触角をもち,その名のとおりケラ(おけら)によく似た形態をしている.ケラ同様に,土中に潜る習性があり,ケラに似た形態は,収斂の結果と考えられている.
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4)ツマキホソコバネカミキリ
北アメリカに産するカミキリムシ.マルハナバチに擬態していると考えられている.捕まえようとすると,産卵管で,「刺す」真似をする.細かな毛が前胸背板に密集しており,それがライオンのたてがみを連想させることから,ライオン・ビートルとも呼ばれる.
5)ホウセキカミキリ
アフリカに生息する美しいカミキリムシで,現地では切手の絵柄にも使われていたりする.美しい外見とは裏腹に,現地ではコーヒーの木を食害する昆虫でもある.

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