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展示の周辺

ため池の生物
〜2F 「種と系統」の展示から〜

 クイズなどに出てくるダーウィンは単に「進化論の人」ですが、正確には「自然選択による生物進化を考えついた人」というべきです。つまり、生物が進化することだけではなく、そのメカニズムが変異と選択であることを見抜いた人なのです。

 生物は植物でも動物でも親から子が生まれます。同じ親から生まれた子は似ていますが、多少の違いもあります。その多少の違いによって生き残れる可能性が微妙に違います。全部ではなく都合の良い性質をもった一部の子が生き残る、これを何世代も繰り返すと子孫はその性質を持ったものばかりになるというわけです。

 後の時代に遺伝や突然変異の現象が正確に知られるようになると、突然変異と自然選択を原動力とする生物進化の考えは、「ネオ・ダーウィニズム」とよばれ、広く受け入れられました。

 この「自然選択」を理屈で知るのではなく体感してみようというのが、博物館のゲーム「スーパーモスバード」です。このゲームの世界には緑と茶色の型の蛾がいます。プレーヤーが鳥になったつもりで雛の餌となる蛾を捕まえてくると、無意識のうちに目立ち易い型の蛾から採ることになります。結果的に目立ち難い型を生き残らせることになります。蛾は茶色い木の幹に止まっていることが多いので緑の型が見つかりやすくなります。

 三世代繰り返すと、初めの半々だった比率からかなり変わってきます。このゲームでは突然変異は起こりませんが、茶色型の頻度が増加するという変化、いわば小規模の進化が起こるわけです。

 一応ゲームですので、得点やランクがあります。ルール上の最高得点は150点ですが60点のAランクが出たら大したものです。80点以上が特Aランクで、これはめったに出ません。スーパーモスバード自体は博物館の専用コーナーでしか遊べませんが、ちょっとパズルっぽいパイロット版のSPX(Windows版、Macintosh版)は博物館のウェブサイトまたは直接下記のページからダウンロードして家でも遊べます。

http//www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/rsc/keitou/spx/dnld-spx.html

*現在このページは削除されています(2014/04/01)




(系統分類研究部 沢田 佳久)

スーパーモスバードのコーナー SPXの画面、右端のような蛾が4匹隠れています

















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Copyright(C) 1999, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 2000/09/20