ミニ企画展「淡路島の和泉層群北阿万層の化石調査」

 主旨
 人と自然の博物館の連携活動グループとして活動している兵庫古生物研究会は会員22名で、兵庫県内を中心に化石調査を行っています。本会は発足以来、主要事業として淡路島東部の和泉層群北阿万(きたあま)層の調査を定期的に行ってきました。今回の展示では、これまでの成果として、北阿万層の化石群を展示し、加えて、地層や化石産状についても公開します。
  北阿万層は今から約7000万年前の中生代白亜紀末に比較的深い海底で堆積した地層です。ここからは海生生物だけでなく、植物や恐竜といった陸上の生物も見つかり、会員によってアンモナイト、貝類、棘皮動物、甲殻類、魚類、恐竜を含む爬虫類などの多様な生物の化石が採集されています。北阿万層が堆積した中生代白亜紀末は現代型生物が増えてくる時期で、広葉樹の葉化石が多くみられる一方で、絶滅した中生代型生物も栄えており、パキディスカスのような正常巻きアンモナイト以外にもノストセラスやゾレノセラスといった異常巻きアンモナイト、そして絶滅した大型二枚貝であるイノセラムスや大型のカサガイであるアニソミオンなどもみられます。特にノジュールの中にきれいに保存されたエビやカニの化石は特筆されるものでしょう。
 北阿万層は主にタービダイトと呼ばれる海底を流れ下る土石流の末端の堆積物からできていますが、それらは砂岩と泥岩が繰り返す砂岩泥岩互層としてみられます。しかし、淡路島東側では特に泥岩層が厚く見られ、厚い泥岩層は比較的静穏な環境で堆積するので、堆積場は陸上や浅い海から流れ込んだ生物の遺骸が掃き溜りやすい場所であったと思われます。かつ、海底土石流の末端が到達して急速埋没が起こり、通常なら失われやすいエビやカニなどの化石もノジュールの中にきれいに保存されているのです。今後も会として継続的に調査を行い、白亜紀末の陸・海の生物相を徐々に明らかにしていきたいと思っています。

2 展示概要
(1)期 間:平成29年2月12日(日)〜4月1日(土)
(2)場   所:兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
(3)主 催:兵庫古生物研究会、兵庫県立人と自然の博物館

3 展示物
  北阿万層産出のアンモナイト、貝類、棘皮動物、甲殻類、魚類等の化石標本(展示ケース2台)
  解説・写真パネル(計5枚程度)
  
  北阿万層の露頭写真            ノストセラス(北阿万層の代表的なアンモナイト)  

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4 担当
  
兵庫県立人と自然の博物館 自然・環境評価研究部 研究員 菊池直樹

 
 
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