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生き物の宝庫、西表島
ひとはく生物多様性体験ツアー「ファーブル生誕地南仏アベロンの生物多様性と世界最大の昆虫館ミクロポリス探訪」のお誘い―ここを訪ねる3つの魅力 その3:フランス町歩きの楽しみ
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●生き物の宝庫、西表島

南北に長い国土を持つ日本には、面積の割に多くの種の生物が生息しています。とりわけ屋久島の南、トカラ海峡と台湾の間に並ぶいわゆる琉球列島には、本土では見ることのできないさまざまな熱帯・亜熱帯性の生物が見られ、しかもその多くが、世界中でもこのエリアにしか見られないいわゆる固有種へと進化しています。たとえばカエルやイモリなどの両生類では、面積的には日本全体の1% にも満たない琉球列島に、日本全体の1/3 あまりの種が生息しており、しかもそのうちの8割近くが固有種となっているのです。

このような「珍しい生き物の宝庫」である琉球列島のなかでもとりわけ豊かな自然を湛えているのが、その南西端近くに位置する西表島です。琉球列島の中でも沖縄島、奄美大島に次いで3番目に大きなこの島(面積約289 km2)は、その面積の90% 近くを常緑照葉樹林におおわれた丘陵地によって占められています。こうした照葉樹林はその間をゆるやかに流れる、マングローブにふちどられた河川とともに、きわめてエキゾチックな西表島の景観をかたちづくっています。

ohta4-2.jpgのサムネール画像

                  (西表島の河口付近には東南アジアさながらのマングローブ林が発達

                                      写真提供:琉球大・熱生研・西表実験所/馬場繁幸氏)


西表島には、琉球列島に自然分布する唯一の食肉獣である固有種イリオモテヤマネコをはじめ、植物食で有視界飛行をする森林性のヤエヤマオオコウモリ、頭に冠羽があり琉球列島の猛禽中最大のカンムリワシ、日本最大のトカゲで他のトカゲやカエルなども食べてしまうキシノウエトカゲ、危険を感じると頭や手足をひっこめた甲羅にふたをしてしまうヤエヤマセマルハコガメ、卵を守りオタマジャクシに餌を供給するなどして世話を焼くアイフィンガーガエル、そして東南アジアから北上し定着した多くの蝶など、本土では見ることのできないさまざまな生き物の生活の場となっています。

ohta4-1.jpg

         (西表島の食物ピラミッドの最上位に君臨するイリオモテヤマネコ 

                                                   写真提供:琉球大・ヤマネコ生態研究グループ)

 

 

ohta4-5.jpg

(危険を感じると頭や手足を引っ込めたあと、ご丁寧にも甲羅にふたをしてしまうセマルハコガメ

                     写真提供:西表野生生物保護センター)

 

 

ohta4-3.jpg

           (干潮になると干潟に現われるミナミコメツキガニの群れ

                                                    写真提供: 琉球大・熱生研・西表実験所/渡辺信氏)

 

 

この7月には西表島を訪れ、照葉樹林内やマングローブ周辺から川の浅瀬、海岸の草地、河口の干潟に至るさまざまな生息環境で生き物を直接観察する「西表島の生き物の野外観察」を計画しています(詳しくはひとはく手帖をご参照ください)。わが国の生物多様性の高さ、生物相における地域差の顕著さを実感していただく、またとない機会となることでしょう。

 

ohta4-4.jpg                (西表島よりすぐ北に位置する鳩間島を臨む

                    手前には色鮮やかなサンゴに覆われたラグーン(礁池)が発達)

                                     

                                     太田英利(自然・環境評価研究部)

   

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●ひとはく生物多様性体験ツアー「ファーブル生誕地南仏アベロンの生物多様性と世界最大の昆虫館ミクロポリス探訪」のお誘い―ここを訪ねる3つの魅力 その3:フランス町歩きの楽しみ

ひとはくでは、「国際生物多様性年」の今年,生物多様性体験ツアー「ファーブル生誕地南仏アベロンの生物多様性と世界最大の昆虫館ミクロポリス探訪」を実施します。ひとはくブログでは,このツアーの魅力を紹介しています。今日は,フランスの町並み歩きの楽しみを紹介します。

 

  今回のツアーでは,アベロン県での宿泊地になるミヨーの町並み散策もミクロポリス館の案内で計画されています。ミヨーは,ローマ帝国時代に帝国の陶器生産拠点として作られた町で,由緒ある史跡や建物が多く残るフランス南部の古都です。また,町は,タルン川とドゥルビー川の合流点にあるため,ヨーロッパの絵画に見られるような美しい橋の景観が残されていることでも有名です。さらに,2004年には,タルン渓谷に世界一高い橋が作られ,観光スポットになっています。この橋はミヨー高架橋と呼ばれ,橋を支える主塔の高さはエッフェル塔や東京タワーより高い343メートル、橋の全長は2,460メートルもあります。日本からのフランスのツアーはたくさんありますが,めったにミヨーまで足をのばすツアーはないと思います。

 ツアーの経由地,パリでも半日の自由時間を設けています。お土産を捜してのウィンドショッピングも楽しいに違いありませんが,そのときには,ぜひ,パリの町並みにも目を配ってください。歴史ある町として,古い建物や景観を残しながらも,近代的な生活を可能にする工夫をいろいろな場所で見ることができます。さらに,最近では,環境問題へのフランスらしい取り組み方も町の中で見つけることができるはずです。たとえば,「Velib' ヴェリブ」の看板がかかる駐輪場。これは,パリ市がはじめたレンタサイクルで,市内には300メートルおきに750箇所の駐輪場が置かれ、1600台の自転車が用意されています。自転車を利用したい人は、自転車を借り、目的地近くの駐輪所に戻せばよいシステムで,24時間常に利用可能になっています。パリの大気汚染を減少させ,さらには古い町並みを保全し共存していくために,市内の自動車の数を減すのが目的です。日本ではあまり認識されていないかもしれませんが,フランスは,実は,ヨーロッパでは一番先進的な環境政策を進めている国です。政府は,2020年末以降に建設する一般住宅を含むすべての建物に太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電装置の設置を義務付け、それによって石油、石炭などの化石燃料の発電所での使用を事実上ゼロする目的を掲げています。環境への取り組みについて,まずはあるべき姿を国民に示し,その意識を変え、技術の進歩を促し,環境問題解決で世界の主導権を握ろうという姿勢は,ぜひ,日本の政府にも学んでほしいところですね。

 パリでは,フランス国立自然史博物館の見学も予定しています。世界三大自然史博物館のひとつで,世界に先駆けて生物多様性の展示をつくりました。パレードするようにならぶ動物たちの剥製展示など,生物多様性を絶滅種も含む7000種もの動植物標本を使って解説した展示コーナーは必見です。ひとはくのツアー「ファーブル生誕地南仏アベロンの生物多様性と世界最大の昆虫館ミクロポリス探訪」。この機会を逃すと,2度と体験することができないかもしれません。申し込み締め切りが迫ってきました。たくさんの方々の参加をお待ちしております。

yoshiaki4-1.jpg

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                          (自然評価研究部 昆虫共生系 橋本佳明)

 

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