淡路島から関西初の恐竜化石の発見

概要

2004年5月、兵庫県洲本市の和泉層群(約7千万年前)から、ハドロサウルス科(ランベオサウルス亜科)恐竜の歯骨(下顎の骨)や頸椎(首の骨)などの化石が姫路市在住の岸本眞五氏によって発見されました。恐竜としては関西では初めての発見となります。今回の標本のうち、歯骨はそれに伴う歯列がきわめて良く保存されており、日本産の恐竜化石としてはトップクラスの保存状態のものです。

 今回の恐竜化石は、発見者による発見後、発見者や人と自然の博物館を含むグループが、共同で追加資料の発掘、クリーニング、同定などを行い、ハドロサウルス科恐竜のランベオサウルス亜科の一種であることが判明しました。

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発見された化石とその意義

分類:鳥盤目鳥脚亜目ハドロサウルス科(ランベオサウルス亜科)の一種
保存部位:歯骨(下あごの骨)とそれに伴う歯列、烏口骨(肩の骨)、頚椎、尾椎
時代:中生代白亜紀新世マーストリヒト期(約7千万年前)
歯骨の保存部分の大きさ:長さ53cm、高さ19cm
生存時の推定体長:約10m
学術的意義:
 日本における恐竜化石の産出はすでに20箇所ほどで知られていますが、それでもまだまだまれな出来事です。実際、関西における恐竜の化石の産出は今回が初めてです。また日本における恐竜化石の産出のほとんどは、歯や骨の化石が1~2個産出したといった程度のもので、今回の発見のように非常に保存の良い骨や歯がまとまって発見された例は、福井県、岐阜県、熊本県などで数例あるのみで日本では極めてまれなことです。

 また、ハドロサウルス科に限って考えると、これまで国内で産出したハドロサウルス科の化石は北海道小平町産の大腿骨と骨盤の破片、福島県広野町産の歯と頚椎それぞれ一個および同県いわき市産胸骨一個のみで、今回の淡路島産の化石は日本産のハドロサウルス科化石としては抜群に保存が良いものです。

 発見された恐竜は元来陸生のものなので、その死体が海に流れ込んだものと考えられますが、化石が発見された海成層に含まれる微化石(プランクトンの化石)からは正確な年代が推定できます。極東では近年、これまで知られていなかったハドロサウルス科の化石がいくつも発見されており、極東にハドロサウルス科恐竜の進化の中心があった可能性が指摘されています。こうした議論では正確な年代論が必要となりますが、大陸では花粉化石による年代決定が行われています。海成層に含まれる微化石による年代決定のほうが花粉化石による年代決定よりも正確である事が一般に知られていますので、極東におけるハドロサウルス科恐竜の進化に正確な年代尺度を入れる上で、淡路島産のハドロサウルス科化石は重要なものとなります。

恐竜発表資料集

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