◇ ミュージアムメイトの心に残る出逢い

 1月17日、兵庫県南部地震が発生してから、3階の常設展示 『上昇する六甲』のコーナーには、たくさんのお客様が興味深げに 集まられるようになりました。  そんな中、ある日私は、そのコーナーの前で、今回の大地震で恐 ろしい被災体験を実際にされた1人のご婦人と出逢いました。その ご婦人は、『上昇する六甲』のコーナーの前で、不安そうにじっと 立ち止まって展示を見ていらっしやいました。私は、そのようすを 見ていて、何だか声を掛けずにいられなくなり、お話させていただ くことにしました。そのご婦人は「家もつぶれてしまってねー」と、 私に地震の時に受けた痛々しい傷跡を見せながら、恐ろしかった体 験を次々と話してくださいました。この時、私は、地震の恐ろしさ を改めて知ると共に、このご婦人と貴重なお話ができたという満足 感で心がいっぱいになりました。このご婦人との出逢いで得た貴重 な体験をきっかけに、私は、ミユージアムメイトとして一方的にお 客様をご案内するだけでなく、お客様からの楽しいお話や豊富な知 識をどんどん教えていただきたいと思うようになりました。二度と お会いできないかも知れないお客様との出逢いを私は大切にしてい きたいです。(岡原 京子)

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Copyright(C) 1995,1996, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1996/01/16