タイプ標本とは?


ホロ・タイプ標本(完模式標本、基準標本)とは

ホロ・タイプ標本とは、生物の種や亜種名を定義する際にその材料になったオリジナルの標本です。この世に たった一つしかない標本です。他のものに例えると,長さの基準を決めるメートル原器のようなものといえる でしょう。生物の名前を分類学的に決定する場合にはホロ・タイプ標本を常に参照する必要があります。便宜 上、多くの人は種名を決定する際には、信頼の置ける記載(図鑑や検索表など)と比較して、同一と判断された 名を用いますが、これはあくまでも近似的な作業ととらえられます。正確には,実物同士を比較して,ホロ・ タイプ標本,あるいはホロ・タイプ標本と参照して同一と判断された標本-パラ・タイプ標本(副模式標本), レファレンス標本(参照標本)と一致しているかどうかで種名を決めねばなりません。従ってホロ・タイプ標 本やパラ・タイプ標本,レファレンス標本は永久に保存する必要があります。博物館の最も重要な機能の一つ は,この完模式標本を保管管理していくことです。

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