ミュージアムメイトの『心に残る出逢い』


 「あっ!いたっ!」と天使のような笑顔で、近づいて来てくれる子、「いよっ!」「バイバイ」などと声を掛けてくれる子、視線を感じて振り返るとニッコリ立って居たりと、初めは挨拶をしても他を見て黙って行ってしまった子供さんにも、声を掛けていただけるようになりました。
 Mちゃんとの出逢いは、昨年9月の初め、小学校の団体様が到着された時です。その中に男性の介護者に付き添われた、障害を持つ女の子がいらしたのです。3階の入り口で怖い怖いと泣き続け、カウンター越しに差し出した私の手を強く握りしめ、館内に入ろうとしません。「動物さんたちが、Mちゃん、こんにちはって言ってますよ。」「ほら、可愛いお眼めでしょう。」などと話しているうちに、少しづつ中に入ることができるようになり、一時間程ご一緒いたしましたが、そのうちにテンの剥製の前に座り「今日は!今日は!」と何度も、何度も繰り返して言いながら、私の頭を押して、一緒に頭を下げるようにと首を振ったり、私を確認しながら中の方へ進んで行く姿に、『心は通い合うもの』ということを大変嬉しく実感いたしました。「サヨナラ」も言わずに、隠れるようにして次の持ち場に向かってしまった事がとても心残りでした。〔ごめんなさいね、Mちゃん。後で探してらしたそうですね。〕素晴らしい、『心』のプレゼント有難うございました。
 またのご来館を心よりお待ち申し上げております。

(文:中村美津子、イラスト:田中美香)  


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Copyright(C) 1998, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1998/01/23