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トピックス展「北但層群産の魚類化石群標本」

1 主旨
 兵庫県豊岡市日高町万場に露出する層灰岩(火山灰に泥が混じったものが数ミリの厚さで何層にも堆積した岩石)の中には、以前から魚類化石が産出することが知られていました。1990年8月に万場で行われた工事にあわせて、北但層群化石研究会や近畿地学会有志の方々の協力のもと、魚類化石を含む長さ175cm、幅94cm、厚さ30cmにもなる大型ブロックの切り出しを行いました。この大型ブロックは、しばらく博物館に保管した後、当館に恐竜ラボが設立されたことに伴い、2016年1月から4月にかけて剖出作業を行いました。
 剖出作業は、層灰岩の底面に付着していた軽石の層を除去することから開始しましたが、層灰岩の層はきれいな一枚岩ではなく細かく割れた状態でした。そこで、細かく割れた小ブロックを位置関係を記録しながら取り出し、実体顕微鏡下で剖出を進め、パネル(長さ125cm、幅55cm)上に配置し直して石膏で固定し、展示用のケ―ス(長さ137cm、幅85cm、高さ109cm)にはめ込みました。なお今回使用した小ブロックは層灰岩のブロック全体の6分の1程度となります。
 剖出作業によってえられた個々の魚類化石の保存状態はあまり良好でなく、現状ではニシン科以上の同定は困難です。しかし、約1600万年前にニシン科魚類が繰り返し大量死し埋没した状態が層灰岩の中に保存されているのは、古環境を考える上で重要となります。将来魚類の同定が進めば、当時の魚類相を知る上でも貴重な資料となります。

2  展示概要
(1)期 間:平成29年10月28日(土)~平成30年1月8日(月・祝)  終了しました。
(2)場 所:兵庫県立人と自然の博物館 3階トピックス展示コーナー
(3)展示物:パネル、 万場産魚類化石(下の写真参照)

3 担当
兵庫県立人と自然の博物館 地球科学研究部 三枝 春生

4 展示予定資料(一部)
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万場産魚類化石



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