常木勝次博士 (1908年〜1994年)

常木博士は1908年9月12日に埼玉県に生まれました。1944年4月より1952年9月まで北海道大学で助手を勤め、同年10月より福井大学に教授として着任、1975年に定年退官されました。退官後は静岡県三島市に移られ、1994年2月2日にその生涯を終えられるまで一切の公職に就くこと無くご自宅でハチ類の分類学研究に専念されました。

博士が残された原著論文は400編にもおよびます。それらの多くはハチ類の生態と分類に関するものですが、鳥類の心理学的研究に関する論文も約10編著されています。ハチ類の記載論文は、1947年の朝鮮産ギングチバチ類と中国産セイボウ類に始まり1993年の日本産アリバチ類まで160編にも達しています。これらの論文でカリバチ類と労働寄生性ハナバチ類を中心とする1,426の新種と新亜種が記載されました。記載されたハチ類には、日本産だけでなく台湾、朝鮮半島、モンゴル、フィリピン、タイ、オーストラリアなどの種も含まれています。外国産のタイプ標本は、アメリカのスミソニアン研究所や英国自然史博物館など、世界各国の博物館に分かれて収蔵されています。一方、日本産のタイプ標本は、一部個人コレクションとして保管されているものをのぞくと、そのほとんどを兵庫県立人と自然の博物館に収蔵することができました。

(橋本佳明 人と自然の博物館)

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