沼島のシダ植物

2007年12月19日

沼島(ぬしま)は淡路島の南方5kmほどにある周囲10kmほどの島です。
兵庫県の最南端で、兵庫県では唯一、中央構造線の南側になり、全島で、緑・紅・
白などさまざまな縞の入った結晶片岩が見られ、地質的にも興味深いところです。

 シダ植物の記録は少ないのですが、南方系のシダ植物があります。


(写真:ナンカイイタチシダ)

イシカグマ、ナンカイイタチシダは淡路本島にも分布しますが、沼島では全島に渡
ってみられます。
また園芸植物としてよく見かけるタマシダの県内で唯一の自生地もあります。

 また、島のはかつては湿地帯で、沼島の名の由来の「沼」がありました。


(写真2:デンジソウ)

1973年に水生シダ植物で四葉のクローバーそっくりのデンジソウ(田字草)が沼島
で採集されていますが、ここに生育していたと思われます。
デンジソウの胞子は地中で数十年は生きているので、デンジソウが復活するかもし
れませんが、あいにく池として深く掘られてしまったので、その可能性は低くなって
しました。

鈴木 武(自然・環境再生研究部)

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