先日,むし社のクワガタ図鑑編集者の方々が来館されました.証拠標本の調査です.


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博物館の収蔵庫には過去の研究の拠り所となった標本(タイプ標本やその他の証拠標本)が多数保存されています.私たちが普段使っている図鑑などの記述も,元をたどれば誰かの研究や,その研究の根拠となる標本に基づいています.
収蔵庫に保管されている標本は,展示などの形では活躍していませんが,多くの出版物や二次的な情報の基礎を支えている点で,役に立っているのです.図鑑で名前を調べたとき,その種類は誰が,いつごろ名前を付け,そのとき見た標本がどこに保存されているか想像してみてください.学名あとに書いてある命名者(書いてない図鑑もあります)の名前がヒントになります.

日本のミヤマクワガタだと;
Lucanus maculifemoratus Motschulsky
と出ています.さいごの"Motschulsky"さんという人が名前をつけたらしいぞ,と分かります.どこの国の人で,いつ頃? その標本は今どこに?

クワガタ図鑑調査の成果については図鑑の出版をお楽しみに.

昆虫共生 沢田佳久



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