◇ 新任のあいさつ   館長 河合 雅雄 

 若い人の理科離れということが、今大きな間題にな っています。その要因は複合的なものですが、一つは 科学技術の急速な発達により、大地も水系も大気も汚 染し、はては地球環境問題を引き起こしている現状か ら、自然科学への期待や希望が薄くなったということ があげられるでしよう。また、理科は難しくてわから ない、ということもありましょう。  理科の基本は、自然にひそむ不思議に驚き、知の楽 しさを知ることです。そして、自然と親しむことによ って豊かな感性を養い、いのちの尊さを知ることです。 自然系の博物館は、自然という無限の秘密を宿した花 園に導くえがたい案内人です。  科学は人類の幸福を実現するためにあるものです。 そして、自然と人が密着した共生の場を作るよき友人 としての役割を果たすことが切に望まれます。人と自 然の博物館は、そのことの実現を理念として作られた ものです。出発してまだ3年ですが、着実にこの理念 の実現に向かって力強い歩みを踏み出している姿に、 感嘆の念を禁じえません。前任の加藤館長をはじめ館 員の皆さんの情熱とたゆまぬ努力によるものと、かね てから敬服していました。  高い志をもった若々しい活力に満ちたこの博物館に 館長として就任する栄に意まれたことは、私にとって は望外のよろこびであります。博物館は夢のある所で す。21世紀に向けて、「思索し、行動し、提言する」、 社会に開かれた博物館をめざして、館員の皆さんと共 に大いなる夢を紡いでいきたいと思います。

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Copyright(C) 1995,1996, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1996/01/12