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Kids(キッズ)サンデーにKids館長登場!
ユニバーサルミュージアム:さまざまな色覚−1
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●Kids(キッズ)サンデーにKids館長登場!

ゴールデンウィーク最終日の5月6日(日)、ひとはくではKidsサンデーが開催され
キッズ(小さな子どもたち)も参加できるイベントやオープンセミナーが
博物館のあちこちで一日中開催されました。

120506kidssunday (27).JPG  120506kidssunday (2).JPG  

 120506kidssunday (1).JPG

 

←大きなシャボン玉ができたかな? 

 

 

 

 

 

そしてKidsサンデーに合わせ、  「Kidsひとはく大使」の中から選ばれた16名が
一日だけの「Kids館長」になってお仕事をしました。

まずは今日一日のお仕事の予定を確認。
120506kidssunday (3).JPG

 

本物の館長室で記念撮影をしました。ちょっぴり緊張気味かな?
ニコニコ館長や女性館長もステキですね!

120506kidssunday (15).JPG 120506kidssunday (4).JPG  

120506kidssunday (14).JPG  120506kidssunday (16).JPG

 

 次のお仕事はいつもは入ることができない
研究室や収蔵庫があるバックヤードの巡回です。

120506kidssunday (5).JPG

 

 

「では巡回に出発しましょう!」

 

 

 

 

 

 

研究員が使う分厚ーい専門の本が並ぶ図書室で調べもの。

120506kidssunday (6).JPG  120506kidssunday (17).JPG  

 

「次に巡回していただくのはこちら、『収蔵庫』です。
 この扉の中には博物館の宝もの、『標本』が入っています。」             

120506kidssunday (19).JPG  「どきどき!わくわく!」

いろんな鳥の標本がいっぱい!

120506kidssunday (22).JPG    120506kidssunday(30).JPG

 「ちょっとこわいな〜」             「あ、大好きなヤマセミ!」

 

 ここは大きな荷物を運ぶ時に使う荷解き場です。

120506kidssunday (12).JPG

 

 

 

「この扉の向こうはどこだろう?」

 

 

 

 

 

無事に巡回は終了。バックヤードは異常なし!

最後のお仕事は・・・博物館の入口でお客様をお出迎え。
120506kidssunday (25).JPG  120506kidssunday (26).JPG

 「ようこそひとはくへ!」 「今日はキッズサンデーでーす!」

 

Kids館長のみなさん、お仕事お疲れさまでした!
今日発見したことをみんなに教えてくださいね!

かわいいKids館長も登場する
次回のKidsサンデーは、6月3日(日)です。
みなさまぜひ遊びにきてくださいね!

 

                             <キッズひとはく推進室 高瀬 優子>

 

 

 

 

 


 

キッズ , キッズひとはく大使 2012.05.08
 
●ユニバーサルミュージアム:さまざまな色覚−1

ユニバーサル・ミュージアムをめざして6

 

さまざまな色覚−1 

 

 

 もともと地球上のいくつかの動物では、4色型色覚とか、それ以上の色覚を持っている(今井啓雄,2012: 『新・霊長類学のすすめ』(丸善)という本の中の「ポストゲノム霊長類学」に載っています)のが普通だそうです。たとえばモンシロチョウの羽根は、われわれヒトが見ても白いだけですが、モンシロチョウ自身が見ると色が付いているのだそうです。ミツバチが紫外線を色として感じるというのも同じです。

 

 ところがほ乳類になると、大部分は2色型色覚になってしまいました。ゲノム解析という技術が進歩して、そんなことまでわかるようになりました。昔、イヌやネコは色覚のない、白黒の世界に生きていると信じている人がいたのですが、そうではありませんでした。

 

 別に言い方をすると、「昆虫は目に頼った生活をするものがいる」ということになります。でも、コオロギやスズムシやセミなどはよく鳴きます。「目に頼った生活をするもの」とは違うようです。視覚重視の生活をするモンシロチョウやミツバチと、聴覚重視と考えられるコオロギやスズムシやセミは、いったいどこが違うのでしょう?

 

 ひとつの違いは昼行性と夜行性ではないでしょうか? 昼間、やかましく鳴くセミは別ですが、視覚重視の昆虫は昼行性、聴覚重視の昆虫は夜行性と分けられるのかもしれません。それに、昼行性のモンシロチョウやミツバチは鳴きませんが、夜行性のコオロギやスズムシはよく鳴きます。鳴くものと鳴かないものとで分けられそうです。

 

 それでは、どうしてほ乳類は2色型色覚になってしまったのでしょう? それはたぶん、ほ乳類も夜行性が関係していそうです。夜、恐竜の足もとをすばやく動き回る生活です。鳴き声もあまり多くはありません。第一、夜はあまり色が見分けられないでしょう? 色の情報はあまり必要なかったようです。それよりも、匂いをかいで食物を探し、恐ろしい動物が忍び寄るのを聞きわけられるような敏感な耳が大切だったのではないでしょうか?

 

 でも、それなら、昼間活動するウシやウマは、どうして2色型色覚のままなのでしょう? ウシやウマは草の新芽や若葉が大好きです。草や葉なら、色は見えなくても、舌で触ったり、匂いをかいだりすればおいしい食べ物かどうかがわかります。肉食獣のヒョウやライオンも、さほど色に頼った生活はしてなさそうです。ほ乳類の生活 には、2色型色覚でじゅうぶんだったのかもしれません。

 

 その色覚が、霊長類になって3色型色覚になりました。中南米にいる新世界ザルは、オスとメスで色覚の異なる種類がいるので事情がちょっと複雑ですが、アジアやアフリカに住む旧世界ザルと類人猿――チンパンジーやゴリラ、オランウータンなどがいます――は、ヒトと同じ色覚です。ですから、人と自然の博物館の4階にある、フロア・スタッフの方がいるコーナーのそばにある京都大学霊長類研究所のチンパンジー・アイの描いた絵は、何となくヒトが描いた絵と同じに見えます。どうでしょうか?

 

ai_picture.jpgのサムネール画像 どうして霊長類だけが3色型色覚になったのでしょうか? わたしは果実が好きな霊長類だから、緑の葉っぱの中で赤い実がよく見えるように3色型色覚になったのだと信じていました。つまり、サルやホミニッド――類人猿とヒトを合わせたグループのことです――は、鳥のまねをして、赤い木の実がよく見えるように3色型色覚になったのだと思っていました。でも、本当でしょうか?

 

 

map_pangandaran.GIF Macaca_fascicularis.jpg 

 インドネシア、ジャワ島のパンガンダランというところに住むカニクイザルに、2色型色覚のオスが見つかりました。ヒトの血液型にA型やB型があるように、カニクイザルには3色型色覚が多いのですが、当然、2色型色覚もあります。色覚は「○○は○型色覚」という言い方をしてきましたが、正確には遺伝的な多型なのです。チンパンジーやヒトも同じです。このカニクイザルは赤い実を探すことができないのでしょうか? 実は、何の不自由もなく赤い実を取って食べているそうです。続きは、また今度書きます。(つづく)

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

ユニバーサル・ミュージアム 2012.05.08