カマキリの季節

2010年11月24日

カマキリの季節ですね,かなぁ?

虫を探しながら歩いていると,よくカマキリに遭遇します.しかも眼が合うというか,睨まれるというか.今や草むら最強の虫なので堂々たるもの.蟷螂の斧の故事を思い出します.

カマキリのカマは,もちろん前の足,つまり前脚です.前の胸,つまり前胸全体が変形しているので,どの部分か考えてみると,すごさが分かります.たとえばカブトムシの前胸(♂だと小さいほうのツノがある部分)とくらべてみると,カマキリでは前胸全体が細長くなっていることがわかります.
また脚の根元の節,基節が長くなっています.カブトだと半分埋まった感じの部分が,カマキリでは長く,自由に動くのです.次の太くてトゲトゲが多い部分が腿節,その次のカマのように尖った部分が脛節です.その先には目立ちませんがフ節があります.カブトだと鎖っぽくて先にカギヅメが付いている部分です.

 

9429_pr2.gif ys_m9424.jpg 9431_pr2.gif

 

で,カマキリの前脚には模様があり,種ごとに違っています.ここに写真を上げた二匹はそれぞれちょと変わった個体です.
上のコカマキリは草地に多い種類で,たいてい暗い褐色(ちゃいろ)なのですが,この子は明るい緑色です.前脚の模様は褐色型と同じです.

下のハラビロカマキリは樹上に多く,たいてい緑色のなのですが,たま〜に褐色型の子がいます.脚には模様はなく,前翅の明るい色の点模様が目立ちます.これも緑色型と同じです.

 

6902_pr2.gif ys_m6916.jpg 6927_pr2.gif

 

カマキリは,たまご(正確には「卵鞘」,らんしょう)も見どころです.というわけで,カマキリの季節はまだまだ続くのであった.

昆虫共生 沢田

Copyright © 1995-2014, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo, All Right Reserved.