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臨時展示「絶滅危惧種ニッポンバラタナゴの保全に関する論文の出版」

1 主旨

 ニッポンバラタナゴは日本固有の淡水魚ですが、外来亜種タイリクバラタナゴとの交雑が進み、純粋個体が激減しています。このため、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類に、兵庫県のレッドリストでもAランクに指定されています。兵庫県では、すでに本来の生息環境だった河川からは姿を消してしまっています。本研究では、兵庫県の人工環境である「ため池」に生息する個体が、純粋なニッポンバラタナゴに極めて近いことを、高い精度で確認しました。この研究成果は論文として、Conservation Genetics誌から電子版が出版されました。これを受けて、当館にて臨時展示を行います。

2 展示概要

 (1) 期 間 令和2年7月10日(金)~令和2年8月31日(月)
 (2) 場 所 兵庫県立人と自然の博物館 2階「水生生物の世界」展示室
 (3) 展示物 ニッポンバラタナゴの標本1点、論文1点、パネル2点
 (4) 参加費 無料(入館の際に観覧料のみ必要)

3 論文の概要
 (1) 表題
  英文:A ddRAD-based population genetics and phylogenetics
      of an endangered freshwater fish from Japan
  和訳:絶滅の危機に瀕したある日本淡水魚のddRADを用いた集団遺伝と系統
 (2) 掲載誌
  「Conservation Genetics」(査読付き国際学術雑誌)
  出版社:Springer Nature(シュプリンガー・ネイチャー)社、スイス
 (3) 執筆者
  高橋 鉄美 教授1、永野 淳 准教授2、川口 利奈 研究員2、鬼倉 徳雄 教授3、中島 淳 研究員4、
  三宅 琢也 研究員5、鈴木 規慈6、加納 義彦 教授7、鶴田 哲也 准教授8、谷本 卓弥 地域研究員9、
  安井 幸男10、大嶋 範行10、河村 功一5
  (1兵庫県立大学、2龍谷大学、3九州大学、4福岡県保健環境研究所、5三重大学、
   6千葉県生物多様性センター、7大阪経済法科大学、8大阪産業大学、9人と自然の博物館、
   10兵庫水辺ネットワーク)
 (4) 特筆すべき点
  • これまで純粋なニッポンバラタナゴと考えられてきた、全国19ヶ所から得られた139個体の遺伝子を解析した。
  • 遺伝子データは、次世代シーケンサーを用いて多くの情報を一度に得られる方法(ddRAD)で取得した。
  • データが膨大で一般のパソコンでは解析が難しいので、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)のスーパーコンピューターを用いた。
  • その結果、兵庫県内では神戸市北区大沢町のある池と、三田市のある池で得られた個体が、ほぼ純系のニッポンバラタナゴであることがわかった。
  • 神戸市では、地元(大沢町自治連合会、大沢町地域事務局)との協力のもと、ニッポンバラタナゴをシンボルにしたキャラクター「バラタン」を作成するなど、農産品のアピールに活用している。
【展示される標本の一部】
rosy-bitterling2020_photo1.jpg
4 担当

 兵庫県立人と自然の博物館 自然・環境マネジメント研究部 主任研究員 高橋 鉄美

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