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兵庫県立自然系博物館(仮称)準備室ニュース

No.3  1990.8.23



博物館と研究

 博物館の機能の一つに「研究」があります。研究機関というと大学だけのようなイメージがありますが、博物館もりっぱに研究機関としてやっていくことができます。しかし、その研究の内容は大学と違ってきます。
 博物館研究の重要な点は、「展示」と「普及」に向けて、各専門分野が有機的に結びつかなければならないという社会に対する責任があることです。
 一方、大学では、各個の研究者が自らの研究を推進し完結するということを基本にしています。これはこれなりに真理の探求につながっていきますが、異なる分野の研究者集まって相互に理解を深め、境界領域を開拓していくというのも新たな真理を見いだしていく上で重要なことです。
 地質、化石、植物、昆虫、動物、人間の居住環境…。これらに関する収蔵資料と博物館情報を土台とし、それを縦横に活用できる研究体制を確立していけば、おのずと展示も普及も生きてくるはずです。それぞれの専門家がどのくらい手を結びあえるか、私たちはここに「新しい博物館」を求めていきたいと考えています。


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Copyright(C) 1998, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1998/03/27