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兵庫県立自然系博物館(仮称)準備室ニュース

No.5  1991.7.15



博物館の展示

「氷山の一角」という言葉は博物館の展示にぴったりです。博物館というと、多くの人は展示の内容を思い浮かべますが、展示は博物館の活動のごく一部でしかありません。「面白い展示」「楽しい展示」「ためになる展示」の下には、展示を担当した職員の日々の研究と大きな努力が隠れています。また、収蔵庫にある資料は、展示に使用した資料の何倍もあります。
 したがって、博物館の展示を漫然とながめるだけでは、博物館を本当に利用したことにはなりません。博物館の展示を通じて担当の職員の知識や研究資料を引き出す必要があります。また、生涯学習の場として、博物館が主催、共催する観察会、講座、研究会など積極的に参加する方法もあります。さらに、ボランティアとして博物館側に立った活動も可能です。
 博物館を利用する人々が、展示を博物館の活動の一角だと認識して、展示を隅々までみることだけに満足せず、博物館の秘めたる潜在能力をもっと積極的能動的に活用して下さるなら、博物館は旧態依然としていられなくなります。
 過去を少しだけ引きずりながらも新しい博物館へ飛躍しようとする意欲を、展示の一隅から感じて頂けるなら、未来への道はさらに開けていくのです。


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Copyright(C) 1998, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1998/03/27