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臨時展示「篠山層群から発見された小さなモンスター」

1 主旨

 2019年1~3月に丹波市山南町での大規模発掘調査により発見された小型脊椎動物化石について研究を進めたところ、モンスターサウリア類(ドクトカゲ類の仲間)で最古となる新属・新種であることが明らかになりました。この研究成果を論文にまとめ、Cretaceous Research誌(査読付き国際学術雑誌)に投稿したところ、このたび査読を経て受理・出版されました。
 本論の出版をうけ、当館にて臨時展示を実施します。

2 展示概要

 (1) 期 間 令和3年12月1日(水)~令和4年3月27日(日)
       ※令和3年12月27日(月)~令和4年2月7日(月)までは丹波市にて展示予定
 (2) 場 所 兵庫県立人と自然の博物館 3階 丹波の恐竜化石展示室
 (3) 展示物 上記産出化石1点、他参考資料数点、記載論文、パネル2~3点
 (4) 参加費 無料(入館の際に観覧料のみ必要)

3 論文の概要

 (1) 標題
  英文:A fossil Monstersauria (Squamata: Anguimorpha) from the Lower Cretaceous Ohyamashimo Formation of the Sasayama Group in Tamba City, Hyogo Prefecture, Japan
  和訳:「兵庫県丹波市、下部白亜系篠山層群大山下層より発見されたモンスターサウリア類(有隣目:オオトカゲ下目)の化石」

 (2) 掲載誌
  「Cretaceous Research」(査読付き国際学術雑誌:オランダを拠点とする多国籍出版社であるエルゼビア社が刊行)

 (3) 執筆者
  池田 忠広 主任研究員1,2、太田 英利 主任研究員1,2、田中 公教2,3、生野 賢司 研究員1,2、久保田 克博 研究員1,2、田中 康平 助教4、三枝 春生 主任研究員1,2
  ※1兵庫県立人と自然の博物館;2兵庫県立大学;3丹波市恐竜課;4筑波大学

 (4) 記載した標本
  一点:左歯骨化石(下顎の一部)
  • 発見地・産出層:丹波市山南町上滝・篠山層群大山下層
  • 記載された標本:左歯骨(下顎の一部)1点
  • 新属・新種のモンスターサウリア類(有隣目[トカゲ類]:オオトカゲ下目)として記載報告。(学名)モロハサウルス・カミタキエンシス(Morohasaurus kamitakiensis gen. et sp. nov)。学名の語源:属名のMorohaは日本語の「両刃(もろは):剣などで両側の縁に刃のついた状態のこと」、saurusは「トカゲ」という意味のギリシャ語に由来。種名のkamitakiは本化石が発見された場所の地名「上滝」に由来し、ensisは 「〇〇産の」の意味の語尾。
 (5) 特筆すべき点
  1. 2019年に丹波市山南町において実施した卵化石層の大規模発掘調査において、複数の小型脊椎動物化石が産出しており、その中に、ほぼ完全に保存されたトカゲ類の歯骨(下顎の骨の一部)の化石が確認された。
  2. 本化石について調査研究をすすめたところ、新属・新種のモンスターサウリア類である可能性が高く、モロハサウルス・カミタキエンシスと命名された。
  3. モンスターサウリア類はオオトカゲ類の1グループで、現生種は北中米に生息するドクトカゲ科の1属5種が確認されている。モンスターサウリア類の化石記録は乏しく世界で十数例しか報告されておらず、日本では初となる。
  4. 同グループの最古の化石記録は北米より産出している約1億年前(前期・後期白亜紀境界)のプリマデルマ・ネソビ(Primaderma nessovi)で、本種が発見された篠山層群大山下層は約1億1千万年前(前期白亜紀)の地層であることから、予察的ではあるが本種は同グル―プの世界最古、あわせて前期白亜紀からの初の報告となる。
  5. 本種の発見は日本及び東アジアにおける前期白亜紀トカゲ類相の高い多様性を示すものであり、あわせてモンスターサウリア類は東ユーラシア地域に起源する可能性を示唆している。
 【資料】※画像をクリックすると、拡大表示されます
標本写真 生体復元図
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4 担当

 兵庫県立人と自然の博物館 自然・環境評価研究部 主任研究員 池田 忠広


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