収蔵資料の中から

詳細で美しい植物画



 本館の四階にあるレファレンスルームには植物・昆虫・岩石などの各種の標本や図鑑類等を置き、一般来館者に種々の検索を自由に体験していただこうと考えています。その資料の一つとして、兵庫県下に特異な種を中心に彩色画と線画の植物画を置きます。花の構造の理解のため、花の解剖図なども描かれています。今回は二点の彩色画を紹介します。

 クリンソウ(左図)は栽培しやすいので、園芸店でも鉢売りされたり、各地の植物園などにも栽培されています。しかし、自生地は兵庫県ではただ一か所です。この彩色画は、その野生種の種子から代々栽培されてきた株がモデルです。 <田地川和子・画>

 チトセカズラ(右図)は、兵庫県の西播磨地方が分布の東限となっているつる性の植物で、社寺林や照葉樹林の林縁にみられます。花をつけた株はめったになく、また結実株はさらに少ないのです。したがってこの図は苦心の作なのです。 <小西美恵子・画>


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Copyright(C) 1998, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1998/03/27